Wonderland Seeker

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《Ride On The City》-硝子色の夕空- part34

「蒼く果てない宇宙の片隅で生まれた夢が今は小さくとも
あなたの瞳に映る明日を誰よりそばで信じていたい
凍りつくような強い風でさえその胸に輝く夢を消したり
そうよ消したりなんて出来ない」

あたり一面は漆黒の闇に飲み込まれ、黒一色へと塗り潰された。どこまでも続く暗闇、暗黒、闇夜……まるで自分一人だけが世界から取り残された、いや世界から追い出されたような激しい疎外感と孤独感に苛まれるほどの強い感覚を誰しも覚えた。

ギラティナ「下界へ訪れたのは幾年振りか……この俺が出ざるを得ないということは相当世界の危機なのだろうな」

モンスメグ(こいつ、脳内に直接!?)
リーリエ(喋っているはずなのに何も声が聞こえません!みなさん大丈夫ですか?)
ビアンカ(うーん、この感覚久しぶりかも……アスフィアさんと会ったとき以来かなぁ?)
シロナ(ここは瞑想をすべきね……)
6号(おおおおおおぉこれが夢にまで見たあの山河社稷図状態!ここで修行すれば世界一の爆裂魔法使いになれますかね!?

スズラン(いつギラティナスナッチしようかな~)

ギラティナ「さて……ライコウラティアスにヒスイの生き残りか。カルマ、なにゆえお前がここにいる?」
カルマ(お前と直接会話できてここに来れんのがぼくしか居なかったからじゃん。言っておくけどぼく以外みんな来れない状況になってるじゃんよ)
ギラティナ「随分と手懐けられてるようだな?くく、結構結構……俺が出向いたからにはやぶれたせかいとの均衡を釣り合わせていただくがな」
カルマ(ぼく個人からすれば勝手にしろってとこじゃんけど、今回はイレギュラーが発生してるじゃんね)
ギラティナ「ギンノか?奴は特例ではないのか」
カルマ(うんにゃ。引きこもってばっかだから世界情勢をろくに知れんで世間知らずになるじゃんよ、ホウオウと話してねぇの?)
ギラティナ「あやつは眩しすぎる」
カルマ(あのなぁ……)

モンスメグ(もしかしてみんなかるるんとやみのまの声が聞こえてない……?だとしたらメグが伝令してあげなきゃ☆)

ギラティナ「リセットすれば済む事態ではない、といいたいのか?」
カルマ(なんならリセットしちまったら余計やべーな)
ギラティナ「簡潔に話せ」
カルマ(うゅみが気に入ってる)
ギラティナ「………………本気か?」
カルマ(マ。おもしれーじゃん?)
ギラティナ「どれほどのイレギュラーなのか連れてこい」
カルマ(あー、なんつーか……さっきまでガラルファイヤーに拉致られてたっぽい)
ギラティナ「ほう?あの馬鹿が付け入るとは相当だな」
カルマ(あの馬鹿うゅみに全部リセットされて冠の雪原に帰った。ウケる)
ギラティナ「くく……しかしあの女猫がそれほど付け込むとはな。俺も興味が涌いてきた、道標様がどう出るか見ものよな」

モンスメグ(リセット……?この世界はゲームでした~とかそんなオチのトークしてる?)
ギラティナ「してカルマ、俺はそのイレギュラーに会いたいがどうすればいい」
カルマ(ま、あいつのことだから待ってりゃすぐにでも来るじゃんよ)
ギラティナ「……確かに。新たな気配を3体感じた、ファイヤーとクレセリアもお供しているのか。特にあの厄介極まりないクレセリアを引き連れるとは……」
カルマ(うわーマジかよ……あいつどんだけ人たらしなんじゃ)

グレアット(きゃっ!?真っ暗じゃないですかっ!?)
ミズキ(この感覚……もう始まっていましたか)

モンスメグ(キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!! )

ーーーーーーーーーーーー

勢いよく飛び込んできたはずなのにどうしてだか一切の五感が機能していなかった。あたり一面は静寂の暗闇が広がるばかりで、グレアとミズキも一緒に来たはずだというのに、誰ひとりもいるような気配を感じない。赤の次は黒ってルーレットかよ。

アリス(自分の声すら聞こえてこないな……マナのやつめ不時着させやがったか?)
カルマ(不時着してないじゃんよ)
アリス(うっ、頭が……!)

などと不貞腐れていると、声が脳内に直接流れ込むような不快指数MAXの感覚に陥った。一切姿も気配すら感じ取れないが、この声はカルマか。このような形での再会になるとは不幸なものだ。

アリス(ここは?)
カルマ(ギラティナの空間じゃんよ。あー心配せんでもおめーの仲間たちは近くにいるから。って言ってもお互いに声も聞こえねえけど)
アリス(それが分かっただけで良い。ところで具体的には誰だ?)
カルマ(あ?このぼくに騒がしいアホたちの名前を読み上げろっつーの?)
アリス(うんなんとなく分かった。グレアとミズキはちゃんといるのか?)
カルマ(いるいる。とりまギラティナあとはよろ)
アリス(いきなり本命かよ!)

ギラティナ「貴女が……あのうゅみが見込んだイレギュラーか。俺はギラティナだ、七英雄の冠とは別に道標様の直下でやぶれたせかいを支配している」
アリス(見えねーけどこいつがあのギラティナか)
ギラティナ「思考には気をつけろ。俺は貴女の意識そのものを読み取って話をしているのだからな」
アリス(…………)
ギラティナ「お、完全な無となったか。くく、やはり人間は面白い」

アリス(えっち。ろりこん。へんたーい。9歳の幼女の思考を読み取るなんて、こんなイメージでしてるんでしょ)

COM3D2より

 

ギラティナ「カルマ、もうリセットしよう」
カルマ(いちいちこいつのペースに乗せられてたら堪忍袋がいくつあっても足りないじゃんよ)
アリス(……思考を無にしたことなんて寝てる時ですらないから難しいな)
ギラティナ「睡眠中にも思想を尽かせぬとは……流石イレギュラーたる存在よ」

アリス(9歳のロリータと添い寝する妄想とかしたでしょ。えっち)

ギラティナ「消す。もう消してやる」
カルマ(だーかーらーいちいち乗るなって)
アリス(なぁかるるん、もしかしてこいつちょろい?)
カルマ(かるるんはやめろ)
ギラティナ「まったく一筋縄ではいかぬ……しかし貴女の振る舞いから見るに俺の世界を行脚してきたというのは間違いないな」
アリス(やっぱり大団円はお前の庭だったか)
ギラティナ「左様。といっても俺は直に見ることなど滅多にない。一々流れ着いた小物を確認していてはキリがなかろう」
アリス(そんな杜撰だから不具合が起きるんじゃないのか?)
ギラティナ「不具合があれば除去すればいい。俺はこれまでそうしてきた」
アリス(その結果こっちの世界が大変なことになってんだよ。さっきから言ってるイレギュラーってもしかしてボクのことか)
ギラティナ「勘のいいガキは嫌いじゃない。よもやこんな子供の言うことを真に受けるとは思うまい」
アリス(あいにくボクは顔が利く身分でな)

ここでつい無意識のうちにエリカお姉様の顔を浮かべてしまった。
これがいけなかった。このおかげで思想を読み取られようとも一切隙を見せないまま交渉しようと踏んでいた計画がパーになった。

ギラティナ「ほう?……このままではイレギュラーが次々と大量発生する……やはりリセットを行うべきじゃないのかカルマ?」
カルマ(うゅみにはどう落とし前つけるつもりじゃんよ)
ギラティナ「道標様が決めることだ……俺の役割はイレギュラーを排除しやぶれたせかいを守り抜くこと。話は仕舞いだ、さらば」
アリス(やべぇ!)

目を瞑る感覚すら無いのだがボクはぎゅっと目を瞑って、似合わない信仰のポーズを取ってまで神頼みを実行した。
この機転が思わぬ方向へと作用する。

グレアット(アリスちゃんからの信心が私にとって一番の力ですっ!)
愛の源である神よ、
限りなく愛すべきあなたを、
心を尽くし、力を尽くして愛します。
また、あなたへの愛のために人をも自分のように
愛することができますように、
神よ、私の愛を燃え立たせてください。
Amen.
グレアットの おくりび!

ギラティナ「不死鳥風情が小癪な……!」
グレアット(ようやくお声を清聴できましたっ!あなたが大団円のボスですねっ!)
カルマ(思わぬバトル展開にちょっとwktkじゃん)

アリス(グレア!聞こえるか!?)
グレアット(アリスちゃんっ!お話は済みましたかっ?)
アリス(残念ながら決裂だ。ボクたちはこのやり方しか知らないからな!)
グレアット(望むところですっ!こんな暗闇なんて私の聖火で照らしてみせますっ!)

ギラティナ「調子に乗るな!」
ギラティナの シャドーダイブ

アリス(グレア、左舷35度)
グレアット(はいっ!)
しかし ギラティナの攻撃は当たらなかった!

ギラティナ「な、なぜこの闇のなかで躱せる!?」

アリス(お前からの声は直接届いてるから位置がバレバレなんだよ)
グレアット(私たちは絆で結ばれていますっ!見えなくともアリスちゃんがどこに居るか分かっちゃいますからっ!)
アリス(そういうことだ)

もちろん今だってギラティナからの声を除く五感の感覚は一切ない。でも分かる、ボクはきっとグレアットの背中に乗っているんだって。ここから見える景色はどんな風景であろうとも特等席の絶景に映るから。

ギラティナ「だが俺には貴女等の居場所が見て取れる。何が起きているのか、何も分からないまま、貴女の仲間だという奴等を皆一網打尽にしてくれよう!」
カルマ(闇討ちったぁ卑劣じゃん)

アリス(まずい!)
ギラティナ「くく!まずはそこの呆けた顔の魔女とメイドの格好から!」
グレアット(6号ちゃん、ビアちゃんっ!)

ギラティナのスターレクイエム!

6号(イリュージョン!)
ビアンカ(かがやくうもう!)

しかしギラティナの攻撃は外れた!

ギラティナ「なんだとぉ!?」

アリス(言ったろ?ボクたちは絆で結ばれてるって)
ギラティナ「何故だ……何故!」

ミズキ(うふふふ。焦っていますね……私の一部をアリス様の身につけさせておいて正解でしたわ。この三日月の羽根があればダークライからの悪夢を止められる。そのカラクリは醒めない悪夢の中から抜け出せるよう、どんな暗闇であっても周囲を認知できる作用がありましてよ)

6号(本当によく色んな策がポンポン出てきますね)
ビアンカ(悪巧みだったらリースお姉ちゃんがナンバーワン♪)

モンスメグ(そして~☆メグがサビ担当の真打なのさ☆)

モンスメグの エレキテル☆エレクトリック!
ギラティナ「ぐああぁっ!な、なんだこの電撃は……ゼクロムやサンダーとは比にならんこの威力、まさかあのライコウから出力されてるとでもいうのか!?」

おー、久しぶりに見たなこの感想。当たり前になりすぎてて忘れがちなんだがメグのエレエレって基本攻撃にしてマナの超能力に匹敵するかそれ以上のウェポンなんだよね。まぁこっち陣営のエースを張ってるんだから、それくらいやってもらわんと困る。
あ、アークのエクスプロージョンは冗談抜きに都市破壊できちゃうから絶対に使わせたりしないがな。

ミズキから受け取った三日月のお守りを肌身離さず持ち続けていたおかげで、赤い原野でも寸でのところで精神を壊さないで済んだし、今回だってこの空間に降り立った瞬間からみんなの姿を確認することだって出来たからこその愛と勇気の大作戦よ。
逆にいえばボクが分かったところでこいつらがボクを認知出来るのか不安だったが、メグがあのときにレリーズして新たな種族-神ならぬ身にして天上の意思に辿り着く者-として生まれ変わったことによって、ギラティナに一切介されず意思疎通を取り合えたのが決め手。
あとはギラティナを翻弄するようにしてボクが適当にそれっぽい思考を張り巡らせておけば、この奇襲の一手を仕掛けられるまでの隙を作ることが可能になる。

これが絆。これが信頼。これがアリス!

ギラティナ「まだだ、まだ終わらんよ!所詮は下等生物の集まり!俺がリセットをしてしまえばそれまで!!さらばだぁ!!!」

ギラティナは純粋な反物質のみで構成されたブラックホールを生成し、これまで幾度となく大団円のイレギュラーを排除してきたリセットこと物質の存在確率を変化させ存在そのものを不安定にしてしまうことで概念ごと消滅させてしまう技”カオスウィール”を発動した。
時は止まり、空間は消え、そこにはただ暗黒のダークマターのみが残る……。

























6号「ジャスト1分。いい夢見れましたか?」

ギラティナ「・・・!?」

アリス「お前はさっきからずっとイリュージョンに取り込まれていたんだよ。どうだ?自分が存在しない世界に吸収された感覚は?」
ミズキ「ギラティナ様。ご自愛くださいませ」

6号「

黒より黒く闇より暗き漆黒に我が深紅の混淆を望みたもう。
覚醒のとき来たれり。
無謬の境界に落ちし理。
無行の歪みとなりて現出せよ!
踊れ踊れ踊れ、
我が力の奔流に望むは崩壊なり。
並ぶ者なき崩壊なり。
万象等しく灰塵に帰し、
深淵より来たれ!
これがポケモン最大の威力の攻撃手段、
これこそが究極の攻撃魔法、

エクスプロージョン!




 

絶対に使わせないって?
ここは都市でも草原でも洞窟でもどこでもない。
ギラティナが創り上げた空間。
ゆえにエクスプロージョンを本気で発動しようとも構わない。

この爆風を直撃して無事では済まないだろうよ。
なにせ元来のセンスとたゆまぬ鍛錬によって創造させた爆裂魔法をさらに、スイとの修行に加えて生き別れたロック直伝の秘術までも織り込まれて洗練された最強のわざなんだからな。

制約があるとするのなら詠唱のなかに自動不発ギミックが搭載されていて、もしも発動する際に死者が出てしまうクラスの被害が検出された場合に限り不発するように仕組まれている。これは戦争を体験したロックが仕込んだものらしい。
だから実はちょくちょく詠唱を試してみるも、最低限に抑えた火力ですら不発するケースがあったとのことだから、その時はゴーストタイプらしく幻術を駆使してサポートに徹しているんだけどな。

そして全力を出して発動が成功できている。
つまり、そういうこと。
ギラティナよ、誇っていい。

6号「ぐっ!」
アリス「最高の爆裂だったぜ」

お前はおそらくアークが人生最初で最後の全力を出しつくせた相手なのだから。


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どこかのキャンプ地

ギンノ「あら。今夜は一層お星さまが綺麗じゃない。アスフィアの仕業かしら?」
アスフィア「わたしはただ星座を照らしてるだけ」
クオーレ「ビアンカが元気であれば願い星など充分だ」
オルディナ「ミンナトテンタイカンソク!タノシイ!」

ギンノ「……そうねぇ。そろそろ、一つの星が堕ちる頃合いかしらね」
焚火を囲うようにして思い思いに座る仲間たちを背に、私はひとりになって夜空を見上げる。きっとあのメルヘンロリータだったら忌まわしきギラティナを篭絡してくれることでしょう。悔しいけども私では敵わないから、得手不得手があるもの。
ギラティナさえ消えてしまったらこっちのモノなの。
メルヘンロリータだって私にとっては利用できるアイテムとして扱っちゃうわ。
私の志はもっとその先にある。
そして、それはもうじき、手中に収められる。

ギンノ(子供の頃に読み続けた異世界のストーリー
この胸にも描いている……そう、星座のように!)

Part35へつづく!