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《Ride On The City》 五人娘編 Part12

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アリス「宿泊費がバカにならねえから、今日中にナツメ様探すぞ」
カルマ「動機逆転してね?」
6号「どんだけ必死なんですか」
グレアット「お布施は大事な代物ですものねっ」
お金のことをお布施って表現するグレアたんかわゆす。
モンスメグ「はいはーい!メグちゃんていあーん☆」
アリス「なんですかメグさん」
モンスメグ「昨日ここを走り回ってたんだけどねー、ジムはまだ閉まってたんだー」
アリス「なにぃ!そいつは困る!」
モンスメグ「でねー、ナツメは女優さんもやってるって聞いたよ☆」
カルマ「副業OKなのかい」
6号「エリカが今でも香水業生け花教室大学教授とこなしてますから不思議ではありませんね」
グレアット「その仕事量は不思議ですよっ!?」
モンスメグ「そこで!ジムじゃなくって舞台でバトってもらおうってことー!」
アリス「なーる。メグちゃんにしては良い提案だ」
6号「ですが私達は役者じゃありませんよ。いったいどうやって」
モンスメグ「そりゃもちろん☆」
この世界でいう女優というのは、ポケウッドムービースタジオと呼ばれる映画会社(当然ロケットシンクタンク運営)でポケモン勝負を交えながらアドリブ上等乱入上等の、台本が最低限しか渡されない一発撮りの役者のことだ。
遥か彼方イッシュ地方に本部を構えており、非常に人気を博しているのだが各地方ごとに支社がありこの大規模なヤマブキシティであれば確実にあることだろう。
だからこそナツメ様が主演女優を多くこなせているわけで。
モンスメグ「この作戦に必要なのは愛と友情!それからこの作戦を信じる勇気!名付けて【愛と友情、勇気の大作戦】☆彡」

かくして、アポ無しでボク達はポケウッドヤマブキスタジオへと乗り込んだ。
受付「あらお嬢ちゃんたち見学かしら?こっちは出演する方しか通れないゲートよ。観客はあっち」
アリス「あたしたちエリカ様に許可もらってるの!」
財団印のバッヂぴかーん
受付「あらまぁ。ちっちゃいのに偉いのねえ。そういえば今日はナツメちゃんの舞台だったわね、どうぞ見ていってちょうだい」
ちょろい。
6号「なーにがあたし、ですか」
カルマ「きっしょ」
アリス「普段みたいな話し方だと怪しまれるっつーの」
グレアット「自覚あったんですねっ……」
モンスメグ「あ!あっちあっちー☆」
舞台袖まで入ると、カーテンに隠れて出番を窺う。
ナツメ様が魔法の森のクイーン・ジュジュベに扮していた。
なるほど、台詞から見るに森に迷い込んできた子供を探しているところか。
ごめんねボーイスカウトくん、ちょーっとだけそこで眠っといてもらえるかな?
「きゅう……」
ナツメ「あら?そこに居るのは誰かしら?」


今だ!
グレアット「あれー、ここはどこでしょうーっ?」
きょろきょろグレアたんキュート。

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グレアット「きゃっ、だれオバサンっ」
ナツメ「出会い頭にオバサン……なんて失礼なクソガキ!」
アリス「一人ではありませんことよ、オバサン」
カルマ「よぉオバサーン」
6号「多勢に無勢ですね、オバサン!」
モンスメグ「さあ魔法を解いてもらおっか、オバサン☆」
ナイスすぎるぞグレアット!
一転してダークものからコメディにチェンジだぜ!
ナツメ「!……あなたたち」ぼそっ
ナツメ「あらあらしつけのなってないガキどもね。面白いじゃない、この私を満足させられたら、私の大切なバッジをあげるわ!」
取り出したのは純金に光る本物のゴールドバッジ。
あ、これジュジュベさんボク達に気づいてわざとやってますね。
アリス「よし、行きますわよ!」

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8戦目:ナツメ

使用ポケモン 特性 LV:性別 習得技 
ユンゲラー シンクロ Lv.38 サイケこうせん リフレクター みらいよち めいそう
バリヤード ぼうおん Lv.37 バリアー サイケこうせん バトンタッチ めいそう
モルフォン りんぷん Lv.38 サイケこうせん かぜおこし きゅうけつ ちょうおんぱ
フーディン シンクロ Lv.43 サイコキネシス じこさいせい みらいよち めいそう

ナツメ「さあ私を楽しませてちょうだい、失礼な迷子ちゃん!」
アリス「わたくしは、この子ひとりで充分ですわ」
6号「へ?私だけですか?」
グレアット「わ、私たちもがんばりますよっ」
モンスメグ「おひめさまへんなのー☆」
カルマ「いいじゃんエキストラ」
ナツメ「よっぽど自信ありげのようね。お行き、ユンゲラー
アリス「あら魔女さん。魔女さんは悪いおかたなのでしょう?
せっかくなら、手持ち全員でわたくしを囲んでみてはいかが?」
グレアット「えっ何を言ってるんですっ」
カルマ「ふーん、いい挑発じゃんよ」
モンスメグ「アドリブれっつごー☆」
ナツメ「なんて魅力的なお誘い。エスコートが得意な姫は嫌いじゃないわよ。後悔しても遅いわ、あんたたちみんな出ておいで!」
悠々たるエスパーポケモン達がボクと6号を包囲する。
これで醜悪で狡猾な魔女と絶体絶命なお姫様の絵が完成よ。

アリス「ひどくずるいわ。ロック、頼めるかしら」
6号「も、ももも、もちろんですとも!」
撮影されていることと強大なポケモンに囲まれてる状況で緊張しているご様子。
あがり症だと一流の備忘録は記せないぜ6号。
そんな6号にこそっと耳打ちをする。
アリス「6号、さっき確認したがこのスタジオは過激なアクションも撮ってるから、しっかりと爆発対策が取られてるみたいだ。全力の詠唱でやってやれ(ひそひそ)」
6号「本当ですか!わかりました、一網打尽にしてあげます!(ひそひそ)」
途端に、6号の瞳がキラキラと輝く。取り扱い簡単だなぁ。
ナツメ「作戦会議は終わった?ムダなことよ、あんたたち、リフレクター!サイケこうせん!ちょうおんぱ!サイコキネシス!」
なんということでしょう、4匹同時に別々の命令を与えるという一流のトレーナー振りではありませんか。さすがは財団3
幹部にして大都会のジムリーダー。

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6号「黒より黒く闇より暗き漆黒に、が真紅の金光を望みたもう。覚醒の時来たれり無謬の境界に堕ちし理、無暁の歪みと成りて現出せよ。」

ナツメ「その呪文は……あなた正気!?」
爆裂魔法の詠唱を耳にして若干取り乱す魔女様。正気なわけありません、満ち溢れるのは純粋な狂気ですとも。
というか分かるんですね、こいつのわけわからん呪詛。いっつもいっつもワードが変わるから理解できん。
ナツメ「バリヤードは攻撃をやめてバリアーを張ってちょうだい!フーディンユンゲラーのリフクレターを手伝って!モルフォンはかぜおこしで流れを変えるのよ!」
命令キャンセルから別の指示まで出来るんですね、一流ってすごい。
グレアット「あー。私達を避難させたのはそういうっ……」
カルマ「まぁ理にかなってるわな」
モンスメグ「ごーごーばっくれーつ☆彡」

6号「エクスプロージョン!

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ユンゲラーバリヤードモルフォンフーディン戦闘不能
ジュジュベの手持ちゼロを検知しました。

6号「ふ、どうですか。スタジオを破壊することなくしっかりと相手だけに狙いを定めて放ったテクニカルな爆裂魔法は。私的には物足りませんが、お姫様に気遣いして差し上げましたよ……ぱたり」
アリス「100点。常にこうありたいものですわ」
現場監督『カーット!いい出来栄えだァ!』

ナツメ「私のバリアーが間に合ったおかげなのだけれど。まぁいいわ、認めてあげる!」
ミッション8/15達成!
こうして、愛と友情、勇気の大作戦は成功を収め、ついでにナツメ様主演のこの映画も興業売上成功を果たしたのであった。
ちなみに収入のほとんどはロケットシンクタンク、つまり財団に回るとのことですが。
ヤマブキポケモンセンター・カフェ

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ナツメ「エリカから聞いたわ。このゴールドバッジで7つ目。サカキ様もジムへ通してくれるはずよ」
サカキ様の本業であるトキワジムはバッジを7つ持っている者しか通さない決まりとなっている。会うだけならエリカ様経由でアジトで会えるのだがバッジとなれば、ジムリーダーとして出向いてもらわないと意味がないからね。
アリス「ご協力ありがとうございます」
グレアット「あ、あの。アリスさんっ」
カルマ「お前ちょっとバッジケース見てみ」
アリス「なんだよ心配性だな、落としたりしてないって」
ケースを開く。グレー・ブルー・オレンジ・ピンク・ゴールド・クリムゾン……

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アリス「足りねええぇ!」
モンスメグ「あはー。エリカから届いてなーい♪」
ナツメ「そういえば、もうひとつ気になることを聞いたのだけどあなたたちミュウツーを探しているのかしら」
アリス「はい。そうですけど……こんな人の多い場所で話して大丈夫なんですか?」
ナツメ「私を誰と思って?私達の会話は誰の耳にも届かないわ、結界を貼っているもの」
本物のエスパー半端ないっす。
6号「な、結界ですって!」
食いつくな中二病よ。そこで寝てろ。
グレアット「6号ちゃん安静にっ」
カルマ「お前の未来予知でどうにかなんねぇの?」
未来予知どころか未来に渡れる少女が問うた。
ナツメ「難しいわね。ミュウツーは私以上の超能力の使い手。念波が弾かれちゃうのよ」
モンスメグ「ぶーぶー」
アリス「ほかに手立てはありませんか」
ナツメ「うゅみと言ったかしら。その子がまだ完全に覚醒していないのなら、私でもどうにかなるかもしれない」
グレアット「ほんとですかっ」
ナツメ「せめて居場所でも突き止められたら、そこにミュウツーも居るかもしれない。待っていてちょうだい」
そう言うと、目を閉じて瞑想に入るナツメ様。
余談だが、3幹部の中で筆頭ポジションらしくマチスとキョウも頭が上がらないらしい。言うなればNo3に位置する正にロケット団のクイーンなのだ。
エリカ様とはジムリーダーを生業としていた頃からの付き合いで、隣町ということもあって親睦が深く彼女に意見をすることもあるとか。
つまり、ボクが逆らってはいけないひとりという事だ。
ナツメ「見つけたわ」
彼女の青白く光る瞳が開く。相当力を使ったのか、汗も光っていた。
モンスメグ「どこどこー?」
ナツメ「ここから遥か南。ナナシマより更に更にずっと南」
……ひとつだけ、思い当たる場所がある。
ナツメ「たんじょうのしま。またの名をー海底宮ー」

 

次回に続く!

 

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