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《Ride On The City》救星の明るい夜 Part25

ー千年彗星ー

1000年に1度
彗星が夜空を覆い尽くす
その時、すべての生命の願いが
叶えられる
人も草花もポケモンでさえも
その運命を逃れることは
出来ない

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千年彗星編Ⅰ

えんとつやまの内部は、まるでグラードンが日照りを起こした時のように灼熱が広がっていた。直接歩けば確実に体が溶けてしまいそうなので、ボクはグレアットの翼に乗り、その後ろに6号を乗せたゆん、カルマとメグを乗せたビアンカが付いてきている構図となっていた。これから最終決戦に立ち向かうパーティーのようで緊張してきた。
入る前には、世界を救うなどと豪語してみたものの、そんな実感は胸の高まりと上昇する気温にかき消されてしまった。

6号「そういえば、クオーレさまは大丈夫なんですか?」
ビアンカエニグマを奪われちゃってるから休ませてあげてもいっしょだよ、それだったらボールの中に居てるほうが安全だから!」
ゆん「それもいつまで持つか、ですわね」
モンスメグ「ちょっぱやでやんなきゃけつかっちんだよ★」
カルマ「業界人気取りかよ」
グレアット「見えてきました、ここが地下に繋がっていますっ」
アリス「よし、潜入するぞ」

マグマ団アジト

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ー侵入者が現れました、直ちに駆除をしなさい。繰り返しますー

アリス「ちっ、セキュリティ万全か!」
次々とマグマ団の団員たちが立ちはだかってくる。こいつらの相手をしている時間なんてないってのに!

カツラ「ウインディしんそくじゃ!」
タケシ「イワーク、がんせきふうじ!」
カスミ「スターミー、バブルこうせん!」

アリス「タケシ、カスミ、カツラ!」
後ろから援軍が駆けつけてきてくれた、さすが財団直属は早い!
カツラ「若者の未来へ託すことこそがわしの役目よ」
カスミ「炎の相手だったら人魚のわたしに任せて!」
タケシ「ここはおれらがやる、その固い意志を貫いてこい!」
グレアット「ありがとうございますっ!」
カルマ「まさかあいつら来てるなんて意外じゃんね」
6号「困ったときはお互いさまです!」

~~~

ホムラ「空は暗澹……お前らも焦げるか?」
三頭火がひとり、ホムラという炎壁が立ちふさがった。

モンスメグ「げげ、マクノシタ!」
やばい、さすがにホムラほどの相手が来ると到底太刀打ちできないぞ!
ゴルバット「きしゃぁ!」

ナツメ「フーディン、サイコウェーブよ」
キョウ「マタドガス、えんまく!」
マチス「ライチ、10まんボルトォ!」

アリス「ロケット三幹部!」
キョウ「こやつはオレ達が食い止める」
マチス「操縦をストップすんじゃねぇぞ!」
ナツメ「この舞台は私に任せてちょうだい。アリス、あなたがこの作品の主役よ」

不敵に微笑むナツメ様に、にやりと笑うキョウ、豪快に笑い飛ばすマチス。この3人が味方として揃った時の心強さたるや否や。

ゆん「皆様、ありがとうございます!」
グレアット「あともう少しですよっ!」
ビアンカ「お兄ちゃんの波動を感じるよ!」
アジトの奥へと全速前進していくと、アルトマーレで感じ取った邪悪な気配が襲った。

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カガリ「…………させない。…………デリートします」
カルマ「おっと、主犯の登場じゃんね」
ビアンカ「あなたがお兄ちゃんの大事なものを!」
アリス「ジムリーダーたちはまだ交戦中だ……やるしかないか」
6号「前座というわけですね、腕が鳴ります」
モンスメグ「やっつけちゃうよー☆」
ゆん「一気に畳みかけましょう!」
グレアット「信仰の邪魔ですっ!」

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カガリ「あなたたち…………ジャミング…………ここでベクタード」
三頭火の カガリが しょうぶをしかけてきた!

カガリは キュウコンを くりだしてきた!

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アリス「ルールなんて無用だ!一斉に取りかかれ!」

モンスメグ「レール☆ガン!」
でんじほう
ゆん「斬、砕、滅ッ!」
はかいこうせん
カルマ「拍手喝采じゃんよ」
アンコール
6号「エクスプロージョン!」
だいばくはつ
グレアット「祝福のお知らせに参りましたっ!」
ゴッドバード
ビアンカ「お兄ちゃんのカタキ!」
りゅうのはどう

カガリ「…………ァハ」
あいての キュウコンの れんごく!

『きゃあああっ!?』
アリス「お前ら!」
キュウコンが九尾を舞って、煉獄の烈火を巻き起こした一撃だけで次々と淘汰されてしまった!
カガリ「…………ツマラナイ」
見下すような目つきでため息をつくカガリの姿が、心底腹に立った。
アリス「おい、姉ちゃん」
カガリ「…………おくち……ワルい…………」
アリス「まだ、フィナーレには早いぜ?」

ボクは、マスターボールからクオーレをくりだした!
クオーレ「ぐ……ここは?」
カガリ「………………ラティオス
クオーレはあたりを見渡し、倒れているビアンカ達が目に入ると血相を変えて声を上げた。
クオーレ「ビアンカ!……それにきみたちも」
アリス「クオーレ、妹はお前を救うためにボクの手持ちにくわわった」
クオーレ「そうか」
アリス「んで、とっくにお前としずくの秘密を知ってたみたいだぜ」
そう告げると、クオーレは複雑そうな表情をしながらも、高らかに笑ってみせた。
クオーレ「ははは!俺の苦労は水の泡だったわけか。それならそれでいい、俺が妹を守ることには変わらん」
そして、カガリキュウコンに視線を移すとキリッと勇ましい精悍な顔つきに変わった。
クオーレ「さて……俺の力がどこまで持つか分からないが。一度は捨てたこの命、新たな主君のために捧げさせてもらおうか!」

クオーレの ラスターパージ!
あいての キュウコンの とくぼうがさがった!
よし!直撃だ!まだ衰えちゃいないぜ、クオーレ!
カガリ「……………………ニゴってる」
カガリの光のない目は、ビアンカが抱えているこころのしずくを捉えていた。確かに見てみると、曇り一つなかったその青は濁りの黒に侵され始めていた。
アリス「クオーレ!」
クオーレ「誰かが俺の秘石をあくどいことに使ってやがるな……時間がねぇ。全力でやる!」
こころのしずくが クオーレと反応をした!
煌びやかな、海の色に輝きだしている……。
ビアンカ「うぅぅ……お兄ちゃん……?」

クオーレ「惑え」

カガリ「…………ーーー!」
キュウコン「こぉーん…………?」
クオーレが、幻術をかけたようだ。カガリキュウコンは目の焦点が合わず、動きが静止していた。
今がチャンスだ!ボクはグレアットのローブのなかを急いで漁ると恐らく隠し持っているであろうそれを探す。内側か?……もみゅ。柔らかいし割とおっきぃ……。

よし、あった!
《せいなるはい》をみつけた!
倒された仲間たちへ振り撒くと、聖なる転生の光が虹を描き出したかと思えば一瞬のうちに、みんなの意識を取り戻させた。

6号「うぅん?……なにか幻術の匂いがしますね」
グレアット「あれ……この光、もしかしてっ……?」
アリス「お前ら、休んでる暇はないぞ。一気に畳め!」
モンスメグ「HA☆みんなぁー!メグちゃんのステージについてきてー☆」
ゆん「心地よい気分です……今なら神の翼も打てそうですわ」
カルマ「あは、のんきな顔してるじゃんね」
ビアンカ「お兄ちゃんっ!!よぉーし、行くよー!」

《妖・精・乱・舞》!

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アリス「…………やりすぎじゃね?」
グレアット達+ビアンカの連携合体技、妖精なんたらの威力は絶大で辺り一面がクレーターとなって消し飛んでいた。これ相手死んでない?いける?いくら敵とはいえさすがに命まで奪うと気が引けるんですけど……。
横たわっているカガリを、つんつんと指先で突いてみた。

カガリ「…………ううん」
キュウコン「きゅ~」
あ、よかった、生きてた。どうやら、衝撃を吸収する素材から縫われた団員制服となっているようでいつぞやアクアスーツを着た時の似たような質感が感じられた。

6号「ふぅ……グレア、お願いします」
グレアット「はいっ」ダキカカエ
カルマ「今ので噴火とかしそうじゃんね」
モンスメグ「どっか~ん☆」
ゆん「不謹慎なこと言わないでくださいまし」
こんな場合であっても、緊張感のカケラもないこいつらを見てちょっと安心する。そしてそんな自分が悔しい、完全に染められてしまっている。

ビアンカ「お兄ちゃんっ?お兄ちゃん!」
クオーレ「くうっ……」
アリス「いけるか!?」
ビアンカの抱えていたこころのしずくは半分以上が墨のように黒ずんでおり、ヒビまで入っていた。
クオーレ「ビアンカ……俺はここまでのようだ」
ビアンカ「やだ!そんな、そんなこと言わないで!」
どうやら、こころのしずくとクオーレの生命がリンクしているということは本当のようだった。その事実が否が応でも伝わってきてしまう。

クオーレ「さきの幻術で……エネルギーを使い過ぎた。もう、俺の秘石を取り返したところで取り返しがつかないろうな……」
そうだ。ボクはそのとき、気づいてしまった。
カガリキュウコンに一蹴されたとき、感情的になって切り札的存在として瀕死のクオーレを戦場に出したのは、ほかでもないボクの判断だったことに。
これだけは、誰にも伝えてはならない。クオーレとの秘密にしておかねば。
クオーレ「案ずるな……俺が死んでもアルトマーレは恒久平和だ……今夜は、千年彗星なのだからな……」
ビアンカ「そんなのどうだっていい!ビアンカは、ビアンカはお兄ちゃんが一緒じゃなきゃイヤなの!」

涙ながらに兄の衰弱していく体を揺さぶるビアンカ。しずくは、ほとんど黒く覆われていた。
クオーレ「案ずるな……しずくがなくとも……お前は死なない……そうなるように……願ってきたんだから……な」
ビアンカ「お兄ちゃんがいなきゃ……生きてても意味ないよ……っ」
クオーレ「アリ、ス……妹を……たのん、だ……」
そう言い残すと、静かに目を閉じ、彼は息を引き取った。
こころのしずくは、青を無くし、完全なる黒い水晶と化した。

ビアンカ「やだっ!やだああっ!ああああああああっっっ!!!!」
アリス「…………クオーレ」
ボクは、彼からの遺言を忠実に生涯かけて守らなければならない。

ビアンカ「…………ねぇ、グレアちゃん。グレアちゃん、聖職なんだよね?再生の神様なんだよね?どうにかしてよ」
グレアット「ビアちゃん……私には失われた命は……弔ってあげることしかっ」
ビアンカ「ふーん…………」
みな一様に目を伏せていた。カルマが小声で「時渡りが使えりゃ……」と呟き、悔しそうに唇を噛み締めているのを見逃さなかった。

カガリ「…………はぁはぁ……んぅ……はぁはぁ…………バカなコ……」
ビアンカ「あ?」
意識を取り戻したカガリが、肩で息をしながらぼそりと罵ってきた。
カガリ「……大人しく……してれば…………無駄死にしないで……ァハッ……」
ビアンカ「……」
まずい!挑発に乗らされてビアンカカガリに向けて直接技を打とうとしている!
モンスメグ「めっ☆あーたんめっ☆」
ゆん「静まってください、ビアンカ様。そのような仕打ち、お兄様は決して望んでおりませんわ!」

ビアンカ「あんたらなんかに、何がわかるのよ!」

グレアット「ビアちゃんっ……」
ビアンカビアンカは気がついたら、こんな姿になっちゃって……昨日まで超能力が使えるくらいの人間だったのに、今日からポケモンとして生活しろなんて無茶苦茶だよ……でも、お兄ちゃんはずっと支えてくれたの。自暴自棄になるビアンカを受け入れて、優しく見守り続けてくれた。それでね、このポケモンとしてのパワーを使って生前の姿に変身できるようになって、それからはお兄ちゃんのために頑張っていこって……でも、もうそんな希望がなくなっちゃった。生きてるイミ、わかんなくなっちゃった……」
アリス「ビアンカ……」
ビアンカ「名前を呼ばないで!このお兄ちゃん殺し!」
アリス「!」
そうだ。そうだった、この子はマスターの心が読めるんだった。失念していた。

ビアンカ「そうだよ……!そもそもあんたなんか助けなかったらよかったの。しずくが落ちちゃってもこのアシストパワーで回収すればいいだけのことだったのに……あんたと出会ったからおかしくなっちゃったの!しんじゃえ!しんでお兄ちゃんを生き返らせなさいよ!」
ゆん「あ、ありす様。気が動転してらっしゃるだけですから……!」

アリス「そうか。だったら、しんでやるよ。目の前でな」
モンスメグ「ありすちゃん!」
カルマ「肉親が死んで悲しむのは当然のことじゃんよ、触発されるほうがバカじゃんよ」
アリス「バカで、いいさ」

ボクは、さっきの攻撃で破壊され剥き出しになった岩壁の穴ー真下は火山の溶岩が広がっているーへと足を運び出す。
ビアンカ「……え、ウソ……でしょ?」
彼女の顔は、クオーレのように真っ青にさめていた。
アリス「今さら止めても遅いって」
ボクはそのまま猛ダッシュでターンして、穴へと落ちていった。重力を全身に感じる。このまま落ちてしまえば助からないだろう。隙間から泣き出しそうな顔でこっちを見ているビアンカの姿が見えた。

 

グレアット「ずるいですよ、もうっ」
鈴が風に切られながら、音色を響かせていた。

アリス「これくらいしなきゃ収まらないだろ?」
6号「一発叩いていいですか?」
アリス「身体が動くんだったらな」

うん、まぁこうなることは見えていた。わざわざ心のどこかで思わずとも、呼吸をいちいち意識しないのと同じで、必ずグレアットが飛んで救いにくると分かってた。
これがー信頼ーってやつだ。分かったか?お兄ちゃんっ子め。

グレアット「確かに、あの子には荒療治くらいでないといけませんねっ」
6号「骨の髄までお兄さまっ子ですものね」
アリス「ボクたちの心の中で生きているさ、ずっとな」

モンスメグ「あ、おかえりー☆」
カルマ「茶番乙」
ゆん「私はちょっとだけ驚きましたけど」
アリス「おー。どうだ、ビアンカ。憎き奴が目の前で死んでせいせいしたか?」
などと茶化してやると、ぎゅっと抱きしめられ攻撃をされてしまった。

ビアンカ「もうっ……お姉さんまでいなくなっちゃったら、誰がビアンカを導いてくれるのさ!ばーかっ!」
アリス「ばかでいい、って言ったろ」
ぽんぽんと頭を撫でてやって、落ち着かせてあげた。
ビアンカ「お姉さん、喋り方だけじゃなくって……性格もお兄ちゃんとそっくりだから」
グレアット「うふふ。愛情に満ち溢れた自慢のマスターですよっ」
6号「保守的で自分本位なとこは似てませんけどね」
モンスメグ「あと肝心なとこでヘタレ★」
ゆん「すぐに逃げ出して諦め癖もありますわね」
カルマ「総合すると愛しかないクズじゃんよ」
グレアたん以外ガチで溶岩に落としてやろうか?

ビアンカ「ふふ……あははっ!」
吹っ切れたように、笑顔を魅せて笑い声を飛ばしたビアンカ
ビアンカ「そうだよね。お兄ちゃんは、ビアンカがこれからも明るく暮らせるように、ずっと守ってきてくれたんだもんね。……待ってて、お兄ちゃん。彗星様にお祈りして、生き返らせてあげるから!」

アリス「フ……よし、乗り込むか……の前にどーするこの姉ちゃん」
そういえばすっかり忘れていたが、またおねんねしてしまったカガリを指さす。
モンスメグ「火あぶり☆」
物騒極まりねぇな。
ゆん「財団の方に身柄を押さえてもらうのが得策かと……」
常識極まりないな。
アリス「そだな、後で来るだろうしエリカ様に……」
連絡を入れようと思った矢先に、のそりとカガリが寝そべったままほふく前進で近づいてきてボクの足を掴んできた。
6号「わ、しぶといですね」

カガリ「…………ターゲット…………ロック……」
アリス「え?」
よく聞こえなかったので聞き返すと、思い切り引っ張られてしまってバランスを崩して転倒してしまう。目の前には、カガリのクールな表情が見えた。
カガリ「…………もうマグマ団にいられない……ミスしたから……」
しゃべられるたびに顔面に吐息がかかって鬱陶しいから離れたいのだが、なんか知らない間にハグでロックされてしまった。
モンスメグ「こら!抜け駆けはご法度だぞ☆」
グレアット「むむむっ」
ゆん「あらあら」

カガリ「ボク……気に入った……キミ……強いから……」
アリス「はい?」
カガリ「…………パスワードないと……開かない……マツブサ様のルーム……」
なるほど、よくよく考えればそれは当たり前の造りか。
なんか周りからの視線が痛いが、せいなるはいがキュウコンにも及んでいたらしく、彼女が仲間たちを牽制しているっぽいので、話が終わるまでしばらくこの密着状態は続けられるようだった。

カガリ「…………覚えて…………こっそり言う……パスワード……」
そう言うと、彼女はボクの耳たぶをはむりとくわえて、温かい吐息交じりにパスワードを囁いてきた。

グレアット「ぐぅぬぬぬぬっ!」
ゆん・6号「抑えて、抑えてください」

アリス「えっと……んっ」
つい反復しようと癖でしてしまったところをすぐに感づかれて、熱いアナライズをされちゃった。
カガリ「ァハ……♡……ターゲットロックオン……したから…………エクスペリメント……しよ…………ずっと♪」

グレアット「文字通りその身を焼かれたいみたいですね、人間っ」
6号「ありすさんはやく話を終わらせてくださいもう限界ですから~」
モンスメグ「ライバル☆トージョー☆」
ゆん「あらあら」
ビアンカ「あ、あれが……キッス///」
カルマ「このくだりいるん?」

カガリは、そのまますっと立ち上がるとその手を両肩に差し替えてボクを見つめながら
カガリ「…………ボク……イかなきゃ…………ごめんなさぁい……」
あなぬけのヒモよろしく軽業で、施設から抜け出していった。そして彼女が残していったおきみやげを、口の中からそっと取り出す。
マツブサのルームへと入るためのキーストーンだ。

アリス「よし、こいつをハメ込めば……」
なんか暴走してるグレアットはさておき、ボクは厳つい頑丈な扉のくぼみにそのキーストーンを嵌め込む……しかし反応はなかった。よく見ればもうひとつ、同じ形のくぼみがあった。

(ホムラが持っているのか!)

マチス「ヘイー!プアリトルガールズ!」
そう確信したと同時に、タイミングよくナツメ様とマチスが駆けつけてきた。
モンスメグ「なっちん☆」
6号「マチスさま!」
ナツメ「先ほど身柄をとらえた幹部からマグマ団の紋章状の石を確保したわ。これでその扉が開くはずよ」
ナツメ様からもう片方のキーストーンを受け取る。
アリス「ありがとうございます!」

ナツメ「私はもう一人の幹部を捕らえに行くわ、マチスとキョウは今回の結果を財団へ報告、ジムリーダー達は身柄の確保のキャストに当たる。ここから先は、あなたの出番よ。がんばってちょうだい、小さなヒーローさん」
ゆん「お任せください」
カルマ「ま、やってやるじゃんよ」
ビアンカ「ほあぁ……すっごい」

キーストーンを両方装填すると、扉が赤く発光しゴゴゴ……と鈍い音を立てながら施錠が開く音を発した。
グレアット「……ふぅ……いよいよ、終わるんですねっ」
アリス「ああ。行くぞ、ボクたちが主人公だ!」

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