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《Ride On The City》 五人娘編 Part7

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エリカ様との死闘の末、勝利を許してもらった代わりに、最後の連携技が成した一撃がジムのバリアーを貫通して街にまで影響を及ぼした責任としてポケモンリーグを最初から強化版Verで殿堂入りするように任命されたアリス
その後5つ目のバッジがあるセキチクへ向かうためサイクリングロードを通ろうとするも、自作の自転車は拒否されてしまったので仕方なく東側のサイレンズブリッジ経由でセキチクへ行くことに。シオンタウンには入れないので、うゅみに乗ってクチバシティへ飛んだ一行であった。

 

アリス「はぁ……どうしてこうなった」
モンスメグ「どーしてこーなった♪どーしてこーなった♪
 ___        ♪  ∩∧__,∧
/ || ̄ ̄||         _ ヽ( ^ω^ )7  
|.....||__||         /`ヽJ   ,‐┘    
| ̄ ̄\三  / ̄ ̄ ̄/  ´`ヽ、_  ノ    
|    | ( ./     /      `) ) ♪


 

グレアット「め、メグちゃんっ!」
6号「そう気を落とさないでください。私の爆裂魔法は財団を超えた最強120点だということが証明されたのですから」
アリス「おまえらが自重しなかったせいだろうがー!グレアット止める担当だろ!なんで一緒になってドッカンバトルやってくれちゃってるの!?」
グレアット「ご、ごめんなさいっ。お力になろうと思ってっ」
カルマ「出番が欲しかったんだねぇ、うんうん」
グレアット「はうあっ!そんなことわわわっ」
モンスメグ「ちーん(踏みつけられた)」

アリス「ったくもう……これじゃシオンだけじゃなくてタマムシにも当分は入れないな。おちゃを先に貰っておいて正解だったよ」
6号「はっ!あの暗黒のシークレットパスフレーズで手にしたお茶はいったい何の意味があるのでしょうか!私気になります」
アリス「それっぽい事をかっこ良さそうだからって使うな。どうせ後々寄るんだし今から行っておくか。なんかこいつらと居るとまた余計な騒ぎ起こされそうだし」
モンスメグ「きゅ~」ぐるぐるおめめでムクリ
グレアット「これからは気をつけますっ、ご迷惑かけないようにしますからっ」メグを介抱しながら頭をペコペコ下げて
カルマ「分かりやすいフラグ」
アリス「いーよいーよ、この任務終わったら長期休暇もらうから。とりあえず北に行くぞ」

6号「おー!何ですかこの幾重にも張り巡らされた魔力とサイバーチックなバリケードは!電脳世界への入り口ですか!?」
モンスメグ「すごいすごーい!どうやって先に行くんだろー?」
アリス「ふっふっふ、このお茶がパスポートだよ。そこの受付にこのお茶が活躍ってわけだ」
カルマ「そんな安いのかこの大げさな警護は?」
グレアット「どきどきっ」
警備員「わたしは真面目な警備員。おや、これはアリスさま。いかにアリスさまと言えどもフリーで通すわけにはいきません」
アリス「ほい、コレ」

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警備員「は、それは……タマムシ印のグリーンジャスパー……!」
カルマ「緑茶だろ(ボソッ)」
アリス「こいつは上物の通行手形だろ?無料で譲ってやるよ」
警備員「ぼくにくれるのですか!恐縮でございます!」
6号「なるほど。目も眩む宝石のような輝きを放つ聖水で、買収するんですね!」
グレアット「え、ええっ……献上のようなものなんでしょうか。それなら、まだなんとか……うぅんでも」
アリス「さ、通らせてもらおうか」
警備員「いえ。今すぐという訳にはいきません、しばらくお待ちください!」
モンスメグ「あれあれー?」
6号「お気に召さなかったんでしょうか?」
アリス「何かあるの?」
警備員「現在シティ内でロケット団へ謀反を起こしたシルフとの全面戦争の真っただ中なのです!その為普段以上にガードを固め、外部へ一切の被害が及ばぬよう誰も通すなという勅命です!」
アリス「あー……そーいやさっきエリカ様がシルフのチーフとどうこう言ってたなあ。これの事だったのか」
警備員「ですから今すぐお通しは出来ません。収まり次第お越しください」
アリス「しゃーない。お茶は渡したんだからな、気が変わったなんて言うなよ」
警備員「この命に代えてでも!」

アリス「というわけだ。予定通り、セキチクへ行くぞ」
6号「残念です、どんな街か気になっていたのですが」
グレアット「あんなすごいマナ、三鳥同士でやっと出せるかどうかですっ」
カルマ「どっちが勝つかなんて目に見えてるけどね」
モンスメグ「うーん、そーいう問題じゃなくなーい?」
うゅみ「ふわあ……あそこに繋がっているのはヤマブキシティぃ。クチバだけじゃなくてタマムシ・ハナダ・シオンからの東西南北全ての方向からのゲートで繋がっているカントー最大の大都市だよぉ。って言ってもセキュリティーも万全でぇ、普段から閉鎖されるんだけどねぇ……ねむ」

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グレアット「さすが物知りですねっ!私、カントーの僻地で祀られていただけですので実はあまり詳しくなくてっ」
6号「ほえー。ホウエンは地方全体がこじんまりとしてますからね、精々キンセツってところとミナモってところがちょっと栄えてるくらいですよ」
アリス「で、そのヤマブキのジムリーダーも財団の幹部だ」
モンスメグ「うぇー!多すぎじゃないかんぶー」
アリス「ボクが知ってるのはエリカ様とボスのサカキ様、それとヤマブキのナツメ様くらいだけどな。マチスが財団の人間なんて会うまで知らなかったし」
カルマ「お前たちコソコソしてるもんな」
アリス「エリカ様が特別なだけで本来は秘密裏に隠されてる裏社会の組織だからな。ナツメ様ともエリカ様に拉致られて強引に幹部女子会に出席させられて会っただけだし」

~~~

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アリス「ちょいと通りますよっと」
モンスメグ「だいたーん☆」
6号「よく平然と寝てますねこのポケモン……」
グレアット「いねむりポケモンって言われるくらいですけど……さすがに申し訳ない気分ですっ」
カルマ「苦労して笛作っただろうに報われないじいちゃんだな……」

セキチクシティ到着

6号「うーん。自然豊かな香りが広がりますね、リフレッシュできます」
お姉さんたちセキチクへいらっしゃい!」
「僕たちが案内するよ!」
グレアット「うふふ、ちっちゃいのに偉いですねっ」
モンスメグ「かあいいねー☆」
カルマ「……おい待てもしかして」
アリス「そんなまさか、な?」
出迎えに来てくれた少年たちと、このどうしようもない少女たちを見比べる。
うゅみ「むにゃ、なんでポケモンがガイドやってるのぉ?」
アリス「いっちゃったぁ!」

「あれあれ。」
「バレちゃった、すごいね。初めてだよ!」

グレアット「キミたち、私達とおんなじなんですかっ!?」
6号「なんと。ニューテクノロジーはすぐ身近まで迫っているのですね」
「僕がオムナイトで」
「僕がカブトだよ!」
アリス「あの動物園に展示されてたポケモンか。ってことは、もしかしてさ
ヤドンとガルーラとラッキーにビリリダマラプラスも擬人化されてる?」
オムナイト「勘がいいんだねお姉さん!ヤドンラプラス姉様は海の方のガイドで」
カブト「ビリリとラッキーちゃんはサイクリングロード方面、ガルーラママはサファリパークのガイドさっ」
カルマ「……なあ(小声)」
アリス「間違いなく財団絡みだ、ここのジムリーダーはきっと……」
うゅみ「だろうねぇ」

どうやら、知らない間にこの地方は財団の思うままに染められているらしい。
推測だけど、エリカ様はこの進捗を直接見てほしくて任務に選んだのかな。
オムナイト「お姉さん達、僕たちとおんなじだね!」
カブト「一緒だね、うれしいな!」
モンスメグ「いぇーい!遊んだげよー♪」
6号「同士よ、私のもとに集え!」
グレアット「わ、私も混ぜてくださいっ」
うゅみ「あっちはきゃっきゃしてるねぇ」
カルマ「のうてんきな性格だな……」
アリス「ったく。おーい2人とも、ボクは何度も来たことあるから案内いらないよ。次に来た人たちの相手してあげてくれ」
オムナイト「はーい!お気をつけてー」
カブト「キョウ様によろしくねー!」
あ。あの子たちぽろっとネタバラシしてくれたな。

モンスメグ「なんだよー、せっかくいい遊び相手見つけたのにー」
グレアット「あわよくば信奉してもらおうと思ってたですけどっ」

アリス「あの子達は仕事だからな、時間取らせちゃ悪いだろ」
6号「それを言ったら私達だって任務ですよ。いいじゃないですか息抜きくらい」
アリス「お前達はいっつも好き放題してんじゃねーか。それにこの町のトップが財団職員っつーことが分かったんだ。急いで挨拶しに行くぞー」
6号「うえっ、またですか。もう3人連続じゃないですか、ロケット地方と名を改めてはいかがですか?」
カルマ「ダサい、却下」
モンスメグ「いいと思うけどなー」
アリス「あー……そういやキョウってレベル40近くあったよな。加算された経験値見せてくれ」

 

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アリス「帰るか」
グレアット「ええぇっ!」
6号「変わり身早すぎです、不満があるんですか!」
アリス「ただでさえとっとと捨ててほしいポリシーのおかげで碌に技が使えねえのにレベル差まであるとかもう種族値でカバーできる範囲超えてるわ!」
カルマ「それをどうにかするのがお前の任務で……業なんだろ」
モンスメグ「ぜーんぶ急所にヒットさせちゃえば、らっくしょーだよ☆」
うゅみ「命中50の判定が前提ぇ、ってゆー恐怖ぅ」
アリス「はぁー、誰か地震覚えてくれたらなー。サイコキネシス覚えてくれたらなー。せめてはがねタイプでもいればなー」
グレアット「ごめんなさいっ……せめてなでなでぎゅーしてあげますからっ」
アリス「熱い暑いアツいってー!(じたばた)」
6号「もう、ないものねだりはいくないですよ!私達の特技を引き伸ばして魅力を引き出してくれるトレーナーが居るってエリカさんに聞かされて話を受けたんです。リタイアなんて選ぶなら、私しがみついたまま爆裂してやりますからね」
アリス「怖い恐いこわいってやりかねないんだよ、あとグレアたん離してやけどするから。人間にやけどなおし効かないんだって」
モンスメグ「カスミンの時みたく、メグちゃん一人で突撃しちゃってもいいー?」
アリス「メグいい子だからやめようねカスミの時だってあの後ミラクルサイクルの100万のチャリ贈ったりして大変だったんだからね、グレアだめボクの腕を背中に回さないでそこ炎の翼あるでしょ絶対だめだからね?」
カルマ「玉砕が困るんだったら、せめてやる気を形だけでも見せてくれ。失敗して戻されるなんてぼくもイヤなんよ、次元の太陽なんて意味不明な時空転移に使われるの。歴史修正って簡単じゃないんだよね」
アリス「やる気なんてはじめっからねーよ、成り行きでやってるだけ」
グレアット「えっ」ドサッ
アリス「いって。もっと優しく放してくれ、まああのままじゃ焼死体と化してたけど……グレアット?グレアットさーん?」
グレアット「そう、そうですっ……か。ごめんなさいっやる気がないのに無理をさせてしまってっ。私、観光してきますねっ。さよならっ」ダッ
アリス「なんだよお前も闘う気なかったんじゃん……」
モンスメグ「つまんないのー。メグちゃんも走ってくるねー、おばかありすちゃんさよならー」ヒュンッ
アリス「誰がおばかだ!」
カルマ「あーあ……。ほんとにバカじゃんね、お前。ま、ちょっと時渡ってくるよ、さよなら。」シュインッ
アリス「あ、おいカルマまで」
6号「…………」
アリス「6号もなんとか言ってくれ。自分達だって戦える気しなかったんだろ、ボクにばかり押し付けるなって」
6号「所詮その程度だった。ってことなんでしょうね、信じた私も馬鹿でした。サファリパークで小動物と戯れてきますね、さよならです。」ザザッ
アリス「小動物て。確かにそっちからすりゃニドランとかサイホーンだってそうかもしれねえけど……早めに帰ってこいよー」

うゅみ「アンタ、あの子たちの琴線に触れちゃったねぇ」
アリス「なんすかそれ。ボクがやる気なんて皆無なのうゅみは知ってるでしょうに」
うゅみ「まぁあたしはねぇ。でもあの子たちは違うよぉ、アンタのことなんて知らないしぃ」
アリス「知らないのはお互い様です。あいつらだって勝手してますし」
うゅみ「あたしから見れば、勝手をしてるのはアンタもだよぉ。どっちもさぁ」
アリス「かもしれません。だとすれば、もうこれは種族差による価値観の違いですね」
うゅみ「おっきく出たねぇ。種族と来たかぁ、ふふぅ」
アリス「どうしたら良いか分かんないんすよ。キョウに勝つ方法もですけど、そもそもそれ以前に喜ばせてやる方法も、上手くいく方法もぜんぶ」
うゅみ「それが分かればもはや神さまだよぅ。エリカみたく神さまにでもなるつもりぃ?」
アリス「そんな大層なつもりはないです。ただあいつらと仲良くわちゃわちゃ出来れば、それで充分ですよ。任務なんて割り切ることができればそもそも会話も私情も挟まずに黙々と使い倒すだけなんでしょうけど、ボクはそこまで冷徹になれませんから」
うゅみ「素直じゃないねぇ、不器用くん」
アリス「うるさいです。だったら何かアドバイスでもくださいな」
うゅみ「やれやれぇ、あたしはいつからこんなポジションになったのぉ?
ま。元はポケモンなんだしぃ、単純に喜んでくれることをしてあげる約束でもしたらどうよぉ。この旅も短くないんだからぁ、好きそうなことくらいは分かるだろぉ」
アリス「……そんなシンプルでいいんですか」
うゅみ「シンプルイズベスト。人生は複雑じゃない、私たちの方が複雑だ。人生はシンプルで、シンプルなことが正しいことなんだ。ってねぇ、シンプルな頭で聞けばいいのさぁ」
アリス「さすが博識ですね……ありがとうございます、あいつらのこと探しに行ってきます!」
うゅみ「ふあぁ……あたしにも今度何かおくれよぉ……ふにゃ」

動物園
モンスメグ「きみはっやーい!走るのが得意なポケモンなんだねー♪」
ケンタロス「んもーぅ!」
アリス「いたいた、おーいメグ!」
モンスメグ「っ!……もう、せっかく競争してたのにー。またねぎゅうたくーん♪」

アリス「お前は変なあだ名付けるの好きだなほんと」
モンスメグ「変かなー?エンにもそう言われたんだよねー。で、どーしたのありすちゃん。帰りの身支度ー?」
アリス「んなわけあるか、ほとぼりも冷めてないのに今帰ったらエリカ様にモルモットにされちまう。まぁ、アレだ。さっきはごめんな」
モンスメグ「ふーん。それ心からのごめんなさいー?」
アリス「心からのごめんなさいだ」
モンスメグ「あははー!おもしろーい、謝罪だなんてカタチだけのものなんて、本心も虚飾もおんなじなのにー♪」
アリス「ぐぬぬ。あんだよ、謝りに来たのに。許してくれないか?」
モンスメグ「ううん、それはうれしーよ?でもー、まだなにか足りないんじゃなーい?」
アリス「…………なにを買ってほしいんだ?」
モンスメグ「おー。話がはやーい、さすがー。でもねー、買えるものじゃないんだなーこれが」
アリス「闇市と財団を以てすれば買えないものはないぞ?」
モンスメグ「わーおあやしー。メグちゃんがほしいのはねー、このおしごとが終わったあとも一緒に旅をしてほしいってお願い」
アリス「そんなのでいいのか?」
モンスメグ「そんなのってばひどいー」
アリス「エリカ様のとこに帰りたくないんだろ?最初からボクが引き取るつもりだったけど、おやIDだってボクのだし」
モンスメグ「んにゃ~♪///もー、ずるいー」
アリス「他の4人もそのつもりだよ。5人揃っては分かんないけど、な」
モンスメグ「…………そっかぁ。ま、そっちの方が楽しそうだしー、いいけどねー♪」
アリス「上機嫌になってくれて良かったよ。ポケセンの近くでうゅみ置いてきちゃったからそっちに行ってくれないか?」
モンスメグ「はいはいー。またねーありすちゃん」

アリス「さてと、次は……あそこかな?」
フレンドリィショップ付近の木陰
カルマ「ふふふ。哀れなビードル、もうカイロスの巣に行くしかないじゃんね」
アリス「なに陰湿なことやってんだ」
カルマ「わ、ビックリさせるな……時渡りを繰り返しながらビードルを絶体絶命に追い込もうとしていたというのに……」
アリス「んなしょーもないことで奇跡起こすな。ボクは謝りに来たんだよ」
カルマ「謝る?何を今さら」
アリス「さっきのことでだよ、ごめんくらい言わせてくれ」
カルマ「それなら謝罪相手を間違ってる。別にぼくはお前の愚かさを楽しんでいたからいいのさ、謝るべきは他だろう」
アリス「もちろんそいつらにも謝りに行く、さっきメグに謝ってきたとこだ」
カルマ「……ま、どうしてもと言うならぼくだって無様に謝られて悪い気はしないけどね」
アリス「すんませんでしたぁ!」
カルマ「綺麗なスピーディ土下座だね!?……全くお前にプライドも何もないね、いいから頭上げろ。そんな奴が頭を垂れても面白くない、毒気が抜けたよ」
アリス「ありがとぉございまぁす!」
カルマ「ハァ……ただし一つだけ願いを叶えてもらおうか。ぼくが感じたイライラや妬み恨み、全部余さずこれからいつも聞いてもらうよ。そしてお前も卑屈になればいい……くく」
アリス「二人っきりのときにしてくれよ。あいつらの教育に悪いから」
カルマ「当然だろ、って軽いな。いいのかそんなアッサリ受け入れて。ぼくの発言は重いぞ?」
アリス「いいよ、大事な旅パなんだから一緒に共有しあうのがトレーナーだよ」
カルマ「……調子が狂うな。もういい、話は終わりだ」
アリス「あ、ポケセンにうゅみとメグが居ると思うから様子見といてくれー」
カルマ「はいはい……」

サファリパーク
アリス「特別に歩数制限なくしてもらったし、じっくり探すか」
6号「どこかの椅子に、見えない生物が隠れているんですか!?」

係員「あくまで噂だけどね、報告例があるんだ」
6号「ドカンと爆裂魔法でも打ち込めば驚いて出てくるに違いありません、では早速……」
アリス「サファリまで出禁にさせるつもりか」
6号「みゃ!離してください、都市伝説が私を呼んでいるんですー!」
アリス「いいからあっちの水辺に行くぞ」
6号「歩けます、まだ歩けますからだっこしないでくださいってば」
アリス「さっきはごめん。心にもないこと言ったわ」
6号「ああ。アレですか、私は気にしていませんよ、謝るならグレアットに誠心誠意込めてください」
アリス「次に謝りに行く予定」
6号「そうですか。……グレアットよりも私が先、と……」
アリス「なんて?」
6号「独り言ですです!私は今まで通り、爆裂魔法の練習に付き合ってくれればそれに越したことはないですよ。マナの基礎ポイントを高められるアイテム欲しいですけどエリカさんにお買い物は禁じられてるとのお話ですし」
アリス「あー。うん、それは前みたいに報酬が来ることでも期待しててくれ」
6号「戦争中ですからすぐには来ないでしょうけど(クスクスッ)」
アリス「あ。つい癖で担いじゃったけどまだ今日は魔法撃ってないんだよな、下ろすぞ」
6号「イヤです」
アリス「えー、なんで」
6号「え、えっとー。条件です!これを謝罪の条件とさせてもらいます。あと5分くらいだっこしていてくれれば不問とします」
アリス「おう。それくらいならいいけど」
6号「ふふふっ」

ピンポーン!時間切れです、受付にお戻りください

アリス「おっと、お前の歩数が切れたみたいだな」
6号「なんでですか、私だっこされてるのに!」
アリス「歩けないって判断されたんじゃないか?」
6号「がっでーむ!……仕方ないですね」
アリス「あ。ポケセンで待っててくれ、みんなそこに居るはずだから」
6号「はい。グレアットの所へ行くんですね」
アリス「そゆこと、頼んだ」
6号「…………良いなぁ。」

セキチク南・砂浜海岸

アリス「こんなとこに居たのか、探したぞ」
グレアット「……アリスさんっ」
アリス「もう夕方か、日が落ちる前に見つかってよかった」
グレアット「ご、ごめんなさいっ!」
アリス「な、なんだ?謝るのはボクの方で」

弱弱しく、でもしっかりと袖をつかむグレアット。

グレアット「いきなり勝手に飛び出したの、私ですからっ」
アリス「あー。飛び出すような真似をさせたきっかけはボクだからさ」
グレアット「……怖かったんですっ」
アリス「怖い?」
グレアット「またっ……見捨てられちゃうんじゃないか。って」
アリス「また?」
グレアット「まだ私がポケモンの姿をしていた頃ですけど……知ってますっ?私って元々ともしびやまではなくて、チャンピオンロードで祀られていたんですっ」
アリス「うん知ってる」
グレアット「ポケモンリーグを象徴するシンボルとして信仰されていたんですっ。ですけどある日、リーグの運営さん側からナナシマの方に飛んでもらえないかって話をされましてっ」
彼女の目線がフリーザーの居るであろう、ふたごじまの浮かぶ方へと移る。
グレアット「その時は異存もありませんでしたし、広々とした自然満ちる山で羽ばたくほうが私も嬉しかったので許可してあげたのですがっ……」

丁寧な口調ながらも、何気に『して”あげた”』という上から目線の台詞が出るあたり、やはり伝説のポケモンたる矜持と威厳を棄ててないのだな、と実感。

グレアット「後から耳にしたのですけれども、洞窟の整備に邪魔だった。バッジもないのに見に来ようとするお客が減って厄介払いができた。辺境の島なら余計に代金が取れて一石二鳥。といった具合の運営さんの声があったらしくてっ……」
アリス「なるほどね」
グレアット「無人発電所から追われたサンダーの件もあって、私その時に人間不信、と言うのでしょうか。人を憎むようになりましてっ」
アリス「それでより一層睨みに拍車がかかって、知らず知らずのうちにそれが自分の拠り所になったわけか」
グレアット「……そこまでは分かりませんっ。でもさっきあなたからやる気がないという言葉を見受けたときにその事を思い出してしまって……人は都合が悪くなったら簡単に手にしたものを捨ててしまうような生き物なのかなって」
……それは、間違っていない。かもしれない。
振り回して引っ掻き回したあげくに秩序を乱して混沌に渦巻くような原因を作っているという意味では。そのヒトの本性を重く見て理解したうえで利用しているのがロケット団、引いては財団の理念なのだから。

グレアット「どうして、私を追いかけてきたんですかっ?」
その瞳は、燃えるように情熱的かつ威を込めた真摯そのものだ。
アリス「どうしてって、そりゃ」
任務だから、と言いつぐんだ所に更に彼女は続ける。
グレアット「お仕事のためですか?ご自分のお都合ですか?そんな保身的かつ自己的な考えでしたら、私はそのようなお方なんてこの翼で旅の思い出もろとも……灰にしますっ」
うゅみ。メグ。カルマ。6号。お前達の言っていた意味が今わかったよ。
そうか……この旅は……いや、エリカ様の真の目的は……、
そういうことだったんですね。

アリス「グレアット」

 

次回に続く!

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