Wonderland Seeker

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《Ride On The City》-硝子色の夕空- part19

「ぜんぶ上手くなんていかない、簡単すぎたらつまらないから。目を閉じて風になる、きっと焦っちゃそこには行けない。WAKUWAKUしたいよ、ぼくらの夢は決して眠らない。新しい街でトキメク仲間探していくんだよ」

ロックの昔語りをきっかけに、シロナの手によって急速に状況が動き出した。手始めにもっと資料が欲しいからとアイスとスチルのふたりを研究材料として彼女の手に託された。ふたりともロックのためならと了承してもらえた、ベストフレンドだ。
そしてレジギガスが目覚めてしまってからでは遅いとはっぱをかけられ、エリカお姉様から許可と抱擁をもらったうえでボクたちはシロナ紹介のもと、はるばるホウエン地方まで足を運んできた。ガイドにビアンカも添えて。
メグは本場のコンテスト会場で旋風を起こしたいだの生ルチアとエンカしたいだのわがままほざいていたので、ことが終わったら連れていってやることにした。
てなわけで、ゆんの翼に乗ってロック思い出の地まで着陸してきたのである。

ハジツゲタウン
小さな畑がある農村。隕石研究のために集まった学者たちによって造られた。

アリス「限界集落?」
サイレントヒルといい勝負ができそうなくらい何もなかったのでうっかり口走ってしまった、なにぶん大都会タマムシの豪邸住まいなもので。
6号「なんてこというんですか!ああ、1000年経っても変わらないままで愛おしい」
ビアンカ「実際発展しようがないからね~」

オペレーターですらフォローできてなかった。というのも、ここハジツゲは土地柄の都合上大きい建造物を建てられないくらい土が柔らかく、よしんば建てたとしても学者のために造られている村らしいので誰も選り好んで来ないらしい。
ゆん「ロックちゃんっていくつなのかしら……」
グレアット「私の次に年長っぽそうですねっ」
モンスメグ「メグちゃんは生まれたてぴちぴちピッチ☆」
アリス「そうか、じゃあボクの妹だな」
モンスメグ「150歳、お姉ちゃんです」
ビアンカ「はーい、お姉ちゃんたちこの旗についてきて」
パタパタとフラッグ片手に引率するウェイトレスの後ろをついていくと、これまたロックの回想でチラッと出てきたりゅうせいのたきに辿り着いた。

モンスメグ「ミツボシ☆☆★パッて弾けて飛び乗ってYOU SAY!」

アリス「なんか観光地になってね?」
あたりを見渡せば、キャンプファイアーの準備をしている集団だったり、ピクニックに来ている学生の姿などが散見された。
6号「人々の憩いの地になっているのならそれもまた一興です」
ビアンカ「スクールの林間先にもなってるよ♪」
スクールといえば、ボクは物心ついたころからエリカお姉様とかマユミちゃんとかのもと身内だけで勉強をしてきたからそういった施設に入ったことがない。だからリーリエの立場がちょっとだけ羨ましくもあるなとしみじみしながら、洞窟の中に入ろうと思ったらストップがかけられた。
モンスメグ「アイドリングストップ☆」
グレアット「アリスちゃん、さぁこれをっ!」
ゆん「一か所たりとも油断させないわ!」
三人から岩の物陰に連れてこられてグレアバリアー展開のもと全身お肌ケアのお時間がやってきました。コットン化粧水やら日焼けクリームやらされるがままに塗られていくあいだ、何の気なしにお空を眺めているとマダームやボーボーといった大団円側の野生が飛び交っていたりしており噂は本当だったのだなと実感した。
ニット生地のボーダーラインセーター&キュロットスカートに生着替えされて山ガールコーデを決めたところで流星の滝へと突入!

-りゅうせいのたき-

洞窟の中は水中鍾乳洞となっており、ベルホールやヘリクタイトが数多く見受けられる幻想的なコントラストを彩っていた。
ゆん「綺麗ねぇ……」
グレアット「避暑地にしたいですねっ」
こちら素直に感動している勢。
6号「なんだか無性にうずうずしてきました」
モンスメグ「FANBOX限定自撮りにしよ☆」
こちら欲望に躍動している勢。
ビアンカ「観光ツアーじゃないよ!ほら、地下に里があるから行くよ」
アリス「真面目な堅物め」
一般公開されているのはこの地上部分だけであり、ここの段差を降りていくと足元が整備されていない険しい山道へと大変身してしまった。足が痛くならないようにとゆんにお姫様抱っこしてもらいながらズンズン地下深くへ進んでいくとそこには流星の里と呼ばれる集落が広がっていた。
その禁足地へと入るやいなや、マントを羽織った女性に呼び止められてしまった。
???「誰だい!」
アリス「シロナの紹介で訪れてきた、アリスだ」
ゆんに降ろしてもらい、しゃなりしゃなりとメンバーの先頭に立って挨拶をする。その女性はバラバラに切り揃えられたおかっぱショートヘアで、竜のしっぽの形に切り込まれたマントの下には黒いタンクトップとベージュ色の短パンにニーソックスとスニーカーというラフながらも非常に動きやすい格好をした軽装をしており、褐色っぽい肌には精悍な顔つきが印象深く残る風貌をしていた。

ヒガナ「へえ~キミがアリスね、わたしはヒガナ。さすらいのポケモントレーナーだよ。宇宙に思いを馳せる、ね」
勝ち気そうな表情と目つきとは対照的に大人しい口調で自己紹介をしてきたので、微妙に肩透かしをくらった気分だ。気難しいと聞いていたけど案外そうでもないんじゃないか?ヒガナに続くかたちでおのおの自己紹介をしていく、メグのテンションに対しても割と順応力があり人当たりが悪いとは思えなかった。そして最後にロックの番に回り……
6号「あなた、流星の一族ですか」
真剣な面持ちで自らが名乗るよりも前に、はじめて聞く血縁の名を連ねるロック。ひょっとすると回想にチラッと出てきたアマリリスとやらを指しているのか?
グレアット「6号ちゃんっ」
その無礼な態度をたしなめようと彼女の手を取るグレア、しかし彼女のおこごとよりも速くヒガナが反応を示す。
ヒガナ「そうさね、わたしは流星の末裔だよ。そう聞かれるのは久しいね」
ロックの読み通り彼女は確かに流星の一族とやらの生き残りらしかった。久しいという言葉からもうその血族は今では衰退してしまっているのだろうか。
モンスメグ「空に輝くよキラリ☆星がじわり滲んでくよ☆」
ゆん「りゅうせいのいちぞく?」

ビアンカビアンカもあんまり詳しくないんだけど、この流星の滝を隠れ里にしてる家系で隕石神話の担い手さんだったかな?メガストーンをはじめて発掘したことで有名で現代ホウエンに伝わるメガシンカのメカニズムに大きく発展したんだ♪」
オペレーター助かる。なるほど閉鎖的な部族なのかと思いきや、けっこう都心とも協力的な関係だったんだな。ただメガシンカとかいうのがホウエンの地方外にはほとんど浸透していない現状を見ると、アングラにならざるをえない事情が隠されてはいそう。

ヒガナ「そこまで知ってるんなら話が早いね、わたしの使命は隕石の落下を止めることなんだよ」
グレアット「これまた大きく出ましたねっ」
アリス「どういうことだ?」
ヒガナ「わたしは代々メガストーンを通して隕石の飛来を観測できるんだ。そして予言だと今年ホウエンに巨大隕石が降ってくる……それを食い止めるためにレックウザを呼び出して流星の伝承技を使ってもらってぶち壊すのよ!」
レックウザときたか。裂空の覇者の伝説はタマムシ大学にある資料で読んだことがある。たしか天変地異が起きた際にのみ遥か天空に位置する空の柱から降臨してきてホウエンを守護する神話上のポケモンだとか。どうも先の件のホウオウやらルギアやらといい今回の冒険には神様が付き物らしいな。

モンスメグ「伝承技!なにそれかっこE☆」
100以上のわざを使いこなすレパートリーのデパートが興味津々のご様子。そんな代物なんかよりももっと怪しげな発言がちらほら聞こえた気がするのだが、でもまあいいや気にしないようにしてすべてはその心意気だから。
自分たちの目的に興味を抱いてくれてご機嫌なのか、ヒガナは乗り気でさらに説明を続けてくれた。
ヒガナ「ガリョウテンセイ、数あるポケモンのうちでもレックウザだけが覚えられる流星の一族秘伝のわざさ。だからわたしはホウエンを守るために復活させている途中なんだよ」
ゆん「レックウザを呼ぶにはどうすればいいのかしら?」
ヒガナ「今起きてる天変地異を利用させてもらうだけだよ、そのうちレジギガスが目覚めて暴れ出す、そのレジギガスホウエンまで転移させてやればレックウザが止めに入る。それに乗じて近づいてきてる隕石もろとも止めてもらうのよ!」

待て、なんだその乱暴な解決方法は。さっきからどうも荒唐無稽な話を聞かされていると思っていたのだが案の定だった。メガストーンパワーだかなんだかでよしんばレジギガスと隕石を同時に止めるにしても、そこに確実性のかけらも見当たらないし何よりも一度そのような破滅的な争いが起きてしまっては、守るはずのこの大陸や住民たちの安全はどうなる?そうなっては混乱は必定、最悪紛争や死者が起きる可能性だってあるではないか。こやつ、結果だけを見据えていて過程どころかその後の始末もなにもかも一切考えてはおらぬな?
なるほど、シロナが気難しいのひとことでボクに投げてきたわけだ。ボクがそう怪訝に思考しているうちに先にロックが切り出してきた!

6号「認められませんね……あなたとは相容れそうにありません!」
ヒガナ「ん?別にわたしは誰とも馴れ合うつもりはないよ、これはわたしの問題、わたしにしか出来ない使命!どこまで真実を知った上で、何を理想として行動するのかの違いよ!!」
人の話を聞く気ゼロ、それどころかどうも自分を特別視して自惚れている節がある。
ヒガナに己以上の力を見せつけてやって止めなきゃいけないな、ボクたちはこのやり方しか知らないのだよ!
アリス「お前ら、やるぞ!」
ヒガナ「はー、お子様なんだから。いいよ、わたしが正しいって思い知らせてあげようじゃないの!」

戦闘!伝承者ヒガナ


ヒガナは ヌメルゴンをくりだした!


モンスメグ「メグがいっちばーん☆」
アリスは モンスメグをくりだした!

ビアンカヌメルゴンはその粘液で特殊攻撃から身を守るディフェンス系のドラゴンさん、メグちゃん得意のビリビリは通りにくいよ」
アリス「それよりなんかめっちゃキューティクルに見られてるような」
ビアンカ「あ~すっごい人懐っこくて、癒されるからってペットとしても人気が高いんだ」
ゆん「私のことをペット扱いしても良いのよアリスちゃん」
グレアット「わ、私だってっ!」
アリス「勝負中というのに緊張感のない奴らめ……」
6号「…………」

ヒガナ「ヌメ、アシッドボムさ!」
ヌメルゴンの口から毒性の粘液が凝固したかたまりがメグめがけて吐き出される!
あいてのヌメルゴンの アシッドボム!
モンスメグ「ひぎぃっ……!やだぜったい浴びたくない★」
モンスメグは あいてのこうげきを みきった!
あいてのヌメルゴンの こうげきは はずれた!
💡アシッドボムの 見切り極意を習得した。

ヒガナ「ち、やるね。簡単にデバフさせてはくれないか」
グレアット「いえ、たぶんメグちゃんの本能かと……っ」
なんだか色んな意味でメグとは相性の悪そうな相手だった。愛嬌があるとはいえネバネバなことには変わらないからか、メグは高速移動してヌメルゴンが通っていた範囲から離れるようにして間合いを取っていた。そんなにイヤかお前。

モンスメグ「The Mrgu with the Machine Gun☆」
メグは非常に珍しく自身の星型の尾を武器にして、遠距離からスター形状に煌めく雷の弾丸を無数に打ち放った!

モンスメグの ソウルクラッシュ!
こうかはばつぐんだ!
あいてのヌメルゴンの とくこうがさがった!

グレアット「じゃれつくと並んでわずか2種類しかない物理系のフェアリー攻撃ですねっ!」
ゆん「じゃれつきたくすらなかったのね……」
6号「いえ、まだ続きますよ」
ビアンカ「ふえっ?」
そう、普通であれば一撃限りのわざなのだがメグ仕様となっていてまさしくマシンガンのように連射されて撃ち続けれられているため、メグがしっぽに込めた電撃の弾丸の数だけヌメルゴンを襲い続ける連続技と化していたのだった!

5かいあたった!あいてのヌメルゴンはたおれた!
ヒガナ「へえ、こんな経験は初めてさ。でもヌメのミューコスは執念深いのさ!」
アリス「しまった、ファイナルアタック持ちか!」
ヌメルゴンは倒れる直前にガスを膨らませる要領で体内から巨大な粘膜を爆発させ、メグにお返しと言わんばかりにビチャビチャと降りかかった!
うっかり倒してしまうと、マルマインが起爆したりデスカーンが呪殺してくるようにポケモン達の中にはファイナルアタックを仕掛ける習性がある種族が居る。ヌメルゴンの場合はこの粘液で身動きを取れなくしてしまって、体力を奪いつづけいずれ餓死させてしまう恐ろしい執念なんだろう。

モンスメグ「サイアク~……★」
モンスメグは たおれた!
グレアがネバネバで動けないメグのもとに駆けつけて聖なる祝福の炎で溶かしてあげたおかげでどうにか身体の自由は取り戻したようだ。気力までは取り返せなかったようだが。メグは陸に打ち上げられたコイキングのような眼をしながら、か細い声でドレスアップしてくるとだけ言い残すとフェードアウトしていった……。
これもまたひとつの両者一両損、に当たるのかな?
ヒガナは先程のメグの圧倒的なパワーを前に余計に闘争心に火がついたようで、身体ごとバネのように躍動させながら次の手持ちをボールから出してきた。

ヒガナは オンバーンをくりだした!

ビアンカ「またカロスのドラゴン!」
ゆん「ゴルバットの分岐進化かしら」
ビアンカ「蝙蝠がワイバーン化したポケモンだね、あのお耳から音波を発してエコーロケーションする竜でものすごいおっかない性格なんだ~、正直お店に連れてきて欲しくはないかも」
アリス「グレアで様子見するか」
アリスは グレアットをくりだした!
グレアット「お任せあーれっ奇跡よあーれっ!」
およ、どうやらやる気絶好調のようだ。さっきの一戦に触発されたかはたまたグレアも乱暴な強攻策には反対なのか知らないけどやる気があるのはいいことだ。
グレアは羽を泳がすように開くとオンバーンと向き合って態勢を構えた。

ヒガナ「フッ」
ヒガナはスイッチを取り出してそれを押した途端に周りの明かりが一斉に消えていった!ちっ、ブレーカーを落として暗闇にすることによってオンバーンの土俵を簡易的に作り出したのか。しかし相手が悪かったな、グレアは常時フラッシュのようなもの。近づけばオンバーンの居場所は

ヒガナ「テンソ!ぼうふう!」
あいてのオンバーンの ぼうふう!
グレアット「きゃあっ!」

まずい!遠距離攻撃が使えるのか!それも広範囲の強風となると正確な位置情報が分からない、グレアに暴風が直撃してしまい同時に発せられた超音波によって羽根の炎の動きがフラフラとよろめいてしまったのが見えた。
こっちは敵がどこに潜んでいるのか分からないというのに、あちらからは逆に明かりが災いして居場所を伝えてしまっている最悪の状況になった。
アリス「グレア、炎を消せ!」
グレアット「致し方ありませんねっ……」
アイデンティティともいえる炎を緩めてグレアも姿を消した。これでフェアになれたか?
ビアンカ「……ダメ!」
アリス「え?」

ヒガナ「テンソ、ばくおんぱさ!」
あいてのオンバーンの ばくおんぱ!
どこかしらから、鼓膜を突き破るような凄まじい爆音が響いてきてグレアの悲鳴から察するに、さらなる手痛い追撃を喰らってしまった。
アリス「そうか、蝙蝠は元々目の見えない生物……暗闇に紛れた方がより正確に精度を上げられる」
しかし暗闇ではボクも指示を送りにくい、なにせ戦況が全く見えないのだ。気がついたときにはグレアが倒れているなんて事態だって有り得てしまう。
耳を研ぎ澄ませようにも、あいつの音波のおかげで聴力が使い物にならないときた。五感のうち2つが封じられてしまった……次第に恐怖心が精神を蝕もうとしてくる。
ボクは少しでも不安を解くために、手探りでビアンカの腕をみつけてぎゅっと握った。
ビアンカ「んっ……リースお姉ちゃん、しっかり」
アリス「どうしたものか……ん?何か甘い香りがしないか?」
そっと小声に出してビアンカに共感を求める、感覚器官が2つ役に立たなくなった代わりにそのぶん嗅覚に集中できるようになり、果物のようなフルーティな香りが漂っている感覚に気がついた。
ビアンカ「お姉ちゃんのシャンプーじゃなくって?」
アリス「いや、もっとトロピウス的な……」
こんな洞窟の中で作物が育つはずがない、となれば誰かが出来合いの果物を近くで出しているに違いない。ボク達でないとするとヒガナサイドか?いったいどうして……。
待てよ、たしかオンバーンは本来トレーナーですら手を焼くほど凶暴な性格だってオペレートしてもらっていたな、だとすればヒガナの命令を素直に聞いているのにもカラクリがあるんじゃないのか?

ヒガナ「これでおしまい?あっけないものさ」
洞窟内でこだまするヒガナの声の音響から居場所を割り出せ……るわけもないので、風の流れから間近で待機しているゆんにひそひそと助けてもらう。
ゆん「私の手を握って、そう……あの方がいるのはあっちよ」
アリス「グレア!!火を灯せ!!!」
グレアット「巫女遣いが荒いんですから……はいっ!」
双炎の光りからグレアの居場所を確認すると、立て続けに命令を送ってやった!
アリス「四時の方向にむかって燃やし尽くしてやれ!」
グレアット「聖炎魔滅っ!」
グレアットの もやしつくすこうげき!

ヒガナ「どこに撃って……しまったさ!?」
狙い通り、紅蓮の火炎がヒガナの持っていたであろうフルーツセットに直撃して完熟した甘い焦げた匂いが立ち込めてきた。猛獣使いよろしく、オンバーンに好物を餌付けさせてコントロールを取っていたのだ!
オンバーン「キシャアアアアッ!」
ヒガナ「落ち着いてテンソ!!」
大好物を失ったことで、本来の凶悪性を露わにしトレーナーの言う事を聞かなくなったそのチャンスを逃しはしない!
アリス「千載一遇!」
グレアット「愛の源である神よ、
限りなく愛すべきあなたを、
心を尽くし、力を尽くして愛します。
また、あなたへの愛のために人をも自分のように
愛することができますように、
神よ、私の愛を燃え立たせてください。
Amen.

グレアットの おくりび!
あいてのオンバーンは たおれた!

オンバーンが地表に落ちた音とともに、ヒガナがブレーカーを上げたことで流星の滝に再び明るさが取り戻される。首を回しながらグレアを捜すと、どうやら何メートルも離れた場所まで飛んでいたようだった。
ヒガナ「幼いくせに策士じゃないの、アリス」
アリス「次が最後の一匹か?」
彼女の腰元につけてあるモンスターボールは残り一つ、おそらく真打のお出ましだろう。少し離れたところから観戦しているロックに目を向けると、その表情はかつてないくらいの闘志に満ちていたのが感じられた。
ヒガナ「こっからが本領発揮さ!」

ヒガナは ボーマンダをくりだした!

ビアンカホウエンの誇る聖竜、ボーマンダ……!それにあの三日月は」
アリス「グレア。休憩代わりにメグを追いかけてやってくれ、また勝手なことされちゃ敵わん」
グレアット「えっ?は、はいっ!」
ボクがそう命ずると、グレアはよたよたと羽根を広げて洞穴から飛んで行った。
アリス「ビアンカもグレアと一緒にメグを連れ戻してきて」
ビアンカ「ん?いいけど……大丈夫?」
アリス「信じろ」
そうやって微笑んであげると、ビアンカは屈託のない笑顔に早変わりしてぴゅーんとグレアの後を追いかけていった。

ヒガナ「いいのかな?仲間を減らしちゃって……わたし甘く見られてるのさ?」
アリス「良いんだよ……ロック、いや……アークを本気にさせるにはな」
6号「!」
ゆん「アリスちゃん……!」

ヒガナ「アーク?……あはは、高ぶってきたよ!想像力が滾っちゃうさ!」

アリス「ロック。好きにやれ」
6号「お心遣い、感謝します」

アリスは アークをくりだした!

Part20へつづく!