Wonderland Seeker

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《Ride On The City》救星の明るい夜 Part27-最終回-

夜空を翔ける流れ星を、今見つけられたら何をお祈りするでしょう?
旅立つあなたと交わした約束、心の中にいつもあります。

眠れない夜には、あなたの声が聴きたいです。
私の羽のような朝日が来るまで語り明かしたい。
隣で夢中に話す横顔は、炎よりも輝いていました。

夢を追うあなたと、見守る私に、同じ星の光が降り注ぐ。
振り返らず歩いてほしいと、一歩後ろから見守って。
いつでも包んであげられる自分でいたいです。
つのる寂しさやジェラシーは、そっと隠して。

あの日から、時の流れがもどかしく感じ始めました。けど、
まばゆい星に想い重ねれば、強い愛へと変えていけます。
あなたが自分で歩んだ軌跡も、確かなものへときっと。

夜空を翔ける流れ星を見つけられたら、何を祈りますか?
どこにいたって、繋がっています。
あなたの言葉が胸にありますから……。

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千年彗星編Ⅲ


ファウンス

翼を折りたたむことが、怖い。
あなたの体温を背中に感じていたい。
このまま降り立ったら、消えていきそうで。
一歩ずつ、一歩ずつ離れていかないでほしい。
その一歩は、あなたにとっては何気ないことでも、
私にとっては…………。

アリス「グレアット?……目の前だぞ?」
グレアット「あ……は、はいっ!」

でも。あなたの使命を、あなたにしかできない役目を。みすみすと捨て去らせて、あなたが一度は守ったこの世界を、そっと燃えていく瞬間を、いっそふたりで見送っていたいだなんて……そんなわがままは、私には……。

アリス「グレアット」
グレアット「わかっています、すぐに降りて……っ」
アリス「お前がもしも悲しんでいるなら、一緒に泣いてやりたい」
グレアット「…………えっ…………?」
アリス「そのぶんだけ、喜んでいるなら一緒に笑ってやりたい」
グレアット「…………っ」

どうして。どうして、あなたはいつもいつも、私が欲しい言葉をかけてくれるの……?
ああ、いけない。零れそうになる涙を、炎の渦で乾かさなきゃ。

アリス「だから、お前がこれから先、道に迷ったのなら一緒に悩んで、一緒に歩んで、一緒にその先を乗り越えていきたい」

ああ。これ以上、火を強くしたらこの人を焦がしてしまいます。
でも、これ以上、火を強くしないと、涙が止められないよ……。

うゅみ「体で泣いて、心で笑えばいいのよぉ。迷ってるんだったらぁ、あたしも手を貸してあげるわよ、あんたらにぃ」

グレアット「うっ、うぅ……っ!ぐす、ぐすんっ!……ありがとう、ございますっ!」

~~~

ひとしきり涙を流して、雨が降りやんだ頃。
ボクは、流れ星こと千年彗星そのものに、声をかけた。

アリス「いい願い事は見つけられたか?」
ジラーチ「ぼくにとってはどんな夢や希望も、ただの願い事に過ぎないよ」

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うゅみ「あんたが起きてるってことはぁ、真実の目ートゥルーアイズーが醒めたのねぇ」
グレアット「トゥルー……アイズっ?」
うゅみ「万象の想いを具現化させるためのチカラよぉ」
うゅみが、ジラーチを指差す。
ジラーチの腹部には、絵本のような目が描かれてあった。

ジラーチ「あんまりじろじろ見ないの」
グレアット「はわっ、ごめんなさいっ!」

アリス「だったら、こいつを閉じさせればこの星は守られるんだな」
うゅみ「そう簡単にいかないわねぇ、だってこれから七日間この目はさまざまな想いと願いの結晶エネルギーを取り込むんだものぉ。大人しく七日後を待って自然に閉じるのを待つしかできないわぁ」

アリス「そんときにはもう遅いだろ」
グレアット「邪悪な念、振り払いますっ!」

ボクとグレアットの前向きなセリフに、うゅみは口を押さえてくすくすと笑った。
うゅみ「ほんと退屈しなくなったわぁ」
ジラーチ「ふふ。たったふたりが願ったくらいじゃこの星の人々が心の奥深くに棲ませている怨念や、やり直したい後悔とかの気持ちには届かないよ」

ーこちらエリカです。アリス、先ほどメタ・グラードンの捕獲に成功いたしましたわ。直ちに組織の総技術をあげて元のグラードンへと戻す措置を施します。あとは、あなたにかかっておりますわー

アリス「ふたりじゃ、ないさ」
ジラーチ「え……ここの近くから希望のエネルギーが感じる。ううん、近くだけじゃない。この地方のあちこち……カントージョウトのほうからも?」
グレアット「みなさん……っ!…………人々からの信仰が、私の力ですっ!私は民衆を導く神として、みなさんをお救いしますっ!」

うゅみ「くふふぅ。……それでこそ、伝説よぉ」

聞こえた気がした。いいや、耳に聞こえてくる。胸に響いてくる。脳に感じてくる。グレアットと同じくした立場の仲間たちの声が。ポケモンを従えし実力者たるトレーナーたちの思いが。善悪すらも超越して星を守ろうとするロケット団にアクア団、マグマ団の気持ちが。いま、ボクたちは繋がっているひとつの町なんだ。
そう、それは言うなればーーー

Ride On The City

ジラーチ「いま、彗星に集いし真実の願いは、この星の平和に結ばれました。この思いが一時的なものなのではなく、これから7日続けば。叶うでしょう、皆の笑顔!」

アリス「そんなに待たなくたっていいさ」
ボクは、懐中時計の形を模ったバッヂを出した。
グレアット「それって……っ!」

Start.ace
#Define outp (PC,0xD985)
/*駆動回路準備*/

アリス「さっきアジトの生体エネルギーをバッヂに流し込んで、この地方でも認識をズラせるようにしてやった」
グレアット「な、なんて背徳的なっ」
アリス「使えるものはなんでも使う、だぜ?」

うゅみ「ムードブレイカーねぇ。まぁそうゆうとこが面白いんだけどぉ」
ジラーチ「い、いったいなにを」

《アクセス認証ーーー完了》

アセンブラを世界とリンク》
《任意コード実行を発動します》
《本当によろしいですか?》

アリス「いいんだよ!本当の願い事ってのは、自分で叶えるもんだから!」

うゅみ「ふぅん。”””なかよし””"バッヂ、ねぇ」
マナ「その名が体現される時が来ようとは、なんともドラマ的だな」

うゅみ「あらぁ、あんた来てたのぉ」
マナ「いち女優として、この都合が良く出来の悪い物語の終幕を見ているだけに過ぎん」
うゅみ「す~っかり、板についたのねぇ」
マナ「所詮、私の逆襲も単なる復讐劇の舞台だったということだ」
うゅみ「そうねぇ。あたしたちキャストはただ渡された台本と、ときにアドリブを交えてカメラに魅せてるだけぇ。それを勝手に膨らますのは、いつだって観客なのよぉ
マナ「脚本を手掛けたのは、ほかならぬ主人公と旅人が気づくのはいつになろうな」
うゅみ「それを決めるのはぁ…………あんたたち観客席よぉ♪」

ーーーそして世界は、優しい光に覆われたーーー


千年彗星編END






~~~





ここは、あったかもしれないポケモンと人が共存する世界。
舞台は、カントー地方
もしも、主人公が悪の組織たるロケット団を止めなかったら。
~イレギュラー存在~それをロケット団が保護していたとすれば。
これはそんな願いを次元の太陽によって現実のものとさせた物語。






~~~

コガネシティ

 

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アカネ「みんなー!コガネの帝王・マサキが帰ってきおったでぇ!」
アオイ「緊急でラジオのスタジオ入らんとー!」
駅から出て、街に戻るなりものすごい喧騒が骨の髄まで響いてきた。

なんかマサキとかいう名前が聞こえてきたので、それでお祭り騒ぎってわけか。ボクも彼の運用しているパソコンから認識改変のプログr……じゃない、ポケモンたちを引き出しているのでそういった意味では頭が上がらない男だが、財団をもってしても一切の素性が明らかにならない闇の商売人として裏界隈でも有名なのであまり接触したくない人物なのだが。

アカネ「あ!アリス!どこほっつき歩いとったねん、もう町中大騒ぎやで、嵐や!嵐!明日は店じまいやわ、あの銭ゲバがハナダに帰るまで用心しとき!」
早口でまくしたてるアカネに強引に引っ張られ、自宅まで連行されてしまった。

アカネ
幼馴染。ダイナマイトプリティなコガネジムリーダー兼市長。
ラジオとう襲撃の際に財団の傘下にくだるも、持ち前の勝気な性格と経済への造詣が深さにより、ジョウト地方ではエリカ並みに高い権限を持った。芸能人でもあり、地元の友人であるアオイのラジオ番組のレギュラーも務めている。

アリス「もうこどもちゃうって」
アカネ「9歳がなにゆーてんの、ほら暗いんやさかい。ミルちゃんにも見張っといてもらわな」
ミルタンク「んもー♪」
アリス「ほんまかなわんな……」
アカネ「あ!あそこで立ってるんアンタの彼女ちゃうか?」
自宅のドアでそわそわと待っているグレアットを指さすアカネ。
アリス「ちゃうわい!」
即答。
アカネ「なんやつれへんなもー。グレアちゃん連れてきたでー!」

グレアット「あっ!アカネちゃんありがとうございますっ!」
アリス「はーっ……」
アカネ「はよ帰ってモーモーミルクでも飲んどき。ちゃんと寝るんやで」
アリス「オカンか!付き合いきれへんわ!」
グレアット「こ、コガネ弁のアリスさんっ……!はぅ~♡アリスさんお持ち帰り~っ♪」
むぎゅ~っと食い気味に抱き着いてくるグレアット。
アリス「持ち帰るもなにも、ボクとお前は家一緒だろが!」
アカネ「おもろいなーアンタら!ほななー!」
ミルタンク「モーッ!」
ただでさえ疲労困憊だというのに、余計に疲れがドッと出たわ。
明日はコインコーナーでスロット三昧して景品のケーシィ絶滅させてやる。

グレアット「アリスさんっ!」
アリス「んー?」

 


グレアット「おかえりなさいっ!」



その笑顔は夜空を明るく焦がし、永遠を確かに感じられた。


アリス「……うん。ただいま」





~~~




エリカ(……この方法でも叶いませんでしたわね。いいえ、次こそは必ずや)




~~~






シロガネやま上空

赤い赤いツバサの先、結んだ契り。
甘く甘く奏でる、鈴のシンフォニー、
ゴッドバード
言葉はもう要りません。
空を飛んで、夜を待つの。いつまでも、
風の音だけが二人のシグナル。

あなたとハネムーン。
祝福してる世界中がエキストラ。
永遠の魔法をかけて、二人紡ぐ絆の続きを。
Sulfura Story……。

アリス「いいのか?降りなくて」
グレアット「このままが落ち着くんですっ」

あなたの熱を感じられるから。
私だけが、独り占め。

アリス「巫女衣装に戻したんだな」
グレアット「ええっ」

この格好ならあなたが注目してくれる。
私だけを、独り占め。

アリス「この場所が好きなのか?」
グレアット「清浄なる霊力がありますのでっ」

ここだったら誰にも邪魔されない。
私だけに、神の祝福。

アリス「そういやこないだ、~~がまたさー」
グレアット「そうなんですねっ」

聞こえない。聴こえない。
私だけ、見ていて。

アリス「グレアット」
グレアット「はいっ!!」

何度も、何回でもリピートするの。
私のこと、呼んでくれた声を。

アリス「帰ろう」
グレアット「もうですかっ?まだ1時間くらいしかっ……」
私があんまり話せなかったから、怒ってるのかな。





アリス「カーテンコールは、もう終わりだよ」



その言葉が響いたとき。
私はーーーーーーようやく。



すべてを理解した











----------0xD11D----------

80  ……  D8  8C  50 ……  E6

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00

----------0xD12B----------

49

Return 0;










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宇宙 は バランス の 身だ         
そこに 深さとして の リズム がある。   

空間 が 速度 を 持つのであって    
光 が 速度 を 持つのではない。    

物質 は 光 を 目指し        
光 は 物質 を 生み続ける。    

生命 も 宇宙 も           
全体として 持続している。        

存在とは 直感 の 代名詞である。
言語 は 波動 の 定着である。

 

グレアットの手記より

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Next World……