Wonderland Seeker

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《Ride On The City》-硝子色の夕空- part2

うゅみ「今ならまだ間に合うからぁ撤退した方がいいわよぉ?
もっと勘違いしちゃう前にぃ」

スズラン「わー!すっごいおしゃれ!お姫様のお部屋みたーい♡」

スズランがカフェを尋ねたのにはもういっこの理由があったらしく、ボク個人にお願いがあったとのことだったから、どうせ今夜の帰り道はビアンカとだけでなくグレアットたちとも一緒だしそこに一人増えたところで変わらないから、彼女を自宅まで連れてくることにした。
ゆん「いらっしゃいスズランちゃん。適当にお掛けになって」
グレアット「ハーブティー淹れてますからねっ」
ウェイトレス組より早く帰宅していたゆんとグレアットの飛行組がおもてなし。
ちなみにメグはアイスチルと動画編集に缶詰なので夜遅くまで居ないとのこと、あいつがいると行動自体は瞬速だけど会話が進まないのでちょうどよかった。

アリス「で、その素振りだとなんかボクのこと知ってるみたいなんだけど」
6号「ちょっとした有名人ですからね」
スズラン「エリカちゃんの妹だもの」
ボクのナゾノクサぬいぐるみを勝手に手に取りながら見せた明るくきらめくその笑顔に、ほんの一瞬だけ訝しさを感じ取れた気がした。
そんな杞憂もどこへやら、スズランは弾丸トークを展開。
スズラン「あのね!こないだ見たこともないポケモン?のようなへんないきもの見つけたんだけど、ロトムずかんに聞いてみても分からなくって!」
ゆん「へんないきもの?」
スズラン「こういうの!」
サッと出されたロトムスマホの液晶を見ると、彼女が記憶をもとに手書きしたらしいイラストが表示された。


グレアット「はじめて見ますね、まっしろなポケモンなんでしょうかっ?」
ビアンカ「かわいい♬」
6号「お上手な絵ですね、信憑性ありそうです」
スズラン「褒めても何も出ませんよ~!」
ゆん「分かりやすいわね」

鈍いなにかが脳に直接ズキンと響いた。
アリス「128、ね……」
どうしてだろう、なぜかデジャブを感じる。
はじめましてのはずだというのにこの絵を見てたら胸にざわつきが走る。
スズラン「アリスたんでも分からない?」

ばたんっ!

モンスメグ「わっかんないよ!
ろっくんの言ってることはひとつもわかんないよ!
ろっくんがいいって言ってるもの、何がいいのかわかんないよ!
わかんない!メグにはわかんないの!
ブラッディって何がカッコイイの?血なんて嫌だよ!痛いだけだよ!
狂うのどこがカッコイイの?
クレイジーのどこがいいのかわかんない!
罪深いって何なの?罪があるのの何がいいの!?犯罪者がカッコイイの?
そもそも混沌って何?カオス?だから何なの!?
闇って何?暗ければいいの!?
正義と悪だと、何で悪がいいの?何で悪い方がいいの?悪いから悪なんじゃないの?
右腕が疼くと何でカッコイイの?
自分の力を制御できない感じが堪らないって、何それただの間抜けな人じゃん!
ちゃんと制御できる方がカッコいいよ!立派だよ!
普段は力を隠していると何が凄いの?
そんなのただの手抜きだよ!隠したりしないで全力で取り組む人の方がカッコいいよ!
どうして二つ名とか異名とか色々付けるの?いっぱい呼び名があったってわかりにくいだけじゃん!
英語でもなんでもカタカナつけないでよ!覚えられないんだよ!
鎮魂歌って書いてレクイエムって読まないでよ!
禁忌って書いてタブーって読まないでよ!
聖戦って書いてジハードって読まないでよ!
ギリシャ神話とか聖書とか北欧神話とか日本神話とか、ちょっと調べたくらいでそういう話しないでよ!
内容もちゃんと教えてくんなきゃ意味がわかんないよ!教えるならちゃんと教えてよ!
神話に出てくる武器の説明されても楽しくないよ…。
グングニルもロンギヌスもエクスカリバーデュランダルも、天叢雲剣も意味不明だよ!
何がカッコいいのかぜんっぜんわかんない!
他の用語も謎なんだよ!原罪とか十戒とか、創世記とか黙示録とかアルマゲドンとか…。
名前がいいだろってどういうこと?雰囲気で感じろとか言われても無理だよ!
相対性理論とかシュレディンガーの猫とか万有引力とか、ちょっとネットで調べただけで知ったかぶらないでよ!
中途半端に説明されてもちっともわからないんだよ!
グラジオとかシロナの言葉引用しないでよ!
知らない人の言葉使われても何が言いたいのか全然わかんないんだよ!
自分の言葉で語ってよ!!
お願いだからメグがわかること話してよ!
厨二って何なの? 厨二ってどういうことなの?
わかんないわかんないわかんないわかんない! わかんなーい!!
ろっくんの言うことは、昔っから何ひとつ、これっぽっちも、わかんないのよぉ!」

6号「急に私に飛び火しないでください!?メグさんの言動の方がわかんないですよ!」

たったひとり増えただけで話がしっちゃかめっちゃかにややこしくなった。
見たかスズラン、あれこそが本物だ。
グレアット「エリカさんなら何かお分かりでしょうかっ」
そして仲間内で唯一メグを1ミリも気にせず進行役を務める巫女である。
気を取り直した一同が頷きを交わす。
アリス「お姉様に聞いてみよう」
ポケギア取り出しポ・パ・ピ・プ・ペ

エリカ『ごきげんようアリス。どう致しましたか?夜が寂しくなりましたの?』

夜までお忙しいというのにボクには甘々だからか、無理してでも速攻で連絡を取ってくれる素晴らしいお姉様であります。
ボクは128と書かれたへんないきもののイラストを添付して相談してみる。
アリス「お姉様なら何か知ってるかな~って」
エリカ『この子からどこか植物の波動を感じますわね……そうですわ!もしポケモンなのであれば、マサキ様をお尋ねになってみてはいかがでして?』
ゆん「なるほど、マサキでしたら全国から預かってらっしゃるポケモンたちを管理しておりますし手がかりを知ってるかもしれませんわね」
モンスメグ「GJ」
エリカ『早速手配しておきますわね。ところで、その情報はどこから仕入れてきたのですか?』
ビアンカ「カフェテリア先のお客様、スズランちゃんだよ♪」

スズラン「紹介に預かりました、スズランです。お久しぶりですね、エリカさん」
エリカ『……!』
滅多に驚かないエリカお姉様が息を呑む。
グレアット「お知り合いですかっ?」
エリカ『あなた、今までどこで何をしてらして……』
スズラン「びっくりしちゃった、アリスたんなんて秘密を持ってたなんて。わたし的にはむしろエリカさんのほうこそ今までどこで隠してたの」
秘密……隠して……?
なんか今ここにいちゃいけないような気がするんですけど。
エリカ『仕方ありませんわね。アリス、スズランと共にマサキと会ってきなさい。何かあったらすぐに言うのですよ』
ツー・・・ツー・・・
らしくもなく、乱暴に切られてしまった。
アリス「スズラン」
スズラン「あ!もうこんな遅い時間だし明日は早いだろうから泊まっていくね!いいでしょ!」
ゆん「え?えぇもちろん構いませんわよ」6号「そうですね」
モンスメグ「お泊り会、受けて立つ!」
ビアンカ「はっ、明日からいっときリースお姉ちゃんお休みすること伝えておかなくちゃ」

強引に話から逃げられてしまい、仲間たちもバタバタと各々浮足立つ。
こりゃあ明日からの冒険は一筋縄ではいかなそうだな……
グレアット「……アリスさんっ」
ぎゅ、っと暖かい手でボクの手を握るグレア。
アリス「心配いらないさ、明日の風は明日にしか吹かないってね」

~翌朝~

アリス「一緒に行くのは、ゆん・グレア・メグ・ロック、それとスズランだな?」

スズラン「よろしくお願いしまーす♡」
6号「アイスとスチルは人気スクリーマーですししょうがないですね」
モンスメグ「これが本当のメン限☆」
ゆん「お家は任せますね、ビアンカちゃん」
ビアンカ「らじゃ♬」
グレアット「この旅に幸福あらんことをっ」

アリス「愛と勇気の大作戦、レッツゴー!」

ハナダシティ
ハナダはみずいろ、神秘の色。花咲く水の町。
ここ自体に用は無いけどマサキの住む岬の小屋は一方通行となっている造りなので、この町からゴールデンボールブリッジを経由しないと辿り着けない。ヤマブキを除いてさまざまな町同士とのアクセスがしやすいカントーにおいて数少ない閉鎖的な位置取りと言える。さっそく橋を渡ろうとすると、何やらキャンペーンが開催されているようだった

「5人勝ち抜けできたら豪華景品プレゼント!まずは1人目!」
スズラン「ここはわたしに任せて!おねがい、パティ!」
ラブラブボールから、パティと呼ばれるロコンが飛び出してきた。やっぱりトレーナーだったのか。

パティエ「こーん」

種族:ロコン ニックネーム:パティエ・ローレル
性格:いじっぱり

1人目の相手はむしとりしょうねんのようだ、ほのおタイプならむしタイプは有利を取れるかと思ったがそれを読んでいたかのように繰り出したのは
むしタイプといわタイプ複合のアーマルドだった。
アーマルド、がんせきふうじ!」
低火力とはいえほのおタイプの弱点なうえ減速効果も併った技だ、まともに喰らえばひとたまりもない、どうするパティエ・ローレル!

スズラン「パティ、ねっとう!」
パティエは自身の炎で沸騰させた水球アーマルド目がけてぶつけた。
こうかはばつぐんだ!アーマルドはやけどをおった!
アーマルドのがんせきふうじ!こうかはばつぐんだ!パティエのすばやさがさがった!
熱湯によって火傷させたおかげでほとんどダメージを受けなかったようだ。
モンスメグ「ふーん、、、ユニークなタクティカルだ☆」
6号「メグさんほどユニークな方はいませんよ」
気がつけばアーマルドは二度の熱湯によって倒れていた。後続のむしタイプはほのおタイプたるパティの敵ではなく、あっさりと勝利してしまった。

グレアット「お見事ですっ」
スズラン「ぶい!」
それから立て続けに現れた2人目以降のトレーナーからはボクも参戦し、
アリス「舞い踊れ、ゆん!」

アリス「グレア、導いて!」

アリス「駆け抜けろメグ!」

アリス「ロック、レッツ爆裂!」


スズラン「ド派手~!夏祭りの花火みたいでロマンティック!」
モンスメグ「メグのロ~~~~~~マンティッッックに溺れちゃった?」
グレアット「花火打ち上げたのは6号ちゃんですよっ」
6号「これでも抑えたほうですが?」
ゆん「水上で爆裂して橋を守っていたものね」
アリス「ちぇっ、景品5000円ぽっちの換金アイテムか~」

ハナダ恒例ゴールデンボールブリッジの死闘も終わらせたし、先を急ごうと進軍しようとすると、ゆんがなにやらへんてこりんなものを拾ったようだった。

ゆん「あら、何かしらこの綿雲」
ひょい、っと片手で拾って首をかしげると皆がゆんの周りに集まって注目。
スズラン「チョコレートのわたあめ?」
モンスメグ「ショート動画にしちゃお☆」●REC
グレアット「誰かの落とし物でしょうかっ」
6号「ゼルビスタと命名します!」

ゆんがつまみあげたそれをロトム図鑑でリサーチするも分からないようだった。ひょっとしてこれがスズランの言っていたポケモンのようなへんないきものかな。

????「ほしぐもちゃん……!」

綿雲の正体と処理に悩んでいると、淡い金髪をハート状のおさげに結んだ少女が桟橋の向こう側からおどおどした声を上げて出てきた。
察するにあの子の所有物かもしれない。
????「い、いじめないでくださいオニドリルさん……」
モンスメグ「ゆんゆんいじめっこ~」
6号「いけませんよゆんさん」スズラン「いじめだめぜったい!」
おまえら。
ゆん「えぇ!?わ、私はこの子を拾っただけよ」
アリス「いいから返してきな」
しぶしぶ納得いかない表情で、彼女のもとへと歩みだすゆん。
ゆんの穏やかで柔らかい対応のおかげか、びくびくしていた少女も誤解だと気付いてほしぐもちゃんと呼んだそれを大事そうに両手に抱えた。

????「助けて頂いてありがとうございます。それなのにわたし早とちりしてしまって……」
グレアット「間違いは誰にでもありますよっ」
アリス「はじめまして、ボクはアリス。きみは?」
水色のエプロンドレスの裾を軽く持ち上げてご挨拶。ボクのその作法に落ち着いたのか、彼女もすっかり打ち解けたようで笑みが零れたようだった。
リーリエ「わたくしはリーリエと申します、よろしくお願いします」


スズラン「わたしスズランって言うの。よろしくね!むむっ、なにやらわたしのロコンレーダーがこんこん反応してる!」
リーリエ「え?あ、もしかしてこの子ですか?」

初対面というのに不躾なスズランのコミュニケーションにも怖気ずリュックからモンスターボールを取り出すリーリエ。みたところいい育ちのお嬢様という感じで、性格が内向的で緊張していたというよりは元々は活発な性格で単純にあまり世間を知らなくて人一倍警戒心を働かせるがゆえのおどおどといった側面が強そうだ。
となってくると、今ここにいるボク含めて3人のトレーナーは全員お嬢様の集まりになってくるわけで、まるで例えるならパーティ会場で意気投合してプライベートですぐにオフ会開いちゃったノリ。
リーリエ「出ておいで、シロン」
なんだかリラックスできたと思ったのも束の間、彼女の繰り出したシロンを見て再び電撃が走ることになる。

スズラン「!アローラ……だけれどアローラロコンじゃない?」
グレアット「尻尾が三本しかありませんねっ」
モンスメグ「ショート動画も三本仕立てにできちゃう☆彡」
6号「たくましい配信者ですね……」
ゆん「3人はどういう集まりなのかしら?」

通常なら6本のしっぽを持つロコンだが、そのロコンは半分の3本しかしっぽが生えていなかった。アローラ種は学んだことがあるので知ってはいるけどこうやってお目にかかるのははじめて。でもそのはじめてがロコンでもキュウコンでもなくって

あえて名前を付けるなら、ミコンが妥当かな?
ボクたちの示した反応を見てはてなマークを浮かべるリーリエ。
リーリエ「え、どうかしました皆さん」
アリス「そいつたぶん新種」
リーリエ「えーっ!?」
ころころと表情が一変するリーリエ、メグが好きそうな人種だこれ。
6号「ご存じなかったんです?」
リーリエ「えっと、わたくしまだスクールで勉強中なので……」
ゆん「それなら無理もないわね」
モンスメグ「ミュータントフェス開催☆」
グレアット「うゅみちゃんじゃないんですからっ」
スズランはパティを連れて、シロンと見せ合いっこさせてなにやら考え込んでいる様子だった。

アリス「ところでリーリエはアローラから来たのか?」
アローラ種を持っているということは、そっちから来たと考えるのが自然だろう。カマをかける目的も含めて質問してみた。
リーリエ「はい!前にハナダジムで模擬戦を授業でしたことがあって、そのときの思い出が恋しくて飛び出してきちゃいました」
モンスメグ「プレイバック♬」
グレアット「そういえばカスミさんジムに居ませんでしたねっ」
ゆん「お忙しいのかしら」

(そういえばエリカお姉様が朝から慌ただしいってマユミちゃん言ってたな……ジムリーダー同士で何かやってるのか?)

スズラン「だったら一緒にマサキさんのとこへ行こう!」
リーリエ「マサキさん?」
6号「マサキは全国のボックスを管理しているプログラマーですから、預かってるポケモンたちのことを知ってるかもしれないのです」
説明口調助かる。
モンスメグ「善は急げ!据え膳喰わぬはマサキの恥☆」
果たしていい大人がロリ3人とポケ擬4人の言い寄りを聞くだろうか?
なにはともあれ、みんなで岬の小屋へと向かった。

モンスメグ「たのもー!」

マサキ「おおなんや!わいがソネザキ・マサキと知っての顧客かいな?」
アリス「聞きたいコトがあってな」
リーリエ「はじめまして」スズラン「これ見て!」
入るやいなや、128のイラストを見せつけるスズラン。怖いものなしというか女は度胸というか。
気がつくとほしぐもちゃんも勝手に飛び出ていた。
マサキ「えらいかしましい嬢ちゃん達やな。見せてみい」
鋭く眼を光らせてさっそく調査を始めてくれた。

6号「好きなポケモンフュージョンできる装置!?」
ゆん「勝手に触っちゃいけませんよ」
グレアット「黒塗りの報告書……っ?」
モンスメグ「疲れからか不幸にも」
アリス「言わせねえよ」
わちゃわちゃとおしゃべりしてる間に、マサキは可及的速やかな調査を終わらせてくれたようだ。

マサキ「ごっつえらいもん出してくれたな嬢ちゃん」
モンスメグ「御託は結構、迅速に結果を見せたまえ」
グレアット「メグちゃんっ」
マサキ「生意気なくらいがちょうどええ。結論から言うてもうたら、128と、このほしぐもちゃんやったか、それとシロンいう子たち。全員異世界ポケモンやな」
リーリエ「異世界……」6号「SFですね!」
マサキ「一匹ずつ解説すると、まず128。こいつはあるとしの学会で不用意な発言をした博士が永久追放された話もあるくらいいわくつきや」
ゆん「突拍子もないわね」
マサキ「あとシロンこと、ミコン。こいつはロコンの進化前の姿として囁かれた時期もあるわ、わいも昔調べたことあるからラクやったな。ただアローラのフォルムもあるのは予想外やったで、おおかた誰かがアローラまで持ち運んだんやろな」
スズラン「この子は実在してたのね」
マサキ「最後にほしぐもちゃん。力になれんくてすまんけど、まだ分からへんことまみれや。もしええんやったら預けてくれればいろいろ調べておくで」
リーリエ「ほしぐもちゃん……」
彼と言えども全知全能ではないようだ。
リーリエはその提案に少し頭を悩ませている。
スズラン「わたし達だけじゃもっと分からないだろうし、ほしぐもちゃんのためにも任せてみよ!」
6号「餅は餅屋です」
勇気づけられたのか、意を決してリーリエはマサキにほしぐもちゃんの身元を預かってもらうことになった。
またなにか進展があれば、連絡が来ることだろう。

マサキ「おおきに!それとな、ミコンが最初に発見された場所は判明しとる」
グレアット「どこなんでしょうっ」
マサキ「サイレントヒルっちゅー場所や」
モンスメグ「あいまいな眠りの中で
夢見るのはあの町」
こないだ実況配信してたホラーゲームと混合するんじゃない。
マサキ「128はどこで見つかったか真偽が定かやのうてな、存在自体は判明しとるが具体性があらへん。わいのボックスにも一度も入れられたことはあらへんがな」
6号「無念」
リーリエ「でもシロンちゃんのことだけでもお教えいただいてありがとうございます!早速サイレントヒルに行ってみましょう!」

・・・し~ん・・・

リーリエ「あれ?」
モンスメグ「ゴシップに興味なーい」
6号「裏付けのない眉唾には惹かれません」
ゆん「お夕飯の支度しなくっちゃ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「世間知らずな嬢ちゃんやな、わいかてサイレントヒルは見たことも行ったこともあらへんのや。ここいら一帯やったら有名な都市伝説に過ぎへん」

ヤマブキシティ
山吹は金色輝きの色
光輝く大都会

アリス「ふりだしに戻る、か」
グレアット「ほしぐもちゃんについても進展はまだ先そうですねっ」
リーリエ「どうしましょう……」
スズラン「行き方が本当にあればいいんだけど」
望めるあてもなく、いったん休憩がてらカフェテリアで途方に暮れていると

ナツメ「あらアリス、予感がしたのよ」
モンスメグ「なっちん☆大型コラボの予感!」
6号「ブレませんね」
ナツ姉は、エリカお姉様とジムリーダーの垣根を超えたお友達で、ボクが幼い時からよく面倒を見てもらっていた。つまりお姉ちゃんキャラその3。

待てよ、ナツ姉だったら都市伝説というエスパーを実現させられるかもしれない。藁にも縋る気持ちで聞いてみることにした。
アリス「ナツ姉、いきなりだけどサイレントヒルへ行く方法ってわかる?」
予測できなかった質問だったのか、目を丸くするナツ姉。
ナツメ「うふふ、面白いことを聞くのね。絵本でも読んだのかしら?」
なでなでされた。
うん、まぁそりゃそう返されるわな。
リーリエ「大まじめです!」
ナツメ「あら、見ない子ね。恰好を見るにアローラかしら、撮影で行ったときに貴女のような恰好の子をよく見かけたわ」
世界を股にかける大女優の目はファッションひとつで出身地方まで見破ってしまった、観察眼というエスパーだ。
リーリエ「は、はい。リーリエと申します」
グレアット「店員さん、リザードン級デコレーションカレーお願いしますっ」
ゆん「わたくしはトサキント羊羹を」
他人事だと思ってパクパク食べやがって。

ナツメ「あら?スズランじゃない、戻ってきてたのね」
どうやらナツ姉とも知り合いのようだった。
スズラン「実はこのお話、半分くらいはわたしのわがままなのです!」
マサキとのやり取りをかいつまんで説明していくも、どうにも納得していない……というか小さい子供の夢見話を聞いてあげてるママみたいな顔をしてらっしゃって、たぶんこれ1cmも信じてくれてない様子。
ナツメ「そういうことだったのね……承知したわ、少しだけ力を貸してあげる」
モンスメグ「てんきゅーべりーまっち☆」
けれども、なぜか乗り気になってくれたのだった。ナツ姉からエスパーの波動がみるみる高まっていく!

アリス「どうやってい……いいぃっ!?」

ESP:サイキックコントロール


6号「わわわあっ!?」
グレアット「引き寄せられます~っ」
ゆん「なんなのよー!」
モンスメグ「時速換算288km/h、メグより遅いね★」
リーリエ「言ってる場合ですか!」
スズラン「メグちゃんがいちばん不思議~」

ナツメ「頭を冷やしてきなさい」

Part3へつづく!