Wonderland Seeker

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《Ride On The City》-硝子色の夕空- part29

薔薇の首輪つなげて、銀の鎖くわえて
今宵もひとり果てるあなたが憎らしい
跪いてお嘗めよ、苦い愛の雫を
天使に施す青いドレサージュ

自己と云う柩の中、魂はまだ動いてる
千切れた翅は月光に生き返り潤むわ
闇よりも怖いのは孤独……
ふたりの証、十字架の元で貪りませう


カルマ(時の彷徨を感じるじゃんね……さては鎖の封印が消え始めてるのか?)
リーリエ「きゃあ!カルマちゃん、あっちからなんだかダイヤモンドみたいに煌めく光がわたくしを呼んでいます!?」
カルマ「亜空を切るやーな音も聴こえてきやがったじゃんよ。あいつら相当やってんね……そっちへと渡りゃんせ!」

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ヒードラン、火孔ポケモン。十字のツメを食い込ませてマグマの壁や天井を這い回る獰猛性を持ち、鋼鉄のボディにはマグマのように燃え滾る血潮が流れている。その溶岩をもってして溶解できない物質は無いと言い伝えられていて、一度出会ったが最後、どんな生物だって蒸発してしまうことから忘れ去られた伝説となっているよ。
まさかそんなVIPをいちジムリーダーが保持しているだなんて、ポプラちゃんの居る地方は桁外れのレベルなんだろうね……。

ポプラ「女神ちゃんでもあぜんぼーぜんみたいやね!さあランコ、闘争心を溶かちつくちて!!!」
どうしよう、あの常識はずれな体温の前じゃビアンカの水技は当たる前に空中蒸発されちゃうし、メタルボディのおかげでビアンカが得意とするドラゴンとエスパーも含めてほとんどのエネルギーは打ち消されちゃう……!そうじゃなくても、ただでさえ連戦で体力をだいぶ消耗されてるもの。
チャリン、、、手首に嵌めていたバングルの摩擦音で閃きが走った、いちかばちかこのメガシンカに賭けるしかない!

ビアンカはメガバングルを開いて自分で自分にメガストーンの煌めきを向けると、メガシンカエネルギーが働いてみるみるうちに自身の姿が変化していった!
今立っているプラネタリウムステージの景観とマッチングして、きらきら流れ星がいくつも落ちてきたみたい。
メガシンカをしている間、どうしてか口から勝手に変身の呪文が零れてくる。

ビアンカスカイミラージュ
トーンコネクト

ひろがるチェンジ
プリズム!

きらめきホップ♪
さわやかステップ♩
はればれジャンプ♬

ふわり広がる優しい光!
キュアカノン♡


ラティアス葵カナン様より

ビアンカ(キュアカノンってなに!?ってゆーかめちゃくちゃ恥ずかしいんだけど!?それにセーラー服にメイクアップしただけじゃん?!)
メガシンカできた?のは嬉しいんだけど、魔法少女のアニメみたいなよくわからない変身バンクなんてさせられたし、このセーラーいつも愛着してるウェイトレス服よりもよっぽどひらひらしてて……動きやすい代わりになんか落ち着かないかも。

ポプラ「きゃ~~~わ~~~うぃ~~~イイ~~~~~~!!!!!!」
敵の筈のポプラちゃんってば手を叩いて大興奮しちゃったみたい、お客様にサービスが提供できたんだったら……良いかな?
試しにサイコアシストを体内で溜めてみると、花弁よりも軽い感覚でいつもの倍以上のマナがぐんぐんとチャージできてる気がして、まるで自分じゃないみたいだった!これがメガシンカなんだね……!

ビアンカ「身体が軽い……こんな幸せな気持ちで戦うなんてはじめて……!もう何も恐くない♬」

カノンはスカートの中からフリントロック式のマスケット銃を二挺抜き出して、引き金の部位を人差し指で支えるようにしてそれぞれの手で構えれば、ヒードラン目がけて何発もトリガーを引いた!
弾倉に込められている弾はカノンがミストボールで創り上げた代物で、羽毛のように軽くジェット機のように速く、一発一発にこころのしずくによる結晶エネルギーが施されているの。ヒードランは得意の這いずりで四方八方へ弾を避けていってるけど、この弾にはプリズムみたいに光を屈折させる能力があって肉眼で視認しているミストボールはどれも実際に見えている場所とは違う方向から飛んできているんだよ。
だからほら、ヒードランに無限の弾丸が当たっているでしょ?

ポプラ「ランコ!!」
ふつうの銃だったりただ直接ミストボールを撃つだけじゃヒードランに通用しない……でもこの武器はすべてのタイプエネルギー、言うなればオーロラエネルギーで構成されている上に本体が光だからヒードランですらも貫けちゃうよ。カノンの猛攻にポプラちゃんが気押されて、まともに命令を送ってあげる余裕すらなくなっちゃったみたい。もともと羽根になっていた背中からもマズルローダー式のライフル銃を装填する。ここまで来たら押せ押せドンドンだよ、全方位から発射するスタンバイをして決着をつけちゃうんだから!

ビアンカ「せっかくのとこ悪いけど、一気に決めさせて!!」

カノンの スターライトブレイカー

不思議……カノンが鳴らした霧の銃音が綺麗な音色になって耳に届いてくるの。ごめんなさいポプラちゃん、ヒードランエムリットさん。本気を見せちゃったらあっけなくクリア出来ちゃったよ。

solti ola i
amaliche cantia masa estia
e sonti tolda i
emalita cantia mia distia

a litia dista
somelite esta dia
a ditto i della
filioche mio
sonti tola

solti ola i
amaliche cantia masa estia
e sonti tolda i
emalita cantia mia distia

a lita della
maliche sonta dia
mia sonta della
i testa mia
testi ola
solti ola

solti ola i
amaliche cantia mia
dia, dia
ah…


あいてのヒードランの かみくだく

ビアンカ「え…………?」
きゅうしょに あたった!
こうかは ばつぐんだ!

身体が、軽い……?
血液がドクドク、ドクドク、流れていってる……?
感覚がなくなって、肌が焼け落ちて、
なにかが汗みたいに溶けていって……
ちからが……はいらない……。

ポプラ「ダメやよ。感情をコントロールできなくなっちゃ。それじゃ、ただの殺戮兵器になっちゃう……そんな未熟なキミに、赤い鎖は解かせられない。ましてや、ディア様とルキア様に会わせなんて……」

曖昧になる情景……朦朧とする意識……ポプラちゃんの讒言がうっすらと聴こえてくる……

えへへ、ビアンカにはまだ独り立ちは早かったみたい。
ごめんなさい……アリスちゃん、ギンノちゃん……それと

『妹の晴れ舞台に入る気はなかったんだが、曇り舞台のようなら俺が叱ってやる役柄として出演しないとならんな』
ビアンカ「……おにい…………ちゃん……?」
都合のいい夢でも見ちゃってるのかな?こんなところにお兄ちゃんが助けに来てくれる訳なんてないのに、ビアンカはほんとうにダメダメな甘えん坊さん……。

ポプラ「兄妹揃って試練に来るなんてうちはツイてるやよ!」
クオーレ「第二ラウンドと行こうか」

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-未開の森-

モンスメグ「シークレッツ☆デュアル!」
リナ「なんてでたらめな強さなんですか、もう!……信じられません、わたしこれでも地方髄一のジムリーダーとして看板を背負ってるんですよ」


拍子抜けしちゃった、未確認で進行形妖精さんから直々ミッションをご指名してもらえたからどんなドキムネが待ってるんだろ、って思ってたのに期待ハズレ。いまさら並みのトレーナーなんて相手にならないっちゅーの。
きっとこのぶんだとカノンちゃんとあーくんも同じよーなミッションしてるんだろーなぁ、あのふたりだったら超超超イイカンジの難易度かもね~、あーくんは腋が甘いしカノンちゃんは爪が甘いし、それにふたりとも調子乗るし?
だからさっさほいさと終わらせちゃって、メグが3本の鎖ぜんぶアンロックしに行かなくちゃ!

リナ「よそ見しないでもらえますか、最後の一匹に追い込まれてしまいましたが……この子であなたの意思の強さを見せてもらいます!」
モンスメグ「チャンネルはそのまま★」
リナ「きゃっほい!と一発やってみせましょうかね!」

リナは Eternatus をくりだした!

ムゲンダイナ@jORi様より


黒くておっきな積乱雲に見えたそれはよくよく凝視すればとぐろを巻いている身体の一部に過ぎなかったみたい、お胸にある宝石みたいなコアからここ一帯のエネルギーをみんな掃除機みたく吸い取ってってるのが分かる、だってこうやって眺めてるだけでもメグのエネルギーを勝手に奪ってきてるんだもん。ムカつくなぁ。
もっとムカつくのは腕前が足りてないくせにいっちょまえに使役していい気分になってるあのマジメちゃん。

リナ「ふふふ!わたしにこの子を出させたのはあなたがはじめてですよ、記念にわたしの新しい日記帖1ページ目を飾らせてあげます!」

あいてのムゲンダイナの ベノムチャージ!

触手の先からばっちぃヘドロが噴射され、メグがコンマ1秒前まで立っていたとこは毒液まみれに侵されていた。もし直撃していたら溶かされちゃってたかもね。でもでも残念ながらメグちゃんには、ばっちぃものをオートマティックで避けるようDNAに織り込んでいるのであるよ。なんて、ただ単に稲妻の速さで感知して動ける電気信号と乙女の勘を持ちあわせてるだけ。
じわじわエナジードレインされてるし、ガス欠になる前に分からせないとね!
メグは電気を帯びた
何十万もの円網を糸状にして造り出すと、雷嵐の中で輝かせてEternatusへと発射した!

モンスメグの テンペストスレッド!

リナ「そんな網、毒で溶かしなさい!」
テンスレは超電磁砲クラスの威力を誇る攻撃だけどね、幾重にも張り付いたメグお手製のエレキネットを剝がそうとしたときこそ真価を発揮するのだよ。
ムゲンダイナ「ギャメラァァァ!!」
ある糸蜘蛛の網はね、無理に抜け出そうとしてもがけばもがくほど、全身が締めつけられて神経が麻痺していっておいしくされちゃうのさ。じゃあ動けなくなったEternatusを3分でクッキングしちゃおっかな!
モンスメグ「フォトンランサー・フルオートファイア☆」
体の周囲に生成したプラズマの電導発射体から、槍のように飛び掛かろうとしたその刹那だった。

リナ「こうなってはしょうがないですね、奥の手です!
ムゲンダイナ、オーバーロード!」

マジメちゃんが星型の石を掲げると、Eternatusの色がさらなる紫がかった闇に覆われて周囲の時空が歪み始めちゃったじゃん!
どんどんオーラは増していってEternatusは巨大化していき、メグの作ったテンペストスレッドはぷつんと糸が切れてしまった。あわやピーンチ!?

ムゲンダイナ「ぐおおおぉぉぉっ!」
リナ「第2ラウンドですよ、ひゃっほい!」
モンスメグ「おバカさん……」

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クオーレ「ファーストエイド」

アルトマーレの水神様の化身そのものたるお兄ちゃんの回復魔法のおかげで、どうにか息は吹き返せたけどバトルを続行できるほどの元気は残っていないみたい。いつの間にか変身が解除されてて普段着のウェイトレス服に戻ってるのがメガシンカを維持する気力もない物的証拠になっているから……。
ビアンカ「ありがと……お兄ちゃん」
クオーレ「妹を案ずるのが兄だからな」

ポプラ「てぇてぇ……!!!!!!」
なんか敵の筈のポプラちゃんから拝まれていました。テスト中とは思うけどもヒードランも一緒になって真似してるし、たぶんもうちょっとだけおしゃべりできそう?
まずは気になっていた疑問をぶつけてみることに。
ビアンカ「どーやってここまできたの?」
クオーレ「お前はまだ幼いから教えられていなかったが……赤い鎖が在る聖域はシンオウとセトグ二の狭間にある曖昧な空間になっていてな、UMA七英雄のツテがなくとも俺やゴーレムのような唯一無二の存在足れば、案外遊びに来れるものだ。俺の場合はお前の異常をテレパシーで通じて飛んできたのさ」
わお!ものすごい説明口調で、まだぼんやりしてる頭でもすんなりと入ってきたよ。ということはビアンカたちは、UMAさんたちから特別に選ばれて運ばれてきたのかなぁ?それともういっこ、こっちはなんの気なしの質問。

ビアンカ「そいえばギンノちゃんは?」
いつも行動をともにしてるのに辺りを見渡してもあの独特な高貴な空気と高飛車な雰囲気が感じられないから、今日は別行動なのかな?とか此処に来れる権利がなかったのかな?とか勘繰りながら聞いてみた。
するとお兄ちゃんの顔色が青ざめていったの、なんの気なしに尋ねたはずの一言だったのに……その一言は鋭利なナイフに変身してしまったわ。
クオーレ「……ギンちゃん…………ギンちゃんは……」
その先は言いたくなさそうだと淀んでいく……。ずるっこかもしれないけどビアンカの持つ心理定規の能力を用いれば、お兄ちゃんから無理やり引き摺り出しちゃうことだって可能だけれども……。
そこまで察しの悪い空気が読めない妹なんかじゃないよ。
ビアンカ「ううん、お兄ちゃんが打ち明けられそうになったらこっそり教えて。ビアンカは離れ離れになったりしないから」
クオーレ「すまない」
謝らなくたっていいのに、お兄ちゃんは大人だからそのままビアンカの代理としてポプラちゃんと戦闘するために向き合ったわ。
頼りがいのあるその背中は、今だけはどこか切なそうだった……。

ポプラ「お兄様がうちとやってくれるんね、おおきに!妹ちゃん想いのその愛情でうちのランコに勝てたら、天体デート完遂っちゅーことで!!」
クオーレ「望むところだ」
お兄ちゃんはパッシブスキルとして、状態異常を瞬時に完治させるリフレッシュスキルと、映像として投影できる能力を応用したみがわりスキルに、ビアンカと同じでこころのしずくによる水神様のお加護を備えている。だから小手先は無力化できるし力任せな相手も受け流せるし、真っ向勝負になれば地力が桁違いで並大抵のポケモンは太刀打ちできない。とはいえ相手はあのヒードラン、それになぜかビアンカの攻撃が通じなかったんだよね……。でもお兄ちゃんはいつだってビアンカのことを守ってくれた無敵の王子様なんだから!

がんばって、お兄ちゃん!

クオーレ「お前の弱点は把握している、私怨はないが散ってもらおう」
クオーレの ガイアキューブ!
あれは陳腐な言いかえをしちゃえば特殊版じしん。炎・鋼のヒードランにとって天敵中の天敵と呼べるタイプエネルギー技が炸裂した!ビアンカは大地のエネルギーをうまく扱えないから、やっぱりお兄ちゃんは凄い。
でも次の瞬間、さっきまで霞んでいた目を疑いたくなったのよ。
それなのに何故か相手は微動だにしてなくてピンピンしてたの!
クオーレ「なん…………だと?」

さしものお兄ちゃんでも驚きを隠せてなくて、ポプラちゃんはしてやったりとした顔を浮かべて指示を送った。しかもその指示というのがあまりに的確だったからまたびっくりしちゃったの。
ポプラ「ランコ、さわいで!」

あいてのヒードランの さわぐ!

クオーレ「ぐぬぬ……!」
音波の攻撃は身代わりのビジョンを貫通してダメージを与えられるわざ。敢えて
イプ一致でもないこの技をヒードランが、それも初手に繰り出す状況なんてまずないから確実にポプラちゃんはお兄ちゃんのスキルを看破している!

ポプラ「意表を突かれた!ってフェイスしてるんね?ラティオスって割と有名人なんよ」
クオーレ「俺のことは履修済みということか、それはよかろうーーーだが!」
ビアンカ「それって!」
お兄ちゃんはロケットペンダントからこころのしずくよりもずっと濃い藍より青し色の宝石を取り出して自分に向かって翳してみせた、あれはひょっとしてメガストーン!?

クオーレ「俺にとっても未知数でな……文字通り秘蔵とシャレこもうか」
そうだよね、ビアンカにメガストーンがあるんだったら対となるお兄ちゃんにもメガストーンは存在するもの。どんな姿になるんだろ、わくわく!
メガストーンがDNAと反応してお兄ちゃんの身体は、水銀色に輝きだす。肌がビリビリと痺れるほどのエネルギーが放出されて、眩しく、目映く、麗しい光が一帯を覆い込んだの!

もっとだ、もっと……もっと!もっと輝けぇ!!

ラティオス@ろめん様より

ビアンカ「ほ、ほぇ……?」
ポプラ「ひゃわぁぁ~!」
精悍なイケメンオーラはどこへやら、青と白を基調としたオーソドックスなスポーツウェアと……すらりとした太腿を全部あますことなく魅せるブルマーの格好に身を包んだお兄ちゃんの姿がそこに映っていたの。
想像のナナメ上を行くメガシンカフォームに、お口があんぐりしちゃった。
クオーレ「ふむ……伸縮性に優れていて随分と動きやすい」
ビアンカ「そこじゃない!そこじゃないよ!?機能性よりもファッションセンスを気にしてあげて!!」
そのカッコじゃまるで女性みたいだよ。なんて率直には口に出せないけど、なんで平然と型にはまってるんだろう……血が繋がってるのにたまに分からなくなるときがあるんだよね。
ポプラ「パワーアップしてなきゃ意味ないぜー!ランコ、マグマストーム!!」
命令を下されたヒードランの胸部から、激しく燃え滾る灼熱のマグマが波のように押し迫ってくる!まともに浴びちゃえば骨も残らないよ、メガお兄ちゃんはどう対応するのかしら?

クオーレ「生まれながらに変な能力持っちまったが、こういう気分を味わえるなら悪くない。伝説の能力も悪かぁないな、そう思うだろ?ヒードランもォォォ!!」
こともあろうことかお兄ちゃんは生身一つでマグマを吐き出すヒードランに高速で突っ込んでいき、四枚から成る水銀の羽根を推進させて強力なESPエネルギーとドラゴンエネルギーが融合した拳で殴り込んで爆発させた!
クオーレ「衝撃のファースト・ブリッド!」

きゅうしょにあたった!
こうかは ばつぐんだ!

す、すごい……。モーション自体はただのパンチなんだけれども、パンチだからこそ格闘タイプとして運用されてるからお兄ちゃんからしてみればタイプ一致の増幅エネルギーながらも、ヒードランには結果的に弱点になっているんだ!
うん、すごすぎて説明がまとめられないや。
ポプラ「妹ちゃんと同じメガシンカを用いて、
妹ちゃんの為に愛情という最強の感情が込められた一撃!最高、最高やよ~~~!!!」
クオーレ「これでも全力を握りしめたつもりだったんだが、鋼鉄の堅さと溶岩の軟らかさを兼備したその堅持な肉体には届かないか」

テンションマックスなポプラちゃんと半ば呆れ混じりなお兄ちゃん、対照的な感情に挟まれてバイタリティ盛んな火孔の化身。固唾を飲んでその三者三様を傍観している限り、恐らくお互いに次の一撃で決まる。ビジョンを貫通できるヒードランが先か、お兄ちゃんがメガシンカパワーで貫通するのが先か……!

ポプラ「ランコ!クローズマグマナックル!!」
クオーレ「シェルブリット・バースト!!」

ビアンカ「お兄ちゃんがんばれーーーっ!!!」

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リナ「ムゲンダイナ!わたしの指示を聞いてちょうだい!!」
オーバーロードをして全長1000メーターにも巨大化したEternatusは精神が肉体を凌駕していて、リミッターが外れたようにコントロールを失っていた。
メグはそんな情けないトレーナーに肩をすくめてため息交じりに返してやった。
モンスメグ「過ぎたチカラは、綻びを失うの」
暴走していくEternatusを前に何もできずに立ちつくすマジメちゃんは、涙目でメグに訴えかけてきた。
リナ「……お願い。あの子を、止めてください……!」
その言葉は、このマジメちゃんがなんの悪意もなく、一端のトレーナーとして純心に溢した悲痛の叫びに聞こえた。だって、いい子じゃなきゃそんな言葉は出ないしメグに助けを求めないもの。
アリスちゃんだったら、無償でなんにも顧みずにみんなを助ける選択肢を即決しちゃうだろうな。

モンスメグ「リナの為でもアリスちゃんの為でもないよ。天上天下唯我独尊!メグがやりたいようにやるだけ☆」

~汝の欲する所を為せ、それが汝の法とならん~

ホウオウ(予の矢張り通り……彼奴は神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くものじゃったか)
レジギガス(大地が変わったこの震撼……!よもや神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くものだというのか……?)

モンスメグ「1体の異常存在がダイマックス状態としてデルタスキャンされています。以下の変更が図鑑ファイルの穴埋めのために行われました。
##No890はNo243に再指定されました##
注記。あなたはブラックナイトとともに制御され、在るべきガラルの隕石に還って監視下に置かれなくてはなりません。

そこに残ったのは、鎮静化されて大人しくなったムゲンダイナと、その子のトレーナーであるリナ、それと封印が解き放たれた赤い鎖だけ。
そして試練をクリアしたメグの意識は、アグノムの手によってどこかへ飛ばされていった。

ムゲンダイナはいい子だ、メグはいい子だ。
よくできました。

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リーリエ「タウンマップによるとここはシント遺跡らしいですね」
カルマ「ジョウトシンオウをリンクする不確かな空間じゃんよ」
スズラン「ふーむ、アルフの遺跡みを感じるわね」
リーリエ「そのお声は……スズランさん!?」
スズラン「あら!リーリエちゃん元気にしてた~!?」
カルマ「ご無沙汰じゃんね」
スズラン「セレビィ!あの節はベリーサンキュー!おかげで可愛い可愛い推しが出来ました~♬」
カルマ「ぺっ」
リーリエ「それにしましても、この中にはいったい何が眠ってるんでしょうか?」
スズラン「わたしなんかパールの光に導かれて来ちゃったんだよね」

カルマ「あ~?だったらもうクロじゃん、こん中にゃ七英雄ギラティナの従属がふたり……時空を司るディアルガと空間を司るパルキアがいるわな。この扉を開くにゃ赤い鎖を3本全部レリーズしたうえで金剛珠と白珠が必要。後者はいいとして、前者は……いまごろ例のバカどもがドンパチしてんじゃね」
リーリエ「例のおバカって……アリスさんのお仲間ですね?」
スズラン「素直じゃないなぁ~」
カルマ「うっせぇわ。お、開いてんじゃーん……おーい、ディアとルキア冷えてるか~?」
リーリエ「ま、待ってください!」
スズラン「ほらほらほらほら、置いてくよ~?」

-シント遺跡-
古代の伝説が交じり合う雪の壁迫る豪雪地帯。無から新たな生命の創造の現れ。


カルマ「どういうことじゃんよ?……ディアもルキアも祭壇に居らん……まさか何者かが先回りをして」

???「そのまさかよ。勝手はそこまで、あたしが成敗します!」

Part30へつづく!

読者よ。読んでいるのではなく、読まれていたのだ。