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《Ride On The City》 五人娘編 Part5

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ー経験値が加算されますー

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イワヤマトンネル

モンスメグ「この洞窟抜けたらどこに出るのー?」
カルマ「シオンっていう……幽霊が出る町だよ」
グレアット「幽霊っ!?」
カルマ「そう……夜な夜な救われなかった悲しき魂たちが怨念と化して町中に……」
グレアット「ぴええっ!!」
アリス「怖がらせるなカルマ。幽霊って言ってもポケモンタワーに出てくるゴースとかカラカラは人一倍警戒心が強いから、そういう姿に擬態してるだけだよ。財団特製のスコープがあれば正体を見破れるさ」
グレアット「なんだ、ポケモンでしたかっ……(ホッと胸をなでおろして)」
モンスメグ「グレアたんってばこわがりー?」
グレアット「ちちち違いますよっ!そんな慰霊なんて信仰心で浄化できますしっ!」
カルマ「グレアット、右の翼に鬼火が……」
グレアット「きゃあああっ!?」
アリス「大声出したら洞窟中に響くからやめてくれ」
6号「ねえねえ、アリスさん!手頃な場所ですし爆裂魔法撃ってもいいですか?」
アリス「ボク達が生き埋めになってもいいならな」
6号「残念です」

グレアット「ここを抜けてシオンに着いたら何かあるんですかっ?」
アリス「いや。寝てるカビゴンもすり抜けられるから笛も要らないし特別することは無いかな」
グレアット「でしたらすぐにタマムシに向かいましょうよ、任務はスピーディにしませんとっ!ねっ?」
モンスメグ「グレアたん怖いだけでしょー」
6号「えー、ダメですよ。シオンには姓名判断士がいらっしゃると伺いました、私のこんな無機質な名前を是非ともかっこいいネームにしてもらいたいです」
カルマ「気にしてたのか……」
アリス「改名したいのか?」
6号「当たり前ですよ!ロックとちょこっと掛かってるくらいでこんな実験道具か囚人かなにかみたいな名前なんて嫌です!私だって女の子なんですよ?」
グレアット「6号ちゃん、味があって良いと思いますけどっ」
それは一切フォローになってないぞ。
うゅみ「ニックネームなんてぇ、所詮プログラムでしょぉ」

6号「んもぅ!何ですか皆さん!私はずっと真剣に考えているというのに!」
アリス「エリカ様がなんて言うか次第だな。許可下りないとしてあげられないし」
カルマ「あいつこの世界の神みたいなもんだもんな」

シオンタウン

グレアット「あ、あれ……意外と普通の町ですねっ」
モンスメグ「期待はずれだったねー」
グレアット「安心しましたっ」
カルマ「あの慰霊塔、3年経ったらラジオ塔に改築されるけどね」
アリス「時渡りするな。実際やることもないし地下通路からタマムシに行ってもいいんだけど」
6号「いけません!姓名判断士に素敵な名前を付けてもらうんです!」

町の子供「ねー、お姉ちゃん」
アリス「ん?どうしたの」
町の子供「ゆうれいって いるとおもう?」
グレアット「そっ!そそそそんな訳ないじゃないですかぁっ」
モンスメグ「いたらいたで面白そうだけどねー」

町の子供「そう……ふーん。貴女達の後ろに白い手が置かれているなんて
あたしの 見間違いかなあ?」

グレアット「え、え、えっウソですよねウソですよねぇっ!ねぇっ!?」
6号「揺らひゃないでくだしゃい目が回りますぅぅ……」
グレアット「もう限界ですっ!私は先に行ってますからっ!」
アリス「あ、待てってば!」

 

タマムシシティ

 

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6号「こ、ここがエリカ様の本拠地タマムシですか!イメージとすっごいかけ離れた……というか本当にカントー地方の都市なんですかここ!?」
アリス「あれ、見たことないのか」
グレアット「眠らされて気がついたら施設みたいな場所で目覚めるので、街を見たことないんですっ」
アリス「なるほど」
うゅみ「あたしはイヤってくらい見てきたからぁ、この街がどんどん変わってく様子眺めてたけどねぇ」
カルマ「なぜかここだけは時渡り出来ないんよ……」
モンスメグ「ひっろーい!あはは~♪」
アリス「走るな走るな、誰かにぶつかったりでもしたら」
ドンッ☆
黒ずくめの男「おい嬢ちゃん!気をつけろ。下手したら因縁つけられるからよ、オレみたいにな!(するどいめ)」
モンスメグ「ごめんなさーい!」
アリス「ほれ言わんこっちゃない。おい下っ端、このバッヂが目に入らねえか?」
黒ずくめの男「それは泣く子も黙るなかよしバッヂ!すんませんしたぁ!」
6号「わー……ガラ悪ぅいですねー」
アリス「この街は全員エリカ様の息がかかってるからな。ボクも一番動きやすいんだよ」
カルマ「世界最悪の無法地帯じゃんか……」
モンスメグ「てんきゅーありすちゃーん。じゃあジムに行こーよ♪」

タマムシジム

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グレアット「なんかいかがわしいんですけどっ?!///」
アリス「これはサカキ様のご意向だよ」
カルマ「ぼく、ジョウト地方に時渡りしたの間違いだったかな」
モンスメグ「はぁわわー」
6号「ポケモンリーグはどうして公認してるんですかこんなグラデーション!」
アリス「正しくはロケット財団認定組織ポケモンリーグだ」
グレアット「もう完全に牛耳ってるじゃないですかっ!」
6号「頭痛くなってきました」
ジムトレーナー「あらぁ、アリスちゃんいらっしゃあい♡」
アリス「エリカ様居る?」
ジムトレーナー「お嬢様は今お引き取り中よ、なんでもシルフのチーフと対談があるとかで」
アリス「実在したのかチーフ……おっけ、戻ってきたら連絡くれるようお願いしていいかな」
ジムトレーナー「はぁい。ところでアリスちゃんもこっちで働かないかしらぁ?のんびりできるし、羽振りいいわよぉ」
アリス「遠慮しとくよ、また今度遊びに行くから」
ジムトレーナー「ちっ、丸め込もうと思ったのにぃ。またね~」
6号「いま舌打ちしませんでしたかあのお姉さん」
グレアット「大人の事情に触れちゃダメですよ、6号ちゃんっ」
モンスメグ「ひまだよー。何かして遊ぼーよー」
アリス「あー。だったら先にやることやっとくか」

タマムシマンション

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グレアット「ここマンションなんですかっ!?秘密結社なんて看板立ってるんですけどっ!」
アリス「あぁ、このマンションはロケット財団の団員寮だからな。数百世帯住んでるタワマンだ、てっぺんからの見晴らしは最高だぞ。天気がいい日はふたごじままで見える」
6号「悪の秘密結社!かっこいいです……うっとり」

カルマ「もう突っ込まないからね」
アリス「管理人に用があるんだよ。おばあちゃーん」
寮母「ほっほっ、アリスではないかね。お前さんのためにスイートルームひと部屋空けてるからね、いつでもおいで」
アリス「正式に入団したらお願いします。それより、おばあちゃん」

 


《のどがかわいた》

 


寮母「━━━はい、お茶」
コトン
アリス「ありがとう」
カルマ「ただお茶もらうだけなのになんだこの緊迫感」
モンスメグ「おいしそー、いただきまー」
アリス「飲むな。これはボク達が飲むためのものじゃない」
グレアット「で、でも先ほどのどがかわいたとっ」
アリス「これは暗黙のルールなんだよ、暗号化されたやり取りだ、まあ意味は後で分かるからとりあえず仕舞っておくぞ」
6号「理解者同士だけの取引……憧れます!」
アリス「時間つぶしにゲームでもやるか?良い場所あるよ」
モンスメグ「やるやるー!連れてってー♪」

タマムシゲームコーナー

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グレアット「カジノ……っ!本当のカジノなんですけど……っ!?」
アリス「当ロケットゲームコーナーは誰でもウェルカム。揃わないゲームはございません」
6号「欲望と陰謀渦巻く、地獄……蠱毒の沼ですね!」
カルマ「コイン50枚ぽっちで1000円ってアコギ過ぎじゃんか」
店長「おや、これはアリス様。ようこそいらっしゃいました、本日は心ゆくまでお楽しみください」
アリス「あー、ボクはマニュアルに反するからやらないよ。代わりにこいつらに出してやってくれない?」
店長「これは何とも可愛らしいお客様。承りました、ささっどうぞ。名物は神経衰弱となっておりますよ」
カルマ「それってジョウトで没になったミニゲームぅ」
モンスメグ「勝ってくるねー!」
アリス「おー、思う存分遊んで負けて来い」
6号「勝ったら景品はどこで交換できるんですか」
店長「すぐお隣の古物商が取り扱う景品所になっております」
グレアット「えっ(それ三店方式なのではっ)」

 

タマムシの街中

うゅみ「相変わらずにぎやかだねぇ。眠気覚めちゃーぅ」
アリス「あいつらと一緒じゃなくて良かったんですか」
うゅみ「二人だと敬語なのなぁ、まぁいいけどぉ。あんなとこに居てたらうるさくて耳きぃんなるからねぇ」
アリス「ボクからすれば、あなたという存在がこの生業を始めるきっかけですからね。ある種の敬意ですよ」
うゅみ「ふぅん。あ、あたしが釣り上げられたデパート。すっかり大きくなったねぇ」
アリス「もう世界観意味不明ですよ、エリカ様だって元はただの香水商だったのに」
うゅみ「そうなんだぁ、意外。表向きはジムリーダーって肩書らしいけどぉ、あたしからしたら闇のバイブルだからぁ」
アリス「実家が生け花と香水をやってて、その後大学教授を経てジムリーダーまで上り詰めたんですよ。それも全部兼任しながら」
うゅみ「その時点でヒトじゃないねぇ」
アリス「それである日、当時はマフィアに過ぎなかったサカキ様にこの経済発展した土地とその才能に目を付けられたのが転換期ですね」
うゅみ「サカキからすると喉から手が出るほど欲しかったんだろねぇ」
アリス「格好の金儲けの材料ですものね。きっと脅されたんでしょう、街の治安を守るためにまだ無力だったエリカ様は条件を飲んでロケット団管轄に降ったわけです」
うゅみ「ある意味警察が守るよりもマフィアの方が安全かもねぇ」
アリス「金儲けのために色々貴重なものや珍しいものを間近で見てきたんでしょう。まだ現役だったフジさんの研究とか手伝ってたのかもしれません、エリカ様の心になにか芽生えたんだと思います」
うゅみ「人を変えちゃったってことぉ?環境の変化ってこわいねぇ」
アリス「香水は科学の技術結晶ですし、植物はこの世界に欠かせない存在です。元々知識があった上に大学教授をしていたわけですからその手の事をマスターするのに時間は掛からなかったんでしょう、何かあればジムリーダーという特権も使えますし。あまりにも全てが噛み合ってたんです」
うゅみ「それで力をつけたエリカは、ロケット団の実質No2になったのねぇ」
アリス「そしてロケット団内部にロケット財団と称し財産に繋がる貴重な代物の保護という名目のもと、力と権利の全てを手にして今に至るわけです。一般の人たちはロケット団のそんな実情は知りませんから未だにマフィアと思ってますけど却って都合が良いんでしょうね、怪しまれずに動けますし独自の勲章も作ってますし。」
うゅみ「へぇ。で、アンタはアンタでそのバッヂが財団の目に留まってサポーターになってるってことねぇ」
アリス「まあそういうことです。入団したら面倒なんでエリカ様特例で幹部と同じクラスの権限を持つ関係者ということにしてもらってますけど」
うゅみ「それもう実質財団職員じゃぁ……んまぁいいやぁ」

アリス「よし、じゃああいつらを迎えに行くか」
モンスメグ「うえええぇんありすちゃーんっ!」
アリス「おー、メグ。負けたか?」
モンスメグ「どうしようコインケースに入りきらないよー!」
アリス「は?」
6号「大穴当てちゃったんですよ。オッズ数十倍のです」
アリス「マジかよ。誰がそんなこと」
グレアット「わ、私ですっ……」
アリス「え。意外」
カルマ「人々からの信仰パワーが残ってたみたいでね……そいつで多分来賓へのヤラセ用のとこをぶち抜いちまって」
6号「そのおかげで、私達白い目で見られまして店長からはコインあげるからもう来ないでくださいと釘を刺されて痛ましい気持ちで帰ってきたのです」
アリス「えー……後で謝っとかなきゃ。さすがにこの街で評判落とすわけにゃいかないし」
グレアット「ごーめーんーなーさーいーっ」
アリス「抱きつくな熱いんだよ!あーもう、分かったからとりあえずエリカ様のとこ行くぞ、それからどうにかしとくから」
グレアット「私がんばりますからーっ!燃やし尽くしますからーっ!」
アリス「んなことしたらエリカ様に植物代請求されるわ!いいからいつも通りで!」

 

かくして、いつにも増してやる気のグレアットとどうも様子のおかしいうゅみを交互に見ながらタマムシジムへと向かうのでした。

 

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次回に続く

 

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