Wonderland Seeker

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《Ride On The City》-硝子色の夕空- part37

Welcome!! Time line travel on The game.
Welcome!! Heroes hacking to The gate.

数十億もの 鼓動の数さえ
あなたには 瞬き程度の些事な等級
過去に囚われて 未来を嘆くも
塵一つ 誤算を許さぬ必然

『無限』に広がる夢も 描く未来も
僕達に許された 虚栄の権利

『有限』それは二つの 針が示す
残酷な約定と 選択へ Hacking to the Gate―――

 

「わたしの背中からの眺めはどうですーーー」

アリス「心地はいいかな、シロよ」

あれからボクはシロ---道標に付けてやった名前、純白って言葉はこいつのために在るべきと思って、敢えて直球でネーミングしてあげた---

と協力関係を結び、シロが引き続き箱庭の遊戯を続けられつつも道標から解き放てるように乱雑に混合しあっていたすべての要素もろとも、本来あるべき宇宙へと還したのだ。

シロいわく"萌えもん"というのが今までポケモンと総称していたヒト型の知的生命体を表す原初の呼び名らしく、正式名称は萌えっこもんすたぁと伝えられているらしい。

なぜヒト型、それも女性を模した成り立ちをしているかというとトレーナーとポケモン同士が対等にコミュニケーションを取り合うのに最も適しているから……などという俗物的な理由らしい。要出典。結局のところ、その萌えもんとやらとあっちでたまに見かけていたペットのような動物的な身体的特徴のどちらがポケモンのあるべき姿なのかは曖昧なままだったが、こっちも萌えもんが主流となっているためおそらく元来はヒト型という事にしておこう。ポケモンにとっても道標がない世界なんだから。

そして本来この世界で生を受けたボクが還元された場所はカントー地方だったため、めぐりめぐって舞台は変わり映えこそしなかったが、暮らし続けてきた地方ということでやはりというべきかホッと一息つけた。

あれからシルクよりも柔らかく上質な純白のローブを纏うシロの背中に乗せてもらってこの世界へ転送されて、今は仲間を求めて上空からの探索ツアーに洒落こんでいるところだ。

気になっていることはそれこそテンガン山のようにたくさんあるが、シロが素直に答えてもらえそうな話題だけに絞って質問することにした。

アリス「ギラティナは……やぶれたせかいは、どうなった?」

昨日の敵は今日の友とまで殊勝ではないが、それでも自らの意志で七英雄のひとりを手に掛けたのだ。ことが済んだ暁には再会したいものだ、あの漆黒の闇はごめん仕るが。

シロ「ティナは傷が癒えるまでミズキが付きっきりでお世話をしておりますーーー
また新たな箱庭を作る時まで休んでもらいましょうーーー」

アリス「懲りぬヤツめ」

シロ「ヒトとポケモンの持つ可能性は無限大ですからーーー
次のやぶれたせかいは上手くいきそうな気がしておりますよーーー
あなたのおかげでーーー」

アリス「あっそ」

これでは結局リセットとやらの手助けをしてやっただけではないのか?別の箱庭とやらの世界はまたお前の道標通りに創られるのではないのか?などなど疑い出せば蟠りは尽きないが、シロの透き通った声色がどことなく喜びに満ちたように聞こえたから、これはリセットではなくリスタートなのだ。と言い聞かせることにしておいた。

それにボクは自分が生きている証のある世界だけが道標から解き放ってくれていればそれでいい、いちいち別の世界までも面倒見きれんっちゅーの。

しかし初対面から感じていたけども、ふわふわなローブの感触もあいまって彼女の体温は干したばかりのベッドシーツのようにあまりにも心地がいい……。
疲労が溜まっているのもあいまってついつい眠気を誘われてしまう。
……なんてウトウトとしてるうちになぜか強烈な砂嵐が吹き荒れてきたではないか!

アリス「きゃあぁっ?!なんなのよ!!」
シロ「ニビシティに差し掛かりましたーーー」
アリス「なぜニビで砂嵐が巻き起こってるう!?異常気象じゃあ!!」
シロ「趣味らしいですがーーー」
アリス「そんな趣味があってたまるかー!!!」

純血のお嬢様育ちであるボクは砂埃を嫌って顔を覆うとしたが、目前の砂一粒としてエプロンドレスにかかってはいなかった。まるで天井の立派な室内に入ったような感覚だ。

アリス「およ?」
シロ「わたしはこの箱庭の創造者ですよーーーこの程度のサービスなどベィビィの手をひねるようなものですーーー」
アリス「おお。うむ、苦しゅうない」

超常存在の扱う原理など到底理解は及ばないが、とにかく快適にお空の旅を継続できるに越したことはない。せっかくだからそよ風でちょっと乱れた髪型でも手入れ直しをしよう、ポーチから手鏡を取り出して見慣れた自分の顔が映った瞬間に、ふと寂しさが訪れて胸がズキっと鳴ってしまった。
マナから預かったエリカお姉様お手製のアイリスの簪が消えていたから。

アリス(……やはり、か。生きて悲しみと立ち向かうとはこういう事なんだな)
ちょこっとアンニュイに浸っているとシロが呼びかけてきた。
シロ「いましたよーーーあなたの最愛のパートナーではないのですかーーー」
アリス「!」

ほんのひとときとは言え、忘れてしまっていたボクの相棒。
ようやく会えると実感すると、さっきまで痛んでいたはずの胸がだんだんと高鳴ってきた。ひょっとしてこの原初世界のカントー地方の天空観光と称しておきながら、その実シロはボクが心の奥底から願っていた望みを探してくれていたんじゃないか。

シロ「うゅみによって幾ばくか先にこの箱庭に帰還させられておりましたからーーーわたしの探知を以てしても時間をおかけしましたーーー」
アリス「ありがとう、シロ。早く連れていってくれ!」
シロ「無論ですーーー」

-ニビシティ・ニビゆうえんち-
久しぶりに地上へ降り立ったせいか両足が小鹿のようにふらついていたが、バシッと叩いて気合いを込めてやり相棒が待っているであろう施設の中へと、シロに左手を繋がれながらも勇み足で入っていった。

店員「ようこそメダル交換所へ!お求めはどちらでしょうか!」
アリス「あぁ、ここで待ち合わせをしている」
店員「失礼いたしました、もしよければメダルの購入・交換のほどもよろしくお願いいたします!」

シロ「あの子ではありませんか?ーーー」
シロが指差す方向へ視線を向けると、なにやらうーんうーんと分かりやすく頭を抱えながら、誰よりも見慣れた、樺色に染まるウェーブのかかった乱れ気味のロングヘア―、大きな胸元がチャーミングな樺色のローブ、そして彼女を象徴している何よりも樺色に輝く羽根。見間違いようもない、探し求めていたパートナーそのもの!
ボクはシロの手をほどくと、周囲になりふり構わず彼女の元へ駆け寄った。

アリス「……ゆん!」
ゆん「……どれにしようかし、ら………………?」

名前を呼ばれ、大きく目を見開いてきょとんとするゆん。一瞬動転していたが、頬をぱんぱんと叩いて夢じゃないことを確認したのか、ボクのもとへ飛んできてむぎゅり、と抱きしめてくれた。ボクが世界でいちばん大好きな香りと柔らかさが体温越しに鼻孔と全身の感触に広がる。紛れもなく彼女こそ、ゆんだった。

アリス「ゆ」
ゆん「よかった……!本当に、本当によかった……おかえりなさい。アリス。帰りが遅くなっちゃったら、お姉ちゃん心配しちゃうでしょ……もう!」
アリス「っ……うん、ただいま。ゆんお姉ちゃん……また会えてよかった」

 

 

涙を流してふたり、感動の再会を果たした。
でもそのムードはほんの一瞬でおしまい、なにせここは公共施設のど真ん中だから。まだまだ補給し足りないが、今夜は夜通し部屋で語り合おう。
ボクとゆんはばつが悪い表情で申し訳なさそうに周りに頭を下げると、気持ちを切り替えて普段通りのペースへと移行した。

ゆん「はい今日はずっとおてて繋いでおくからね。ところで……そちらの神々しいお方は?」
ああそうか。当然の話だがまだゆんは知らないんだったな。こうして並ぶとシロはゆんとあまり背丈が変わらない、道理で乗り心地にフィット感があったはずだ。

シロ「アリスの婚約者ですーーー」
アリス「!?」
ゆん「…………は?」
シロはボクがゆんと繋いでいる方とは逆の手を握ると、これみよがしに指先へ口づけをしてみせる。おうふ、オフレコの話、創造神様の端麗な薄い唇は正直これまでの誰よりも気持ちがよかった。

シロ「一生苦楽を共にしてほしいと望まれーーー」
アリス「あああああああ間違ってないのが腹立つ!語弊も誤解も凄まじいのに!!!」
こ、こいつ……!天の頂点たる存在が10に満たない少女相手に利用されたのが実は根に持ってるのか?!
騒ぎ立てているにも関わらず注意されないと思ってたら、チート能力を駆使してわざわざ周囲に認知されないように認識妨害まで貼ってやがるし!

ゆん「アリスちゃん♡」
アリス「ぴいぃっ!」
ゆん「私(わたくし)が居ない間に随分とおませなプレイガールに育ったようね?」
アリス「にゃはは……アリスなのにシンデレラになっちゃったかも」

ゆん「疾ッ!!!」
ゆんの クロスエッジ
アリス「ぎにゃああああああっ!!!」

シロ「うふふーーー調子に乗らないことですよ、アリスーーー」

-ニビゆうえんち・いこいのひろば-

アリス「前がみえねぇ」
ゆん「嘘おっしゃい。切り傷ひとつも付けなかったんだから」

お互い無事に合流ができたことでまずは報告をするため、くつろげながらもひと気が少ない場所へ移るべく、ボクたちは施設の裏手にある草原に腰を下ろす。右側にゆん、左側にシロがボクをサンドイッチするかのようにして位置を陣取っていた。

シロ「先程はただの冗談ですーーー
アリスに少しばかり貸しがありますものでーーー」
ゆん「お気になさらないで。この子の悪戯はよーく理解っているから」

なんか仲良くなっちゃってるよ。微笑ましくしているけど、これから話を進めるうちにシロの正体が明らかになった暁には卒倒するんちゃうんか。

アリス「はいはい。んで、ゆん。一体あのとき何があったんだ、隠しごとナシで打ち明けてくれ」
あれからゆんを最後に見たズイタウンの夜空。その向こうでどんな出来事が展開されていたのか、グレアも遂に口を割らなかった以上、こればかりは仲間として真相を聞かなきゃいけない。
そう問いかけたとたん、ゆんの表情が一転して曇り出した。よっぽど隠しておきたかったのか、歯切れが悪くなってぎこちなかった。

ゆん「そう、ね……。アリスちゃんには話しておかなくちゃ。シロちゃんも部外者じゃないでしょうし、聞いてくださるかしら」
シロ「俄然興味深々ですーーー」

なんで愛着は湧かないのにこういった関心は向くんだ?
とにかくボクはゆんの言葉に耳を傾ける。

ゆん「ハンターJは覚えているわよね、強大な相手だったもの。あのときね、アリスちゃんが機転を利かせた奇襲くらいで、諦めるような人じゃなかったわ。あのままだったら、確実に……また被害者が増えるし、アリスちゃんにもいずれ二度目の危害が及ぶはず。」
あの冷酷な-下手すればマナよりも-指名手配の顔が浮かび上がる。
日にちにしてみれば数日しか経過していないはずなのだが、どうしてだか懐かしく思えてしまう。そういえばあの夜に異世界へと誘われたんだったな。
ともすれば異世界……転じてミズキに呼応された理由が判明するかもしれない。

ゆん「鳥獣ってね、他の生き物と比べて危機察知能力が優れているの。それで、そう感知した私とグレアちゃんは……ハンターJを追い詰めたわ。
そして、グレアちゃんが……ううん。グレアちゃんと私は共犯ね」

彼女から不穏な言葉が入ったことによって、その理由は考えられるケースの中でも災厄に最悪な予感ではないのかと電撃が走ってしまった。
頼む、そうでなくて欲しい……!
だがそうであったほうが悲しいかな、ミズキがあれだけボクに構ってくれた原因にも納得がついてしまう。
固唾を飲んで、聴覚を研ぎ澄ませた。

 

 

ゆん「あの人を……この手で始末したわ」

相棒が手を汚したその衝撃的な事実よりも、意に反して胸を撫で下ろしていた自分の---それは例えるなら、十四夜月だか十六夜月だかのような気色悪さが残る、気が狂いそうな月の光のような---感情に恐怖しておののいてしまっていた。

アリス「そ…………そうか……」
シロ「お気を確かにーーー大切なパートナーの事なのですーーー
いずれ知るべき情報だったのですからーーー」
透明感のある、いや透き通ったそのものの純水のような声色を持つシロが、静かに耳元でささやいてくれたおかげでどうにか平常心を保てた。

ゆん「……怖いですか。私が」
これから本気で試合に赴くような真剣な面立ちでボクをじっと見据えてきた。いま自分はどんな顔をしているんだろうか、きちんと向き合えていれば良いのだが。

アリス「怖いなんて、思わない。だってゆんとグレアは身を挺してまでボクのことを守ってくれた結果なんだろ、ああきっと自己防衛として認めてもらえるさ、ボクは仲間に慕われていて幸せ者だよな、あはは……」
ゆん「アリスちゃん」

あ、あれ?どうして睨まれているんだ??
なんかやっちまったか?ボクなにか口走ったりしちまったかな、まだ何も返事をしていないから催促されているのか。そうか、ボクとしたことが判断が遅いな……。

ゆん「自分の言葉で伝えて。私に……私を、しっかりと見て頂戴」
そう告げるゆんの目は潤んでいた。その光景を見てボクは完全に覚醒する。
何をしているんだアリス。自分にとって何者よりもかけがえのないパートナーを信じ抜かなくてどうする。
もちろん人の心理として殺めてしまったという行為は完全に受け入れられるのは難しいかもしれない、動揺をするなという方が無理難題だろう。
でもそれくらいの問題なんて微々たるものだ。
何があろうとも、これまでも、これからも、苦難と喜びを一蓮托生分かち合う関係性のふたりの間に、壁なんて存在してはならないのだから。

アリス「ゆん。覚悟なんてとっくに決めてる。最後まで話を聞かせてくれ、必ず一緒に飛び超えてみようぜ。絶対、だいじょうぶだよ」

ゆん「アリスちゃん……ええ……ええ!」
どうやら彼女に明るさが戻ってきた。ボクの半生以上に渡る(って言っても9歳だから傍から見れば知れているのだけど)長い付き合いなんだ、お互いのおべっかなんて簡単に見破れてしまう。どんな時であっても打ち明け合っているからこそ絆が生まれるんだ。

シロ「うゅみの仰った通りーーーやはり面白い子ですーーー」

ゆん「うゅちゃんをご存じなんですね!……話を続けるわね。私はそれからして間もなく不思議な世界へ招かれたわ、ほかならぬうゅちゃんのお部屋へと」
アリス「……うゅみ、そういうことか」
ゆん「その様子だったらうゅちゃんに会っていたのね?……私はうゅちゃんから色んなお話を聞かせてもらったわ、とっても難しくて、アリスちゃんが好きそうなお話ばかり。そして、最後に決断を迫られたの」

アリス「決断?」
うゅみから強いられた決断……おおかたろくでもなさそうで、どっちも地獄行きのライフハックにさせられそうだ。

ゆん「……その前に聞かせてちょうだい。アリスちゃん、いまの私どう見えるかしら?」
アリス「えっ?」
思っていた内容とかけ離れた質問が飛んできて拍子抜けしちゃったよ。ついさっき意気こんだボクの決意表明を返上させてくれ。

しかしそう飄々と考えていたのはなにやらボクだけのようで、みればゆんだけじゃなくシロまでもいつになく鬼気迫った雰囲気をかもし出していて、女子会でよくあるそれではないのだと噛みしめられた。
っていってもどう見える?などと曖昧な質問をされても、どう返してやればいい?普段のティータイムみたいな場だったらそれこそ自然と即答してあげられるが、どうにもそんなお気楽な様子ではない……。

アリス「ちょっと立ち上がって翼を広げてみてくれるか?」
ゆん「ええ」
彼女が命令に従って畳んでいた翼を広げてみれば、涼しくて心地のいい風と共に何枚かの樺色の羽根が舞い落ちていった。

改めてゆんを見つめてみる。

アリス「かわいい」
ゆん「どういたしまして。でもそれは求めている答えじゃないわ」

ほんのちょっと屈みながら腰に両手をやって彼女が微笑みを返す。弾力のある大きな含らみが強調され、自然と視線がそっちへ下りていく。いかんいかん、今は甘える場合ではない。誤魔化すように視線を泳がしていくうちに、ポケモン学を専門としている博士であってもひとめでは見抜けないであろう、誤差にすら満たない浮き上がった感じを読み取れた。毎日パートナーとして接し続けているボクじゃなきゃ見逃してしまうね。そこに気づいたボクは、かつての自分が恥ずかしげもなく言い放った言葉にして彼女への解答とした。

アリス「YMT!」
ゆん「えっ」
アリス「ゆん・マジ・天使!」

見た目が可愛いからマジ天使
声が可愛いからマジ天使
ハーフバードで可愛いからマジ天使
よくってよが可愛いからマジ天使
言い回しが古いところが可愛いからマジ天使
お人よしなところが可愛いからマジ天使
困ったときにツンデレになって助けてくれるからマジ天使
本当に困ったときは膝枕をしてくれるからマジ天使
満面の笑みが可愛いからマジ天使
誰かが発言した難しい言葉がひらがなになるからマジ天使
天然なところが可愛いからマジ天使
戦闘時の間の抜けたかけ声が可愛いからマジ天使

ひとりだけ伝説級じゃないところがマジ天使

ゆん「最後のひとつだけよくなくってよ!」

駆け足で叫びきってやって、むせながらも彼女の背中から生えている羽根を優しく手に取って、真相究明Q.E.D.

 

アリス「ゆん。お前、種族を超越したな?」

 

シロ「……うふふーーー」

ボクの言葉に対しゆんは、そよ風のようにつかみどころのない柔らかな笑みを浮かべた。そうしてボクをふんわりと抱きしめる。

ゆん「えぇ。うゅちゃんのおかげで私のアイデンティティーに気づけたのよ。アリスちゃんを守るために生まれてきた、天使なんだって」

アリス「・・・・・・あっそ」
ゆん「やだ、アリスちゃんってば!私なりにかっこつけたのよ!」
アリス「もったいぶることかそれが。ボクにとって、ゆんは初めからボクを守ってくれていた天使だ……かけがえのない相棒の"オニドリル"だよ。」

ゆん「…………もう。もう、アリスちゃんはいつもそうやって私が嬉しい言葉を……
そうね、よくってよ。話を続けるわ、それから私は道標?から解き放たれて、気がついたらこの世界に来ていたわ。はじめて訪れる場所の筈なのに、どうしてだか懐かしい気分に浸って……別にここがカントー地方だからって訳じゃなくってよ。きっと、そうね……此処こそ、私がいるべき居場所だって思えたからかしら」

そこで彼女からのカミングアウトトークは終了した。ボクを離して膝を組むとさっきまでの位置に戻って、どこか吹っ切れたような爽やかな表情で空を見つめていた。

結局のところおおかたは予測していた通りだった、だからといって決して驚きがなかったわけじゃない。ただなんとなく……落ち着いたんだ。
会話の中身がどうであっても、ゆんとこうやって肩を揃えられたことはどんな娯楽よりも気持ちが良かった。ボクがボクであるように、全身全霊、ボクであれた。

アリス「さんきゅ」
ゆん「よくってよ。次はアリスちゃんのお話を聞かせてちょうだい」

そう促され、ボクはゆんと別れてミズキと会ったところから、ひとつひとつ今に至るまでの体験談を語ってあげた……。


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スズラン「やっと私の出番ね、パティ」
パティエ「こんっ!」

すず様より


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Part38へつづく!