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《Ride On The City》救星の明るい夜 Part10

競技巡回編Ⅸ

ルネジム
ジョウト地方にある、こおりのぬけみちを彷彿とさせる造りになっていた。
非常に壊れやすい薄い氷の床になっており、恐らくは一筆書きのようにして滑りながら進んでいく仕組みなのだろう、恐らく。
グレアット「これでいよいよ最後ですねっ……飛びますっ!」
ね?
ということで、ルチアのおじさまのミクリのお師匠様である、アダンとご対面。

アダン「わたくしは水も滴るナイスガイなダンディズム、その名もアダンであります。このジムにユーのような、若きタイフーンが腕試しに現れたことディープな感謝を」
モンスメグ「ヘイプア☆ダンディー♪ミクミクにコンテストでウィンしちゃったこのメグちゃんが相手しちゃうよ☆」
アダン「イッツアンビリバボー!ユーのようなビューティフルポケモンが我が愛弟子にサイクロンを巻き起こすとは、面白いですよ。アリス、あなたのチャームポイント、このルネフェスティバルで見せてもらいましょう!」

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アダンは ラブカスを くりだした!

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モンスメグ「ハートのウロコちゃん♡」
本体はそっちとか言ってやるな、事実だから。
ゆん「あら、雨が……」

あめが ふりだした!
アダン「ステージに、キャストを引き立てるセットは必須でしょう」
おあつらえな舞台装置、ってわけか。
ラブカスの特性はすいすい、雨でこそ真価を発揮するポケモンを中心としたパーティーとみた。
あいての ラブカスの てんしのキッス!
ラブカスは雨によってしなやかにメグの元へと泳ぐと、かわいい顔で迫ってキスを
モンスメグ「んうぅ……♡」
ラブカス「!?……///」ジタバタ
あいての ラブカスは こんらんした!
モンスメグ「かーぁいい☆」
アリス「えぇ……」
ゆん「あらあら~」
なぜか仕掛けたほうが混乱しちゃったんですけど。
なんかいろいろとおかしくない?
モンスメグ「おかえし☆……好きだょ、ラブカたん♪」
持ち場へ戻ろうとしたラブカスの足を掴んで、抱き寄せると耳元で囁くメグ。
ラブカスは真っ赤になると目をくるくるさせて気絶してしまった。
ラブカス「きゅ~……」
いちげき ひっさつ!
あいての ラブカスは たおれた!
グレアット「愛は世界を救うのですねっ……!」
6号「後光がまぶしいですグレア」

アダン「なんとラブリーチャーミーなストーリー。次のキャストを呼びましょう!」
アダンは アズマオウを くりだした!

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モンスメグ「きんぎょ☆注意報!」
アリス「伝わらんて」
上品に舞い踊るアズマオウ。こいつも確か特性すいすいだったか。
あいての アズマオウの メロメロ!
グレアット「あんなに可愛らしいのに男の子なんですねっ」
今ちらっとボクのほう見なかった?
それはいい、メロメロにかけられちまうと攻撃を50%でキャンセルしてしまう恐ろしい行動停止デバフだ。せっかく命中100%のレールガンを編み出したというのに、また実質50%に戻され、、、
モンスメグ「アズマきゅんスカート似合ってるよ☆」
アズマオウ「っ?!」
またはじまったよ。
メグ、ポケモン勝負ってご存知?
モンスメグ「お姉さんがぁ~、も~っとかわいく変身させたげる♪」
あいての アズマオウは メロメロになった!
ゆん「性別の壁を超えるのもまたひこうタイプの嗜み……」

ボク、帰っていい?
アダン「ほう、アズマオウのハイブリッドなステータスに気づくとは」
なんかこの人もポケモンバトルしてないもん。すっかりコンテスト気分なのよ。
もしかしてミクリもこんな感じなのだろうか……。
モンスメグ「しびれちゃえ☆」
モンスメグの でんじほう
こうかは ばつぐんだ!
きゅうしょにあたった!
あいての アズマオウは たおれた!
うーん。納得できない。

アダンは ナマズンを くりだした!

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アダン「ナマズに電気はシャットダウンですよビューティフルガール」
モンスメグ「~゜・_・゜~」
なんだその顔は。
ここにきてようやくポケモン勝負っぽくなってきた、確かに得意とする電気は吸収されちまう。大人しくグレアットのはなびらのまいを散らした方が得策だろう。
とりあえずアイコンタクトをとってみる。
グレアット「ふるふる」
目配せすると、シャワー装置と自分の羽を交互に指さして首を横に振ってきた。
うん、ほのおタイプだもんね。やだよね。
しゃーない、ここはメグのエキセントリックなパフォーマンスに期待するしかない。
モンスメグ「メグの歌をきけー☆」
ナマズン「?」
しかし こうげきは はずれた!
毎回それやらなきゃ気が済まないのか?
アダン「遊びはジエンドですね、ユー」
ナマズンの じしん!
モンスメグ「オペレーション”ナマズ踏み”☆カバーストーリー傍迷惑な愉快犯起動!」
メグは氷の床を二度踏むことで突き破って、地震震源地よりも下のジム地下部分へと避難することによって難を逃れる。
6号「さすがメグさん、発想の転換です!」
ゆん「素晴らしい膂力ですわ」
メグは、そのまま真下からナマズンが居る場所をめがけてばくれつパンチを食らわせた。
モンスメグ「シークレッツ☆デュアル!」
きゅうしょに あたった!
あいての ナマズンは こんらんした
ナマズンの ねむる!
ねむって たいりょくを かいふくした!
グレアット「混乱もダメージも、無かったことにされてしまいましたっ」
アダン「わたくしのストラテジーは、ヒット&ヒール。じっくり鑑賞させてもらいますよ」
相手が悪い。そうとしか言いようがなかった。
レールガンが通用しないうえに、耐久の高さと自己回復と来れば先にメグがガス欠を起こしちまう未来が見える。
モンスメグ「およ?ここってそういえばアイスフィールド……」
アリス「メグー、もし無理そうなら変わってもら」
モンスメグ「💡」
閃き方がロマンシング!
メグは、自身に電流を集めながらジムの氷を作り上げている液体ヘリウムを使って、そこに自転させながら電磁砲を流し込んだ。
グレアット「あっ!スピンホール効果っ!」
ゆん「超伝導、ですわね」
眠っているナマズンの身体を急速に超低温まで下げることによって、電気抵抗を一瞬だけゼロにさせた。
超伝導体と化してしまったナマズンに、思いっきりでんじほうをぶつけこんだ!
メグ「レールガン☆」
こうかは ばつぐんだ!
あいての ナマズンは たおれた!
アダン「グレイト!このフィールドをフル活用した正にアメイジングなバトルでしたね、これはポイント高いですよ」
アダンは シザリガーを くりだした!

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モンスメグ「とーれとーれぴーちぴち♪」
食うなよ?
アダン「赤きシザーにロマンを込めて!」

あいての シザリガーの ハサミギロチン!
モンスメグには ぜんぜん きいてない!

6号「躱し、すらもしませんでしたね」
ゆん「一撃必殺技は、自身よりも格下の相手にしか通用しませんわ」
つまり、メグは完全に格上の存在。ということの証明になっていた。
モンスメグ「こんなのがロマン?まだまだ、ドリーム止まりだね☆」
モンスメグの でんじほう
こうかは ばつぐんだ!
あいての シザリガーは たおれた!
圧倒。完全にこのフィールドを圧倒していた。
最初の二戦も、彼女に用意されたオープニングだったとすら捉えられる。

アダン「ハートに刻みましょうこの時間を。今を重ねて未来へ泳ぐのです、WATER BLUE NEW WORLD!
アダンは キングドラを くりだした!

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グレアット「お美しい……っ」
6号「竜の波動と水の激流を感じます!」
ゆん「ギャラドスと対をなす水龍界の女王・キングドラ

アダン「クイーンにひれ伏すのです」
キングドラの ハイドロポンプ
ひとつの池を全て集めたような量の水を勢いよく発射する!
その巨大な水砲はメグの迅速さでも避けきれず、大ダメージを受けて転がり込んでしまう。
モンスメグ「ふふ、やるね姫ちゃん☆」
姫ちゃん。
メグは天に向かって両手をかざして仰ぐと、水面が星々に囲まれてロマンチックな風景を映し出した。
アリス「これはいったい……?」
ゆん「そういえば、メグちゃんは近頃ほたるびを光らせていませんわね」
6号「わぁー、キレイですー」
いわれてみれば、それもそうだ。最後に使ったのはいつだろうか思い出せない。
そもそもコンテストを制するためにプロデュース中はさまざまな技を構成していたからなおさら余計にこんがらがっている有様である。

グレアット「この星たち……非常に強い神力を感じますっ」
アリス「なにっ!」
モンスメグ「一夜限りのスペシャルステージ☆すごいゼ!アツいぜ!神ってるZE☆」
鼓膜が破れそうになるほどの爆音ミュージックが開催された。


ブレイジングソウルビート

こうかは ばつぐんだ!
あいての キングドラは たおれた!

モンスメグの
こうげきりょくが あがった
ぼうぎょりょくが あがった
とくこうが あがった
とくぼうが あがった
すばやさが あがった

アダン「ふふ、ヒートアップしてきましたよ。サイレンスなこのブリザードを熱く溶かしてしまうそのミュージカル、とてもドラマチックでした!」
賛美の拍手を送るアダン。
モンスメグ「メグのファンになっちゃえ☆」
ひとさし指と親指をピシッと立ててウィンクで決めるメグ。

アダン「ですが、まだ若い」
アダンは スターミーを くりだした!

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グレアット「6匹目っ……!」
アリス「あのおっさん、本気みたいだな」
元々モンスターボールを5個しか付けていなかったのを確認している。おそらくあのスターミーは真の切り札、本来はジム戦で使わないポケモンだろう。
モンスメグ「ラストまで盛り上がっていこー☆」
6号「メグさんは全能力がアップしてます!余裕ですよ!」

アダン「スターミー、一騎当千
あいての スターミーの アベレージ・ワン

虹色に輝く光を胸元のコア部分からキラキラと、水のように優しく滝のように激しく氷のようにメグへと貫いた。
こうかは ばつぐんだ!
アリス「なんだ、この技は……?」
カントーにいたとき、発音すらできない技や使用しただけで世界がフリーズする技、見ることそのものが禁忌とされる技など色々見てきたが、こんな美しく煌びやかな技は見たことがなかった。

アダン「スターミーは非常に多様な特殊スキルをマルチに扱えるスタイリスト。そのエネルギーをコアへひとつに集中させて五大元素を発現させられるようにマスターされたのがアベレージ・ワンなのです」
アリス「ええっと、つまり」
アダン「すべてのタイプを兼ね備えたアビリティです、そしてレジストを無視しクリティカルだけを忠実に狙うのです」
チートじゃねえか!
どのタイプの組み合わせに対しても必ず弱点となり、半減や無効化は完全無視。さらにひかりのかべによる壁も貫通と来た。
正確な威力は不明だが、あのメグの焦りようと傷の具合、スターミーの持つ特殊攻撃力から推測するにエクスプロージョンに匹敵するレベルだろう。
アリス「メグ、いけるか!?」
モンスメグ「……」
メグは六芒星の電気式魔法陣を構築すると、ジム全体、ボクたちの身体まで痺れをもたらすほどに強大な電力を放電しだした。
6号「な、なんですかこのパワーは」
ゆん「うっ……電気は苦手です」
グレアット「メグ、ちゃんっ……」
3人ともその威圧と電圧に圧倒されてうずくまってしまった。
正直、ボクも目を開けてるのがやっとなくらいだ。
モンスメグ「疾風たりし天神、今導きのもと撃ちかかれ
フォトンランサー・ファランクスシフト!」

 

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こうかは ばつぐんだ!
あいての スターミーは たおれた!


アリス「やった、のか……?」
あの雷撃は甚大な破壊力で、ジムから通じてルネシティを囲う水辺を伝い、街全体を焦がし尽くした。
アダン「こほこほ、ちょっとやり過ぎですね。ですがとってもグロリアス!」

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レインバッジを てにいれた!
ホウエンリーグ全てのバッジが揃った!

6号「うわー。私のエクスプロージョンが完全に決まったくらいにやばいですね」
ゆん「海底の都市ですからなおさらですわ」
グレアット「神よ、どうかお赦しくださいっ」
モンスメグ「メグ、またなんかやっちゃった?」
アリス「そりゃあもう盛大にな」
アダンは、それでも冷静さを欠かずダンディズムなまま接する。
アダン「貴重な資産であるめざめのほこらが残っているのです、それだけでもラッキーですよ。ははは!」
おおー、なんと逞しい。
たくましさコンテストぶっちぎりで優勝ですな。

グレアット「めざめのほこらっ?」
そういったワードには敏感なグレアたん。
こんな状況なのに、よくいけしゃあしゃあと聞けるね。
やっぱ種族が違うと常識の観念が違うんかなぁ。
アダンさんが笑顔のおかげか、住民たちからは恨まれることなく済んでるから助かってますけど。
ほんとウチのトラブルメーカーがすいません。
アダン「あの洞穴が、めざめのほこらです。カイオーガが眠る場所と言い伝えられていますが、中へ入るには真空のショックに耐えられなければなりません。そのようなことは不可能ですから真偽は定かではないのですよ」
なるほど、結局眉唾の域を出ないわけか。
仮に真空空間でも自由に行き来できるような技術があれば、どうにかなるんだが……。
あいにく、ホウエンにはロケット団の企業は……ん?
ゆん「ありす様。ツワブキ様は確か……」
アリス「案外なんとかなるかもな」

カナズミに拠点を置くデボンコーポレーションは今はロケット団傘下の企業。
その社長の実子が、ホウエンリーグのチャンピオンかつ生体エネルギーの謎に迫っている。
さらに、グラードンを復活させて企みを起こしているマグマ団の存在と敵対するアクア団の関係性とアオギリから預かったあいいろのたま。
そして、ボクの目的はうゅみを苦しめているエネルギーの調査。

6号「ここからが、本当の始まりですね!」
6号の実態は、ここホウエン地方に封印させられていたレジロック
ダイゴの話を聞くに残るレジアイスレジスチルも先ほどの謎に関わっていることだろう、その2人の封印されている場所と手掛かりはまだ知る由もないが、遺跡関係に携わるのであれば、考古学者でもあるツツジの力を借りれる。

モンスメグ「うゆゆのことレスキューしにレッツゴー☆」
グレアット「行きましょう、アリスさんっ!」
アリス「ああ、巡回は終わりだ。まずは6号のダチと会いにいこう!」

競技巡回編 END

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~~~♪~~~

チャーミングな翼を引き下げて登場
無敵で素敵な衝撃 刺激的な少女
誰もが自然と回りだす神様だって踊りだす
揺れる会場燃える会場ほら案の定
Peace Enjoy!

僕ら時々日々の隙間に彷徨うことだってあるだろう
そんなときパッと目の前そっと照らしてくれるある光
つまらないネタばっかり寄付してちゃつまらない
そんなにハマって抜け出せなかった昨日までの僕ら

爪なんてなくてもいいのさ
空なんか飛べなくていいのさ
僕らこのパーティがあればそう何にでもなれるのさ!

Come On!

Magic 君の紡ぐ魔法は
Burning 僕を熱くする
Playing それはちっぽけなんだ
だけども世界に花を咲かすさ

Ride On 闇を駆け抜けてく
Supreme 愛と空すべて
受け取るすべてがまるでメッセージ
照らしていてよ最後まで

握った手のひらから伝わるのさ君が好き

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「夢、夢を見ている……。毎日見ている終わりのない夢。赤い雪、赤く染まった世界、夕焼け空を覆うように、小さな子供が泣いていた。せめて、流れる涙をぬぐいたかった。だけど、手は動かなくて、頬を伝う涙は、雪に吸い込まれて、見ていることしかできなくて、悔しくて、悲しくて、大丈夫だから、だからなかないで、約束だから…それは誰の言葉だったろう……夢は別の色に染まっていく。うんっ、約……束……だよ。」

「夢、夢の中にいる……。いつもと同じ、ずっとずっと同じ風景の繰り返し。ゆっくりとまどろみに揺られながら、ただひとつのことだけを願う。目を閉じて、次に目を開けたとき、別の風景が…見えますように、と……。」

「夢、これが夢であることに気づいたのはいつだったろう?ずっとずっと昔?それとも数分前?その答えさえも、夢の中に忘れて…流れてるのさえわからない時間の中で、いつか目覚める日を夢見ながら……。」

カナズミシティ・デボン社長室

ツツジ「ふーん、レジ一族の封印ねえ」
ツワブキ「ダイゴのやつ、そこまでは辿り着けたようじゃの」
ボクたちはツワブキツツジに事情をかいつまんで話し、協力を要請した。
しかし、これといった有力な情報は手に入りそうではなかった。
ツツジ「せめて解読するための石板かプレートでもあれば、手伝えるのだけれどね」
ツワブキ「デボンの技術をもってしても、めざめのほこらへ入れるようなアイテムはまだ作られていなくてのう」
そりゃそうだ、そんなものがあればとっくに探索されているだろう。

6号「私、レジロックです」
ぐいっと身を乗り出す6号。
ツツジ「あなた、本物なの?」
ハクリューのメイクしてるだけなんです、個人的趣味なんです。
6号は、自身の証である肌に刻まれた点字を見せつけた。
ツワブキ「ほう!これはレジ一族特有の特徴。言い伝えは真実であったか」
ツツジ「ちょっとだけ借りるわよこの子」
アリス「どうぞどうぞ」
6号の身ひとつで進展するのであれば安いもんよ。
ツワブキ「時間がかかるからの、終わったらナビに連絡しよう」

さてさて、これで何か手がかりが見つかれば儲けものなのだが、あまりにも情報が少なすぎる。財団にホウエン地方の伝説ポケモンに関する情報が6号とデオキシスしか無いのに問題がある気がしてきた。
あ、その情報収集も兼ねてうゅみをエサに行かされた訳か。くそぅくそぅ!
モンスメグ「そいえば、ありすちゃん。カイナに行ったときにねー、なんかもっのすごい速さで流れてる海があったよー☆」
カイナシティは盲点だった。グレアットに鈴をプレゼントしてあげた思い出しかない。
メグは、ちょうど海に面する博物館側で遊んでいたから見えていたのだろう。
アリス「それはあやしいな」
グレアット「気になりますね、飛んでみましょうかっ?」
もうジムでのくだりで、完全によーし飛んで確かめよう!ってキャラになっちゃったねグレアたん。
ゆん「それでは私はろくちゃんを待っていますので、お先にどうぞ」
アリス「さんきゅ、行くぜグレアット」
グレアット「はいっ!」

カイナシティ

モンスメグ「あっちあっち~☆」
アリス「はえーよメグ」
走る残像を追いかけるような動体視力も身体能力もねえんだわ。
博物館や、造船所が立ち並ぶ方角へ歩き出すことにした。
西の海を見渡すと、確かに押し流されてしまいそうな激流が広がっていた。
アリス「あからさまに何かを守ろうとしてるな……」
この読みは正しいのかもしれない。
グレアットの高い視力いわく、小さな洞窟のようなダンジョンが見えたらしい。
モンスメグ「行ってみよ☆」
アリス「そうだな、考えたところで進まないし」

再びグレアットに乗って、134ばんすいどうの中心地へと飛び立つ。
上空から見下ろすと、ルネシティへ行くときに見たことのある深い海が目視できた。
アリス「ウォルル!」
ウォルルを召喚すると、グレアットに待ってもらうよう指示をしてダイビング。
狙いはビンゴのようだった。
扉のような形を模った洞窟が見えてきたのだ。
点字……か?
6号に彫られている点字と同じく、この洞窟にも点字が記されていた。
完璧にクロだろ、これ。
なかよしバッヂを取り出して、翻訳機能を作動して照らし合わせてみる。


さいしょに ほえるおー
さいごに じーらんす
そして すべてが
ひらかれる

ホエルオーに、ジーランス……?
よく見れば、あちこちの方向に点字が記されていた。
すべて翻訳して繋げてみる。


わたしたちわ 

この あなで
くらし せいかつ し
そして いきて きた

すべてわ
ぽけもんの
おかげだ

だが
わたしたちわ
あの ぽけもんを
とじこめた

こわかったのだ

ゆーき ある
ものよ
きぼーに
みちた ものよ

とびらを あけよ
そこに えいえんの
ぽけもんが いる


ここは防空壕だったのか?
とすれば、時代は戦時中。
ポケモンのおかげで生活を営めたが、
同時に怖かったポケモンもいた。
そして閉じ込めた。
勇気と希望に溢れた人間に開けてほしい。
永遠のポケモンがいる。

アリス「6号のこと、か……?」
ピピピ!
ウォルルの乗って海に上がると同時にポケナビに連絡が入る。ツワブキ社長からだ。
ツワブキ「おっほん!ありすちゃんかね、レジロックについて調べていくうちに分かったことがある、至急戻ってきたまえ」
アリス「ボクも新しいことが分かりました、報告し合いましょう」

カナズミシティ・デボン社長室

ゆん「おかえりなさいませ」
6号「あ”ぁ”~、疲れました~」
モンスメグ「ろっくんがんばったね~」

ツワブキ「やあアリスちゃん。まずはきみが見つけたことから言ってもらおうか」
アリス「134ばんすいどうに、お触れの石室という洞穴がありました」
ツツジ「海底に沈んだとされる防空壕ね」
さすがはエリート、存在は知っていたか。
アリス「そこにはこう書いてありました」
ポケギアのカメラ機能で撮影した点字を見せる。
ツツジ「これは……アンノーン文字が発見される前の文字ね」
ツワブキ「ふむ。畏怖されたポケモンというのは、ずばりレジ一族のことかね」
おおさすがプレジデント、博識で助かる。

アリス「そう考えて間違いないでしょう。そして、この鍵になっているのはホエルオーとジーランス。ホエルオーはファットマン、ジーランスリトルボーイのモデルになったポケモンと捉えることができます、それぞれポケモンを基に作った原子兵器ですね。さらにホエルオーはその後潜水艦の原型に、ジーランスは魚雷の原型となって大量に孵化と製造が施されました。この2匹も当時の戦争に使われたことが資料からわかっていますから」
By.タマムシ大学出典

ツツジ「そうね、それは確かにホウエン史で学んだわ。ファットマンとリトルボーイについては憶測の域を出ないけれど開発時期から推測すると合致するわね」
アリス「どうしてこの2匹を必要とするかは分かりかねますが、当時実際に起きていた戦争の記憶が扉を開くカギになっているのでしょう。そしてその2匹は孵化された現在の姿ではなく、当時を生き抜いてきた2匹でないといけません。」
6号「…………」
ツワブキ「なにが言いたいのかね」
アリス「ツツジにお願いがあります。数千年前のジーランスを復活させてもらいたい」
これは、考古学者であり石に詳しいツツジでないと頼めないことだ。
ツツジジーランスの化石なら保管してあるし、この会社に復元装置はあるわね」
アリス「でしたら早速」

ツツジ「それって、わたくしに何のメリットがあるのかしら」

ゆん「供給と提供の交換、というわけですのね」
ツツジ「そういうことよ。さっき6号の身体の構造を調べたのは、わたくしがいわタイプのジムリーダーである由縁と珍しい石の調査は本職だからやってあげただけ。その石室に関してはノータッチよ」
ツワブキ「わしも反対じゃの。話の腰を折るようじゃが、先ほどの調査でレジアイスレジスチルの居場所は突き止められたんじゃ。しかし封印とは本来解いてはならぬもの、どんな災いが起こるか分かったもんじゃない」
アリス「……分かりました、それはこちらで解決します。代わりにその2匹が封印されている場所だけ教えてくれれば今後この話は持ち出しませんので」
ツツジ「物分かりがいいのか、諦めが悪いのか……。分かったわ、それは教えてあげる。元々それを教えるために連絡したんだからね。でも何が起こっても一切助け舟は出さないわよ!」
アリス「はい、覚悟のうえです」

ツワブキから2匹の居場所を聞いたボクたちは、黙り込んだままの6号を連れてミナモシティへと飛んだ。
水あるところにアクア団ありってね。

グレアット「6号ちゃん……っ」
アリス「いつどんな挙動をしでかすか分からない。親友のこと、頼んだぞ」
グレアット「もちろんですっ!」

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