《Ride On The City》-硝子色の夕空- part39
「UNDOで寸分前の過去を帳消す飛行機で
何万の航路を開けて出迎えるスフィアを行け
塀へ塀へ
一瞬脳裏のクラッシュは
安住の幻影を消去し
歪曲のルートで塀消す
夢に見た再生の空再会の空
Ah……」

アリス「手間かけさせおって……よし、クリアー!」
強制移動パネルやら見えないブロックだったりとさまざまなデリートをくぐり抜け、ボク達はどうにか目的地である鈍い銀色に塗られた厳かな無機質のドアの前まで辿り着いた。
このドアの先になにがあるか想像もつかないが、シロのレーダーはここをくぐった場所にアークの座標を示している。
ゆん「おつかれさま」
アリス「二度とやりとうない」
シロ「これほど難解な仕掛けでしたらなるほど確かにーーー
こういった弾き方もあるのですねーーー
人間持ち前の警戒心を活かした見事な要塞でしたーーー」
アリス「ぶつくさ言ってないでさっさと開けろ」
糖分という糖分を使い果たして頭痛がしてきたボクは、いつまでも扉の前で立ち止まっているシロに苛立ちを覚えて旅の進行を促した。その様子にゆんから条件反射なのか瞬時に身構えて息を飲む音がはっきりと聞こえてきた。
並みの生き物であったら卒倒しかねないクラスの冷ややかな視線とオーラが感じられたからである。
シロ「仮にもわたしは天上の神なのですよーーー
貴女でなければ断罪しているところですーーー」
ゆん「そ、そそっ……そそうよアリスちゃん!?あああんまり無礼な態度を取っていたら、大変な目に遭わされるんだから」
アリス「神相手に物怖じなんかしてて旅ができるか。ボクはアークと会いにここまで来てるんだよ」
ゆん「一理あるけども……」
ボクの純粋な目的を耳にして、シロはもともと危害を加えるつもりは毛頭なかったのか転じて雰囲気が戻り、口許を緩ませた。
シロ「面白い子ですねーーー
こうして行動をともにしているうちにーーーあのうゅみが心を惹かれるのも理解できますーーー」
平穏が戻ってゆんはホッと一息をつくと、ポンっとボクの頭を撫でた。
ゆん「シロ様が本気じゃなかったからいいものの……心臓がいくつあっても足りないわよ……」
アリス「キャンディー」
ゆん「ぐぬぬっ……この子ったら……!」
いつぞやボクが憩いとして楽しみにしていたキャンディーをぜんぶラルースに投げやがったのを今日まで忘れちゃいなかった、ボクはゆんから包み紙を受け取ると勢いづけて口のなかへ放り込んだ。
胸に残り離れない苦いレモンの匂いとともに、切り分けた糖分の幸福感が脳の疲れを和らげてくれた。
アリス「ラルースに礼を済ませてなかったな、こっちに来ていたら菓子折りでも持っていくか」
ゆん「そうね……まずは私に謝礼をしてちょうだい?」
最後の仕上げであるドアの仕掛けを解きながらも、雑談を耳に仕入れていたシロが挟んでくる。
シロ「天空の七英雄ナナとその従属たるラルースの管轄はやぶれたせかいーーー
ティナが復帰するまでのあいだの騒ぎを受け持っている以上ーーー
すぐに邂逅するのは難しいかもしれませんねーーー」
あのキラキラ眩しい予の真名はナナっていうんか。依代であり海の七英雄のひとり、ルギアの真名はワダツミだってあっさり明かしてた癖に、自分の身の内は全然明かしてくれなかったからもやもやしていたんだよな。
ゆん「ホウオウ様のお話、ちんぷんかんぷんでしたわ」
アリス「お主よくそれで今の今まで付いてきたな……」
ゆん「私とアリスちゃんでニコイチですもの!」
アリス「あーはいはい。シロ、いい加減開きそうか?」
シロ「あとひとつのロックシステムを解けばーーー
おやーーー6号の座標がぴたりと止まりましたねーーー
この先の空間はダンジョンのはずなので何かあったのでしょうかーーー」
アリス・ゆん(爆裂したな 爆裂したのね)
アークはいつものことなのでおねんねしてるとこを回収すればいいだけだが、ダンジョンだという単語を聞き逃しはしなかった。思い返してみれば、実力者のみが認められる決まりに、このヘンテコなトラップ……シロガネ山や数あるチャンピオンロードに酷似しているじゃないか、どうして気がつかなかったのか。
だったらアークが絶好の修行場として潜っていったのも頷ける、そうと決まったら探索の準備を済ませておこう。メイクグッズをいっぱい詰めた肩掛けポーチとは別に、背中にしょってるリボンチェーンフリルハートスタッズリュックの中身に詰めているトレーナーグッズを整理する。
アリス「ぽぇ?」
身に覚えがないアイテムが奥底から光ってみえたため素っ頓狂な声を出してしまった、そっと手に取ると一見ビーダマみたいだったが、それにしては聖なる妖しい輝きを放っている、まるで宝石かなにかのように思えた。
いつの間にか転がりこんで隙間から入ってしまったんだろうか。とりあえずエプロンドレスの懐へ仕舞っておこう。

仕舞いこんだと同時にガチャリンと漫画みたく効果音を発してシロが開錠していたドアが開きだした。真冬のように冷えこんだ風が流れてきて思わず震えあがる。
シロ「おふたりともお気をつけてお進みくださいーーー
この先アンダーグラウンドに繋がる洞窟は大変険しくーーー」
アリス「ご忠告どーも。ゆん、アークを追うぞ」
シロが警告を言い切る前に、翼を広げたゆんの背中に乗ってドアをくぐる。
ゆん「よくってよ」
いまさら足をすくませるほど弱々しくない、危険なダンジョン結構よ。この世界で優しさに甘えていたくはないからな。
シロ「神託は最後までーーー
うふふーーーあの子でしたら乗り越えられるでしょうーーー
わたし直々に創りあげた試練の間・カントー地下都市をーーー」
アリス「Shit!!もっと高く飛べ、下水に流される!」
ゆん「きゃあーっ!?見えない岩石が!?」
アリス「おーい何突っ立ってんだシロ、道案内のエスコートは終わっちゃいないぞ」
ゆん「アリスちゃん!」
シロ「勇気があると思えばただの無謀なのかーーー
可愛らしいーーーわたしもいないとダメなのですねーーー」
-カントー地下都市-

アリス「しかしカントーの地下奥深くにこんなアーティファクトがあるとはな……」
地層そのものがはっきりと浮かび上がって洞窟として形成されていたアンダーグラウンドからさらに奥へ進んでいくと、かつて誰かが集落を作って住んでいたのかもしれないのではないかと想像を掻き立てられるような、経年劣化と極端な極限下の環境によって崩壊したと思わしき建造物の形骸が瓦礫となって転がる景色があったのだ。
そんな都市伝説なんて信じられないんだけど、実際に下水をしっかりと施工して造られたであろう治水の跡があり、地下水脈を規則正しく流れるよう建築された水路が現存してあるのだから信じざるを得ないだろう。
思っていたよりもよっぽど原初のカントー地方はロ~~~~~~~マンティックなのかもしれないと、心躍ってしまう展開がそこにあった。
また、数多くの種類のもえもんも生息していた。イシツブテにココドラやモグリューなどは理解できるが、先ほどの推理を裏付けるようにドーミラーも住処にしていたのだ。しかしのん気にフィールドワークしていられる土地ではなく、むしろふと気を抜いたとたんに方角を見失ってしまいかねないほどに複雑で広大な曲がりくねった厳しい通り道ばかりを進み続けており、岩盤の落石や亀裂の入った壁など、ゆんに乗っていなければあっさりと身動きが取れなくなってしまったことだろう。
創造神たるシロのガイドがあってどうにか探索できているといっても過言ではない、いくつもの難所を辿ってきた自信はあったがまだまだ自己認識が足りていなかったと痛感させられてしまった。
ゆん「何なのかしら、このくぼみ……」
アリス「押せ押せ」
興味本位で不用意に触ったのがいけなかった。まさか地下の岩壁が隠し扉になっていようとは思いもよらなかったから。
ゆん「きゃっ!」アリス「はにゃん!」
カラクリやしきの如く反転扉の造りとなっており、ボクたちは壁の向こう側へと押し流されていく。ボクを乗せていたゆんがマット代わりになってケガはせずに砂埃を浴びるだけに済んだものの、衝撃で肩掛けのポーチが飛んでってしまった。
タフさが取り柄のゆんはそれを見て起き上がり、ボクの手を引くとポーチが落ちた先へ歩んで拾ってきてくれた。
アリス「危なかった~」
ゆん「シロ様とはぐれちゃったわね」
ポーチを掛け直して前方に視線をやると、またまた目を疑う光景が広がるではないか。それはなんらかの研究施設だか実験装置だか、とにかく現代のテクノロジーを利用した部屋になっていたのだった。なんとケーブルも繋がれており、地表の電波に繋がってしまうくらいの強力な電力が運ばれている形跡も見かけた。その証拠か野生のデンチュラやコイルの姿もあり、ひょっとしたら現在も秘密裏に使われているやも……。
好奇心が働いて機械に手を触れようとした瞬間にシロの声が届いて動きを制止して瞬時に身体ごと機械のほうから手を引っ込めた。
シロ「ご無事でしたかーーー」
アリス「あぁ。それにしてもこれはなんだ?……ここは一体なにに利用していると思う?」
シロ「どうでしょうーーー
繰り返し申しますようにわたしは種を蒔いただけですからーーー」
アリス「あーそっ」
もとより色よい返答なんざ期待はしていない。とにかくこんな謎を追っていてもしょうがない、さっさとアークを見つけ出して……。
ゆん「あの~……あそこで寝転んでいる魔法使いの格好はもしかして」
やけにあっさり見つかっちゃった。
面倒な探索だったりバトルがあったりと予想していたつもりだったが、こうも拍子抜けさせられるとそれはそれで物足りない気もする。
アリス「なーにエクスプロってたんだ?おら起きろ」
寝転がっているアークの近くには月のクレーターのようなド派手な爆発の跡が刻まれており、紛れもなくエクスプロージョンをぶっ放した証拠と化していた。
ばたんきゅーしているアークのほっぺを引っ剥がしてぺちぺちとオノマトペに興じていると、こいつが爆発させて無理やりにでもこじ開けたっぽい、でっかい穴の方向からなにやら不穏な気配が近づいてきたことを察知した。
ゆん「アリスちゃん」
アリス「ったくぜんぜん起きねえな……?」
ゆん「だれか来るわ」
アリス「わーってるよ」
へたに感情を逆撫でさせないよう、臨戦態勢は取らずにあくまでも自然にその気配を待った。カンに触られないよう長生きするための処世術。
『何じゃ。なにやら騒がしいから出向いてやれば……道標よ、成して人の子と戯れておるのじゃ?』

気配の正体は、全身を真水のヴェールで纏ったかのように、濁りのない藍色の格好をした、小柄ながらも(ボクよりも少々背が高い程度の)格式のある高貴そうな女性であった。
ただ気になったのはその風雅さでも、景色に溶けこむほど実在感を感じさせない非現実的さでもなく……。
アリス「フルーラと同じ声……?」
ゆん「アーシア島で仲良くさせてもらったかんなぎさんね!」
フルーラと双子なのかと頭がよぎったが、そうだとすれば支離滅裂だ。この藍色の女子は十中八九もえもん……それも七英雄と比肩できるほどの者とお見えできるからだ。彼女は目線をシロからボクへと移ろい、フルーラと同じ声で声を発す。
『このボイスの主を知っておるか。わっちが歌を謡う時にいちばん適した声での、度々借りさせてもらっておるのじゃ』
ひとりの持つ個性を借りさせてもらってるなどと平然と言ってのけるあたり、やはり化物の類いだった。
アリス「シロ、誰だこやつ」
道標と親しく呼ぶあたりシロの側近関係なんだろう、可及的速やかに解説をお願いしてもらう。
『こやつ呼ばわりじゃと!?』
シロ「彼女はこの宇宙に、水という自然を繁栄させるにあたって必要不可欠な元素そのものを創りあげたいわば”水の皇女”ですーーー
図鑑上ではマナフィと呼ばれる幻の生命体に数えられておりーーー
その特質上、水を扱うもえもんは皆彼女の従者にすぎませんーーー
大海の七英雄ルギアとその従属カイオーガすら例外なくーーー」
ゆん「とんでもないお偉いさんじゃないの!」
『うむ。わっちに敬意を示すのじゃ』
ゆん「ははー」
アリス「お前は鳥だろ、示すんだったらホウオウ相手だよ。で、概要はわかったけどなんでフルーラの声でしゃべる?」
『下民に語るまでもない』
シロ「ユリ。わたしはこのアリスという少女にーーー
僭越ながら箱庭を救っていただいた身なのですーーー
身をわきまえるのはあなたですよーーー」
シロからのカミングアウトに目をぱちくりとさせるユリと呼ばれた皇女さま。シロが嘘をついているなどとは滅相にも思えるはずもなく、潤んだ水で作られたと思わしきエフェクトを出したかと思えば、瞬時にひらひらと藍色のドレスをウェイクアップして高貴さはそのままに挨拶を交わした。
さっきまでのフルーラの声ではなく、シロにも劣らないクリアで澄みきった声で。
ユリ『しようがあるまい。道標の申すよう、わっちは星に水をもたらした女神。名をユリと申す。人の子からはマナフィと慕われておるのじゃ』
ゆん「ご丁寧に感謝いたしますわ、私はゆんよ」
アリス「ご挨拶どうも、ボクはアリス。この道標とやらにシロって名前をつけてやった、可愛いだろ?」
よもや独自のニックネームをつけられていると予想だにしなかっただろう、ユリは噴き出してケタケタと笑い声をあげた。その笑いにも品位が感じられる。
ユリ「シロじゃと!?傑作じゃな、道標ともあろうそちがまるでそこいらのペットの様ではないか」
シロ「うふふーーーユリ、溶かしますよーーー」
ユリ「すまぬすまぬ。おぉ、忘れておったわ。わっちは”ハートスワップ”と名付けた能力も持っておってな、わっちが把握しておる内から任意の声帯を選んで拝借できるのじゃよ。たとえば……」
ユリ『あらやだぁ~ん♥わらわ困っちゃうのじゃぁん♥ふふ、似ておるじゃろ?」
ゆん「スイ様の声ですね!」
アリス「ほう。なんと愉快な力」
水を自在に作り出せるだけでも有り余るほどのチートだというのに、そのような利便性の高い能力までも有しているとは。これまで出会ってきたなかでもトップクラスのもえもんではないか。
実際に会ったことがある者に限られる、ということはフルーラもまたスイのバイト巫女としてユリと遭遇した経験があったことになる。道理であのスイがフルーラを買うはずだ、今更ながら合点がいった。頷きながら彼女のお披露目を聞いたあたりで打って変わって神妙な面持ちに変わり話を切り出してきた。
ユリ「して……わっちの城へ土足で踏み込んできて何用じゃ?水源を送っておるだけの廃墟とはいえ派手に荒らされて気が立っておるのじゃ、そこの主犯たるヒスイの生き残りは見たところ主らの配下じゃろうて。道標の寵愛を受けた子といえども返答によれば容赦はせぬぞ?」

牙を剥いた彼女の背後に、かつてこの地下都市が繫栄していたであろう時代の、さながら竜宮の都の映像がゆらゆらと幻視して見えた。
アークのにゃろう、マジで迷惑ばかりかけやがって。今夜のご飯はグラスに入った水一杯だけにしてやるからな。
だがひるむことなく、一歩前に出てボクは食ってかかった。わけではなく、膝を下げてスカートを翻せば片足を斜め後ろへ引きお辞儀をした。誰が見ても恥ずかしくないカーテシーを行ってみせ、非礼を謝罪するとともに水の皇女への敵意などこれっぽっちも無いという主張になる。
アリス「ユリお嬢様のご立派な技量の数々にお見逸れをしました……つきましてはボクのお仲間が大変な無礼をなさりましたわ。代表して彼女を従えるボクが謝ります、気が済まないのであれば、何なりとお申し付けください。あなたとこれからも良き関係でいられるように」
後ろから感銘に近い透明な声色と温厚な微笑みとが響いてきた。
ユリ「……ふぅむ。そち、顔を上げい。試す真似をしただけじゃ、道標がかみしもを脱ぐ所以も理解したわ。………その爆発魔を連れて帰れ、わっちの気が変わらぬうちにの」
アリス「お心遣い、感謝いたしますの」
ユリ「ふんっ……言葉遣いを戻せ、なんだか気色悪いわ」
ゆん「ふふ。ろくちゃんも見つけられたことだし一件落着かしら」
ボクは両肩を回して姿勢を戻すと、いまだに寝転がるアークの脚に軽く蹴りを入れて踵を返した。
アリス「ゆん、こいつを乗せろ。ボクはシロに乗って帰る」
命令に従ってゆんは一足早くアークを背負って通っていた道順を飛んで行った。
そしてシロも肯定の相槌を打ち、ふんわりとローブの上へとボクを乗せてくれる。そのやり取りにニマニマと形相を崩してユリはからかいだす。
ユリ「なんじゃぁ~?お主ライドまでするようになるとはの~……人の子に献身を施すギィとは方針の違いなどと散々衝突を繰り返していたというに」
シロ「自らしるべを逸れた少女の行く末が気になっただけですよーーー」
ユリ「ほぉ?……アリスと申したな、先ほどの作法、あっぱれであったのじゃ。ここはひとつ、わっちから光明を授けよう」
アリス「っていうと?」
彼女の別れ際に放った一言が、ボクたちを旅路へと駆り立てた。
ユリ「栄光の頂を目指すのじゃ」

アリス「えいこうのいただき?」
ユリ「導なきトレーナーが挫けぬ強き心と力を抱くにつれて、己の限界を超越すべく目指すとされている伝承の麓じゃ。
シロちゃんがこの星……はじめての星を作った際に、今でいうところの七英雄とその従属らを決めた土地でもあるのじゃよ」
アリス「……いわば、歴史の全てがはじまった場所か」
ユリ「よいな、シロちゃん」
シロ「アリスにはその資格が相応しいでしょうーーー」
ユリ「うみ。わっち達は幾ばくでも待とう。そちの準備が整い次第、シロガネの丘陵に集まるのじゃ。わっちが連れていってしんぜよう」
どうしてこう、毎度毎度どいつもこいつもボクに好き勝手いいやがってからに。そう悪態をつきたくなったが、振り返ってみればボクを信じてくれている、いってしまえばそこに縁や運命などといった陳腐な常套句だけでは言い表せないなんらかの”絆”があるのだろう。だったらいっそこの世界に伝えてやろう、愛と勇気の大作戦をよ!
アリス「ったく。しゃあねぇな~……シロ!こうなったらお前も、ゆん・グレアット・モンスメグ・6号・カルマ・うゅみ等と同様、このアリスと一蓮托生だ。最後まで付き合ってもらうからな!」
シロ「……アリスーーー
わたしを相手に軽い口約束など信頼に足り得ませんよーーー
証明をーーー」
シロは純白のローブを纏った背中からボクを不思議な力で降ろすと、両膝をついてボクの目線にぴったりと視線を合わせて、睫毛が触れてしまえそうなくらいまで至近距離になって、証明を見せてほしいと……そう告げてきた。
アリス「あーもう。マジでしゃあねぇな……結局こうなるんか。
シロ。ボクだけのものになれ。…………んっ……」
シロ「ちゅっ……」
(いたいけな少女から直接伝わる温度、水気、体温ーーー
ただ身体の一部を触れ合わせているだけの行動のはずーーー
なのになぜか……ーーー
高鳴る胸の鼓動。蕩ける脳の快感。暖まる心の安堵ーーー
いま感じている全ての体験がはじめてでしたーーー
嗚呼。わたしであってもけして創造できなかったーーー
この感情がーーーこの育みこそがーーー
愛、なのですねーーー)

