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《Ride On The City》 五人娘編 Part11

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うゅみ「みーつけたぁ」
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グレンポケモンセンター
モンスメグ「おっきろー☆」
なんか横腹を蹴られた痛みで目覚めた。
え。メグちゃんもしかして今やつあたりの威力最大なの?
グレアット「め、メグちゃんだめですよっ」
頭を抱えられて柔らかな太ももの感触が癒しの鈴になってくれた。
いや肝心な患部は一切癒されないどころか、なんか突かれて余計に痛みが広がってるけど。たぶんカルマあたりだろこれ。後で覚えてろよ。
カルマ「まあ寝てるほうが悪いじゃんねぇ」
ほらな。
6号「さすがに何日も寝られると心配を通り越して攻撃したくなりますものね」
は?何日も?昏睡状態だったのボク。

グレアット「あ。気が付きましたっ?そのままでいいですから聞いてくださいっ」
そのままだと横腹が無くなりそうなんだけど大丈夫かな。
やどりぎのタネとかこっそり植え付けられたりしない?
グレアット「あの後、私達は気がついたらポケモンセンターのベッドで目が覚めていました。どなたかが運んでくれたんだと思いますっ。それで元々マナの高い私達はすぐに癒えて元気を取り戻したのですが、アリスさんは1週間ほど眠っていらして……痺れを切らしたメグちゃんが強行手段に出た具合ですっ」
なるほど分かりやすい状況説明ありがとう、将来は忍術学園の主人公だな。
しかしヒトって1週間も寝れるものなんだね。
モンスメグ「いま動けないのはちょっとだけ電気混ぜたからマヒってるだけだからー、モーマンタイっ☆」
どこが問題ないんだよ人間相手に麻痺をかけるな。
グレアット「それで今直面してる危機がありましてっ……」
ボクの命ですね、分かります。
カルマ「うゅみの奴がどっかいったんよ」
6号「おかげで、誰も海や空を渡れないのでこの島に幽閉されてしまったのです」
はぁ!?あいつまさか勝手にミュウツーを探しに行ったんじゃないだろうな!
ったく、うゅみだけは良心と思っていたのにまさかの問題児No2昇格だ。
No1はボクを蹴り起こしたアホの子確定。
グレアット「急いで指示を仰いでほしくて、ゆっくり寝てもらおうと思っていたのですが私も敢えてメグちゃんを止めなかったんですっ」
こいつらグルだった。グルアットだったわ。
アリス「……ぁあ……お、治った治った。あとでメグとカルマ覚えとけよ」
カルマ「最初のひとことがそれかい」
モンスメグ「メグちゃんはドわすれした!」
グレアット「あ、良かったですっ……急に起き上がらないでっ」
言葉を遮る代わりに身を起こして、とりあえずメグのほっぺをしばいておいた。
クリティカルヒット、スピードスター顔負けの命中精度が出た。
アリス「なんにせよ、まずはエリカ様に報告だな……移動手段も用意してもらうか」

ごきげんよう、アリス。近況報告ですの?》
アリス「うゅみ、そっちに居ませんか?」
《いいえ、そのような情報は受けておりませんよ。失踪なさったのですか?》
アリス「まぁそんなとこです。読みが外れたかぁ」
《今置かれている状況をお教えしてもらえませんこと。私もゼロからでは何も言えませんわ》
グレンタウンに到着してからの行動を丁寧に逐一伝えた。
ただし、ネットワークマシン・うゅみの日記・カツラが敵対勢力であることは慎んで。
《概ね理解しましたわ。現在一番の問題はうゅみの消息について、そして動くための足が無いことですね。足についてはセキチク行きのボートをグレンの船場から出航してもらうようお願いしておきますの》
アリス「あざーす。うゅみ、見当がつきそうな場所心当たりあります?」
ミュウツーへのリユニオンであれば、私のところへ来そうなものですが……》
あ、自覚あるんですね。ミュウツー持ってそうだなーって思われてそうですもん。
《あの子は知能以上にシンクロスキルと遺伝子の共鳴がありますから、特に血の濃いミュウツーへは過敏に反応してしまうのでしょう》
アリス「シンクロはなんとなく分かりますけど、遺伝子共鳴って」
《フジのデータで判明したミュウの持つ能力ですの。あの子は生まれながらにして、全てのポケモンのDNAを共有しています。それは既存に限らず今後発見されるであろうポケモンも例外ではありません》
マジか。つまり禁忌的だけど徹底的にDNAを解剖すれば今後現れるポケモンの予測が出来てしまうっつー恐ろしいスキルじゃねーか。
《そして共有される遺伝子の情報はほとんどの場合、メタモンほどではありませんが部分的な変身能力や全てのポケモン個体値や習得技などを瞬時に理解できるくらいなのですけれども……》
くらい。くらいって言い切ったぞこの女神。それ一部の廃人からしたらチートスキルなんよ。
《唯一自身の血を分けたミュウツーに関してはことレベルが違っていて、五感と記憶を除く全ての情報を共有できますの》
Why?貴女に問いたい、そのヤバい能力の次元。
アリス「あれ、でもそしたらもっと早くにミュウツーの元に辿り着いていてもおかしくありませんか?」
《その点について違和感を感じますの。莫大なエネルギーを消費するので普段は無意識に抑える習性がありますし、それに私が直々に様々な能力の封印措置を行いましたので、そう簡単には解けないはずなのですが……それこそ常にハナダの洞穴に居る以上にはエネルギーを使えませんし》
サラっととんでもない爆弾発言しちゃった。やっぱり諸悪の根源じゃないですかやだー。このお方に逆らったら命はおろか生まれてきた事実そのものが消されそう。
《おかしいですわね。フジの遺伝子操作能力程度であれば一時的にわざの命令機関が復活するくらいなのですが……まさかあの子に直接DNA操作を?いえそんな事が出来るのは財団では私くらい……》
あ。
やっべ。もっのすげー思い当たる節がありますわ。今後一切黙っとこ。
《アリス、あなたの報告は本当にそれで全てですの?いつも以上にかなり不自然な、なんと言いますかぶつ切りな断片的な情報の繋ぎ合わせのように感じますもの》
アリス「ボクはエリカ様に隠し事なんてしませんよ、やだなーあはは」
《うふふ》
セキチク行きのボートが来たら、キャプテンにナナシマに行ってもらうようお願いしようかなぁ証拠隠滅のためになどと考えていると
《あなた、マサキと接触しましたね》
バレテーラ。おいおい死んだわ。わりぃ、ボク死んだ!
《やはり完全に管理下に置いておかないと信頼できませんね……シルフも、マサキも。そしてアリス、あなたもです》
アリス「お褒めに預かり身に余る光栄です」
《あら、でしたらレインボーバッジはお渡ししませんよ?そうなれば、任務失敗。それも私直下の任務失敗ともなれば財団に身を置いてはいないあなたの今後の人生に安全を保障できかねますけれども……》
アリス「絶対の忠誠を今ここに誓います、マサキにうゅみをいっとき預けました」
モンスメグ「うわー」
6号「清々しい変わり身ですね」
カルマ「典型的な屑の公務員だな」
そこ、私語は慎め。ボクと世界の御女神エリカ様との神聖な会話中だぞ。
《よろしくてよ。やはりそうでしたか、それで何か変化はありまして?》
アリス「技の命令を聞いてくれるようになりました。ただそれ以上は分かりませんね、強いて言えば疲れていた割にあまり眠っていなかったくらいで」
《それですわ!》
アリス「どれ?」
《あの子、最初はよく寝ていらしたでしょう。あれは普段のようなエネルギーを消費しようとすると身体が追い付かなくなりセーブを掛けるから起きた現象でしたの。ですが、聞けば海を遠泳した後にマサキの通信システムを用いた遺伝子ソースの改竄にも耐えられるくらいの力を取り戻したという証明ですわ》
そういや、ウインディとの時も全部の攻撃を回避しながら、むしろ手懐ける芸当までこなしていたな。
《その直後にカツラとの戦闘……恐らくミュウツー絡みの会話でもあったのでしょう。あなた達が失神している間にでも手当たり次第にシンクロスキルを駆使して情報収集の末、仲間との絆よりも親子の愛を優先したとすれば腑が落ちますの》
アリス「だとすれば、うゅみは既にミュウツーの居場所を」
《その可能性が高いですわね。ですけれども実は私ですらミュウツーの現在位置は知りませんの》
アリス「え、あのエリカ様ですら!?」
《あなた、私を賢者か超能力者、果ては女神とでも思っていませんこと?断っておきますが、私の目的は地方の平和と正しい秩序、それによって得られる人々の幸せですわ。香水稼業の出に何を求めていまして?》
え。なんかごめんなさい、めっちゃ勘違いしてました。
てっきり世界の掌握を目的に暗躍していたのかとつい。
グレアット「エリカさん、うゅみちゃんはミュウツーのお母様であると同時に私達にとってかけがえのない仲間ですっ。お願いします、知っていることや思うこと、どんなささやかな期待でも構いませんから教えてくださいっ!」
ホログラムのエリカ様に頭を真摯にぺこりと下げて懇願するグレアット。
ふと見渡せば、みな不本意ながらも目を瞑ったり軽く頭を下げたりとその共通した意思をエリカ様へぶつけているようだった。
おお、みんな立派になって……。どうせボクが消えた時はグレアット以外しらんぷりなんだろうな、目に浮かぶわ。
《ヤマブキ……》
アリス「ヤマブキシティ?」
《ヤマブキにナツメがいるはずです。彼女を頼りなさい、彼女の超能力であれば解決の糸口が見えるかもしれません》
『!!!』
そうか、先送りにしていたことと戦争があって謹慎していたから忘れていたけどナツメ様は本物のエスパーだ。確かに手掛かりは掴めるかもしれない、ただ気がかりなのは。
アリス「街の修復は終わったんですか?ロックダウン中とお伺いしていますが」
《主要施設はほとんど傷一つ入っておりませんわ。シルフカンパニーすらも殆ど荒れてはいませんの》
アリス「えぇ。だったら壊滅的な被害っていったい」
《一時的な停電が原因で、ナツメのジムにあるワープパネルが壊れてしまったそうでして。自慢のギミックが消えたショックからスペアが届くまでジムを閉鎖、ひいてはロックダウンを行ってその事実を外部へ漏らさないようにとのことですわ》
アリス「シルフ1ミリも関係ないどころか自分の都合じゃないですか!?」
《あんな見栄と製造技術だけの小さな企業、内部から不信を募らせながらロケット団の給与のお話を持ち掛けたら勝手に内応できましたわ》
アリス「ひどい!こわい!くろい!」
グレアット「えっと……戦争というのはつまりすぐに終わったのですねっ?」
《ええ、アレはナツメがそれっぽいロックダウンの理由に結びつけただけのことですの》
グレアットの必死なお願いを返してやって。ちょっと涙目だから。
ほかの3人はやっぱりなって顔で、くつろぎ始めたわ。
《さあお行きなさい、これはあなたの物語です!》

その後、エリカ様の助力で孤島からの脱出に成功しセキチクシティへ上陸。
それから人抜けの術を使い一気にクチバシティまで駆け抜けると、
グリーンウィスパーの賄賂によってヤマブキゲートを通してもらい、
ボクたちは、地方最大の近未来都市:ヤマブキシティに入ったのだった。

カルマ「とんだ茶番劇だったなぁ」
アリス「全くだよ。おっと忘れてた」

《経験値が加算されます》

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何があってもいいように、レベルアップだけはさせておこう。
これってこの場にいないうゅみにも適用されてるのだろうか。
されていれば、その反応でボク達を思い出してくれると嬉しいけど。
などと淡い期待を込めていると。

6号「ふっふっふ……遂にこの刻が訪れましたね。サイバネット・ワールドへ降臨せしナンバーシックスの備忘録・一番の盛り上がりが!」
カルマ「先を急ぐぞ」
モンスメグ「どんなとこだろねー☆」
アリス「ナンバーシックス気に入ってるんなら名前変えなくていいな」

すたすた

6号「ちょ!待ってくださいよ!」
グレアット「6号ちゃん、サイバネットはかっこいいと思うよっ」
6号「ですよね!さすがグレア。分かり手で……って、”は”?」

 

近未来都市ヤマブキシティ

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看板
グレアット「ここはヤマブキシティ。山吹は黄金、輝きの色っ」
アリス「全面シアンブルー!」

フレンドリィショップ

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アリス「移動式ショップはフレンドリィじゃなくね!?」

シルフカンパニー

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グレアット「シルフカンパニー本社改め、ロケットシンクタンクビル・シルフ」
アリス「マジで解散しちゃってるー!」
※ロケットシンクタンクロケット団の公表名称


ヤマブキポケモンセンター

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アリス「ポケモンホスピタルだね」
モンスメグ「やっはー☆一日駆け回っても足りなさそー♪」
カルマ「明らかにキャパオーバーしてんねぇ」
6号「ほわあぁぁっ!素晴らしきかなメトロポリス!」
グレアット「あはは、私もちょっと疲れちゃいましたっ」
アリス「ここで休もう、歩いて回れる規模じゃねえわ」

いたずらに都市封鎖されてるみたいだけど、よくそれで経済と生活が回ってるな。
施設の維持費だけで数百億単位は飛ぶんじゃね?

いくら財団でも賄えきれない資金じゃないのか、サカキ様とエリカ様まじパねえっす。
手続きを済ませて朝までの宿泊ルームを借りると、自由行動宣言してボクは部屋に引き籠った。なるほど、移動はタクシーが基本か。そりゃそうだわな。しかも一律料金だから、端から端まで行っても同じとな、そりゃリーズナブル……たっか!
てへ辺り錬金しないと連泊も出来ないぞこんなん。
活動資金はエリカ様から支給してもらってるとはいえ限度がある、さっさとナツメ様を見つけて出ていこう。あと絶対にエクスプロージョンは撃たせないように口酸っぱく警告しよう、借金返すために財団に入社する羽目になっちまう。
6号「なにか失礼なこと考えていませんでしたか」
アリス「うわびっくりした。いたのか」
いちいち個別で部屋を取るとアコギな商売に片棒を担ぐことになるから、10人単位で泊まれるパーティールームを借りたのである。よって5人が一緒におねんねすることになるのだが、メグは例によってお外だしカルマは意外とアウトドアなのである。
6号「いますよ、雑誌を読んでいたんですから。グレアはまだお昼寝中です」
見ると、シングルベッドでスヤスヤ安らかに眠っているようだった。
ねむけざましでも与えてやりたいくらいに羨ましい寝顔だな。
アリス「今日は練習中止だぞ、こんな場所でどこか燃やしちまったら明日から団員に目をつけられる生活だからな」
実はセキチクの一件があってから毎日練習に付き合ってやってるのだ、偉くね。
6号「さすがに私でも分かりますよ。それにハナダ以外のジムは全てコンプリートしているのです、むしろ飽和気味ですよ。ふふん」
アリス「そうか、ヤマブキジムもやらせないからな」
6号「何でですか!財団幹部の管理するジムであればしっかり対策は取られているはずです、腕の見せ所じゃないですか!」
アリス「さっきの話ほんとに分かってた?それにワープパネルがどうこうでロックダウンするようなお方だぞ、ジム自体に亀裂が入ったらボイコットするかもしれん」
6号「ぐぬぬ。仕方ありませんね、まあいいです。」

 

次回に続く!

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