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《Ride On The City》五人娘編 Part27-最終回-

グレアット「あぶないところでしたっ!草むらは野生のポケモンが飛び出すので、危険ですよっ」

「ありがと翼のおねえちゃーん」
グレアット「いえいえっ。天の加護があらんことをっ……」

モンスメグ「あはは、おっそーい☆」

「ロマンのちからってすげー!」
モンスメグ「キミに足りないものは、それは! 情熱・思想・理念・頭脳・気品・優雅さ・勤勉さ!そしてなによりもォォォオオオオッ!!
ロマンが足りない☆彡」

6号「光に覆われし漆黒よ。夜を纏いし爆炎よ。レジの名のもとに原初の崩壊を顕現す。終焉の関東の地に、力の根源を隠匿せし者。我が前に統べよ!
エクスプロージョン!」

オーキド「こら!またわしの研究所を壊しおったの!」
6号「ふっ、まだまだヤマブキのバリアーには程遠いですね(ドサッ)」

キサラギ「あー、くっそ!また変なとこに行っちまう」
ナナミ「ドアの前でレポートを書いてリセットすればいいのよ」

アリス「…………」
マサラタウンってこんな場所でしたっけ?
信心の深い住民、ロマンを求める住民、爆裂される研究所、どこかしらドア……。
ここは知ってる町じゃないな、よし。タマムシに戻ろう。
ゆん「中へ入らないんですか?」
アリス「あれ。ゆんも来たの」
ゆん「はい、近場ですので様子を見ようかと思いまして」
アリス「様子もなにも、見ての通り地獄絵図だよ」
ゆん「半分以上貴女が招いた結果のような?」
モンスメグ「あ☆ありすちゃんみっけー!」
アリス「げぇ」
見つかっちゃった……。
6号「帰ってきたんですか。グレア、おんぶを」
グレアット「はいっ」
ぞろぞろと、皆さん町の入り口にお揃いで。
どうせならキサラギも来いよ、お姉さんもおじいちゃんも、かがくのちからてすげーお兄さんまで集まってきたんだぞ。こうなりゃパーティータイムだ。
アリス「あー、その。……ただいま」
グレアット・6号「おかえりなさいっ!」

 

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あれからしばらくして。
エリカ様から、あいつらの行方を聞いた。
カルマは、時渡りの能力を発展途中である次元の太陽の研究に活用する実験に戻ったらしい、まだ恨みや道連れの力で抵抗することこそあれど以前よりかは前向きとか。
目の前でわけわかんねーもん見せられたら、やるしかないじゃんよ。だってさ。
そうそう、キサラギの持っていたアネデパミこといゃぞ」Aとフロア・ファイヴは財団が回収し保護された。チャンピオンの座を下ろされた以上無理もないが。

マナは、ナツメ様のサポートを任されている。
超能力のすべてを譲ったわけではないので、元々満ち溢れているエネルギーと戦闘能力で実戦に乏しいナツメ様をレクチャーしつつポケウッドで共演したりして女優として大人気を博しているらしい。このぶんなら、人に危害や破滅を与える心配もないだろう。

うゅみは、すべての物質と遺伝子の基を有してるため、いかなる認識改変の影響もすり抜けちまうからエリカ様は日々彼女のご機嫌をとってどうにか逃亡を阻止しているみたいだ。未だ見ぬポケモンの遺伝子が発見されたのでいかなる手を用いてでも管理下に置いておきたいようだ、確か128って新種が出てきたとかなんとか?

ナツメ様の話題を出したし、財団についてもちょっとだけ。
エリカ様とナツメ様は相も変わらずだが、3幹部のひとりであるキョウはカントーポケモンリーグの四天王になった。
キサラギが退き、ワタルがチャンピオンに。空いた枠に、財団内で最もリアリストかつ戦闘に冷徹な彼が抜擢されたのだ。
現在セキチクのジムリーダーは彼の娘であるアンズという少女が後継者となった。彼女は幼いころからロケット団に深く接して育ってきた忍者だ、きっと将来の最高幹部候補となることだろう。

ジムリーダーといえば、サカキ様は己を高めるために修行へ出た。そして自分の仕事はエリカ様へ引き継いだため実質的なロケット団のトップは彼女となっている。
これにより、エリカ様はロケット団の表の顔であるロケットシンクタンクも、裏の顔である財団も自分の手の内に収めたということだ。
そしてトキワジムは再び閉鎖、新しいジムリーダーが決まるまではポケモンリーグは、リーグが設置されていないジョウト地方のジムバッジを全て持っている者が挑戦できるシステムへと一時変更された。

トキワジムリーダーの新任として、キサラギが筆頭候補に上がっているらしい。まああいつは性格こそアレだがトレーナーとしての実力はボク以上だ、うってつけの逸材と呼べるだろう。それにどうせ財団の人間しかカントー地方のジムリーダーは務まらないだろうし。

そういえば、エリカ様は今回の任務で手に入れたデータをもとに別の地方のポケモンカントー地方に解き放つらしい。まずは実験として生態系が近いジョウト地方からあちこちの草むらや洞窟などに野生のポケモンを設置するんだと。

マチスは、その為にさまざまな地方に行ってポケモンを捕獲しに回っている。なまじ多彩な移動手段を持っていてなおかつ軍人として顔が広いからパシられてしまったんだろうな、今度会ったら6号と食事にでも連れて行かせて労ってあげよう。

6号「呼びました?」
アリス「わー!心を読むな!」
6号「別に読心術の心得は持ち合わせていませんが……あ、エリカからの報告データを見ていたんですね。どれどれ……」
アリス「情報漏洩はご法度だ」
すかさずシャットダウン。まだ読んでいないメッセージもあったがそれはまた今度にしよう。
6号「あん、もー。私はこの世界をもっと知りたいというのに!」
アリス「なんでも欲しがるとホシガリスみたいになるぞ。んで、なんの用だよ」
現在、マサラタウンの自宅にこいつとグレアット、メグの3人を住まわせている。
このままだとぎゅうぎゅう詰めなので、使えるものは使おうの精神で財団の技術力を借りて別荘みたいにでっかくリフォームしてやった。
おかげで、マサラ随一の大きな施設だ。オーキド研究所より立派な外観と内装になったぜ、ククク。

6号「帰ってきてから、ずーっとお部屋で引きこもって出てこないので心配で見に来たんですよ。グレアは気を遣ってますしメグさんは逆にずっとお外で遊んでますし。埒が明かないので、私が代表してやってきたんです」
アリス「ボクは本来出不精なんだよ。それに長旅で出来ていなかったことが待ってるんだ」
6号「……引きこもりロリータ」
アリス「財団のサポートを受けてるからいいじゃん」
6号「正式な職員ではないじゃないですか!そもそもどうやってそんな立派なものを買ってるんですか!」
アリス「そりゃもちろん、アイテムを錬成して闇市で売りさばいてんだよ」
6号「不正です!違法です!犯罪です!」
アリス「あんだとぉ!悪の組織が悪いことをして何が悪い!」
グレアット「おやめなさいっ!」
アリス・6号「んあ?」
グレアット「喧嘩はいけませんよっ、アリスさんは好きなことにかまけすぎですし、6号ちゃんだってアリスさんのおかげで好きにできているでしょうっ」
グレアお姉ちゃんに叱られる妹2人の図。

モンスメグ「なになにどしたのー?」
妹3人目が登場した。
グレアット「メグちゃん!どこに行ってたんですか、探したんですよっ」
モンスメグ「トキワのもりで狂戦士スリープと熱い激闘を繰り広げてたのだっ☆」
そいつまだいたのかよ。マナ以上に生きる意味を見いだせない悲劇のポケモンだぞ。
アリス「ところでさ」
グレアット「なんですかっ、まだお話は終わってっ……」

アリス「ボクの生まれたところに行かないか?」
6号「え、ここじゃないんですか?」
アリス「コガネシティが故郷だ」
モンスメグ「ジョウトー!メグちゃんとおそろー☆」
グレアット「行ってみたいですっ!」
6号「ふふふ。西の地でも私の備忘録を刻みましょう」
アリス「決定だな。ヤマブキからコガネ行きのリニアが出てるはずだ、明日出発だ」
グレアット「でも、どうして突然っ?」
アリス「カントーで伝説を残したトレーナー、しかし今はカントーに在らず。なんてキャッチコピーがあった方がかっこよくないか?」
6号「万理あります!」
モンスメグ「ロ~~~~~~マンティッッック☆」
グレアット「はぁ……?よく分かりませんけれど、どうやってヤマブキまで?うゅみちゃんは居ませんよっ?」
アリス「ゆんに乗せてってもらうさ。そうだ、せっかくだしゆんも連れて旅行と洒落込もうじゃないか」
ボクは、リュックポーチにどうぐを詰めると身支度を始める。
モンスメグ「おっでかけおっでかけ~」
6号「は!ヤマブキに行くならあの美容院に行きましょう!」
わいのわいの。
グレアット「本当にいいんですか?エリカさんから何か言われたりっ……」
アリス「思い立ったが吉日だよ、行くぞ!」

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エリカ「やはり、これだけではまだ足りませんわね……」