Wonderland Seeker

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《Ride On The City》救星の明るい夜 Part3

競技巡回編Ⅱ

カナズミジム

ジムに入ると、岩壁に覆われたフロアが視界に飛び込む。
奥には、なにかの化石のような骨が大きく飾られており、そこの真下にジムリーダーと思わしき少女がメグちゃんと対峙していた。
あれ、なんだかこの光景デジャブ。

えぇと、ジムリーダーの名前はツツジ。トレーナーズスクールの卒業生で最優秀成績を修めた、設立きっての優等生。
なるほどエリートってことね。得意タイプは……いわタイプか。

 

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アリス「よー、みらいのトップアイドル・メグ」
モンスメグ「ありすちゃん!この子いしあたまみたいにお堅い子で困ってたんだよ~」

困らせてるのはどっちの方だろうなあ?
ツツジ「あなたがこのライコウのトレーナーね!急にバトルを申し込んでくるものだから、びっくりしたわ!ここではまず認定証を提示してくれきゃ戦えないのよ」

認定証と来たか。要はジムに挑戦するための通行手形みたいなものだろうか。
なるほど、エリート思考だ。
ボクは、貰ったポケナビに搭載されているツワブキの著名付きカナズミジム認定証を彼女に見せた。
ツツジ「ふーん、社長のお墨付きなのね。それにその歴戦のポケモンたち……いいわ、受けて立ってあげる!どんな風に戦うのかわたくしに見せてちょうだい!」

ジムリーダーの ツツジが しょうぶをしかけてきた!
ツツジは イシツブテを くりだした!

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うん、もはや何も言うまい。

モンスメグ「メグちゃん出陣~♪」
グレアット「相手はじめんタイプです、レールガンは効きませんよっ」
モンスメグ「まかせとき~」
6号「なにか手立てがあるのでしょうか」
アリス「さぁな、最悪ゆんのふぶきで凍らせてもらうさ」
ゆん「私の出番が来ないことが一番ですの」

ツツジ「あら、でんきタイプでは不利ではなくて?イシツブテ、がんせきふうじ!」
イシツブテは自分の数倍ある体積の岩石を持ち上げてメグめがけて発射する。
並みのイシツブテじゃ押しつぶされるのが関の山だろう、この子はこのわざが得意技と見た。
だが、ひょいっと身軽なメグはその岩を避けてみせる。
モンスメグ「おっそーい♪」
ツツジ「さすがは逃げ足に定評のあるライコウですわね。ですが、こんなものではなくてよ!」
イシツブテは、ロックカットを始めた。無駄な石を削り落とすことですばやさをぐーんと上げるバフスキルだ。
モンスメグ「ちゃーんす☆」
だが、その隙をメグは見逃さなかった。
無防備にロックカットを行っている最中に、痛烈なゴッドハンドスマッシャーが入る。
防御力の高さが取り柄とはいえ、弱点タイプでありさらに衝撃によって混乱してしまったイシツブテ。その異様な光景にツツジは驚いて

ツツジ「ば、ばくれつパンチですって!?ありえません!」
あぁその反応見るの久しぶりだなぁ。
ゆん「メグちゃんはロマン砲がお好きなんですか?」
そういえば、バトルを見るのははじめてだったか。
グレアット「はいっ、命中に不安がありながらもその分威力と急所に特化した戦術を得意とするのがメグちゃんですっ」
ゆん「非合理的ですね」
6号「手厳しい評価」
現実的に物事考えちゃだめだぞゆんゆん。

試合に視線を戻すと、イシツブテ自傷によってまともに指示を受けられなかったようで、ツツジは戦闘続行不可能と断定してボールに戻していた。
モンスメグ「まずはバッターひとり抑えたー☆」
まるで野球だな。
ツツジ「調子に乗るのは早いですわよ、おいでなさいノズパス!」
大きな鼻がコンパスとなっているいわタイプのポケモンだ。
その方位磁石は狂うことなく、狙った場所へ攻撃を当てることができるコントロール精度の高いポケモン。まさに、メグちゃんとは対照的といえる。

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モンスメグ「おっきなおはなー!ピエロみたぁい♪」
緊張感ゼロ。
グレアット「ピエロさん、こわいんですよねっ……」
なんか違う方向にダメージ入ってるんですが。
6号「私がついていますよグレア」
これ以上外野にかまってられん。

ツツジ「いつまで軽口を叩けるかしら?ノズパス、メガトンパンチですわ!」
メガトンパンチの痛烈な一撃がメグの肩に入る。
メグは右手で左肩を抑えて、うずくまってしまった。
とーっても、イヤな予感が胸をよぎるのはボクだけではないはず。
モンスメグ「あはー、すっごいねー」
およ、思いとは裏腹に笑顔を絶やしてはいなかった。
グレアットと6号も胸をなでおろしていた。
2人の口元が濡れているように見えたのは見なかったことにしておこう。
熱いバトルでのどが渇いて水分補給してたんだよね。

ツツジ「この子はどんな攻撃でも外しませんわ、mm単位で物理演算を弾き出しますもの」
眠そうな顔に見えて、すごいんだなノズパスは。
あれほど雄弁に語るということはあれが切り札なのだろう。
モンスメグ「ふ~ん」
メグは、ノズパスの方向を定めてはいなかった。きょろきょろと壁を見渡しているように思える。
ツツジ「よそ見をなさるなんて、たいした余裕だこと!」
ノズパスの がんせきふうじ!
モンスメグ「遅くっちゃ当たらないよ☆」
ふわりとジャンプして宙を舞うメグ。
岩石の隙間をかいくぐるようにして避けると、ある一点に向けてレールガンのマナを練り始めた。
ツツジ「小賢しいわね……それがあなたのメインウェポン?わたくしのノズパスには通用しないわよ!」
いや、ちがう。
ノズパスに向けて放つようには見えない。
それに未だに電力を帯びたままマナを溜めているようだった、次第にエレキフィールドがジムに敷かれていく。
ツツジ「いけない!強い電気はこの子の磁石を狂わせてしまう!」

それが狙い、か?
それも狙い、といったほうが正しいな。
とにかく集中力を切らさないように、どこか空を見つめている。
ゆん「いったい何をなさろうと……」
考えろ。ノズパスに直接当てようにも、避けられてしまうか当たったところで致命傷にはなり得ないだろう。だが、ばくれつパンチは一度見せた技。優等生である彼女には簡単に見切られてしまう。
だったら、どうしてなぜレールガンを?
壁をじっと見つめていたな……ここは室内……施設にあるもの……?
電気をよく通すような……

アリス「そうか!メグ!天井にあるぞ!上へ向かって放てぇ!」
ツツジ「天井!?……はっ、もしや!」
モンスメグ「レール☆ガン!」

でんじほうが放たれた瞬間に、ジムを清掃するためのスプリングラーが破裂した。
みるみるうちに、水位は増していきジムは水没へのカウントダウンを始める。
ツツジ「嘘でしょう!?と、とにかく水を……!」
モンスメグ「よっとぉ☆」
メグは、再びスプリングラーめがけてレールガンを撃つと完全に故障してしまい、シャワーは強制停止してくれた。
そして、場に出ていたノズパスはみずが弱点とくれば……。

ツツジ「くしゅん!……もう、強引なやり方ね。でもその奇想天外な発想、わたくしには考えも及びませんわ。わたくしの負けは負け。ストーンバッジ、お渡ししましょう」

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モンスメグ「やーりぃ!」
アリス「ありがとう」
ツツジ「此方こそ、面白い機転を利かせた戦いを見れて感謝よ。まぁ、修理はデボンに依頼すればいいわ」
こういった寛大な心も優等生たるゆえんか?
まぁジムそのものを壊してはないからな、あのアホみたいに。
ちらりと、そいつに目配せしてみる。

6号「濡れたグレアも素敵です……」
グレアット「6号ちゃんも、青が映えてますよっ……」

アリス「よーし、次のジム目指していくか!」
モンスメグ「おーっ!(”>▽<”)」

グレアット・6号「ふえっ、終わったんですねっ!お疲れ様ですっ!」
ゆん「あらあらー」
こいつらが、素晴らしい残念な魔物だってことを思い出しちゃったよ。

ボクたちは、ツツジに見送られてカナズミを後にするとトウカシティ西にある船着き場へと向かうことにした。ストーンバッジを持っていれば、ムロタウンという島へとボートを出してもらえるらしい。

 

104ばんどうろ

 

森を逆走して抜けた先にある、小さな小屋が船着き場とのこと。
しかしストラップシューズを履いているので、あまり砂浜を歩きたくはない。

6号「女の子みたいなこと言えるんですね」
グレアット「かわいらしいですっ」
モンスメグ「そのキモチわかりみ~☆」
ゆん「私が乗せていきましょうか?」
アリス「あー、いいよ履き替えるから。えぇと、靴のアバターは……」
なかよしバッヂを開くと、変身機能を起動する。
が、カントージョウトに居た時と違って反応を起こさない。
アリス「うわマジかよ、ここだとコレただの財団専用証明書じゃねーかよ」

グレアット「制限がついてあるんですねっ」
6号「ま、世の中万能はないってことです」
お前は万能の真反対の極致点にいるけどな。
仕方ない、アリス衣装のままで特段困ることもないしむしろ早い段階で気付けてよかった。
ゆん「はーいありす様、私の背中に乗りましょうね」
翼を広げて、スタンバイしだすゆん。
その様子を見て、焦ったように羽根を広げるグレアたん。
グレアット「わ、私に乗ってくださいっ!」
くすくすと笑いだすゆん、さてはてめえ楽しんでるな?
アリス「いい、いい。どうせすぐそこなんだし」
グレアット「えーっ」
ぷくーっとほっぺを膨らませて拗ねるグレアット。
見かねた6号が、手を繋いであげて励ました。
モンスメグ「おーい、こっちこっちー!」
もう船着き場の入り口まで行って手を振るメグ。さすが俊敏ですこと。

だけどオートマトンで着せ替えられないとなると、その都度着替えなきゃならないなぁ。こいつらと居るとイヤでも服汚れるからちょっと困ったことになった。
そんな小さな心配をよそに、ハギという老人がオーナーを務めている小屋へと立ち寄った。

ハギ「おぉ、待つんじゃピーコちゃん!」
ピーコ「きゃっきゃっ!」
中へ入ると、ピーコと呼ばれているキャモメとハギと思わしき老人が追いかけっこをしているように見えた。

 

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モンスメグ「うみねこちゃんだー☆」
メグもその間に入って追いかけっこに参戦してしまった。

グレアット「メグちゃん、ご迷惑ですよっ」
ハギ「ほっほ!元気なポケモンじゃの!」
6号「あのおじいさん、メグさんと変わらない速度で!?」
スーパーテクノロ爺じゃねえか。
このままでは埒があかないので、ボクはハギに出航の準備を促す。
ストーンバッジを見せると快く了承してくれて、小型のボートを出してくれた。
さすがに全員はぎゅうぎゅうなので、グレアット以外の3人はボールに格納してふたりでハギ老人とピーコちゃんが操るボートへ乗る。

ハギ「よーし、出港じゃあ!」

ジェット音のけたたましい音と共に、心地いい潮風が肌をくすぐる。
穏やかな水の流れのおかげで船酔いすることもなさそうだ。
ボクは安心して、ボートチェアにグレアットと並んで座りながら景色を眺められた。

グレアット「すごい、遥か水平線まで見えますっ」
もともと鳥類であるグレアットの視力であれば、人間のボクが見る風景以上に鮮明に映し出されていることだろう。機嫌がいいのか無意識なのか、ぎゅっと手を握る彼女の横顔を視界の中心に収める。
その視線に気づいたのか、ハッとしたように頬を紅潮させるグレアットが愛おしい。
グレアット「そんなに見つめられると照れますっ……」
アリス「まあまあ、船旅デートと洒落込もうぜ」
デート、という単語に反応してさらに顔を赤らめた。
うゅみの身に危機が迫っていなければ、このまま二人きりでツアーを楽しみたいところだったけど、そうもいかない。いつどうなるか分からない以上、のんびりとしている時間は残されていない。

しかしなぜだか、そういう状況に限ってお茶目をしたくなるのは背徳感から来る感情だろうか。ボクは彼女の髪をさらさらと撫でていく。
グレアット「……えへへっ。このまま時間が止まればいいのにっ」
アリス「そしたらどうするんだよ?」
グレアット「ふえっ!?え、えっと、それは……っ!」
いじわるな質問を投げれば、すぐに慌てふてめく。
その途端にボートがカーブを始め、よろめいた彼女の体は自然とボクのほうへと傾いた。ボクより背の高い彼女の胸元が顔面に直撃する。
アリス「おわっぷ」
グレアット「ご、ごめんなさいっ!」
アリス「おう、気にすんな。なんならこのままでもいいぞ?」
グレアット「ほえっ?…………もうっ!」
ササッと手早く体勢を取り直して、元いた位置に戻るグレアット。
ざんねんながら、巫女服越しのグレアっぱいは秒速5センチメートルで幕を閉じてしまった。

グレアット「……つーん」
拗ねちゃった。
仕方がないので、前方に視線を変えると施設の立ち並んだ島が見えてきた。
あれがムロタウンってとこか。
ピーコ「お客様、いちゃいちゃタイムはおしまいですよー」
アリス「やかましいw」

ムロタウン

青い海に浮かぶ小さな島。

ハギ「わしはここで待っておるから、用件が終わったらカイナまで運んでやろう」
ピーコ「今日は閑古鳥なのでサービスですよー」
アリス「ありがとうございます。うっし、お前ら出てこい」

モンスメグ「ウェミダー☆」
6号「おや、あんな所に手ごろな場所が」
ゆん「いけませんよ」
6号よ、洞窟を見かけたら全部爆裂魔法の修行場と思うなよ?
モンスメグ「ねーねーみずあそびしよ♪」
どこから取り出したそのアクアジェットは。
グレアット「いいですねっ、負けませんよっ!」
どっから対抗心燃やしちゃったのグレアたん。
もういいや、ほっといて散策しよう。とりあえずジムは、と。

見回すと、いつ流行っていたのかもわからないような言葉が飛び交う集会所に、海辺で釣りやサーフィンを嗜む人々が目立つ。そういえばショップはないのかここ。
奥に見える大きな屋根がジムだろうか、ボクはそっちへ歩を進めると背中に冷たい水の感触を覚えて思わず振り向いた。
アリス「敵襲か!?」
振り向いた先には、きゃっきゃはしゃぐ3人の姿があった。止めてほしいゆんはその役目など知らんぷりして岩陰で羽づくろいをしている始末だった。
グレアット「ごめんなさいっ、私の翼から発射した水鉄砲が当たったかもしれませんっ」
こちらに気づくと頭を下げるグレアット、その炎の翼はちょっとした水になら抵抗があるのか。それはいいことを覚えた、だがもう遅い。
6号「ふはははは!爆裂の海水を浴びるがいい!」
爆裂魔法をこともあろうか、海に解き放つとそこからいくつものビーム状の水圧が砂浜を襲う。メグとグレアットはビショビショになってはしゃいでいた。
モンスメグ「やったなー!ブラストサンダー☆」
アクアジェット機の水に電力を帯びませ、直撃した6号とグレアットがびりびりと痺れて悲鳴を上げる。おぉえげつない。

アリス「おーまーえーらー?」
3人娘の中央に立って、叱ってやろうとした瞬間に、
6号「出ましたね諸悪の根源!」
グレアット「穢れを払いますっ!」
モンスメグ「おかくごー☆」
3人が同時に、炎の渦と水鉄砲と電撃波をこちらめがけて撃ち放ってきやがった!
『トライアターックっ!!!』
アリス「ぎにゃああああっ!!!!!!」
ゆん「あらあら」
いま決めた、ボクこいつらきらい。

???「大丈夫かい、キミ!」
ビーチに似つかわしくない格好をして倒れているボクに爽やかな青年が駆け寄ってきた、レスキューの方だろうか。それにしてはオレンジのTシャツに七分丈のジーパンとだいぶラフな格好をしているが。
アリス「ちょっと手持ちのポケモンたちに悪戯されちゃいまして」
???「ははは!それはけっこう!ボクはトウキ、この町のジムリーダーさ

お、ジムリーダーさん自ら来てくれたとは都合がいい。
ま、身体が思うように動かないから都合が悪いんですが。

 

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トウキ「立てるかい?」
アリス「むーりぃっす」
トウキ「幼い子をほうってはおけない、捕まっておくれ」

ロリちゃうわい!もう9歳じゃい!

と思いながらも、かろうじて腕を伸ばして、トウキの肩に捕まることにした。
トウキ「キミのポケモンはどこにいるんだい?」
アリス「あー、砂浜のほうに……」

いなかった。
あいつら逃げやがったな。ゆんまで姿を消してるし。
トウキ「とにかくまずは治療しよう、ポケモンセンターまで行くよ」
アリス「ども」

ムロポケモンセンター

トウキ「トレーナー用の診察をお願いしたいんですが」
「あらトウキさん、お世話になっています。そちらのお連れの方になりますか?」
トウキ「こちらこそ。はい、どうもポケモンの技を当てられてしまったらしく」
「かしこまりました、ではこちらへ」
ふむ、このトウキという男は島の住民から慕われている様子だった。辺りの客たちが羨望のまなざしで見つめていることから窺える。
しっかりとジムリーダーとしての役目はこなしているらしい。
集中治療が終わって、自力で歩けるようになったので戻ってくるとトウキは親しげな雰囲気で話を盛り上げているようだった。
アリス「おかげさまで元気になりました」
トウキ「おお、それはよかったよ。ところでキミのなまえは?」
このなかよしバッヂは見せる必要ないと判断して、そのまま答える。
アリス「アリスです」
トウキ「見た目通りの名前だね、シンプルでよし!ボクはジムに戻るよ、よかったらそのキミのポケモンたちと一緒に挑戦しに来てくれ」
そう告げると、足早に去っていった。
多忙な職種なのだろう、引き留めてしまって申し訳ないな。
こうなってしまったのもあいつらが調子に乗るからだ、あとでガツンと言ってやらねーと。ボクは、そいつらが居そうな虫の予感がしたのでルームをひとつひとつ見ていくとやはり4人分、宿泊用パーティルームのネームプレートに見慣れた名前があった。

アリス「YO」
6号「うわぁ!出た!」
ゆん「お化けじゃないんですから」
グレアット「お化けですかっ!?」
モンスメグ「ありすちゃん成仏してクレメンス♬」
勝手に殺すな。あとグレアたん頭悪くなっちゃった?
やはり抑止力がいないと知能指数は落ちてしまうのかもしれない。
アリス「お前たちさっきはよくもやってくれたなー?」
グレアット「ご、ごめんなさいっ」
6号「後生ですから!」
アリス「いいや、仕返しするね!」
モンスメグ「メグもやーるっ☆」
わーわーきゃーきゃー
こうして、一日が平穏に過ぎていった。

ー翌朝ー
身支度を整えて、ボクたちはトウキの待つムロジムへと向かった。
ちなみに着ていたアリス衣装は無事クリーニングできたので、問題なし。
もしどうかなってたら6号には脱皮してもらうところだったぜ。

モンスメグ「たのもー!」
6号「って、暗っ!?」
足元がかろうじて見える程度にしか照明がついていなかった。
こういう仕掛けか、なるほど面白い。
ゆん「私は夜目が効きますので」
さすがオニドリル。だったら、ゆんの後をついて……。

グレアット「目映い光よっ……!」
え、まってそれずるくない?
グレアットが小さな灯火をつけたことで、このジムのアイデンティティがクライシスしました。
6号「さすがグレア!

グレアット「お役に立てて光栄ですっ」
うん、もういいや。
おかげでトレーナーの視線かわせるようになったし、素直にトウキのとこまで直行しちゃおう。
というわけで、あっさりと再会しました。


トウキ「よく来たね!かくとうビッグウェーブ、闘気の名を冠するジムリーダー・トウキ、いざ尋常に!」
モンスメグ「乗るしかない、このビッグウェーブに☆」
グレアット「あれえっ!?私の出番はっ!?」
ゆん「うふふ」
アリス「ま、メグちゃんがやられたら頼むよ」
あの子は言って聞くような奴じゃないし。
トウキ「キミが相手かい?行け、ワンリキー!」

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モンスメグ「きみは……クチバのワンリキーくんの兄弟?!」

絶対違うぞ。
6号「メグさんに有効打はあるのでしょうか」
グレアット「相性を凌駕したお力がメグちゃんの強みですのでっ」
アリス「と言いたいとこだが、案外かくとうタイプはとくぼうが高くてな。レールガン一発で仕留められるかどうかは別問題だ」
トウキ「ワンリキー、ビルドアップ!」
ワンリキーは全身に力を込めて、筋肉を分厚くさせることで攻撃力と防御力を高めた。
なるほどまずは準備運動ってことか、体育会系のトレーナーらしい。
モンスメグ「以心伝心だね、ワンリキーくん☆」
点滅する光を眺めて精神一統するメグ。ファーストバフから始まるふたりの試合のオペレート。

ゆん「メグちゃんは、意外と落ち着いた戦法を取るのですね」
6号「私には想像もつきません!」
グレアット「6号ちゃんっ……」
そりゃお前はエクスプロージョンしかしないからだ。
せめて剣の舞か見破るでも覚えてみたらどうよ、世界変わるぜ?
トウキ「ワンリキー、からてチョップだ!」
指を握りこまない手刀の構えでメグを鋭く叩き付ける。
モンスメグ「おそいおそい♪」
それより先に動いたのはメグのほうだった。
ワンリキーが構えをとった段階で、既にメグは背後に回り込み死角から電磁砲を打ち込んだ!

モンスメグ「レール☆ガン」
とくこうがぐーんと上がった彼女の技を受けきることはできず、
ワンリキーは たおれた!
トウキ「いいプラズマだね、漲ってくる!」

6号「グレア、なんだか私も漲ってきちゃいました……あっちでビルドアップしましょう?」
グレアット「はわっ……だめですよ、6号ちゃんっ……」
アリス「お前ら伝説パーティから追放してやろうか?」
ゆん「百合が加速したせいで伝説のパーティから追放された私たち、ですがその愛のパワーで一躍対戦環境のメタに上り詰めて映画の主役に。今更泣きついてきてももう遅いですっ
アリス「ゆんは何言ってるのっ!?」

トウキ「こいつがボクの切り札さ、行けマクノシタ!」

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モンスメグ「(⌒,_ゝ⌒)」
アリス「ばちこりキメてそうな顔やめろ」
トウキ「さぁ、これまでは挨拶に過ぎないよ!サーフィンで鍛えた根性を見せようか!」
グレアット「ふふっ、この動画面白いですねっ」
6号「モエルーワwww」
そこ、人のポケギアでネットサーフィンをしない。

トウキ「マクノシタ、つっぱり!」
大きく開いた手のひらで連続攻撃を繰り出すマクノシタ
その身のこなしはすさまじく、メグは全弾被弾してしまう。
モンスメグ「あいたたたー、やるじゃん★」
トウキ「ようやくキミに攻撃が当てられたようだね」
モンスメグ「メグちゃんがほたってるの忘れてなーい?」
電磁砲を装填するメグ、しかし極端に狭い射程がゆえにひょいっとかわされてしまう。
要はいつものである。
トウキ「遅いね!」
モンスメグ「むむー、まねっこー!」
怒るポイントそこかい。
メグはじたんだを踏みながらも、目を見るとしかし冷静にマクノシタの軸となっている手足をしっかりとロックオンしているように見えた。
トウキ「おや、なにか光るものを持っているようだね。マクノシタ、はたきおとす!」
マクノシタはメグの懐に入ると、ピントレンズを叩き落した。

モンスメグ「…………」
その刹那、メグの様子が一変した。
グレアット「っ!」
ゆん「なにやら雲行きが……」
トウキ「なるほどこれがキミの武器というわけか」
モンスメグ「……せ」
6号「あ」
巨大な雷雲がメグの頭上から展開されていた。
あーあ、スイッチ入っちゃった。
モンスメグ「返せ。触るな」
メグは目にも映らねえスピードで、マクノシタへと突進していく。
モンスメグの ばくれつパンチ
マクノシタは こんらんした!
トウキ「なんだって!」
そして恒例のびっくりタイム。
ゆん「メグちゃんって二面性がおありなんですね」
アリス「恥ずかしながら」
トウキ「マクノシタの根性、クロスウェーブだぜ!」
混乱していることを感づかせないしっかりとしたファイティングポーズでどっしりと立ち構えるマクノシタ。さすがはかくとうタイプのプロフェッシェナル、こういった逆境こそが本番というわけか。
6号「なにやら波動を感じます!」
よく見ると、マクノシタの様子が……?

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グレアット「進化しました!まるで奇跡っ……!」
ゆん「逆境をエネルギーにしたのですね」
トウキ「よくやったぞ!ハリテヤマ、ちきゅうなげだ!」

ハリテヤマは引力を使ってメグを投げ飛ばそうとする。
6号「の、もっと上」
モンスメグ「消え去れ」

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ハリテヤマは たおれた!
メグは髪を整えて、はたき落とされたピントレンズを拾うと先ほどまでの豹変がなかったようににっこり笑顔でトウキへ大げさに一礼する。
トウキ「恐れ入ったよ、最高にグレイトなファイトをありがとう。これ、ありすちゃんに」
ボクのもとへ歩みだすと、ナックルバッジを渡される。

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アリス「ありがとうございます、いい勝負でした」
トウキ「このバッジがあればカイナまでの船に乗せてもらえる、そしてもっとビッグなウェーブを見てきたらいいよ」

~ムロポケモンセンター

モンスメグ「メグちゃんきょうも大勝利~☆」
グレアット「私たちって出番あるんでしょうかっ……」
6号「まぁまぁいいじゃないですか」
ゆん「おふたりの愛が育まれていくのを見守っていますよ」
アリス「おまえら解雇してやろうか」
和気あいあいと会話をしながら、今日はもう休みをとることにした。

次の舞台はカイナシティだ!

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~~~♪~~~

チャーミングな翼を引き下げて登場
無敵で素敵な衝撃 刺激的な少女
誰もが自然と回りだす神様だって踊りだす
揺れる会場燃える会場ほら案の定
Peace Enjoy!

僕ら時々日々の隙間に彷徨うことだってあるだろう
そんなときパッと目の前そっと照らしてくれるある光
つまらないネタばっかり寄付してちゃつまらない
そんなにハマって抜け出せなかった昨日までの僕ら

爪なんてなくてもいいのさ
空なんか飛べなくていいのさ
僕らこのパーティがあればそう何にでもなれるのさ!

Come On!

Magic 君の紡ぐ魔法は
Burning 僕を熱くする
Playing それはちっぽけなんだ
だけども世界に花を咲かすさ

Ride On 闇を駆け抜けてく
Supreme 愛と空すべて
受け取るすべてがまるでメッセージ
照らしていてよ最後まで

握った手のひらから伝わるのさ君が好き

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