Wonderland Seeker

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《Ride On The City》-硝子色の夕空- part33

今年最初の雪の華を、
2人寄り添って
眺めているこの時間にシアワセがあふれだす。
甘えとか弱さじゃないただ、キミを愛してる。
心からそう思った

シント遺跡

モンスメグ「レール☆ガン!」
スズラン「パティ、ねっぷう!」

シロナ「うんうん、両方ダブルバトルだったら効果的な範囲攻撃ね。ですが……ディアルガパルキアはドラゴンタイプ!微々たるダメージよ!」

ディアルガは からだがしびれてうごけない!
パルキアは やけどで こうげきりょくがはんぶんにさがった!

シロナ「追加効果!賢いじゃない、けど最初から小手先の逃げ腰になっていいの?ディアルガときのほうこうパルキア。あくうせつだん!」

ディアルガ「グギュグバァ!」
パルキア「ガギャギャァッ!」

カルマ「おっと。時の攻撃はぼくが止めさせてもらうじゃんね」
ビアンカ「空間攻撃はビアンカのお庭だよ!」

シロナ「くっ……どうもルール無用の勝負はいまひとつ慣れないわ」
6号「生憎様、それが私たちの絶対特権主張です」
アークは みをけずって ディアルガパルキアを のろった!

カルマ「ケケケケケ、あいつじゃねーけどぼくはこういうアンフェアなバトルが肌に合ってるのさ」
モンスメグ「ターン制は公式試合だけのルール☆ルールじゃないなら守らなくたって収益化通っちゃうもんね☆」
モンスメグの プリズムレイ!
ディアルガには こうかばつぐんだ!

スズラン「そういうことです」
パティエの くさむすび
パルキアには こうかばつぐんだ!

ディアルガは のろわれている!
パルキアは やけどのダメージをうけている!
パルキアディアルガから やどりぎがたいりょくをうばう!

リーリエ「感動しました!これが、これがポケモン勝負なのですね!」
ビアンカ「絶対違うからね」
6号「間違って覚えないか不安です」

シロナ(駄目……!あたしの胸の高鳴りからしておそらくこの試合に勝ち目は到底ありっこないわ。潔く負けを認めるのもチャンピオンとしての引導。でも……でも、正義が必ず勝つというのであればあの子たちこそ正義!あたしにやはり悪役なんて務まらないわね、ごめんなさい道標様。傾いたバランスを整えられるのはあたしの役割じゃないみたい。きっと……きっとその役割に相応しいのは)

シロナが諦めを決心したその瞬間ーーー
ディアルガの金剛とパルキアの真珠に亀裂が走り、あたりがまばゆく光り輝き始めた……!それと同時に遺跡全体が震え出して揺れていく!
シロナ「この気配、エネルギー、まさか!」

リーリエ「きゃあ!!」
ビアンカ「このバリアーに入ってつかまって!」
6号「ハッ!漆黒の闇エネルギーの衝動を感じます!」
カルマ「おめーまだ厨二治ってないんかい」
モンスメグ「感じる!これはセカンドステージの始まり☆」
スズラン(ようやく現れましたね。最後の眷属・ギラティナ……!)

シロナ「みんな!姿勢を低くして安全を確保しなさい!」

ディアルガパルキア(……)

……ビシャーン!

世間一般では”やぶれたせかい”と呼称される異世界に住むとされており、時間・空間の概念では存在しえない反物質を有する存在とされている。
神話に登場することはなく、かつてヒスイと呼ばれていた時代のシンオウ地方では強き光は深き影生みだしたりの一節のみが遺されていることからこの深き影こそがギラティナだと言い伝えられている。
しかしその実、やぶれたせかいとは”大団円”を指しており、やぶれたせかいとは本来の時空で存在したかもしれなかった反物質が作り上げたもうひとつの世界であり、ギラティナは大団円の真の主として守護していただけに過ぎなかったのだ。

当然ひとつの疑問が浮かび上がるだろう。
それではギラティナとは元々存在しない反物質だったのか?
その答えは・・・




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ミズキ「道標様が待ってらっしゃる、どういった意味ですの?」
アリス「大団円を旅した時に、ずっと疑念があったんだ」

ボクはこないだまで冒険する羽目になっていた大団円のさまざまな舞台や情景を思い返していた。そしてそこで感じた違和感を拭えないままでいた。
しかしその違和感の正体、そのものとまではまだ到達しえないが近しいラインまでは辿り着けた。うゅみに聞けば一発だろうがおそらくそれじゃ意味がない。
大団円側ではない、いわば現実世界側に居る人間が自分で気づく必要こそがトリガーとなっていると踏んだから。ボクはそれに気づいてしまったからこそ、こっち側でどんどん異変が多発し始めた。いいや、異変なんて言いかたは語弊があるな。
正しい世界へと戻りつつある兆しなんだから。

アリス「そもそも大団円なんてなかったんだよ」
グレアット「えっ?」ミズキ「まぁ」

マナ「……」
アリス「図星かマナ?黙り込むっちゅーことは肯定だろーな」
マナ「振り落としてもいいのだぞ」

アリス「続きを聞け。ギンノが言ってたよな、大団円っていうのはボク達、ひいては世界中の人々の総意が切り捨てた選択肢によって本来であれば生まれたかもしれないアイデアの集まりだって。粗野に言い換えちまったら没データみたいなもんだな。その没データの集合体が大団円って世界を生みだしたとかなんとか……最初は納得しかけたけどな、やっぱどうも腑に落ちないのよ。なんならどうして今までこの長い歴史上で、たとえば偉人とか語られてる奴等も含めてさ、誰一人として気づかなかったんだって
答えは簡単。そんなものはおとぎ話として掃き溜めに捨てて信じてこなかったから。こんなことを信じているのは大団円側の存在か、おとぎ話を夢見るボクくらいの子どもくらいで、そしてタチのわりぃことに両者に共通して現実世界でチカラがない。……質問が来る前にまだ続けるぞ。
チカラがないと言ったのはこっちが本来は大団円に触れられないように大団円側の存在も現実世界に関与する手段がないからだ。お互い干渉できない以上、現実世界側の生物が大団円を信じられる証拠も記録もないわな。それに幼い子供は絵本に夢見る可愛らしい戯れ言くらいにしか思われない以上、たとえ本当に大団円に行ったとしても本気にはされない。要はこの世界を正しく認知している存在が今まで七英雄以外にいなかった。んにゃ、七英雄の中でも世界の創造そのものに携わってる道標とうゅみの2人しか知らんかもな?あっちのホウオウと話をしたときにピンと来た」

ボクの持ちだした推理を聞いてグレアとミズキはぽかんとしてしまった。
無理もない、熱にうなされた悪夢の内容くらい突拍子もない超理論を口にしているのは自分でもわかっている。理解して信じるどころか頭の心配をされるほうが正常な判断だろう、それにここまで熱弁しておいてなんだが、実は根拠なんてほとんどない。
だがそんな夢見話にただひとりマナは頷いていた。

マナ「成程。合点がいかぬ点も多々あるが……あのふざけた母親の顔を浮かべると信じられぬ話でもない」
アリス「うゅみは手の込んだイタズラが好きだからな」
マナ「だが貴様の探偵ドラマのような言い回しはまどろっこしい、要点を言え」

アリス「過程を経ずして結果は出ん。ここまではあくまでも本題を解くための前置きに過ぎない。それでだ、もしもボク達の世界で心の奥底から大団円の存在を信じ、果ては大団円まで足を運んだ人間が居ればどうなるか?って考えてみた。もしもただ隣接しあっている現実と没の世界同士に過ぎないんだったら特にこのままでも支障はないはず。これからもただひたすらに没になって実在できなかった何かがあっちに運ばれるだけだろーよ。

しかし現実問題ボクたちが大団円から帰ってきてからというもの次々とアクシデントが起きまくっている。果てはバランスとやらが釣り合わずに世界が滅びると来た。つまり道標だかギラティナだか誰か知らんが、そいつにとっちゃ大団円の情報を持って帰られたら困るんだろうな。この異変の原因も近くとも遠からずそれなのかなって思ってるし、とにかく道標って名前が出てきたのもそこからなのが裏付けだ。そして最初に投げかけたとこに繋がる。大団円ははじめから無かったというもの。

そう考えるとなるほど今起きている異変だって納得がいく。おそらくバランスどうこうっていうのは、ドッペルゲンガーと出会ったり、親殺しのパラドックスが発生する哲学問題と一緒で、実在していなかった大団円を現実にあるものとして認知してしまったがゆえに、本来は没データの海でしかなかったあらゆるアイデアと物質が現実のデータとしてこの世界に流れ込んでしまったんじゃないか。
そして仮想現実であるはずべきifの大団円は現在進行形で現実化され始めていったんじゃないか?
そのトラブルを止めるべく道標は様々な手段を用いて大団円との混乱を極力避けられるような形で自分とボクを引き合わせようとシナリオを目論んでいる……だから遠回りも遠回りな回り道をボクにさせてアクシデントを最も抑えられる方法で出会おうとしている。まぁ直接いきなりドーンと出るのは簡単だけど、それをやっちゃなんかめちゃくちゃやばいことになるんじゃね?例えば七英雄たちとの均衡が崩れてこの星が形を保てなくなるとか、もしくはボクを含めたこの世界そのものが第二の大団円側になってしまう、とかな。

ともあれそれがボクのいまの考えだな。ああそれと補足としてさっきまでの仮定を事実とした場合、気がかりとなるキーパーソンのギンノについて。あいつって大団円とこっちの世界を行き来してるらしいけど、もしもそうだったらそもそもとっくにバランスやらが崩れてこの世界がおかしくなってるはずなんだよな。それなのにどうしてだかボクがこうやって旅を始めたときはまだ何も異変が起きていないのが妙なんだよ。実はそのあたり説明が付けようがなくてな……」

言い淀んだあたりでこの超理論に対して少しでも考える素振りを見せたマナだったが、意味をなさない水掛けを避けたかったのか口答えの代わりにある意味での肯定的な返事がかえってきた。
マナ「……ギラティナの座標を掴んだ」
アリス「お、タクシーしてくれるの?」
マナ「私は同行せんぞ。どうやら貴様の小賢しい仲間らも近くに点在しているな」

その言葉に反応してグレアが口を開きだした。
グレアット「皆さん揃っているんですね!よかったですっ!」
ミズキ「ご無事でなによりです」
アリス「役者勢ぞろいってことか」
メグたちのことだ、今頃ギラティナを困らせて暴れさせてるかもしれないな。などと想像すると思わず笑みがこぼれ落ちてしまった。

マナ「忘れていた。おい、受け取れ」
ワームホールの中だというのにマナは懐から掴んだなにかを放り投げてきた。グレアが高速移動でキャッチできたからいいものの落としてしまったらどうするつもりなんだ。ボクはグレアから手渡された代物を見て、すぐにエリカお姉様お手製のかんざしだということが分かって、開花したアイリスの花びらが目を引くかんざしを頭の大きなリボンの横あたりにセッティングした。
アリス「お土産か?」
マナ「これで私の責は果たした。あとは貴様次第だ」
ワームホールが止まり、マナは人ひとりぶんほどの丸い出口を作り上げる。
グレアット「本当にありがとうございましたっ!」
ミズキ「救われましたわ」
マナ「虫唾が走る、さっさと散れ」
アリス「素直じゃないやつめ」
マナは恐怖こそされど感謝などされたことはないだろう、最後の最後まで悪態を突いたままボクたちの前から姿を消した。

さて、ここを飛び越えたらギラティナの空間か。
あいつらが無茶してなかったらいいが、まぁそんな望みは期待するだけ無駄だろう。一難去ってまた一難を何度繰り返せばこの冒険譚は終わるのやら。
グレアット「アリスちゃん。アリスちゃんが言っていたことがもし本当だったら……私たちは危険因子として消されたりしちゃうんでしょうかっ?」
アリス「そう判断されてたらとっくに始末されてるだろ。道標やらが何を考えてるかなんて知ったこっちゃないけど、ボクたちが出来ることをしていくだけよ」
グレアット「そう……ですねっ!きっと私達に帯びられた使命があって、それを果たしていけば幸せになれるはずですっ!」
アリス「そんな重々しくとらえるな、ボクが言ったことはただの世迷言として聞き流しておけ」
グレアット「それはできませんっ!」

ミズキ「そういえば皆様とははじめましてですね……仲良くなれるでしょうか」
グレアット「皆さん太陽のように明るい方ばかりですのですぐに受け入れられますよっ!」
ミズキ「それでは……最後までお供しますわね、アリス様」
アリス「OK!ボクについてこい!」

ボクはグレアの背中の上からワームホールの出口へと飛び降りてエプロンドレスをふんわりと両手で押さえながら次の舞台へと移動した……。

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某所
マサキ「ほんまアリスはんとおったら研究のネタに尽きへんわ。珍種の128からミコンだけやのうてこないにぎょうさんのポケモンたちの遺伝子研究に、おとぎ話に過ぎへんかった大団円とのアクセス……こりゃあワテも世界レベルの研究者として歴史のページに名前を刻めるで!」

「大団円を知っているのね、Mrマサキ」

マサキ「なんやアンタ!人の家に入るときはノックするかピンポン押すんが常識でっしゃろ、ほんま堪忍してくれや」

「看過できないわ。世界の平和を守るために消えていただくわよ」

マサキ「なっ!?…………がくっ」

「さーて……残る人間は有権者のエリカ、ナツメ。それにリーリエって一般人。ああそれからスズランね……やれやれ、まったく手のかかること」

マサキ「……ま、て……なんなんや……ぐふ」

「……どうせ消えるんだからね。せめて後悔のないようにしてあげる」

 

「私は何者か?名前は持たされてないわ。でも、強いていうんだったら……」

 

ブルー。本来はこの世界でマサラを旅立ってロケット団を倒してチャンピオンになるべき存在だった、健気な少女とでも名乗っておきましょうか」


Part34へつづく!