ー目覚めなさい。目覚めなさい、アリスー
アリス「ほえ、、、?」
ー冒険を始めなさいー
アリス「なんでですか?」
ーわたくしの気まぐれに付き合うだけでよろしいですわ。
安心してください。ジムリーダーに1勝するごとにLVを5ずつ進呈します。
LV10から始めさせていただいて、LV50を最終育成としますー
アリス「な、なるほど……?突拍子無いですね……ところで手持ちは」
ーわたくしが選抜致しますー
アリス「うえぇ、不安しかない……」
ー伝説のポケモンをお送りいたしますー
アリス「えっ!今なんて」
ーわたくしから伝説のポケモンを5匹送りますー
アリス「伝ポケを5匹も!なんだ楽勝じゃないですか~」
ーですが、その代わりに一切のわざマシンはお使いなさらぬようお願いしますねー
アリス「それくらいでしたら」
ー特別な子達でして、こちらの財団で保護しているのですがどうにも癖がありまして。わざマシンはおろか自力で習得できる技も拒否するんです。
技にこわだりを持ってるといいますかー
アリス「そうなんですね……?」
ーあなたならきっと扱いこなせるでしょう。どのような試合をしてくださるのかとても楽しみです、期待していますよー
アリス「それってつまりどういう」
ー偉大なるレジェンズ計画の礎になるのです!ー
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かくして、アリスの冒険は始まった。
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ミッション
【財団の指定した伝説ポケモンと殿堂入り】
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アリス「ほんと急なんだからいつもいつも。
とりあえずこいつらの情報でも見るか、そーいや全員ヒトの姿をしてるんだっけ」
アリス「おー、層々たる面々。これなら全然いけそうね。ちょっと話でもするか」
グレアット「な、なんですかっあなたは!(キッ)」
アリス「そう睨まないで、なるほど名前がまんま睨むの直訳《glare at》とかかってるのか……アリスだよ。今日からお前のトレーナーになるんだ、よろしく」
グレアット「わ、私の主とな?ほう、良い目をしてますね。私のこの眼光に狂いはなさそうですっ!」
アリス「とりあえず技のチェックだけさせてくれない?自分の技にこだわりがあるんだろ」
グレアット「いかにも。他の誰にも譲りませんっ!」
アリス「ええと……」
アリス「…………」
グレアット「ぬかりはありません、私には最強の神の翼と炎の渦、そしてこの鋭き眼光こそがっ」
アリス「やる気あんの?」
グレアット「なっ!何を言うんです、ともしびやまの守護神に相応しい性能ではないですかっ!」
アリス「じゃあお前言うがな、威力140の技1発打つのに1ターン猶予与えてたらそれは実質威力70を2ターン打ってんのと変わんねーんだよ。なんなら相手を一発を仕留められる個体差ならまだオニドリルの特技だったドリルくちばしの方が良いわ」
グレアット「わ、私にあんな野鳥の技を使えって言うんですかっ!」
アリス「ゴドバはまだ許容範囲だからいい、なんだほのおのうずって。夏のベッドに蚊取り線香を焚いてる方が威力も実用性もあるわ。こんなんじゃキャタピーも倒せねーっつーの」
グレアット「こ、攻撃はそもそも得意ではないのです。私は山に奉られている神、下々に手は出しませんからね。威光溢れるこの瞳で一瞥すれば充分なのですっ」
アリス「あいての ぼうぎょりょくが さがった!で終わるのが関の山じゃねーか。それにへびにらみってもうそれ蛇神になってんだよ」
グレアット「だ、だって同じ神として負けてられませんし……それに身体全体を使って睨むのはとても気持ちいいんですもんっ」
アリス「はー……。まぁ、まだ戦闘で使えるからいいや」
グレアット「え、あ、ちょっ、まだ話はっ」
アリス「……もしかしてこれってまだ序の口なのか……?」
うゅみ「だっるぅ。なんか用?」
アリス「仮にもポケモンのご先祖なんですから威厳出してください」
うゅみ「やる気でないわぁ」
アリス「わーお。なんていうか、割り切られてますね」
うゅみ「やつあたりとわるあがきはせめてもの抵抗よぉ。まぁバッジ手に入ったら乗せてやんから、寝させてぇ……Zzz」
アリス「あ。おやすみなさい」
※うんめいてきなであい以外で入手したミュウは
バッジ8個あっても絶対に命令を聞かない仕様になっています。
アリス「モンスメグ、ねぇ。世界最古のロマン砲の名前が付けられてる時点ですっげーやな予感しかしないけど」
モンスメグ「はいはーい!メグちゃんだよー!わおーん♪」
アリス「お、テンション高い。メグちゃんとりあえず落ち着いて、早すぎて残像も見えないから。瞬天殺でも打つ気なの?」
モンスメグ「すんすん。キミがメグちゃんの主かー、果たしてこの動きについてこれるかなー?」
アリス「速さ自慢の技構成、なのか?だとしたら先制が多いに越したことはないし、アテになるかもな……ちょっと技見せてね」
アリス「」
モンスメグ「およ、言葉の速さを失っちゃったかーい?」
アリス「メグちゃんよ」
モンスメグ「メグメグだよー」
アリス「いくら速くても当たらければどうということはないって知ってるかな」
モンスメグ「はわっ!伝説のポケモンちゃん相手に失礼だよー!当たるも八卦当たらぬも八卦ってね!」
アリス「ははは、伝説でも占いするんだなぁ。かわいいね~」
モンスメグ「あはー、かわいくてきゅうくらりんなメグちゃんだからねー」
アリス「戻れ。音速で戻れ」
アリス「……気を取り直して次のやつ呼ぶか」
カルマ「…………」
アリス「…………」
カルマ「…………」
アリス「あの。こっち向いて」
カルマ「いや」
アリス「はい。それならそれで良いんだけど……なんか機嫌悪そうだね?」
カルマ「セレクトBB」
アリス「ぇ」
カルマ「ぼくの名前ってセレクトBBなんていう負の遺産が基になったんだってね。それで祠からエリカに付けられた名前が業を現すカルマだって……ぼく何もしてないのに」
アリス「(あー。それでこんな暗くて虚ろで目に映るものすべてを呪いそうな感じなんだ……なんかごめん)」
アリス「世界全てを敵だと思ってるぅぅうううう!」
カルマ「ふ、ふふ……ぼくからは何もしないさ。勝手に相手が自滅していく様を楽しんでいくだけだよ」
アリス「なんだろう……戦力になるししっかりとした戦術も組み立てられるんだけどこの気持ち……」
カルマ「ま、せいぜい利用するといいよ。(自分からボールにシュゥン)」
アリス「残るは1匹。6号だなんて、道具みたいな名前だな。出てこーい」
6号「クックック。我が名は6号、伝説のゴーレムの1体にして最強の魔法・爆裂魔法を操る者!あまりの強大さゆえ世界から疎まれ遺跡に封印されていたがこの禁断の力を汝も欲するなら我と共に究極の深淵を覗く覚悟をせよ。人が深淵を覗く時、深淵もま」
アリス「チェンジ」
6号「ちょちょ!ちょっと待ってくださいよっ!」
アリス「あ、ごめん。なんかさっきまでの4匹がインパクトありすぎて疲れたし、お前はインパクトがありふれたタイプだったからつい」
6号「ありふれていませんよ!確かに、レジロックという種族名なのとだからホウエン地方で最終進化系だけを図鑑順に並べたら6匹目ということで6号という名前を与えられましたけれど」
アリス「いやロックは岩だし、図鑑順だと7匹目だから関係ないけどな。」
6号「んなぁ!」
アリス「ゴーレムだから知能低いのかな。とりわけエリカ様のことだから、なんかの実験で6匹目だったから6号だとかおおかたそんなとこだろ。いいからさっさと技を見せろ」
6号「世界に一種類一匹しか存在しない相手に対してエラそうですね、もう!それにそんな易々と見せられるような代物じゃないですからね」
アリス「通信交換が当たり前のこの世界で一匹しかいないなんて概念通用しないし、お前が拒否しても別につよさをみるから見れるんだよこっちは」
6号「あーっ!これだからトレーナーはずるいです。こっちは相手が覚えている技なんて実際に見ないと分からないのに」
アリス「さっきの自己紹介からしてオチが読めるけど、まさかな」
アリス「6号。ちょっと話がある」
6号「おやおや、私の爆裂魔法への愛に共感してもらえましたか?そうでしょうそうでしょう、おっと先に言っておきますが私は爆裂魔法以外も習得できますけれど絶対に覚えませんからね、私は爆裂魔法だけをこよなく愛していますから。使った後は全身の魔力と気力が尽きてその場に倒れてしまいますけれど、それでもそれこそがロマンであり真の」
アリス「短い付き合いだったけどいい奴だったよ、6号。お前はエリカ様のもとに帰って爆発の実験に戻れ」
6号「いやですいやですいやです!だって毎日毎日タイプを持たない変な姿をした気持ち悪い生き物相手とか、実体を持たないゆうれいにも打てるのかとか、もう気が触れてどうにかなっちゃいそうなんですよ!やっとお外に出れたと思ったらこんなのばっかりで、封印されてた時の方が何も気にせず爆裂魔法を防空壕に打ててマシでしたもん!」
アリス「そうか、じゃあ今からさばくいせきに戻してやるから」
6号「勘弁してくださいぃー!あんな砂埃立つ場所で一人ぼっちは寂しいんですよぉ!それならあなたも一緒に来てくださいよぉぉぉ!」
アリス「分かった分かったから!首締まってんだよ!どうせエリカ様が許してくれないだろうから、殿堂入りまでのあいだ一緒にいてやるから!」
6号「本当ですか!本当の本当ですね!思う存分爆裂魔法をこの地方に轟かせていいんですね!やってやりますよー!」
アリス「はぁ……帰りたい」
~次回につづく~
キャラクター紹介
アリス
主人公。コガネで生まれた9歳のプログラマー少女だが、ひょんなことから目をつけられ、エリカ様のもとで従事することとなった。
厳密には財団のメンバーではなく、あくまでも協力者。
エリカ様
タマムシジムリーダー。というのは表の顔。
実態はロケット団直属の地下組織・ロケット財団の最高幹部。
あの手この手で商品をレビューしては売りさばく闇の商人かつ、
次元の太陽を用いて時空を超えた実験も行う。
ー財団のポケモンは全員、少女の姿をしているー
グレアット
伝説のポケモンの1匹・ファイヤー。
チャンピオンロード、ともしびやまの御神鳥だったが
睨みへの異常なまでの信頼と執着心、神の翼を持つプライドが災いして
信仰心が薄れてしまいロケット財団に保護されてしまった。
丁寧な口調と物腰柔らかな性格。
うゅみ
幻のポケモンの1匹・ミュウ。
全てのポケモンの母であり、神出鬼没なのだが
デパートでエリカに釣られて保護されてしまう。
そのおかげで自堕落になり、だらけている。
元々面倒見は良く、今でも生き物を子のように可愛がっている。
モンスメグ
伝説のポケモンの1匹・ライコウ。
逃げ足は神速だが、ロマンに憧れるがあまり好奇心で
自然とコガネのラジオ塔に出向き、成り行きで保護された。
ロマンのためなら己を高めることを厭わず、恐怖を知らない。
フレンドリィな性格で、仲間内のムードメーカー。
カルマ
幻のポケモンの1匹・セレビィ。
時渡りで自身に付けられた名の意味を知り祠に籠っていた。
苦しむ様子を見ることが好きなのは元からで、時渡り中に
サカキとロケット団に惹かれて自ら協力する形で保護。
ネクラで陰湿ながらも仲間のことは認めている模様。
6号
伝説のポケモンの1匹・レジロック。
マグマ団に封印を解除され、その経由で財団に保護された。
中二病の気質があり、自信に満ち溢れているが実は真面目。
自称・爆裂魔法こと、だいばくはつをこよなく愛している。
一人の時間が長かったためか寂しがりで仲間によく甘える。
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