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《Ride On The City》救星の明るい夜 Part7

競技巡回編Ⅵ

ヒマワキシティ
木の上で自然と戯れる町。

6号「この橋が壊れちゃったらどうやって生活するんでしょうか」
ゆん「縄で飛び移るんじゃないでしょうか?」
ターザンかよ。
モンスメグ「きゃははー☆カタカタ動いてたっのしー!」
グレアット「ゆ、揺らさないください~っ」
アリス「遊ぶな遊ぶな、えっとジムはあれか」
アスレチックジムも併設しているらしい。一粒で二度おいしいジムってか。
中に入ると、回転状の仕掛け扉が多数設置されている迷路となっていた。
まるで忍者屋敷のようだ、キョウさんと仲良さそう。
えーっと、一度回すと右回りと左回りで分かれてるのね。じゃああっちは……。
ひゅいーん。
気がつくと足が宙を浮いていた。
グレアット「目の前なんですから、飛んだほうが早いですよっ」
うん、知ってた。
ということで、今回も一瞬でジムリーダーとご対面である。
非常に風変わりな帽子と飛行服を着用した美女がナギだろうか。
なんか両腕を広げて瞑想してらっしゃるんですけど。
アリス「あのー」

 

ナギ「わたしには、風の流れが見えるのよ」

 

はい?やべぇ、なんかメグちゃんと同じ電波を感じる。
見れば、なんかグレアットまでしゃがんで祈祷を始めていた。

ナギ「これは、神との交信です」

だれか翻訳班きてくれー。
突然、ナギの目がクワッ!と開眼する。
アリス「ひっ」
わざわざ後ろに設置されている高台まで自前のマントで飛ぶナギ。

ナギ「華麗なる空の舞い、ご覧に見せましょう!」

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ナギは チルタリスを くりだした!

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ゆん「ひこうタイプですか。私が往きます」
ゆんゆん闘争心カムチャッカ
その心意気やよし!やってやれ!

ナギ「わたしは天才飛行使い。全員せっかちかむじゃきな子を揃えています、そして素早さの個体値努力値最高値ですよ!」
チルタリスの コットンガード!
ぼうぎょりょくが ぐぐーんとあがった!
ゆんの ふぶき!
こうかは ばつぐんだ!
ナギ「!」
ゆん「速さだけでは、勝てませんよ」

6号「いいですね!4倍弱点は致命傷です!」
モンスメグ「スピードこそ命だけどなー」
このまま圧せば勝てる、ひこうタイプの女王はゆん。お前だ!
グレアット(なぜだか胸騒ぎがしますっ!)

ナギ「致命傷ですが大飛翔、ショータイムの第序章です
チルタリスの ほろびのうた!
ほろびのうたを きいたすべてのポケモン
3たーんごに ほろびてしまう!
モンスメグ「あぁ^~、黒板を爪で引っ掻いたような歌声~」
背筋が凍るような例えはやめて差し上げろ。
あのチルタリス、耐久を生かした戦術を取ってくるタイプか。
ゆん「これで仕舞いです!」
ゆんの ふぶき!
しかし こうげきは はずれた!
綿のようにふわりふわりと舞い踊るように躱されてしまった。
極端なまでに鍛えた速度は伊達じゃないわけか。

ナギ「大炎上、気分上々のご令嬢♪」
チルタリスの ほのおのうず!
ゆんは ほのおのうずに かこまれてにげられない!
まずい!ハメコンボじゃねえか!
ゆん「うふふ、盛り上がってきましたわ」
ゆんの エアカッター!
きゅうしょにあたった!
ほろびのカウントが 2になった!

6号「あの電波ラッパーさん、狡猾ですね」
グレアット「ひと味違いますっ」
ジムリーダーも6人目に差し掛かって大詰めといったところ。
ちょっとなに言ってるかわかんないけど、実力はガチじゃんね。
ナギ「お休みを頂きましょう、休みを戴く蒼き翼。その翼は白くホワイト、テッセンのようにブラックではありません。わたしはいつだって定時デイジーダック」
チルタリスの はねやすめ!
たいりょくを はんぶんかいふくした。
チルタリスは ちじょうにおりた。

モンスメグ「困ったときにはあうあうしながらみんなのまわりをパタパタ♪」
メグです☆ってか、やかましいわ。
そんなことよりも、戦況が気がかりだ。このまま耐えられると強制ジエンドされてしまう、一度ゆんを引っ込めてやりたいが炎の渦に邪魔されて焦がれても届かない。
ゆん「あまり使いたくありませんでしたが、止むを得ませんね」
ゆんの つのドリル!
いちげき ひっさつ!
あいての チルタリスは たおれた!

ナギ「わーお。強引Goin、ドリルイン、ゴールインと来ましたか。ならば舞を届けましょうペリッパー!」
ナギは ペリッパーを くりだした!

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ゆんの ほろびのカウントが 1になった!
アリス「ゆん、よくがんばった!メグ交代だ!」
モンスメグ「ボルトチェーンジ☆」
ゆん「お手数かけます」
グレアット「素晴らしかったですよっ」
ペリッパーは、みずタイプとの複合。新たに編み出した必中でんじほうことエレキテルエレクトリックを使えばイチコロよ。

ナギ「先入観?常識?打ち破ります概念、新たな信念、明けましておめでとうございますっ!お年玉に宅配はいかが?」
ペリッパーの はがねのつばさ
こうかはいまひとつのようだ
ペリッパーの ぼうぎょが あがった!
モンスメグ「えれーことになってんねエレベーターに乗ってきたエレガントなエレキガール☆それってわたし?もうみんなイチコロいち階で止まったまんまの時間空間☆エレキテル☆エレクトリック♪」

アリス「ポケモン対決がラップ対決になってねーか?」
モンスメグの でんじほう
ペリッパーに こうかは ないようだ……
6号「なんですって!」
グレアット「鋼の翼を、アース代わりにして電気を地面に逃がしたんですっ!」
ゆん「私たちが雷の落ちる日に空で行う常套手段ですわね」
ひこうタイプ組は語る。
理論はわかるが、それ現実的にどうなの。
あとそんなことが出来るなら日頃からやってくれない?
ナギ「弾んだでしょう、先入観の導入は墜落への挿入歌と。着払いのお時間です!」
ペリッパーの ハイドロポンプ
モンスメグ「ひゃあああっ!なみのりに乗りたかったぜーい!」
ノってる場合か。硬化させたままの鋼鉄の翼を地面に接地している限りでんきタイプは通らない。ちっ、万事休すだ。
いや待て、メグの速さならナギの速さを追い越せるか……?

アリス「メグ!コンセントを外せ!」
モンスメグ「んー?メグちゃんあたまのなか混線~@@」
きょとんポーズでお返しするメグ。だが相手に悟られないように命令を出さなければ、一挙一動から勘繰られてしまえば勝ち目が消えるのだ。
6号「またよからぬことをお考えですか?」
アリス「ちゃうわい。6号、電気回路はわかるか?」
6号「うーん。同胞のエレキであれば詳しいでしょうけれど私にはさっぱり」
はぁ~サッパリサッパリ。サッパリ妖精が要請されたわ。
伝言ゲームなんて求めたほうが間違いだな、普段から意思疎通取れねえのに。
モンスメグの でんじほう
ペリッパーには こうかは ないようだ……
ナギ「同じ過ちをリピート再生、そんなときには巻き戻し機能で昨日にレジューム再生、最盛期はいつだって現代の誤り」
ペリッパーの ハイドロポンプ
モンスメグ「んぁ~……頭冷やしてくれてサンキュー冷やかしはノーサンキュー☆」
モンスメグの ばくれつパンチ
その強大な衝撃で、思わずペリッパーは翼を地面から引き離した。

今だっ!
アリス「止めるな!メグ!一時停止はボクたちには付いてねえ!」
モンスメグ「早送り100倍速でいっちゃうよー☆」
ナギ「しまった!」
モンスメグの でんじほう
こうかは ばつぐんだ!
あいての ペリッパーは たおれた!
グレアット「なるほどっ!絶縁体である大地から離れたことによって鋼の翼はアースの役目を切断されましたっ、その隙をっ!」

ナギ「これは失態失墜、でしたら漆喰の鳥模様はどうでしょう」
ナギは エアームドを くりだした!

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アリス「グレアット、頼んだ!」
グレアット「畏まりましたっ、メグちゃんお疲れさまっ」
モンスメグ「おつかレーション♪」
エアームドは、その切れ味の鋭い羽とは裏腹に小手先の攻撃を得意とするスナイパーのようなポケモンだ。だったら、すべて焼き尽くしてしまえばいい。

ナギ「ロックするなんてろくでもない?ロックンロールは鳴りやみません、MD取ってもイヤホン取ってもなぜでしょう全然鳴りやまないのです!」
エアームドの ステルスロック
あしもとに とがったいわが くいこんだ!
グレアット「飛んでいる私には効きませんよっ、悪党っ!」
グレアットの せいなるほのお!
こうかは ばつぐんだ!
アリス「ち、やっぱ一回じゃ落ちねえか」
ナギ「ピー。ピピー、ピー音はNGワード、よって出禁です。赤い鳥は赤い札によって退場なさい!」

レッドカードか!!!
もちもの:レッドカード
持っているポケモンが攻撃技を受けると、与えたポケモンは強制的に交代させられてしまう。
カードの魔力によって、ゆんが再びバトルフィールドへと導かれた。
ナギ「お久しぶりですね、オニドリルさん。やはり飛行と飛行は惹かれ合う運命にあるのです、ここで会ったが百年目。百年の恋も冷めるような浪漫飛行でいくつのも夜を語り明かして恋バナでもしましょう」
ゆん「先ほどぶりなんですけどね……。せっかくですので翼の恩返しでもしましょうか」
危ないところだった、もしメグが引きずり出されてたらステロのスリップで落とされるところだった。さすがは自称天才飛行使い、エアームドを熟知してやがるぜ。

ナギ「譲り合いの精神で交友を深めましょう、お先にどうぞ」
ゆん「それでは遠慮なく」
ゆんの方が素早いから、譲り合いとかじゃなくて行動順なんだけどね?
野暮なツッコミはともかくとして、ゆんのふぶきがエアームドへ降りかかる。
聖なる炎で大ダメージを背負っているはずだ、これで勝負は……。
エアームドは みをまもっている!
ナギ「身持ちは鉄より堅いので。知らない人には気をつけなさいと習いませんでした?」
食わせるお姉さんじゃねえか。もし砂嵐でも吹いてたら完全に害悪だぜおいおい。
ゆん「挑発のおつもりですか?カルちゃんの方が上手いですよ」
ゆんの ふぶき!
あいての エアームドは たおれた!
どうにか倒せたが、これで使ったふぶきの回数は4回。一度の猶予しか残されていない。メグも息絶え絶えだ、ジリ貧に追いやられてしまった。

ナギ「ラスト一匹ですか。ネバーギブアップです!戦う相手に失礼ですもの!」
ナギは オオスバメを くりだした!

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ゆん「この地方において序盤に登場するとりポケモン……。そうですか、その子があなたのエース」
ナギ「スーちゃんは、わたしのはじめてのパートナーパーティーパークアンドライドです、何人たりとも譲れません」
その瞬間、ナギに親近感が湧いた。ボクがゆんと旅を始めたあの躍動感を、ワクワクを思い出させてくれた。
そうだ、誰だって自分の手で最初に出会ったポケモンがいつだって一番に決まっている。ボクだってそうだ。
そんな思いを感じ取ったのか、目が合ったゆんが優しく微笑む。グレアットの視線も柔らかい陽だまりのような温かさに包まれていた。
アリス「ゆん!全力で行ってこい!」

ナギ「全力全速全開!スーちゃん、舞いましょう!」
オオスバメの まもる!
オオスバメは みをまもっている。
ゆんの ふぶき!
しかし こうげきは はずれた!
オオスバメは かえんだまで やけどをおった!
ゆん「根性、ですか」

とくせい:こんじょう
状態異常の間、こうげきりょくが倍増する。
やけどによるこうげきりょくの低下を無視する。

ナギ「全て燃える愛になりなさい!赤裸に羽焦がして!」
オオスバメの からげんき!
こんじょう&タイプ一致から放たれるからげんきの火力は、爆裂魔法にも匹敵する!
並みのポケモンじゃ受けきれない。頼むゆん、立っていてくれ……!

 

ゆん「心地のいい愛情でした」


ゆんは きあいのタスキで もちこたえた!
そのタスキは……
グレアット「キサラギさんのピジョットが、守ってくれたんですっ!」
鳥たちの輪が、空を超えて繋がっていた。
6号「これが友情」
モンスメグ「いっけぇゆんゆん☆」

ナギ「巣立ちの時が訪れたみたいですね」

ゆんの きしかいせい!
あいての オオスバメは たおれた!

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ナギ「フェザーバッジ、私からお渡ししましょう。渡り鳥のように迷わずに」
アリス「ありがとうございます」
ナギ「高く遠く、強く飛んでいってください」

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ヒマワキポケモンセンター

想像以上に苦戦を強いられたため、午後まで休憩を取ることにした。
メグは不満げだったが、アイドルはいつだって綺麗でいなくちゃという持論で賛同してくれた。
お前、アクア団からはアイドル扱いされてるんだしそれで充分じゃね?なんて思ったが黙っておこう。おニューの洋服までダメにされたら困るし。

グレアット「アリスさん」
5人の相部屋で佇んでいると、グレアットが声をかけてきた。
メグとゆんはスヤスヤ、6号はファッション誌に夢中なのでボクは場所を移すことにした。
人気の少ないツリーまで足を運んで、彼女の話を聞くことにする。
アリス「うお、カクレオン多いなここ」
グレアット「ふふ、かわいらしいですっ」
アリス「で、改まってどーしたよ」
頭につけている大きなリボンを整えながら訊ねる。
グレアットは不安そうに暗い表情になり

グレアット「私、お力になれてるでしょうかっ?」
悲しげな風の音が吹き、グレアットの付けている鈴が泣いていた。
アリス「なれてるよ」
ボクは、その鈴を握って泣き止ませた。
風に仰がれて、お互いの長い髪が同じ向きへと靡く。

グレアット「本音ですか?」
心の向きは、向かい風なのかもしれない。
同じ白と赤の装飾に身を包んだふたりは、どこかすれ違っていた。

アリス「あぁ。たまには休んでもいいくらいだ」
グレアットは、綻びた顔でまっすぐ見つめる。
その笑顔とは対照的に、瞳は綻びが生じていたように見えた。
グレアット「…………っ」
彼女は声を発さず、唇だけを動かして何かを伝える。

う・お・う・い
その唇は今作ったばかりみたいに、小さくて柔らかそうで……潰れそうだった。
読唇術の心得なんて持っていないけれども、この時ばかりはハッキリと通じた。
セキチクジムのときのビジョンが頭に浮かんできたからだ。
通じ合いたいときには、心は聞く耳を持たないくせに、
通じたくないときに限って、心は敏感なのだ。
ボクは、その場を離れようとする彼女の手のひらを握ってあるものを握らせた。

グレアット「えっ……?」
グレアットは手のひらを開く。その中には、彼女に贈った銀色に輝く鈴。
アリス「やすらぎのすずってさ、想い合う相手同士が身につけていないと成就しないんだってよ」
グレアット「それ、って……」
アリス「ボクのリボンに、つけてくれないか?」
さっき、整えたふりをして実は隙間を作っていたのだ。
白と赤を基調としたワンダーカラーな大きなリボンが風に煽られ主張される。
グレアットは、持っている鈴をぎゅっと両手で握りしめると鈴にキスをして、ボクの頭へ手を下ろしてしっかりとほどけないように結び付けてくれた。
その瞳は、潤んでいたように思えたが渇いた風が吹き荒れ、わからずじまいだった。

グレアット「……できましたっ」
少し首を振って、揺らすとちりん。と涼しげな鈴の音が響いた。
ハーモニーみたく、身体を揺らして鈴を鳴らすグレアット。
アリス「おそろだな」
グレアット「はいっ、特別……ですねっ」

「……………………」

なんかポケモンセンター側から、もりのようかんに入った時のような視線を感じたが気のせいか?
グレアット「どうされましたっ?」
アリス「んにゃ、なんかゴースト(内部番号184ではない)に見つめられたみたいな怨恨のこもった視線がして」
グレアット「はわああぁ~っ!?」
力の限り抱きしめてくるグレアット、待って苦しいからギブギブ。本物のゴーストがここに誕生しちゃうから。

~~~
121ばんどうろ
身支度を済ませ、体力を養った一行とミナモシティへ向かう道中。
アクア団とは対照的に、赤いフードと服を身に纏った集団の姿を水辺で見かけた。
あの恰幅の良い体格の男がリーダーだろうか?
6号「なにやらアヤしいですね」
モンスメグ「尾行進行~☆」
アリス「あ、おまえら!待てといっておろうに」
聞く耳持たず勝手に行ってしまった2人。
残ったのは四枚の翼だけだった。
グレアット「どうしますかっ?」
ゆん「アクア団の方々と繋がりはありそうですけど」

アリス「んー。恩を売っておくのも悪くはないな」
にやり。
戸惑いながらも微笑み返すグレアット、やっぱりと落ち着いた微笑みをかわすゆん。
ボクたちも気配を隠して、赤ずくめの集団を追うことにした。

~おくりびやま~

グレアット「すさまじい霊力を感じますっ……あまり人間さんに来てほしくはありませんねっ」
後をつけているうちに、慰霊塔のなかで見失ってしまった。
さっきの発言は足を踏み入れる直前に、彼女の気持ちが漏らしたものである。
6号「墓荒らしでもするんでしょうか」
その瞬間、6号の目の前に火の粉が飛び散った。
6号「ひいぃ!?」
グレアット「言っていい冗談といけない冗談があるんですよっ?」
そう警告する彼女の目は光を失っていた。
6号は、何度も謝罪しながらあわあわとゆんにしがみついて震えていた。
口は災いの元、とはよく言ったもんだ。
モンスメグ「あ!みてみて抜け道☆」
よく見ると、山道に出る穴が開いていた。もしかするとここから山頂まで開通しているのかもしれない。ボクたちは外へ抜け出すと、霧がかった山道を登って行った。

グレアット「……神秘的なオーラを頂上から感じますっ」
神様レーダーが反応しているのなら、間違いじゃない。奴らの目的はそれかもしれない。急いで駆けつけると、先ほどの赤ずくめ達が司祭らしき老人を捕縛していた。
???「ウヒョヒョ、この輝き。正にべにいろのたま!」
したっぱ「やりましたねホムラさん!これで世界は我がマグマ団の手に!」
ほうほう、マグマ団という組織か。ロケット団の傘下かどうかは分からないがアクア団と違って、表面的に悪事を働いているように見えるな。
そしてあのリーダーらしき男はホムラというらしい。だがカリスマを感じないな、ただの幹部かもしれない。
ゆん「そこまでですよ、悪党!」
いきなり喧嘩を売るなゆん、第一印象最悪じゃねーか。
ホムラ「なんですか?チャイルドたちが私に歯向かう気ですか?」
意外と穏やかで物腰の低そうな人だ、話が通じるかもしれん。
ボクは一礼すると、前に出て挨拶をする。
アリス「ボクのポケモンが無礼をしでかしました、申し訳ありません。ロケット団最高幹部、アリスといいます。以後お見知りおきを」
両手でスカートの裾を軽く左右にたくしあげて、丁寧にご挨拶。

ホムラ「ほう、これはこれはとんだ大物と。俺たちマグマ団の目的は大地を増やし緑を豊かにすること。そのためには海を広げようとするアクア団が邪魔でしてね」
なるほどね。マグマ団とアクア団は対立関係にあるわけだ。大地を広げるには海を埋める必要があり、海を広げるには大地を削る必要がある、相容れない思想だ。
モンスメグ「アクア団のみんなは、メグちゃんのファンだから戦えないなー☆」
しゃしゃり出るメグ。話をややこしくさせるんじゃない。
ホムラ「チャイルドは、アクア団と接点があるのですか……残念です。ならば我がマグマ団の敵、ひいてはロケット団も敵ということです!」
ちっ。言わんこっちゃない、余計な手間が増えちまった。
グレアット「敵味方なんて些末な問題ですっ。あなたがたは、そのべにいろのたまを使って何をする気なんですかっ?」
ホムラ「ククク、これがあれば大地を生み出したポケモングラードンを目覚めさせることができるのですよ!」
6号「グラードンですって!」
グラードンは、確かホウエン地方に眠る古代のポケモンだったか。そんな大掛かりな計画を企てていたのか、こいつらは。
グレアット「罪なきポケモンを悪事に利用するなんて、言語道断ですっ!その邪悪な巨悪、払ってさしあげましょうっ!」
ホムラ「ウヒョヒョ!三頭火がひとり、このホムラに楯突くというなら容赦はしねえ!」
一変して、態度が豹変した。これが本当の姿ってことか!

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ホムラは ゴルバットを くりだした!

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グレアット「天にまします我らの父よ。
願わくは御名をあがめさせたまえ。
御国を来たらせたまえ。
みこころの天になるごとく、
地にもなさせたまえ。
我らの日用の糧を、
今日も与えたまえ。
我らに罪を犯すものを我らが赦すごとく、
我らの罪をも赦したまえ。
我らを試みにあわせず、
悪より救いいだしたまえ。
国と力と栄えとは、
限りなく汝のものなればなりっ
Amen.」

グレアットの じんつうりき!
こうかは ばつぐんだ!
あいての ゴルバットの きゅうけつ!
こうかは いまひとつのようだ
グレアットの たいりょくを すいとった
6号「そんな攻撃、効きませんよ!」
ほのお/ひこうタイプのグレアットに対しては1/4まで軽減される技だ。
しかし、なぜ幹部ともあろうトレーナーがわざわざそんな選択を?
ホムラ「ウヒョヒョ!」
グレアット「かっ、はっ……力が抜けてっ……」
明らかにグレアットの様子がおかしい、顔色が真っ青だ。
顔色だけではない、全身ががくついてバランスを保つのもやっと。

ホムラ「こいつのキバは一度に300CCもの血を吸いとる!だが俺のゴルバットは違う、サキュバスとのハーフでな!同時に生命力も奪うのさ!」
ゆん「まあ」
ゆんちゃん、どこに反応したか言ってみ?感心の度合いが違うように見えたんだけど。
んなこと言ってる場合じゃない。せっかくあと一度のじんつうりきで仕留められそうだというのに、技を放つ精神力が残されていそうではなかった。
グレアット「く、うぅ……っ」
力なく翼を羽ばたいたかと思うと、どさりと倒れこんでしまった。
アリス・6号「グレア!」
急いで肩を担いで揺り起こすが、ぐったりと目を閉じてしまっている。
ボクは唇を噛みしめると、彼女をモンスターボールへ返す。
ホムラ「俺たちには偉大なる目的があるんだ。ファイヤーなんかと遊んでる暇はねぇ」
6号「ほざけ!」
憎しみを瞳に宿し、6号がフィールドへと歩み出る。
本当ならおくりびやまでドンパチやらかしたくないが止むを得ない。罰当たりと言われようが、仲間を助けるのに遠慮なんていらない。

6号「詠唱キャンセル!エクスプロージョン!!!」
巨大な魔法陣から爆裂魔法を高速でぶっぱなす6号。
彼女のエネルギーすべてを注力した特大の炎舞がゴルバットを襲う。
ホムラ「祭壇を壊されちゃ困りますねえ」
ゴルバットの みきり!
あいての ゴルバットは みきりのたいせいにはいった!
結果として、6号の爆裂魔法は不発に終わり足元の草原を焦がす程度に抑えられてしまい彼女は無念のまま倒れた。
……この男、できる!
こうなりゃメグに頼むしかない、メグを呼んで……。
きょろきょろとあたりを見渡すが姿が見当たらない。
アリス「どこいったあいつ?」

モンスメグ「はぁい並んでー☆」
ま た サ イ ン 会 か
こっちはこんなに大変だというのに、マイペース過ぎて呆れてきたよ。
アクア団といいマグマ団といい娯楽を知らないんだろうか、どうして悪の組織ばかりがトリコロールになっちゃうのかね。
ボクは指笛を吹いて、メグを連れ戻す。
モンスメグ「もー、メグちゃんラブアンドピースに励んでたのに★」
アリス「グレアットと6号がやられたんだよ、お前がどうにかしてくれ」
モンスメグ「んー?……ふーん」
ゴルバットの蠱惑的なウィンクを見つめ返すメグ。
バチバチと、こちらにも伝わるくらい放電していた。
モンスメグ「きっしょ」
個人的な嫌悪を言い終わるや否や、レールガンをゴルバットへと放とうとするも、その刹那のタイミングでホムラはモンスターボールに収納させた。恐ろしいテクニックだ、ボクじゃなきゃ見逃しちゃうね。

ホムラ「くっ、俺たちの目的は果たした。これ以上遊んでる時間はねぇ」
上空からヘリコプターが降りてきて梯子に乗って帰還するマグマ団たち。
あまり神聖な場所で戦いたくはない、それにグレアットたちが気がかりだ。ボクは敢えて泳がせておくことにした。
次に会ったときは、潰す。

ゆん「応急手当は済ませましたわ。ミナモシティへ急ぎましょう」
モンスメグ「コンテストにレッツゴー☆彡」
アリス「ああ……マグマ団、か」
グラードンも伝説のポケモンの一匹だ。この任務は簡単に済みそうじゃないな。
ボクは新たなる決意を抱いて、おくりびやまを後にした。

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~~~♪~~~

チャーミングな翼を引き下げて登場
無敵で素敵な衝撃 刺激的な少女
誰もが自然と回りだす神様だって踊りだす
揺れる会場燃える会場ほら案の定
Peace Enjoy!

僕ら時々日々の隙間に彷徨うことだってあるだろう
そんなときパッと目の前そっと照らしてくれるある光
つまらないネタばっかり寄付してちゃつまらない
そんなにハマって抜け出せなかった昨日までの僕ら

爪なんてなくてもいいのさ
空なんか飛べなくていいのさ
僕らこのパーティがあればそう何にでもなれるのさ!

Come On!

Magic 君の紡ぐ魔法は
Burning 僕を熱くする
Playing それはちっぽけなんだ
だけども世界に花を咲かすさ

Ride On 闇を駆け抜けてく
Supreme 愛と空すべて
受け取るすべてがまるでメッセージ
照らしていてよ最後まで

握った手のひらから伝わるのさ君が好き

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