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《Ride On The City》救星の明るい夜 Part24

悠久水都編Ⅲ

グレアット「ビアちゃんの姿が……ポケモンにっ!」
ホムラ「正体を現したか。ゴルバット、行け!」

ビアンカ「ミストボール!」

6号「すごい……あたりの霧が集まって輝いてます」
カルマ「十分、伝説じゃんよ」
モンスメグ「いけいけあーたん☆」

ホムラ「吸い込め!」
ビアンカ「ひゅああっ!」

ゆん「ありす様、一周しましたが見つかりませんわ」
アリス「街から抜け出されちまったか……なんだ、あの霧は?」
ゆん「強い光の屈折を感じますわね」
アリス「まさかビアンカか?ゆん、頼む!」

グレアット「まずいですっ!炎がここまで来てっ」
モンスメグ「逃げなきゃ!ウイニングラーン☆」
6号「いったいどうすれば……あ、あれは!?」
カルマ「雨雲……?」
ホムラ「あ?あの青の紋章はアクア団の奴等か!」

アリス「おい、ゆん。アオギリたちじゃねえかあれ?」
ビアンカとマグマ団が対峙しているらしき場所から少し離れた停泊場に、アクア団の船がいくつも並んでいた。
ゆん「行ってみましょう」
その方向へと飛行し、ゾロゾロと降りてくる団員たちの元へと着地し彼等と立ち交えた。
イズミ「アリスじゃないか」
ウシオ「ガハハ!奇遇だな!」

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アリス「マグマ団を追いかけてきたのか?」
イズミ「そうさ、ようやく足取りを掴めたからね」
イズミとウシオは、下っ端たちを次々と派遣させ、手持ちの水タイプのポケモンを数百単位で繰り出して消火活動に入らせた。さすがは自然を守る活動団体、たとえホウエン地方ではないここであってもその精神を忘れない立派なスローガンを遵守している。
ゆん「ボランティア……というわけではないようですね」
アオギリ「当然だ。この鎮火は我がSSSの悪行に支障をきたす障壁を破っているだけに過ぎん」
リーダーまでお出ましだぜ、アクア団全員集結という団円じゃないか。
そういえば、さっきから気になっていたがあの大きな雨雲を引き起こしているのはいったい……。

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カイオーガ「水の都こそわたくしに相応しいわ!」

おいおいおいおいとんでもねぇVIPが出てきてるじゃねえか!?
アオギリ「オレの新たな右腕よ。頭脳のイズミに足のウシオ、そして腕のカイオーガ《サブリーダーズ・シー・スキーム》の完成だ」
アリス「目的はマグマ団か?」
ウシオ「おうよ!」
イズミ「正確にはマグマ団が狙うラティ兄妹のアイテムの死守とグラードン復活の阻止さね」
アリス「グラードン!」
ゆん「以前、ありす様が言っていらしたポケモンですわね」

アオギリ「どういうわけか奴等は突然でかい戦力を持ち出してな、いまホウエンはマグマ団の武装に怯え切っている。そこで足掛けとなるラティ兄妹のいるここまで渡ってきた」
アリス「それは不自然だな……とにかくいまはビアンカを救いに行こう!」

ホムラ「カイオーガなんて大物がきやがりましたか……流石に分が悪ぃな」
ビアンカ「逃がさない!」
ゴルバット「しゃああっ!」
ビアンカ「きゃああっ!」
グレアット「ビアちゃんっ!」
6号「こうなったら私のエクスプロージョンで」
カルマ「ばっきゃろう、ここでそれ撃っちまったら街に被害出るじゃんよ」

アリス「おまえら!」
モンスメグ「ありすちゃん☆ゆんゆん☆」
ボクはホムラの背後から回り込むようにして囲んでやった。
イズミ「さ、年貢の納め時だよマグマ団!」
ホムラ「やれやれ……あ?こちら三頭火。……了解」
ホムラは無線で何やら仲間と取り合っているようだ。この隙を突いてやりたかったが、ゴルバットが全方位に警戒を張り巡らせている。あの吸血鬼の実力はグレアットや6号を牙一つで圧倒するレベルだ、うかつに動けない。それによく見ればビアンカも相当疲弊していた、それひとつとってもあのゴルバットの恐ろしさが伝わってくる。
ホムラ「時間は十分に稼いだ!ウヒョヒョ!あばよ悪党ッ!」
ホムラはゴルバットに飛び乗ってアクロバットに空へ飛翔しようとする。

ビアンカ「逃がさないって言ってるでしょ!」
ビアンカの ミストボール!
グレアット「私だってっ!」
グレアットの じんつうりき!
カルマ「っらよ!」
カルマの なげつける!
モンスメグ「エレキテル☆エレクトリック!」
モンスメグの でんじほう
ゆん「疾ッ!」
ゆんの エアカッター!
イズミ「サメハダー!」
サメハダーの アクアジェット
次々と、立て続けにホムラめがけて攻撃が放たれていく!さすがにこれだけの物量ならひとたまりもないだろう!

ホムラ「ぬるいんだよっ!!!!!」
あいての ゴルバットの エアスラッシュ
ビアンカは ひるんだ!
グレアット、カルマ、モンスメグ、ゆん、サメハダーはひるんだ!
アリス「なあっ!?」

6号「時は今!エクス……」
6ごうは ひるんだ!
6号「す……隙を生じぬ二段の風でしたか」

たった一度の羽ばたき。そのたった一度だけでボクたちは止められてしまったのだ。
だめだ……ホムラのゴルバットは強すぎる、まだ勝てない……!
このままみすみすと逃がしてしまうのかよ、せっかく包囲して一斉攻撃まで仕掛けたっていうのに。

ホムラ「口ほどにも無い奴等だったなぁバット」
ゴルバット「くきゅ~♪」
プシュンバシュンザシュン!
ホムラ「なんだ!?」
カイオーガ「海の上はわたくしの領域。上空とて例外ではなくてよ」
ホムラ「おいおい冗談キツイですよ。さすがにうちのバットで飛びながら相手できねえな……いくら飛ばしても陸地までまだまだ距離あるからな、海の中なら瞬間移動でもしてきそうだぜ」
カイオーガ「鮫の餌になるといい」
カイオーガの ハイドロポンプ
ホムラ「しゃあねえ!」
ホムラは ホウオウを くりだした!

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カイオーガ「虹色の夢鳥だと!?」
ホムラ「こいつはジョウトライコウから落とされて弱っていたところを回収したとっておきだ。目には目を、伝説には伝説をってな!」
カイオーガ「小癪な」
ホウオウ「ショオーッ!」

~~~

アリス「ビアンカ、いけるか?」
騒動が終わるや否や、糸が切れたようにぷっつりと横たわってしまった彼女に声をかける。
ビアンカ「うぅ……あ!お兄ちゃんは!?」
ゆん「クオーレ様でしたら、ありす様のボールの中ですわ」
ビアンカ「え!…………そっか」
哀しそうな瞳で、微笑みを作るビアンカ
6号「捕獲なさったんですね」
アリス「怪我が激しかったからな、成り行きだ。ま、こいつも満更じゃなかったぜ」

ビアンカ「お姉さん」
その呼びかけは、普段豊かな表情を押し殺したように冷たい音色だった。

ビアンカビアンカのことも、捕まえて」

モンスメグ「あーたん」グレアット「ビアちゃんっ」
アリス「ビアンカ
ビアンカエニグマ、奪われたまんまなんでしょ。このままじゃお兄ちゃん死んじゃうもん」
6号「えっ!?」ゆん「なんと……」

ああ。やっぱり。
ビアンカ「このしずくはね、ビアンカとお兄ちゃんの産みの親だもの」
彼女は、知っていたのだ。

ーーー

ビアンカは、出生の秘密とこころのしずくの正体を語った。それは、クオーレから聞いた内容とそのままの内容だった。
イズミ「そいつは大変だったろうね……」
カルマ「おめえこのこと隠してたんじゃんね」
アリス「ああ、だからあの時真っ先にクオーレを追いかけたんだ」

ビアンカビアンカをお姉さんのものにして。そうすれば、心を読み取れるようになってもっといっぱい力を出せるから!」
モンスメグ「きゃ☆告白みたーい♪」
6号「メグさん、時と状況を考えてください」
アリス「わかった」
グレアット「ビアちゃんと、お兄さんのためですものねっ!」
ゆん「ひいては、このアルトマーレを守るためにもなります」
ボクは、マスターボールをリュックから取り出した。
アリス「いいな?」
ビアンカ「うんっ!」

 

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これで、ラティアスラティオスの保護完了か。任務の一環とはいえ、なんとも言えないしこりが残るような気持ちに陥った。

アオギリ「嬢ちゃん!」
イズミ「アオギリ様!」
騒動と火災がひと段落ついたらしく、船に避難させていた住民たちを引き上げているようだった。
アオギリ「部下からの報告によると、オレのカイオーガはホウオウと交戦中らしい」
モンスメグ「ホーちゃん!?」
カルマ「次々とBIGが大安売りされて出てくるじゃんね」
アリス「そのホウオウというのはいったい誰が」
アオギリ「三頭火のホムラだ、ついさっきまでやり合ってた奴だな」
6号「げげげ、あの人そんなポケモンまで持ってたんですか」
ゆん「どうしてマグマ団のもとに……」
ジョウト地方の伝説のポケモンであれば、エリカ様が保護しているはずなのだが……妙だな。

アオギリ「そいつは分からねえが、とにかくケタ違いの戦力を持っていることは確かだ。それと聖堂に火をかけたのもマグマ団の仕業だ、こいつも三頭火だな。名前はカガリ、三頭火の紅一点だ」
アリス「あの姉ちゃんか……」
クオーレに痛手を負わせた上に、エニグマまで奪い取った手練れだ。そいつも伝説級のポケモンを持っているかそれに匹敵するクラスのトレーナーだろう。
ウシオ「御頭!奴らのアジトが暴けましたぜ!場所はえんとつやまの地下!採掘に来ていたチャンピオン様からの確かなスジでさあ!」

ダイゴ、生きていたのか。
というかあれからまだ一朝一夕だというのに、よくもまあ……。
アオギリ「よおおし!旗を揚げろ!ホウエンへと戻るぞ!」
イズミ「アオギリ様。あたしはアクア団へ入れたことを光栄に思います」
ウシオ「御頭!この漁が終わったら次に目指すは銀河の海ですぜ!」

と、マスターボールから自力でビアンカが飛び出してきた。

ビアンカ「お姉さんの心のなか真っ黒で気持ち悪くなっちゃった、うえー」
アリス「失礼な」
おいそこの仲間5人、うんうん頷くんじゃない。グレアットよしよし撫でるな、まるでボクが泣かしてあやしてあげてるみたいになってるだろ。

ビアンカ「でもこれからお兄ちゃんのことと、それとミュウ?っていう人のことを助けに行きたいって純粋な気持ちは伝わってきたよ!お姉さん乗って、連れてってあげる!」

グレアット(海に風が、空に太陽が、必要なのと同じように……ビアちゃんにはお兄さんが、この街にはこころのしずくが必要なのです……そして、アリスさん。あなたに必要である私が、あなたの命が壊れないよう……祈っておりますっ!)


~~~

カイオーガ「これまでわたくしに宿敵と呼べるような相手なんていなかったけれども、このわたくしにここまで楯突けた相手ははじめてよ」

ホムラ「っし、よくやったホウオウ!バット、急いでアジトへ戻るぜ!大地の再生はすぐそこだからよ!」
ゴルバット「きゅ~ぅ♪」

~~~

カガリ「…………マツブサ様。テイクしました……」

マツブサ「素晴らしい!クハハ、これがあればわたしの宿願が叶う……
さあ、この世界の大地を我が手に!」

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悠久水都編END

ビアンカに乗って、ジェット機のごとき速さで遥かホウエン地方へと帰還する途中。なかよしバッヂに通信が入った。お相手は、もちろんこの方だった。

アリス「こちら、アリス」

ーアリス、ホウエンの地からうゅみ・マナに劣らない強力なエネルギーが検知できましたわー

アリス「マグマ団でしょう?今そちらへ向かっているところです」

ーいいえ。そちらからも邪悪なエネルギーが検知できましたが、そのアジトが点在してある近く……ファウンスから宇宙規模のエネルギーが発生していますのー

アリス「ファウンス……?」

ー1000年に一度、七日間だけ起きるとされている《千年彗星》。それと同時に目覚める幻のポケモンが発見されました。その名は、ジラーチ

アリス「せ、1000年」

ー彼女はどのような願いでも必ず叶えられる異次元的な力を持っていますわ。その力はそのラティの持つこころのしずくとは比べ物になりませんー

アリス「成程……」

ーそして、そのジラーチの千年彗星を用いて世界を混沌に陥れようとしている組織こそマグマ団、マツブサの狙いなのですー

アリス「マツブサ……!」

ー我が財団も、この星を管理するものとして放ってはおけませんわ。これから私たちも向かいます、そしてうゅみも必ず……!ー

アリス「わかりました。貴女の手を煩わせることのないよう、尽力を尽くします。マイ・マスター、エリカ様」

~~~

えんとつやま

アリス「お前ら、これから世界を救いにいくぜ。覚悟はできてるか?」

モンスメグ
「あんまりひどいことする子には、オシオキ☆」
ゆん
「やっと希望を見いだせたのです、世界を終わりにはさせませんわ」
カルマ
「時を渡っても叶わない夢があるじゃんね」
6号
「私の爆裂魔法がどこまで通じるか、試してみましょう!」
ビアンカ
「お兄ちゃんを、守ってみせるよ!」
グレアット
「自らの運命を決めるもの、それが人間ですっ。
つらい定めでも従わないといけない、それがポケモンですっ。
ですが、今は違います。
アリスさん……。

全てを終わらせて、皆で帰りましょうっ」


アリス「行くぞ。敵は、マグマ団にあり!」

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