Wonderland Seeker

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《Ride On The City》救星の明るい夜 Part13

王族封印編Ⅲ

6号「私は、レジロックではありませんから」

その言葉に、ボクとレジギガスは耳を疑った。
こいつは、レジロックじゃないだって……?
そんなはずはない、エリカ様が間違うわけもないし現にレジギガスがここに居る。
確かに今でこそハクリューの格好をしているものの、レジ一族の証である点字だってしっかりと彫られている。ツワブキ親子とツツジも確認しているはずだ。
ギガス「トチ狂ったか、ロックよ?」
6号「いいえ、正確にはレジロックの記憶を引き継いだとでもいいましょうか」
引き継いだ……?
いったいなにがどうなってる?かつて戦争で利用され、その後封印をマツブサの手によって解かれて、それを経て財団が保護したポケモンじゃないのか?
待て。
その情報は誰からのものだ?
すべて6号自身の口から発せられた情報じゃないか。
そもそもエリカ様は、ひとことでも”レジロック”を渡したと言ったか?
アイスとスチルはどうやって彼女を判別した?ダイゴやデボンの件でもそうだ、あくまでも彼女に刻まれた点字と共通したエネルギーだけじゃないか?
もしもそのエネルギーを模倣できれば?
その点字は、レジロックを模したシールのようなものならば?

《どうしてこうも簡単に過去を払拭できている?》

ボクはイッシュ地方にいたころに聞いたことがある、メタモンと同レベルで遺伝子と姿を変えることができるというポケモンを。
6号「イリュージョン、レリーズ」

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ギガス「幻影の覇者ゾロアーク……!」
6号「あはは!私の術はパーフェクトでしたね~、コンコン!」
ゾロアーク、化け狐ポケモン
何かに化けるではなく、何百人もの相手に幻の景色を見せてその中に閉じ込めることができる最高級の伝説のポケモンだ。
そうか……エリカ様の実験で正規ではないバグポケモン相手に魔法をかけていたりしたのはゾロアークの成せる幻術の実験!
彼女は、アイスとスチルまでも騙してロックにすり替わっていたのだ。
敵をだますにはまず味方から、とはよく言ったものだぜ。
アリス「6号」
6号「ごめんなさい、ありすさん。私はあなたたちを騙していました」
しかし悪戯でイリュージョンを行う種族ではない、何かを守るために身につけたスキルなのだ。つまり彼女には守りたい大切なものがあったという証拠。ボクはいまさらそれを責めるつもりなどなかった。
アリス「グレアット達もか?」
6号「グレアにだけは教えていました」
アリス「そうか」

後ろで絶え絶えになっていたレジガールが反応を示した。
アイス「……うぅ……ロック……?」
スチル「レジアーク、ってとこかしら……ふふっ」
6号「アイス、スチル。安心してください、本物のロックはまだ眠っています、決して邪悪な封印は解かれてなどいませんよ」
そうか……権力者であるマツブサにそう思わせることによって、未然とホウエンに災害が起きることを防いでいたわけか。そして平和になった外の世界を知らない2人にこの素晴らしい景色を見せてあげようと……。

ギガス「クク……そうか、だから戦争が起こらなかったということか」
6号「ギガス、あなたもまた私の術中にハマっていたのですよ」
ギガス「どうやら我の出番はなくなったようだ。人間よ、非礼を詫びよう。しかしもし争いを望むときが来れば、我は大陸を守るために人間を殲滅させる」
そう言い残すと、最後に一瞬だけ笑って彼女は何処かへと去っていった。
レジギガスもまた、平和を求めていたのかもしれない。
アイスとスチルはすっかり元通りの姿に戻っていた、彼女なりの愛情だろうか。さっきよりも少しだけ輝いているように思えた。

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~~~♪~~~

チャーミングな翼を引き下げて登場
無敵で素敵な衝撃 刺激的な少女
誰もが自然と回りだす神様だって踊りだす
揺れる会場燃える会場ほら案の定
Peace Enjoy!

僕ら時々日々の隙間に彷徨うことだってあるだろう
そんなときパッと目の前そっと照らしてくれるある光
つまらないネタばっかり寄付してちゃつまらない
そんなにハマって抜け出せなかった昨日までの僕ら

爪なんてなくてもいいのさ
空なんか飛べなくていいのさ
僕らこのパーティがあればそう何にでもなれるのさ!

Come On!

Magic 君の紡ぐ魔法は
Burning 僕を熱くする
Playing それはちっぽけなんだ
だけども世界に花を咲かすさ

Ride On 闇を駆け抜けてく
Supreme 愛と空すべて
受け取るすべてがまるでメッセージ
照らしていてよ最後まで

握った手のひらから伝わるのさ君が好き

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

カナズミポケモンセンター

疲弊しきった手持ちを回復させに、最寄りのポケセンで休ませてやった。
唯一元気のままである6号とふたり近場の道路で話をする。
アリス「本物のレジロックはどうしてんだ?」
6号「私に想いを託して以来、ずっと寝てますよ」
アリス「会ったのか?」
6号「もう随分と昔に、機能停止しちゃいました」
漆のように黒く輝く髪を靡かせながら感傷に浸る6号。
そうか、本物のレジロックはもう……。

アリス「爆裂魔法はレジロックから継承したのか?」
6号「あ、これは自前です」

そこだけは譲らなかった。生粋の爆裂バカで安心した。
九尾の狐が持つ霊力を纏いし鬼火をエネルギー源としてるのかな?まあなんにせよ、ボクにとっての6号はやはり6号のままだ、これだけは幻じゃなく現実と断言できるね。
アリス「せきしつの文字はお前がやったのか?」
6号「流石に恐れ多くて直接やってませんよ、あれは幻術です」
なるほど。まんまとそそのかれちまったぜ。
6号「あなたなら、きっと導いてくれると信じてましたから」
アリス「狐から買いかぶられても悪役が際立つだけだっての」
6号「あはは、悪人じゃないですか」
軽口を叩き合う談笑は、互いに気が済むまで続いた。

ギガス「真に平和を願うのならば、抗ってみせろ人間よ」

ボクたちは、頃合いを見てポケモンセンターへと帰路についた。
するとすっかり元気を取り戻したアイスとスチルが雑誌に興味津々のご様子。
アイス「……流行りの……あいことば……」
スチル「このルチアって子かわいいわねー!」
おう、すっかり馴染んでもらえたみたいでなにより。
ボクと6号はふたりのもとへと近づいて声をかけた。
6号「なーにやってるんですか」
アイス「……ロック……アバンギャルド……」
アリス「それ皮肉か?」
たぶん意味も分からずにナウいことばを言ったのだろうけども。
スチル「チルルですって!アタシと名前似てるんだし、アタシもマスターランク目指せるかしら!」
あ、メグの専属プロデューサーですのでお引き取りを。
6号「あはは、楽しんでもらえててうれしいです」
にーっこり笑いあうレジガールたち。
これでひとつの使命は果たせた、あとでエリカ様へと報告しよう。
ボクは財団の任務のことを簡易的に説明をすると、2人は前向きに協力をしてくれた。自分のまだ見ぬ世界を数百年分味わいたい、だそうだ。
今晩転送するので、それまでの間6号と3人で思い出作りをしに出かけて行った。一応なにがあってもいいようにひとり5万円ずつ渡しておくことにした。

~~~
ナンバーシックスサイド
6号「さて、どこにいきますか?」
私は、同胞2人に目的地を決めてもらうことにします。
本物ではありませんが、分かち合った感情と記憶は本物の絆なのです。
アイス「……流行の最先端……」
6号「抽象的!いったいどこですか!?」
スチル「コンテストライブ見に行きたいわね、あと生まれ故郷っていうルネにも!」
6号「具体的!でもそんなに時間はありませんからどっちかにしましょう」
この2人は、私に負けず劣らずのマイペースさです。
とりあえず、ミナモシティへと向かうことにしました。アイスの言う流行とやらもきっとそこにあるはずでしょう。
私は姿を変えることはできても、実際のわざまでコピーはできませんし仮に使えたとしても、私のエクスプロージョンなポリシーに反するので無効です。
大人しく、ミナモ行きの直行バスへと乗ってレッツラゴーです!
ちなみに、ありすさんは楽したがりのナマケロな割には一向にバスを使おうとはしません。公共交通機関が使えないやましい理由でもあるのでしょう。
ロケット団の稼業なんて興味もありませんが、悪の組織はかっこいいのでありよりのアリアドスですね!

ミナモシティ
繁栄した大きな港町・ミナモにやってきました。
ここに来たのも3回目ですね、まぁ1回目の私はゴルバットさんにやられてばたんきゅ~の状態で担がれて、気が付いたらメグさんがアイドルやってて、しょうがないのでデパートでたくさんのお買い物をしていましたが。
アイス「……ふふ……昨日ぶり……」
2回目は、アイスにお土産を買ってあげるためにやってきたばかりですね。
それにしても、私のセンスのどこがいけなかったのでしょう?メグさんにファッションセンスで負けるのは分かりますがアイスと共感ができないというのは意味不明です。
スチル「きゃはは!ここ面白いわねー!」
6号「はぐれちゃだめですよー」
引率の先生になった気分です。私は、しっかりとスチルの右手を繋いで一緒に歩くことにしました。
アイス「……わたしも……」
アイスが、私の空いた手を取って握ってきました。3人仲良くおててを繋いでおさんぽですね。
せっかくなので、レジロックの姿へとイリュージョンしておきましょうか。

f:id:Alice_Wreath:20210911235135p:plain6号「よし、行きましょうか!」
スチル「ロックてばノリノリじゃないっ!」
アイス「……ふふ……好き……」
あっれー、どうして私が引率してるはずが子ども扱いされてるんですかね?
納得いきません、ぷんすか!

~~~

モンスメグ「ろっくんって、あーくんだったんだね☆」
ゆん「コガネでお掃除をしていたときに、見覚えのない赤い毛が落ちていたのはそういうことだったのですね」
グレアット「私は、ヤマブキで知りましたっ

知らなかったの、ボクだけかよ!
それはさておき、三者三様の反応を見るにゆんは疑心があったらしく、メグは聡いだろうから薄々感じ取ってはいたのだろう。
しかし幸いなのは、誰一人として嫌悪感を抱いていないこと。やはり普段からばか……愛くるしい行動ばかり取っていればこういうときにタメになるってことだな。

アリス「今まで通り、本物だろうとゾロアークだろうと、あいつはボクらの仲間だ」
グレアット「はいっ」
モンスメグ「もっちろーん☆」
ゆん「ええ」
それに、どうせあいつはどんな姿だろうと爆裂魔法しか打たんやろ。
グレアット「あ、お見送りのときに盛大にミサでもっ」
モンスメグ「パーティーしよー☆彡」
ゆん「腕によりをかけますわ」
グレアット、これはメグが正しい。お祈りはひとりで全員分やっていてくれ。
よよよとひとり泣きべそをかく約一名をおいて買い出しへと向かった。

~~~

ルチア「キラキラ~!くるくる~☆」

スチル「L・I・S・I・A、ルチアー!」
アイス「……世界の……トレンド……!」
6号「ぐ、グッズを全部買い占めてる!?」
トップアイドルのグッズのセットだなんて10万できくのでしょうか。
あれ、そういえばなんだかお財布が心なしか軽いような……。
6号「ちょっとぉ!?」
スチル「うっさいわね、ライブの邪魔よ!」
アイス「……ロック……厄介……」
6号「どろぼうはロケット団のはじまりですよぉ!」

ルチア「あい!うぉんとぅ!そこに膝づいて☆」

~~~

ミナモデパート
ゆん「ヴルストカレーの食材は、と……」
グレアット「私、辛口がいいですっ!」
モンスメグ「このコスメとー、香水はー」
ご馳走をふるまうには食材が何でもそろっているミナモデパートが一番ということで、ここまで来たのはいいけど退屈でしょうがない。
そういや今日はルチアのコンサートがある日だったな、チケット買い損ねたから見にはいけないがグッズだけでも買っておこうかな。
グレアット「アリスさん、お荷物お願いしますねっ」
どさどさっ
アリス「おっも!買い込みすぎだろ、ヘビーボールで捕獲できるぞこれ!」
人間のチカラとポケモンのチカラは違うんだぞ、こんな鉄の塊みたいな重量持てるか!
とりあえずベンチに置いて隔離、避難、見張り。
やれやれ、おとなしく待っているしかないみたいだ。
モンスメグ「あ、買いたい話題の服があるんだったー☆」
もう勝手にしやがれ

~~~

アイス「……尊い……」
スチル「ルチアさまあぁ~!」
6号「つっかれました……」
まさか一度見ただけで振り付けをマスターするとは、才能ありますよ2人とも。
私はもうヘトヘトです、今日はまだ爆裂魔法を打ってないというのに。
帰り際、ルチアさんがこっちに気づいてやってきました。
ルチア「やほやほ、キミたち!」

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スチル「ルチアさま!?」
アイス「……これは……夢……?」
ルチア「すっごい応援だったよ!とってもヒートアップしちゃった☆」
スチル「あ、あわ、ありがとうございまひゅ!」
アイス「……………………」
もう完全に反応が、りかけいのおとこですよ。
ルチア「よかったら、また来てね!これ、次やる最前席のチケット♪」
落としてますよ2人とも。
6号「お心遣い感謝します」
ルチア「およ、その声は6号ちゃんだね!アリスちゃん元気してる?」
6号「はい、一応」
スチル「な、な!あんたルチアさまと知り合いなの!?」
アイス「……抜け駆け……だめ……」
もうなんなんですか、あなたたち。
言っておきますが、私もルチアさんのファンですからね。
ルチア「それはとってもハッピーだね♪じゃあわたし次の仕事があるから、バイビー!」
足早に、マネージャーらしき方と去っていくルチアさん。
スチル「アタシ、ファンクラブ立ち上げるわ」
アイス「……新たな……生きがい……!」
6号「それはよかったです……」
お許しください、私は姉妹二人の人生を狂わせてしまいました。

~~~
ミナモシティ

アリス「ん?」
モンスメグ「ろっくん!あすあす!すっちー!」
6号「奇遇ですね」
意外にも、まさかの同じ場所に来ていたようだ。
アイスとスチルの手荷物を見るに、ルチアのライブに行ってたみたいだな。
心なしか、ポケモンだいすきクラブみたいに笑顔がキラキラしてますけど。

グレアット「楽しめましたかっ?」
スチル「あんた熱いからちょっとソーシャルディスタンスして」
アイス「……苦手……」
グレアット「ごめんなさいぃっ!」
またしても後ろに隠れるグレアット。仕方ないだろ、こおりもはがねもほのおが苦手なんだから。
6号「どうしてこちらまで?」
ゆん「送別会を開こうと思いまして、お料理の買い出しですわ」
モンスメグ「メグからのプレゼントもあるよ☆」
アイス「……プレゼント……!」
スチル「気が利くじゃないの、アタシカレー好きよ!」
グレアット「カレーだって熱いじゃないですかっ……Fu○K」
アリス「グレア」
グレアット「はぁいっ♡」
6号「わあ、素敵ですね。でしたら先ほどお部屋を借りたのでそこでやりましょう」
アリス「部屋?」

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アリス「待て待て待て待て」
スチル「あそこにだいすきクラブあるでしょ?そこの会長さんに、ルチアさまを崇めるためのファンクラブを作りたいって言ったら貸してくれたわ!」
アイス「……ふとっぱら……」
グレアット「は、はわあっ」
アリス「…………もはやなにもいうまい」
推定5億5000万円らしいです、怖いね。
モンスメグ「ここを秘密基地とする☆」
ゆん「恐れ知らずですね」
6号「自由に使っていいみたいですよ」
後が怖くて、なにもできねえわ!
これ、財団に融通効くかなぁ……?

~~~

その夜
月明かりの出ている、星色夜空が広がっていた。
豪邸の中は、豪勢な料理とパーティグッズが広がっていた。
ゆんの特製カレーに舌鼓を打ちながらみんなでワイワイと騒ぐ夜。ルチアの話題から、6号のちょっとした裏話、ボクたちの歩んできた軌跡までタネは尽きなかった。
ちなみに、メグが送ったおしゃれなプレゼントはアイスとスチルに大好評であり彼女たち2人はこの先モデルになったりするのだがそれはまた別の機会に。

ーアリス、こちらへレジアイスレジスチルを送ってくださいましー
お別れの時間が訪れるのは、あっという間。
ボクは名残惜しくも、2つのモンスターボールを手に取った。
6号「うぅ、アイス、スチル……ぐす、お元気でいてくださいね」
アイス「……ロック……泣き虫……変わらない……」
スチル「今生の別れじゃないのよ?また今度遊びに来るわよ!」
そう諭すアイスとスチルも、また瞳が潤んでいた。
ゆん「お気をつけて、おふたがた」
スチル「ええ!」
モンスメグ「今度プリ撮ろーね☆」
アイス「……めいっぱい……デコる……!」
グレアット「あのっ……いいでしょうかっ」
アイス「……別に……グレアットのこと……嫌ってないから……」
スチル「炎、どーしても苦手なのよ。あんたのことは好きよ」
グレアット「あ、ありがとうございますっ!私、2人の明るい未来をずっと祈ってますからっ!」

各々、別れの挨拶は済んだみたいだな。
ってボクのほうをチラチラとみるんじゃない。
アリス「あー、まぁお前らを外に出したのはボクだもんな。とりあえずがんばれ」
スチル「ほかになんかないのかしら!?」
アイス「……わたしの体より……冷たい……」
アリス「まあ何かあれば、一緒に旅しようぜ。待ってるからよ」
2人は顔を合わせて、微笑みを交わした。
最後の挨拶を終えて、今度こそ転送を行う。

6号「ま、まってください!」
グレアット「6号ちゃんっ」
6号が、おずおずと2人の間に割って入るとぎゅっと抱きしめた。
アイス「……わわ……」
スチル「近いのよ!」
6号「本当にごめんなさい!私、本物のレジロックじゃないのにこんなに長い間よくしてくれて……私、悪い子です……!」
その言葉は、謝罪と反省だった。
しかし、アイスとスチルは至近距離で涙を流す6号の頭を優しく撫でた。
スチル「なにいってんのよ。代わって戦場に出てあげたのはあんたなんでしょ、アタシたちにとっちゃあんたが本物のロックよ!」
アイス「……ズッ友……!」
6号「う、うぅ……ありがとうございます!大好きですー!」
本当は、ずっとずっと胸に秘めた想いを伝えたかったのだろう。
経験する必要もない戦争に出て、壊れてしまったレジロックの代理をずっと務めてきたのだ。彼女にとってそれはそれだけ重荷だったろう、その呪縛から何百年もかけて解放されたのだ。
本当にずっと封印されていたのは、彼女のココロだったのかもな。

レジアイスレジスチルの生体反応を確認しましたわ。わたくしが責任をもって預かりますのー
アリス「お願いします」
ホウエンには慣れまして?ー
アリス「まあ、はい」
ーうふふ。それとうゅみはまだ生命エネルギーの検知は取れていますわ、ご安心をとは言い難いですけれども、まだ猶予はありますわー
アリス「わかりました、早急にどうにかします」
ーでは、ご武運をー

アリス「よし、宴もたけなわだ。片づけて寝る準備でも」
その時だった。

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モンスメグ「まっさおー☆」
ゆん「あいいろのたまが!」
グレアット「ものすごい神力を感じますっ!」
アオギリから預かっていた、あいいろのたまが突如として蒼く輝きだしたのだ。
6号「うわわ、なんですかこの力!」
メッセージを訴えかけてるようだった、警告を促すように点滅を繰り返すあいいろのたまは次第にサイズが小さくなっていきやがて元通りになった。
アリス「なんだったんだ……?」
グレアット「ひょっとして、カイオーガさんが目覚めてっ?」
モンスメグ「チョー気になるー☆」
6号「気にはなりますが、もう私へろへろです」
ゆん「明日の朝にでもアクア団のもとへ行きましょう」
アリス「……ああ」

しかしこんな急に、前触れもなく光り輝くものなのか?
それにレジ一族を送り出したばかりのこんなタイミングでだ。
誰かが、ボクらを監視しているのか……?

王族封印編 END

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