《Ride On The City》-硝子色の夕空- 最終回
歩きつづけてどこまでゆくの?風にたずねられてたちどまる
ひとつめのたいこトクンとなってたったひとつのいのちはじまった
やがてなにかをもとめて小さな手のひらをひろげ
きみはすぐにみつけたねきみじゃないだれかを
誕生日祝うローソクふえたけどたったひとつのふるさと旅立った
いまもなにかをもとめて大きなひとみかがやいて
きみのポケットのなかにはきみじゃないだれかとの
いくつものであいいくつものわかれまぼろしのような思い出もすこし
歩きつづけてどこまでゆくの風にたずねられて空を見る歩きつづけて
どこまでゆこうか風といっしょにまた歩き出そう
大地ふみしめどこまでもゆこう
めざしたあの夢をつかむまで

-タマムシ大学-
スズラン「はい注目!きょうの授業は輝かしいテラスタイプ:ステラの萌えもんが出現するようになったことについてよ!」
-ハナダシティ-
ブルー「わたしの萌えもんになってくれない?」
リーリエ「ほしぐもちゃん、ボールから飛び出しちゃいけませんよ……」
-セキチクシティ-
スチル「緊急で動画を回してるわッ!」
アイス「……恐怖……テレポート爺は……実在した……」
-セキエイリーグ-
ギンノ「ようこそ。あなたたちが来るのを心待ちにしていたわ!未来への希望にみちあふれたあなたたちとの萌えもん勝負は私に新たなエネルギーを与えてくれるもの!気高き魂を持つ萌えもんとトレーナーの姿に激しく心揺さぶられて……!」
-バイス地方-
ハンターJ「くくく、次の宝はここに眠っているのだな」
えいこうのいただき -七英雄会議-
シロ「アスフィアの脅威とアリスの導が消えた現在ーーー
箱庭計画の凍結をここに宣言致しますーーー」
ギィ「殊勝な心掛けではないか」
ナナ「予の太陽はひとつで充分ぞよ」
ワダツミ「私の海もユリ様がおられる限り不滅」
ユリ「ふわぁ……わっちは早く祭りに行きたいのじゃ」
レム「箱庭という理想が無くともこの星という真実が正しさを以て栄え続ける限り、未来は決して虚無にはなり得ない」
ティナ「そうなれば俺の世界はどうなる?」
ミズキ(代理出席)「確かに気になりますわ」
シロ「やぶれたせかい-大団円-はーーー
この導なき星が過ちを犯した場合に備えーーー
より発展を遂げさせ、来たるべき時にーーー
第二の宇宙として育ませる所存ですーーー」
ティナ「表裏一体を体現するんだな」
シロ「大団円の失敗はーーー
ひとつの宇宙に交わらせていたことですーーー
これからは唯一の枝分かれとしてーーー
二本の樹として運用させましょうーーー」
ナナ「そのような簡単な事象に気づかせてくれた童子に幸福を授けねばの」
ギィ「あたくしは初めから反対していたはず。全くけしからん」
カルマ「提案じゃんよ。あのアホが復活したときのためにこの星のコピー作らね?」
レム「コピーとな?」
カルマ「あいつ星座しか取り柄がないじゃん?ぼくたちとか人間たちそっくりの依代を用意しとけば、それで満足してこっちには来ねえじゃんね。よしんば気付いてもティナがリセットしてやれば赤い原野にまっさかさま」
ワダツミ「なんと狡猾」
ミズキ「……なんだか誰の入れ知恵か分かっちゃいますわ」
シロ「検討しておきましょうーーー
それでは後は引継ぎをーーー」
ユリ「祭りに向かうのじゃ!」
ギィ「道標」
シロ「シロとお呼びなさいーーー」
ギィ「誑かされおって……シロよ。あたくし達の役割はもう全うしたのか?」
シロ「…………」
ユリ「何を抜かしておるのじゃ、最初の血族とひらがな萌えもんあって再生を果たせた以上、生涯守り通してやらねばあるまいて。それに……アリスとスズランという、ふたりの古代種の生き残りがいずれ次の世代へ受け継いでいくのじゃ。
これからも~っと忙しくなるに決まっておろう」
シロ「ユリ。わたしの台詞を取らないーーー
わたしはただーーー
この星の行方が見たいだけですよーーー」
ギィ「……勝手にしろ」
ナナ「さあラルースに飴を買ってやらんと」
ワダツミ「私もお供しよう」
レム「ラムとロムに手土産を用意するか」
ミズキ「でしたらカメノゾキタウンの……」
ティナ「……。あのイレギュラーと面識があった者をこの星へ呼ぶつもりか?」
シロ「どうでしょうーーー
運命からも使命からもーーー
物語からもーーー
あの子はーーー
自由という希望を手に入れたのですからーーー」
うゅみ「いっけな~い遅刻遅刻よぉ」
カルマ「わざとだろてめぇ」
うゅみ「あらぁ。あのことぉ、アリスに教えてあげなくっていいのかしらぁ?」
シロ「それはーーー
いずれあの子が選ぶ物語ですーーー」
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ここに現わすは、遥かなるしるべの詩。不思議の国と麗しき萌えもんの詩。
そしてはじまりのトレーナーとその仲間たちの詩。
この夢を詠い終えられるよう、英雄よ、少女に希望を与えよ。
-シロガネやま-
グレアット「神のご加護がありますようにっ……」
オカルトマニア「不思議……因果律が書き換わったみたい」
ナツメ「今年もいい年になりそうね」
-ヤマブキシティ-
ルチア「キラキラ~?くるくる~?」
ナンジャモ「皆の者~!準備はいーいー?」
モンスメグ「視聴者たちがシビれるようなコンテストスカウト☆」
-シオンタウン-
メリッサ「オーホッホッホッ!」
6号「ソウルフルコスプレ爆裂です!」
もえもんごっこ「育て屋さんに育ててもらおーかな?」
-クチバシティ-
アンナ「いらっしゃいませ♪」
ビアンカ「それじゃお客さま~!一緒ににゃんにゃんするにゃん♪」
シオネ「うふふ、いっぱい頑張ったにゃん!じゃあたくさ~ん召し上がれ♪」
ゆん「みんないつも通り元気のかたまりね!」
郵送配達をしている最中にみんなの活動を飛び回って見ていた私は、ひきゃくのスズメちゃんとペリッパーちゃんに挨拶を済ませると手元に残った最後の一通を胸元に仕舞って帰路へと着くことにしたわ。
どうやらそのお便りはアリスちゃん宛てなんだけど、差出人が書いていなくて不備だったところをお願いして持ち帰ってこれたわ。
いったい誰からのメールかしら?
タマムシシティのお屋敷に戻って玄関の戸締りを開けて帰宅した私は、風に仰がれて崩れた髪の毛をブラシで軽く整えればさっそくアリスちゃんとスズランちゃんの相部屋へと向かって羽根を伸ばした。
ビアちゃんと一緒にウェイトレス業をしているカフェテリアに居なかったからきょうは非番でしょうし、きっとぐうたらしているに決まってるわ。
ガチャリ
とりタイプの勘でなんだか胸騒ぎを覚えた私は急いで扉を開けて……。
ゆん「お邪魔するわよ」
アリス「あら、ゆん。慌ただしくてよ」

あの冒険譚から歳月が経って、アリスちゃんはますますご令嬢らしい女の子へとすくすく育っていったわ。
重苦しい役職にとらわれたくないアリスちゃんらしく、えいこうのいただきのトレーナーも断っていたし、萌えもんリーグ公認のジムリーダーですとか四天王ですとか、いくらでもオファーは届いていたんだけどもぜんぶ辞退しちゃって。
いまはビアちゃんのお手伝いをする程度にウェートレスをしているくらいで、まるで深窓の令嬢みたいに普段はお屋敷のなかで過ごしているわよ。
たまには旅に出たり、な~んてアクティブな行動をしてる訳なんてなくって、ときたま思い立ったようにどこかへ出かけていくくらい……。もちろんこんなに可憐で可愛らしい見た目をしている女の子に無茶はしてほしくはないのだけれども、ちょっとだけ寂しくもあるわ。
ねぇ、ねぇ、ねぇ。
アリスちゃんの一番かわいいところに気づいてる、そんな私がすごいすごいすごいわすごすぎる。そしてあなたが知ってる私が一番かわいいの。
私もそれに気付かされたわ……!
いけない、うっとりしている場合じゃなくってよ。
私はさっき手にした差出人不明のお手紙をアリスちゃんへと渡して、隣へと腰を掛けた。
アリス「随分とずぼらですのね……どなたからかしら」
ゆん「あなたにずぼらだって言われたくはないわ……」
アリスちゃんはペーパーナイフなんて使わないで、封を思いっきり両手で破り捨てると中から取り出した一通の手紙に視線が集中していく。そのごみを拾うのは私の役目なのよ……。なんて思いながら彼女に目をやると、私に見えないように隠しながら読んでいたものだから、私は気を遣って読み終えるまで待っていることにした。
壁のクロスを全面ピンクで貼っているファンシーなお部屋を一望する。スズランちゃんと相部屋にしてるというのに、パーソナルスペースなんておかまいなしにたくさんの萌えもんぬいぐるみだったり何十着にもおよぶエプロンドレスが占領していて、極めつけは正直女子の私であってもむせ返りそうになるくらいのお花の香りで染められていることが特徴ね。
萌えもんでいえばタマゴを産める年齢に差しかかった頃合いなのに、生粋のお嬢様だからかそれとも趣味なのか分からないけど、この子は幼いまま成長したような感覚。これが俗にいう夢女子ってやつなのかしら……?
スズランちゃんはどこにでもある普通のベッドなのに、アリスちゃんはといえばプリンセスなのかしらって思えるような天蓋付きのカーテンベッドがお部屋の半分を独占していて、一応いまもそこに座ってはいるけれど落ち着かないのよね……。なにせあのメグちゃんが引きつるくらいですもの。
こんな子が、この世界でトップクラスの萌えもんトレーナーだなんて誰もにわかには信じられないでしょう。
……そろそろこのお部屋からお暇したくなってきたからもう一度アリスちゃんのほうへ振り向くと……彼女の表情が引き締まっていたことに気がついて、きっとただごとじゃない内容が記されていたのでしょうって察知したわ。
やっぱり妙な胸騒ぎは当たっていたのね。
ゆん「なにが書いてあったのよ?」
アリス「こうしちゃいられない、ゆん!みんなを集めろ!」
お淑やかに振る舞っていた彼女の口調が昔みたいに戻っていた。その変化に、私はちょっとだけ嬉しくなって口許を緩めてしまう。
ゆん「はやる気持ちはわかるけど、みんなまだ忙しいのよ?」
アリス「しゃあねぇな~……夜まで寝る」
ゆん「ちょっと!?」
この子ってばほんとうに変わらないんだから。
……それにしても。いったい何が書いてあったのかしら……?
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ギンノ「何よメルヘンロリータ?急にこの私を呼び出して」
-DATA-
オルマリア/ネクロシア/ヤミクラゲ
ラティオス/メタグロス/プテラ
クオーレ「もうロリータと揶揄する年頃でもないだろう」

ブルー「あたしの手助けが必要なの?」
-DATA-
カメックス/プリン/ピッピ
アネ゙デパミ゙/128/ブルー
カメちゃん「不俱戴天は去ったはず」

スズラン「久しぶりに帰ってきたな~」
-DATA-
ろこん/いーぶい/ぴかちゅう
シャワーズ/カイリュー/けつばん
ろこん「こんっこんっ!」
ゆんに頼んで召集してもらったおかげで、一夜にしてみな一同集結してもらえた。こうしてみんなの顔を見るのも随分と久しぶりで、顔ぶれを眺めるだけでも当時バトルをした懐かしい思い出が蘇ってくるようだった。
でもいまはノスタルジーに浸っている場合じゃない。これだけのメンツを揃えたのは当然重大発表が控えているからだ。
アリス「集まってもらったのは他でもない」
-DATA-
オニドリル/ファイヤー/ライコウ
ゾロアーク/ラティアス/
6号「なんだか探偵の推理パートみたいですね」
モンスメグ「ここで謎を終わらせる☆」
ビアンカ「謎がなんなのかすら分かってないよ!」
グレアット「人とお話するの久方振りではないですかっ?
だいじょうぶ……っ?ちゃんと喋れますかっ?」
ゆん「きちんと目を見てお話するのよ」
アリス「茶々を入れるな」
アラジャアカップシマウワネ ポットデス! クッキーオイシイ!
……。緊張感ないんかこいつらは、肩の力が抜け落ちてしまう。
何年経っても相も変わらずマイペースな仲間たちに振り回されそうになったが、ダージリンを一口飲むと気を取り直して、背筋を伸ばし立ち上がると
意を決してみんなに宣言をした。
アリス「旅を再開する」
『!!!!!』
ボクの再出発宣言を聞いてみな一様に盛り上がる。
どうやら待ち焦がれていたらしい。
モンスメグ「アリスちゃんの御出陣、御出陣~☆」
6号「私の爆裂魔法を振るう時が来ましたね」
グレアット「祝福のお知らせに参りましたっ!」
ビアンカ「ボクが笑顔を届けてあげる♪」
ゆん「ふふ。やっぱりそうでなくっちゃね」
つぎの冒険も、どこまででも続くこの空のように長くなりそうな気配がした。
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シロ「わたしは、この星を愛していますーーー
トレーナーを信頼する萌えもんをーーー
萌えもんを信頼するトレーナーをーーー
そしてーーー
今ここでわたしたちを見ているあなた方ーーー
超克しなさいーーー
時空のさだめをーーー」
萌えもんマスターになってもアリスたちの旅はまだまだ続く。
