Wonderland Seeker

スマホの子はTOPを見てね

《Ride On The City》救星の明るい夜 Part22

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アルトマーレ

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ビアンカ「ようこそ、水上の都・アルトマーレへ!」

ボクとメグは、ビアンカに乗せてもらってアルトマーレという街へ辿り着いた。
水の都というだけあって、どこを見渡しても海と運河が広がっており、街のいたるところに橋が架けられていていくつものヴァポレットやトラゲットが運航していた。
ここは、ホウエン地方なのだろうか?ポケナビもポケナビにも登録されておらず、具体的な場所は掴めなかったが、そんな疑問はこの絶景を眺めてしまえば些末なことだった。

モンスメグ「きれー……☆」
アリス「いいとこだな」
ビアンカ「よし、降りて降りて」
低空へ飛び交うと、ボクたちは地上へ降り立ちビアンカも羽根を畳んで着地した。この子が、ポケモンなのか人間なのか、はたまたUMAなのかは疑わしいところだったが命を救ってもらっている以上そんなことに突っかかるのは野暮ったい。
アリス「おっと、そうだった。これ」
ボクはRURUから貰った水晶、ビアンカ曰くしずくとやらをリュックから出すと受け渡した。
ビアンカ「無くしちゃってたから困ってたんだよ、ありがと~」
彼女の所有物だったらしい。何に使うのかは不明だが、彼女がその水晶を持っている姿は、不思議とよく似合っており魅力に惹き込まれそうになった。

モンスメグ「わー、お店がたくさんで目移りしちゃう☆」
アリス「まてまて、こいつらを休ませるのが先だ。ビアンカポケモンセンターまで案内してくれないか?」
ビアンカ「いーよ、お姉さんトレーナーなの?」
アリス「一応な」
ビアンカ「ふぅん。お姉さん、お兄ちゃんみたいなしゃべり方するね」
アリス「お兄ちゃんがいるのか」
口調については触れないでおいた。
ビアンカ「まぁね。あ、あっちだよ付いてきて!」
白く光る髪を揺らしながら、ぴょこぴょこと走っていくビアンカを追いかけていく。彼女からちょっと距離が離れたところでメグが耳打ちをした。
モンスメグ「ありすちゃん」
ボクは声を押し殺して返事をする。
モンスメグ「あの子、たぶんポケモン
アリス「マ?」
モンスメグ「メグちゃんレーダーがそう言ってるのだ」
あんだそのレーダーは、というツッコミはさておきやはりポケモンだったか。ビアンカ、というのはニックネームかなにかか?とりあえずそう仮定づけておいて、本人の前ではそれを悟られないように接していこう。

悠久水都編Ⅰ

アルトマーレ・ポケモンセンター

ビアンカに案内してもらうとボクは大人数用の宿泊ルームを予約し、傷付いた彼女たちを休ませてあげた。目が覚めていきなり知らない場所で困惑しないように、ちょっと不安だがメグに見てもらうようしっかりと頼み込むと代わりにプレゼントをねだられたので、ボクはビアンカとふたりで夜の観光街へと繰り出した。

ビアンカ「ねえねえ、お姉さんはどこでこのこころのしずくを手に入れたの?」
アリス「こころのしずく?あぁ、そんな名前なのかそれ」
しずく、という割には両手にすっぽりと収まるくらい大きい球体だけど。
アリス「なんかもらった」
ビアンカ「もらった!?うーん、じゃあやっぱり落としちゃってたんだ」
アリス「ビアンカのなのか?」
ビアンカ「んー、正確にはお兄ちゃんとビアンカの!」
ニコイチ、ってことか。兄妹で大事にしてるなんてよっぽどなんだな。

アリス「お兄さんはここに住んでるのか?」
ビアンカ「うん、ふたり暮らしなの」
アリス「今度紹介してくれる?」
ビアンカ「気が向いたらね!」
アリス「あはは……」
けっこうマイペースな子だった。助けてくれたのも、親切心というよりかは自分の大切なものの危機を感知して飛び込んできただけかもしれないな。
ビアンカ「ついたよ!」

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アルトマーレはかんこうきゃくが多いことから、どこも賑わっているらしいが穴場というお土産屋さんへ到着した。地元民こそ知る名店らしく、お客さんこそ少ないがなるほど確かにさまざまな品ぞろえが充実していた。
アリス「へぇ、けっこうリーズナブルだな」
たとえ6号を連れて行っても破産するおそれのない良心的な価格で並んでいた。これまでだけでもあいつ一人に数百万単位……いや爆裂魔法での被害も含めれば億単位の損失を背負わされているからな。値段にはかなりシビアになっていた。

ボクは、メグに合いそうなグッズを吟味する。
アリス「これ、ここが原産地だったのか」
しんぴのしずくを手に取る。持たせるとおなじみ水タイプのエネルギーを増幅させるアイテムなのだが、ここ水の都がルーツとなっていたらしい。
ビアンカ「あ……」
アリス「どした?」
ビアンカ「ううん!お姉さんお目が高いね!」
アリス「そうか?いろんな地方に出回ってるけどな」
ビアンカ「ここのは特別なんだよ、地方に輸出してるのはレプリカだもん」
アリス「へえー、じゃあこれください」
支払いを済ませて、しんぴのしずくをポケットへ直す。

ビアンカ「お姉さんはどこから来たの?」
アリス「ジョウト地方のコガネってとこだ。まぁ普段はカントー地方タマムシってとこが拠点なんだけどな。ちょっと仕事でホウエンまで来てたんだよ」
ビアンカ「ふぅん……旅人さんなんだ」
アリス「まぁそんなとこ」
わざわざ裏事情を話す必要もあるまい、あくまでトレーナーとしてのテイを保っておくことにする。それにこの子が本当にポケモンというのであればなおさらだ。
ビアンカ「帰るときは言ってね、ここどこの地方からも遠い島だから」
アリス「なに地方に入るんだ?」
ビアンカ「さぁ?」
さぁ、って。地元民なのに知らないのか?まぁ本当にどこの地方にも属さない孤島なのかもしれないし詳しくは聞かないことにしておいた。
アリス「とりあえず今日は休むことにするよ」
ビアンカ「あ、ビアンカふだんお店で働いているからなにかあれば来てね」
アリス「お店?」
ビアンカ「姫屋っていうとこでウェイトレスやってるの!」
姫屋。なんかニュアンスからして、クノエジムっぽそうな雰囲気がするけど大丈夫なのだろうか。
ビアンカ「お姉さん、へんなこと考えてなかった?」
アリス「んにゃ、まったく」
ビアンカ「ふーん。じゃあビアンカおうちあっちだから!またね~」
結局、ポケモンセンターの前まで道案内してもらってしまった。ボクは彼女に手を振り返すと、疲れを癒すべく今夜はそのまま就寝することにした。

翌朝

モンスメグ「ね~朝だしラジオ体操しよ、キレッキレの動き混ぜた動画撮ろ」
うーん……どうしてこの娘は朝っぱらからこんなにタフネスなのか。毎朝毎朝起こされる身にもなってくれ。ボクはシーツを深くかぶって抵抗した。

アリス「朝っぱらからユーモアに付き合いたくない」
モンスメグ「新しい朝(2)が来た」
カルマ「修正したデータじゃん」
モンスメグ「新しい朝・ラスト」
アリス「もう明日は来ない……?」
モンスメグ「きっと世界最後の日でもラジオ体操には行きたいな。
迫りくる隕石-ソルロック-を見ながらスタンプ完走できなかったなって呟きたいの」

アリス「終末を想定して締めくくる動画とか切なくて怖いよ」
モンスメグ「これが終世したデータってね★」
カルマ「お前の人生を完走させてやろうか」

ちなみにグレアットとゆんのウィング組はメグよりも早起きなので、だいたいこういうケースのときは既に活動を始めている。

グレアット「へぇ、ここって水の都なんですねっ」
ゆん「あとで観光しに飛びましょうか」
あの2人はこっちがコントをしている間にも予定を立てていた。目が覚めたら知らない天井状態だったというのに順応力が高い。さすがは鳥獣というべきか。

モンスメグ「メグちゃんプレス★」
メグが体重を乗せて、まだすやすやしていた6号のベッドへと飛び乗ってきた。
6号「ぎゃああっ!」
カルマ「あっぶね」
モンスメグ「あさ~☆朝だよ~!朝ごはん食べてマヨチュチュするよ~」
あぁ6号。お前のことは忘れない……心の中で合掌。こっちに被害が及ばないように、もぞもぞとベッドから抜け出して起床しよう。あんな目覚めはごめんだ。

ゆん「おはようございますありす様」
グレアット「寝ぼけ顔もかわいいですっ」
アリス「んあー……グレアたんおはようのキスして」
グレアット「ふえっ!?」
うん、かわいい赤面が見られてめざめスッキリ。今日はいい一日になりそうだ。

モンスメグ「メグがしたあげよーっ☆」
アリス「うお!油断もスキもねえ!」
瞬間的にドッジロールで回避。心臓飛び跳ねてガチで眠気吹き飛んだわ!
モンスメグ「好きはあるよー☆」
カルマ「とんちかよ」
ゆん「あらあら」
グレアット「め、メグちゃんに渡しませんっ!」
わいわいぎゃーぎゃー
6号「」
アリス「あ。誰かこいつの抜けたタマシイ回収しといて」
グレアット「6号ちゃんっ!?」
ということで、本日の活動開始。

アルトマーレ・ストリート

 

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アリス「どうしたものか」
土地勘も前知識もない見知らぬ観光街でポツン、行くアテもなかった。それにこんな平和な場所に、うゅみに関する情報も探れなさそうだし早いとこビアンカに頼んでホウエンに帰還したほうが得策かもしれない。
と、思考を掻き巡らせていたのはボクひとり。仲間たちはすっかり旅行気分でパンフレットやらガイドブックを広げてスケジュールを組んでいた。

6号「いいえ、ゴンドラは譲れません!」
グレアット「この教会が最優先事項ですっ!」
モンスメグ「メグちゃんは宮殿を所望ー☆」
ゆん「でしたらこの場所でお食事を」
カルマ「なんでもいいじゃんよ……」
おお、仲間がひとりいた。さすが陰キャ

アリス「なあお前ら、ビアンカがいる姫屋ってとこに」
『おひとりでどうぞっ!』
アリス「ぴえん」
もうだめだ、おしまいだ、今すぐトレーナーやめてあたしおうち帰るもん。帰れないけど。

そうした揉め合いをしていると、視線を感じてボクはそっちを振り向いた。
……が、そこには誰もいなかった。気のせいだったか?気のせいにしてはやけにはっきりとこっちを認識していたような視線だったと感じたんだが。
きょろきょろと見渡すと、一瞬だが不自然な影が視界に入った。物陰のほうへ隠れたっぽい、ボクは吸い込まれるようにそちらの方へと駆けていく。

グレアット「ようやく決まりましたっ!……あれ、アリスさんっ?」
ゆん「どこへ行ってしまわれたのでしょう」
モンスメグ「時間なくなっちゃうから先にいこー☆」
カルマ「巡ってたらどっかで鉢合うじゃんね」
6号「それもそうですね」

~~~

追いかけていくうちに、だんだんと人気がない場所や狭い場所へと誘われていく。まるで見られたくないものを隠しに行くような気分だ。そしてついに突き当たりへと差し掛かったが、その先には白い壁があるのみだった。
ここを飛び越えることはほぼ不可能に近い高さだし、上にもくぐれそうな隙間はほとんど無かった。見失ったか……?
ボクは、あきらめ半分興味半分でその白い壁へと手をかざすとなんとすり抜けていった!
アリス「新手の壁抜けか?」
カントー地方で散々障害物をすり抜けてきたボクは特に驚きこそしなかったが、いったいどんな技術でこんな壁を用意したのかだけが気にかかった。
身体を委ねて、先を通り抜ける。

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アリス「庭園……?」
麗しい花が咲き誇り、自然豊かな草原が伝う、幻想的な風景が広がっていた。

グレアット「わぁ、すごいキレイ!」
背後から聞き慣れた声がして即座に振り返る。
アリス「グレアット」
グレアット「あ、ごめんなさい。後をつけちゃいました」
バツが悪そうな顔で、両手を合わせて謝るグレアット。
アリス「それはいい。みんなは?」
グレアット「おそらく観光中です」
アリス「なる。んじゃ、こっちはこっちで観光と洒落込むか」
グレアット「はい」
ボクと隣に並ばず、一歩後ろをついていくグレアット。こういうところはいつまでたっても変わらないんだな、ちょっと微笑ましくもあったがせっかくなので手を引いた。
グレアット「あっ……」
アリス「行こう」
グレアット「はい!」

ボクはグレアットの手を引いて、この庭園を闊歩する。どこを見渡しても綺麗な景色ばかり広がるが、それと同時に強烈な違和感も発していた。
アリス「なあ、おかしくないか?」
グレアット「やっぱり感じました?」
彼女も同じく違和感に気づいていたらしい。誰が管理しているか、とかいったいどこからこんなに栽培した、とかそんなレベルの疑問ではない。

アリス「ここ、どことも繋がってない」
入口からして妙だが、上を見上げても太陽をそのまま直視できてしまうのだ。そう、つまりこの青空はハリボテである。それに土の上や草の上を踏んでいるのに靴に汚れが一切ついていない。外界から完全に遮断されているのだ。
いったいだれが、なんのためにこんな庭園を作り上げた?

アリス「なぁ、グレアッ……」
グレアットの様子がおかしかった。赤と橙の太陽みたいなコントラストの翼ではなく、黒みがかった邪悪な赤色の翼を広げ、炎を纏っていたのだ。
この姿は……まるで、前の世界線の最期に見たあのときのような……。

アリス「…………はっ!」
グレアット「どうしました?顔色が悪いですけど……」
目の前にいたのは、いつもの穏やかで微笑みを絶やさないグレアットだ。巫女衣装を纏って、はっきりとした赤を基調とした羽根の……。

ちがう!
その時のグレアットはもう居ない、あれは彼女が演じていた偽りの写し身に過ぎない。レックウザによって暴かれて、今は出会った頃と同じローブを着た大文字状の炎を描いた姿じゃないか。
いったい何が起こっている?いや、そもそもさっき現れたグレアットは本物なのか?
グレアットが、みんなを放ってまでボクを追いかけに行くか?彼女ならみんなを全員連れてこっちに追走しにくるんじゃないか?

アリス「おまえはだれだ?」

ボクは薄れゆく朦朧とした意識の中で、囁いた。
あぁ、せめて本物のグレアットは無事でありますように……。

?????「ほう。俺の幻術を見破ったか」
アリス「!」
意識がはっきりと戻っていく。瘴気を払い正気を取り返した。
?????「俺はクオーレ、ビアンカの兄だ」

 

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姿を見せたクオーレという美少年は、なるほどビアンカとそっくりの白い髪をなびかせていた。妹の赤色と相対するように、青の衣装がよく映えている。

クオーレ「試すような真似をしてすまない。だがビアンカの友達に相応しいかどうか見極めたくてな」
丁寧に頭を下げて謝罪するクオーレ。思うところもあったが、兄なりの不器用な心配の仕方なのだろうと割り切ってボクは彼の手を取って握手を交わした。
アリス「いいって別に。妹のこと大切なんだな」
クオーレはボクの友好的な返答に、目を丸くする。
クオーレ「フッ、妹が気に入るわけだ」

それから庭園のベンチに腰掛けて、話をした。
昨晩ビアンカからボクとの邂逅を聞いたこと、こころのしずくはビアンカが勝手に持ち出してホウエンまで休みの日に飛んでいたところに落としてしまったこと、クオーレはいつも妹が心配で姿を幻術で隠しては普段から見守っていることなどなど。
ちなみにこの庭園も、クオーレが作り上げたもので普段はここにこころのしずくを保管しておくことで外敵から守っているらしい。

アリス「よっぽど過保護なんだな」
クオーレ「俺しかあいつを守ってやれないからな」
そう言って、得意技というラスターバージを放って見せるクオーレ。まばゆい光の輝きが解き放たれ、幻想の草木があっさりと崩れ落ちた。
アリス「…………クオーレ、無礼を承知で聞くけど、お前ポケモンか?」
先ほどの技から、エスパータイプに近いエネルギーを感じられた。それにあの威力といい、とても人間が撃てるような代物では有り得ないからだ。
クオーレは、肩をすくめ不愛想な表情のまま質問に答えた。

クオーレ「だとすれば、どうする?俺を捕獲するか?」
それは、自分が。ひいては兄妹ともどもポケモンであることを自白していることと同義であった。
アリス「伝説のポケモンなんだったら、捕獲して保護してやるのがボクの使命だ」
向こうが打ち明けてくれたんだ、ボクも素性を明かすのが礼儀というもの。もしここで攻撃的な態度に出るのであれば、それは速やかに保護する対象にあたる。
クオーレ「保護と来たか。守っている立場の俺が守られるったぁおかしい気分だぜ」
アリス「イヤなら後回しにするぜ?」
クオーレ「人の手に渡るのは別に怖くねぇ。なにかありゃこの幻術で立ち向かうまでだ」
アリス「いい心がけだ」
それくらいでなくちゃ、財団だって手ごたえがないだろうよ。

クオーレ「ただ、妹のこととあのしずくの事を頼む」
アリス「そう言うと思った」
クオーレ「妹はずっと気がかりだが、こころのしずくは悪意ある奴の手に渡っちまうとその気になればこの世界だって転覆できるからな」
アリス「ずっと気になっていたんだが、こころのしずくって何だ?」
幻術を使ってまで、必死に守ろうとしている水晶の正体とはなんなのか。そして、それとこの兄妹の関係性も知りたいのが本音だ。場合によっては、財団に管理してもらわなければならないアイテムとなり得る。

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クオーレ「こころのしずくは、俺と妹の魂だ」
アリス「た、たましい……?」
とんでもないベクトルから飛び出してきたスケールに思わず混乱してしまった。

クオーレ「正確には、あの青いこころのしずくは俺の魂と引き換えに作られた《持ち主の願いを叶える》霊具なんだよ」
アリス「いったいどんな成り立ちで出来上がったんだ?それに持ち主っていうのはだれが決める?あと青いってことは赤いのも」
クオーレ「おいおい、そういっぺんに聞くな。順に辿ってやる」
アリス「あ、あぁごめん」
クオーレ「ここアルトマーレは海に囲まれた、水の都と呼ばれる街なのは分かるだろ」
アリス「一応」
クオーレ「でももしも津波だったり暴風でも起きてみろ、ここは一瞬のうちに水没しちまう」
孤島であれば常に付きまとう問題だ、しかし相手は天災ではどうしようもない。せいぜい防災施設を作ってハザードマップをつくったり防波堤で耐えさせるくらいのもの。

クオーレ「だがここには独自の文化や大聖堂といった歴史的資料が多く残る街、失ってしまえば他の地方にも多大な影響が及ぶ。それに避難させるにしても、あまりにも陸地から遠すぎて間に合わねえしな。そこでここに流れている、聖なる純水と淀みのないガラスからこのこころのしずくを製作して街の人々は平和を祈ったのがはじまりだ。それが今日まで続く大聖堂の宗教だな」
アリス「……そこから、どうクオーレに繋がるんだ?」
クオーレ「そのままじゃ単なる信仰の道具に過ぎない。そこで本当に災害からアルトマーレを守るため、このこころのしずくに”願いの力”を持たせようとして天才級のサイキッカーの魂を封印したんだ」
なんて非人道的な研究だ。人を守るために人を生贄に捧ぐなどという悪しき風潮そのものじゃないか。……それに選ばれた超能力者?そういえばさっきクオーレは強大なエスパーの技を使って……。
アリス「まさか!」

クオーレ「俺とビアンカは、元々人間のサイキッカーだったんだ」
アリス「なっ!」

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~~~♪~~~

チャーミングな翼を引き下げて登場
無敵で素敵な衝撃 刺激的な少女
誰もが自然と回りだす神様だって踊りだす
揺れる会場燃える会場ほら案の定
Peace Enjoy!

僕ら時々日々の隙間に彷徨うことだってあるだろう
そんなときパッと目の前そっと照らしてくれるある光
つまらないネタばっかり寄付してちゃつまらない
そんなにハマって抜け出せなかった昨日までの僕ら

爪なんてなくてもいいのさ
空なんか飛べなくていいのさ
僕らこのパーティがあればそう何にでもなれるのさ!

Come On!

Magic 君の紡ぐ魔法は
Burning 僕を熱くする
Playing それはちっぽけなんだ
だけども世界に花を咲かすさ

Ride On 闇を駆け抜けてく
Supreme 愛と空すべて
受け取るすべてがまるでメッセージ
照らしていてよ最後まで

握った手のひらから伝わるのさ君が好き

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