Wonderland Seeker

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《Ride On The City》-硝子色の夕空- part9

 

みかん「キョンパン、涅黒魔流を魅せてくださいまし」
みかんは キョンパンを くりだした!

アリス「ゆん、休め」
ボクはゆんを引き下げ、ロックに治療を任せた。おのずと彼女の出番だ。
この薄氷のフィールドに決して引けを取らない神々しき火の粉を散らし、シャボン玉をいくつも蒸発させて登場してきた。
グレアット「絶対霊感が告げていますっ、あのキョンシーはゴーストタイプだとっ」
キョンパンはあっちの世界のポケモン、ということ以外は掴めなかったがグレアットが巫女巫女アビリティでお告げをくれたおかげで助かった。
とすれば見えてきた、ジョウト地方のエンジュジムよろしくイタコたるみかんはゴーストを使役するエキスパート。ならば送り火でまとめて地獄の業火へ送ってくれる!

アリス「グレアット、舞い踊れ!」
グレアットは、自身の聖火で作り上げたロッドを片手にお祈りの御文を唱えながらくるくると踊ってみせた。
愛の源である神よ、
限りなく愛すべきあなたを、
心を尽くし、力を尽くして愛します。
また、あなたへの愛のために人をも自分のように
愛することができますように、
神よ、私の愛を燃え立たせてください。
Amen.
グレアットの おくりび!
みかん「私の前で……八乙女舞は通じません!」
対抗するようにみかんが神楽を舞うとグレアットの篝火が力をみるみるうちに失っていってしまったではないか。恐るべきスピリチュアル!

グレアット「あれは、放活燈……っ!」
ゆん「ほうかつとう?」
6号「送り火と対を成す、いわば水属性の送り火です。ふたごじまで行われているお祭りを見たときにグレアが教えてくれました」
つまり相反しあう同じ力の巫女巫女パワーによって対消滅しあった、ってことか?これポケモン勝負としてはルール違反なんじゃないのか……いや交換トリックを披露したボクが言えた道理ではないが。
みかん「キョンパン、グランボールダです!」
キョンパンはかいりきで地面を叩きつけ、湧いて突き出てきた巨大ないくつものツノ状の岩石をグレアめがけて投げつけてきた!
聞いたことが無い技だが、いわタイプの技に違いはない。グレアにとって致命傷になりかねん!さっきのジュペッタと異なって一気にカタをつけるつもりか、ボクはグレアに飛び乗ると強引に翼を広げさせて緊急回避を試みる。

アリス「グレア!右40度!左斜め60度!左舷35度ー!」
あいての こうげきははずれた!
落ちていく岩と地面から突き上る岩を細かい操縦さばきでちょこまかと躱していく。ふふふ、これぞスクランブルよ。この手はあまり使いたくなかったがみかん本人がバトルに乗り出してくるのであればノーカン。
さらにボクがグレアにライドオンするのにはもう一つ意味がある。
アリス「さぁみかんよ、下手に攻撃をすればボク自身にも当たるぞ?打ち所が悪かったら死ぬかもな?魂を扱う優しきかんなぎたるお前にその勇気があるか?にひひひひ!」
グレアの意思を無視して鳥操術によって、わざとらしくみかんの目の前で旋回しながら心を揺さぶってやる。
6号「……最悪です」
ゆん「アリスちゃんらしいというか……」
グレアット「もう、アリスさんっ!」
送り火を無力化され、自信喪失しかけていたグレアに突っ込む気力が復活し、強制的にフィールドに降ろされてしまった。
ああ、せっかくのビッグチャンスが!
みかん「アリスさま……あなたのやり方はよーくお分かりになりました……
情けは人のためならーず!」
みかんが御札を持って何か唱えると、キョンパンがトレーナーの命令なしに動き出した!なんなのだ、何が起こってるといういうのだ、またスピリチュアルか!?

スイ(あはん♥遂にみかんの本気を引き出したわねアーちゃん♥)

タイプエネルギーを秘めたパンチを放ったり岩を落盤させたりと好き放題暴れ回るキョンパンを前に成すすべなどなく逃げ惑うボクとグレア。
アリス「はわわ、怒りで忘我しちまってる!」
グレアット「誰のおかげですか、もうっ!」
みかん「勘違いなさらぬよう……私は我を失ってなどおりません」
アリス「嘘を申せー!」
ドカーンバコーンと派手に暴れるキョンパンをバックに言うても説得力皆無なんですけど。
このままでは埒が明かない、アレを止めぬことには落ち着いて戦略も組めない。グレアの攻撃はかんなぎの力である以上みかんの舞で相殺されてしまうし、ゴーストタイプ相手にはエクスプロージョンも効かない。ゆんの不意打ちも虚をつく為の前準備あってのもの、こういう時にメグが居てくれればどうにかなりそうなんだけど……。
ボクはグレアにエクスプロージョン用のバリアを張らせ、その中に逃げ込むと耳打ちをした。
アリス「グレア、ちょっと」
グレアット「はいっ」
思いつきをごにょごにょ。イマイチ納得していない視線が返ってくる。それでも彼女はボクの言葉に耳を傾けるしかなかった。だからこそ調律された音色のような声でサインを呟く。
グレアット「……持っても数分ですよっ」
アリス「数分あれば充分よ」
半分ダメもとと思いながらも、一縷の望みを求めてバリアの中から主催者に対して尋ねてみる。このお願いをよしとしてくれるかどうかにかかっている。
アリス「スイ!」
スイ「何かしらぁん♥降参は認めていなくてよん♥」
自分だけ水のヴェールで身の安全を護りながら、かき氷を食している様子に脱力しかけたが、そんなことはこの際どうだっていい。
アリス「お主のアイスフィールドのおかげでお腹が冷えてしまって催してきちゃった、ちょっとお花を摘みに行ってもいいか?」
ボクのそのお願いに後方でがくっと擬音が聞こえてくるくらいうなだれる約2名。
スイ「それはいけないわぁん♥で・も……いかなる時においても万全を期すのがトレーナーの役目♥途中棄権になっちゃうわよ~ん♥」

アリス「それについてだが、ボクが戻ってくるまでの間は全権をゆんに託す!」

ゆん「ええっ?!」
予想だにしなかったのだろう、盛大にびっくりするゆん。ロックも隣で戸惑う。
持ちかけた提案を耳にして、くすくすと笑いだすスイとは裏腹に交戦しているみかんからは不満の声が上がってきた。
みかん「アリスさま、生理現象は仕方のないことだと目を瞑りますが……ポケモンにトレーナーの代役を全うさせるなんて、軽んじるのも流石に度が過ぎております」
おお、やっぱり怒りで忘我などしてはいなかったか。ふふ……。
キョンパンの動きも自然と止まった様子だった。事実上のタイムが入った。
アリス「それはグレアの決めることよ」
ゆん「……グレアットちゃん」
急激にプレッシャーを圧しかけられたからか、足元がすくむゆん。
グレアは決してみかんとキョンパンには背を向けず、首だけをゆんへ振り向いて微笑んでみせた。
グレアット「ゆんちゃんとは同胞たるひこうタイプに属しているからこそ、アリスさんとは違った信頼をしていますよっ」
その言葉に、ゆんから震えと不安の色が消え青空のように澄まされた。
アリス「まだ意見はあるか?」
みかん「…………」
首を横に振り、スイへと視線を託した。その視線を仰がれたオヤシロ様は空になったかき氷のグラスを放り投げて氷晶に変えてしまうと
スイ「良いわよぉ♥試合は続投させてあげる♥た、だ、し……アーちゃんは帰ってきても指揮権は返さないこと♥」
なるほど、一度離席したボクにはもうグレア達へと命令権はないということ。後はゆんの指揮で試合を続けろという交換条件と来たか。
頷いてそれを飲み込むと、ゆんの腰をポンっと叩いて委任させる勇気づけをしてやった。
みかん「厠は、そこをぐるりと回ったところにありますの」
みかんの指差す方向へと走り、このフィールドから一時撤退をした。

スイ(アーちゃんの妙策、見せてもらおうかしらん♥)

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ジョウト地方エンジュシティやけたとう

スズラン「あれれ~?メグちゃんお留守なのは知ってるけど他の2人もいない!
誰か先に解放しちゃったのかな……?」

エンジュシティスズのとう
スズラン「ホウオウも!」

タンバタウンうずまきじま
スズラン「ルギアまで!」

れんらくせんアクアごう
スズラン「わたしが居ぬ間にプログレッシブな出来事が?」

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みかん「それでは気を取り直しまして……参りますの!」
みかんさんが先ほどと同じように御札を取り出すと、キョンパンがまた妖しげなオーラを纏って激しく暴れ始めてきたわ!
私(わたくし)はグレアットちゃんにご命令を下します!アリスちゃんがひたすらに避け続けていたのにも何か意味があると思うのだけれども、私にはスプリントする方針しかないのよ!
ゆん「グレアットちゃん、おくりびを!」
グレアット「了解ですっ!」
合図を送るとグレアットちゃんから発せられるサンスクリットとともに美しき火柱が舞い興ります。ですがその行動は再びみかんさんが止めにかかりました。
みかん「何度試しても……無駄ですの!」
すかさず舞い踊るみかんさんの八卦舞譜によってまたしても炎が消されてしまってただの火の粉になって塵に消されてしまったわ。
けれども決して無限ではないはず……体力勝負に持ち込めれば種族がポケモンである私達に風が向いてくるはずよ。
グレアット(ゆんちゃんからの司令はアリスさんの仰った通りですねっ……不自然に思われないよう飛び回らなくてはっ!)
こちらの攻撃は思うように届かなくとも、グレアットちゃんの飛空術のおかげであちらの攻撃も当たってはいないわ、このままペースを引導できれば……!
それにしてもどうして、みかんさんが直接命令を出さなくともあれだけ器用に動けているのかしらね……?はなびらのまいげきりんみたいな技を繰り出している訳でもないのだし、本来であればどこかのタイミングで待機するのだけれど。
まるで、みかんさんが直接シンパシーでキョンパンに命令しているような……。
…………まさかね。
ゆん「パワーポイントが切れるまで徹底的におくりびです!」
グレアット「そのおつもり、ですよっ!」

6号「お互い一進一退譲らぬ攻防、ですが決め手に欠けますね……どちらかが先に押し切られたらそこがターニングポイントでしょうか」
スイ「先見の明が見えてないのねん♥」
6号「えっ?」

良い戦況とは言えないけど、みかんさんにひたすら神楽をさせることでキョンパンにこれ以上の指示は送れていないのは確かね、もちろんその間はこっちも送り火しか出来ていませんが……我慢比べ勝負が終わるのは互いのPPが切れた時!
そこに生じるであろう一瞬の隙を突いて先に行動できるのは確実にグレアットちゃんよ!
みかん「遊びは……終わりです」
グレアット「っ!」ゆん「え!」
あいての キョンパンは のろいをつかった!
じぶんのたいりょくをけずって グレアットをのろった!
五寸釘による呪術によってグレアットちゃんは精神力を吸い取られてしまったわ!
ゆん「どうして……詠みながら他のご命令を!?」
みかん「勘違いしました……?キョンパンには……何の指示も出していませんよ」
ゆん「なんですって!」
キョンパンが闇雲に暴れていたのは、技の命令ではなくってただ単に普段の習性に過ぎないということ!?見誤っていたわ、だからみかんさんは送り火を止めることに集中できていたのね。
グレアット「一枚取られましたねっ……あううっ!」
グレアットは のろわれている!
そういえばパンダは大人しく座っているように見えて、その実非常に凶暴な性格で飼育されていない野生のパンダは平然と牙を剥くとサファリゾーンで説明があったわね。
先程の一連の所作は、キョンパンを一時的に野生解放させていたというのね!
いけないわ。グレアットちゃんのPPを悪戯に浪費させてしまって、ただでさえ切迫しているというのに呪いによるスリップダメージまで……。
ああ、アリスちゃんだったらこういう状況でどう動くのかしら!
グレアット「ゆんちゃん、諦めないで下さいっ!」
ゆん「グレアットちゃん!」
そうね。そうだわ、今の司令官は私。私が意気消沈しちゃったら元も子もないじゃない!私が出来ることはたったひとつ。グレアットちゃんを信じてスプリントあるのみ!

ゆん「グレアットちゃん、せいなるほのお!」
みかん「キョンパン、シャドーパンチです」
ああお願い!奇跡よ起きてちょうだい!
カッッッッッ!!!
私が両手を握ってお祈りをしたその途端に、目も開けてられないくらいにものすごい真っ白な光が照らされて、不思議なことにこの神社を包んでいた神々しい清い空気が一変して生ぬるい空気が通ったような感覚を覚えたわ!

 

「「「きゃああーっ!?」」」

スイ(……気付いたわねん♥)

アリス「なーはっはっはっはー!!!」

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グレアットの せいなるほのお!
あいての キョンパンはたおれた!
みかん「そんな……?私の力が切れたなんて……?」
無念にも横たわったキョンパンを見て愕然とするかんなぎ。同じ生業のグレアットや、司令官を委任したゆん、蚊帳の外のロックも皆ぼけっと突っ立っていて、そいつらの間抜け面を眺めているとますます笑いが込み上げてきた。
アリス「きゃははははは!!神頼みもあっけないものだなあ!」
ゆん「アリスちゃん!一体何をしていたのよ」
6号「またわるだくみですか!」
グレアット「きちんと教えてくださいっ」
鬼気迫った雰囲気で押しかけてくる三人娘。言葉で説明するよりも、呆然と自失しているみかんに対して見せつけた方が早い。
アリス「これなーんだ」
みかん「…………!!そ、それはこのお社の……」
おそらくはブルーフォレストで御神体として祀ってある神器であろう、うつしかがみを見せびらかしてやった。ただし神の力を陰陽反転させる代物たる太極図を反転させた御札・またの名を「のろいのおふだ」付きでな!
6号「いつの間にそんなおふだを」
アリス「キガンの霊能力ショップで買っておいた」
みかんのスピリチュアルを見ていてピンときたのだ、かつてポケモンタワーで祈祷師たちがこぞって霊に呪われていたときの現象をヒントに、スピリチュアルの源そのものに強力な呪物をかけてやればあるいは、とね。
ボクは茫然としたままのグレアに飛び乗ると、勝ち誇ったようにみかんの目の前を二度くるくるしてやった。
アリス「こいつさえ封じてやればお主の巫力など関係なーい!おおかたジュペッタと同じように他のポケモンもこいつあってこそだろ~?ほれほれ、おくりびで浄化される前に素直にリタイアしたらどうだ~?」
ゆん「もう、呆れちゃうわ」6号「言葉が出ません」
えーい!もとはと言えばみかんがしゃしゃり出てグレアの炎を鎮火したのが悪ーい!
ルールの抜け穴を駆使してくるのならこちらも応用したまでよ!
みかんは御札をはらりと落としながらボクを一瞥したかと思えば、縁側で佇んだまま一切眉を動かさないスイの方へとすたすたと歩み寄っていく。

みかん「スイ様……お戯れはもうよろしいでしょう……アリスさまに御神体の在りかまで見破られたのです、モンスメグさんの行方をお教えしてあげては如何でしょう」
てっきり今度こそ忘我して怒り狂うのかと危惧したが、いたって冷静にスイへと降参宣言とも取れる申し出を持ちかけにいったのだった。
最初から感じてはいたが、やはりみかん自身は戦闘を好まぬようだ。ここまで完封されてしまっては意味がないと悟ったのだろう。本当に清く優しき心の持ち主なのだな。
そのプロポーザルを受けたスイはというと、クリスタル色のネイルを塗りながら生返事をしている始末であった。異世界フォルムでも三聖獣っていうのは一人はこういうギャルが付き物なのか?
スイ「素敵なショーを見せてもらったわぁん♥わらわに刺激を与えてくれたアーちゃんに大拍手ぅ~♥」
みかん「スイ様……!」
その瞬間、薄氷のガラスが張られてスイの表情が隠れたかと思えば、ガラリと凍り付くような空気が目の前に漂った!
スイ「みかん、貴女にはまだまだ修行が必要みたいね♥」
みかん「ひうっ……!」
スイの口元しか見えなかったが、この1秒のやり取りだけで冷静沈着なみかんの表情が怯え切った事実のみが伝わってきた。媚びた口調とは真反対に冷徹な一面が垣間見えた気がしたが、見て見ぬふりをしておくことに決めた。
パリンと指の切っ先でガラスが割られるとスイは真っ直ぐにボクの瞳を見つめていて、ボクもアイコンタクトで答えを待つ。目は口ほどにものをいうってね。
そんな緊迫を溶かしたのは正気を戻したグレアだった。
グレアット「スイさん!アリスさんのお力、認めてもらえましたかっ?」
かんなぎ二人、その面持ちには天と地ほどの差があった。
グレアの炎熱が、スイの氷霜へ、伝っていく……。

グレアとスイの対峙は、ものの数秒だというのにまるで数刻にも及んでいるのかと錯覚するくらいの時間の流れが感じられた。
幼かった頃、よくエリカお姉様の後ろをついていってはお姉様のお仕事や応酬を待っている間が永遠にも思えるほどまだかまだかと待ちぼうけていたものだが、目の前で繰り広げられている探り合いはそんな比ではなかった。
ただ人の子であるボクには分かりもしない、異世界を超えた伝説のポケモン同士のコンフランティングなのだから。

スイ「今日はもう遅いから泊まっていくといいわぁん♥」
グレアット「ふぇっ」6号・ゆん「あらら」
スイがにっこりと笑って返したかと思えば、なんとも間の抜けた日常会話だった。
ふと我に返って辺りを見渡すと、確かにいつの間にやら空は暗くなっており、山峡の里ということもあってすっかりと冷え込んでいる気候であることを思い出した。
思い出すと、身体は正直で急に寒さで震え出してくしゅん、っとくしゃみをしてしまった。
ゆん「だいじょうぶ?」
ゆんが背中から腕を回してきて、ローブの厚さと天然の羽毛で暖めに来てくれた。
気が抜けてしまったのか、グレアも一息吐くといつも通りの目つきに戻っていく。
スイ「みかん、おもてなししてあげるのよん♥」
みかん「は、はい……!」
一式を仕舞いこんでパタパタと境内へと駆け込んで来客の準備をするみかん。
ロックは未だについていけないのか納得がいかないのか、メグの行き先やらなんやら聞こうとしたがグレアに人差し指ひとつで口を紡がれる。
色々と問いただしたいことはたくさんあるが、素直に口を割るとも思えん。
ここはヒートアップしたはやる気持ちをいったんリセットして、お言葉に甘えて休息を取ろう。正直御神体探しで疲れたしこれ以上は身体が持たんわ、さっさとお風呂に浸からせてもらおうか。
ゆん「アリスちゃん……」
アリス「力ずくで勝てる相手じゃない、ここは仲良しこよししておこう。それにメグなら一人でもなんとかできる奴だ、心配いらないだろ」
それともモンスメグは信頼できない仲間か?と小声で付け添えると、ゆんは小さく首を振って柔らかい微笑みを取り戻した。

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ビアンカ「そういえばリースお姉ちゃん達ってどこに行ったの?」
ナツメ「さあ、知らないわ」
ビアンカ「えー!?」
ナツメ「もし御伽噺が本当なんだったらサイレントヒルでしょうけど、テレポートさせた私自身が信じていないもの。きっとカロスかガラルか適当な海外旅行にでもバカンスしているんじゃないかしら」
ビアンカ「いいなーバカンス。一度でいいからリースお姉ちゃんをアルトマーレまで連れてってあげたい」
ナツメ「あら。ビアンカってばまだ自分がラティアスってこと教えてないのね?」
ビアンカ「うん……それにお兄ちゃんがどこにいるのかも分かんないし、必要以上に負い目を背負ってほしくないなって」
ナツメ「謙虚ね。だったら私のポケモンになるかしら?」
ビアンカ「前向きに検討しておくね。あ、いらっしゃいませー♬」
リーリエ「えーっと、本日のおススメをお願いします!」

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part10へつづく!